パリタクシー

劇場公開日:

パリタクシー

解説

終活に向かうマダムを乗せたタクシー運転手が、彼女の人生をめぐるパリ横断の旅に巻き込まれていく姿を描いたヒューマンドラマ。

無愛想なタクシー運転手シャルルは、金も休みもなく免停寸前で、人生最大の危機に陥っていた。そんな折、彼は92歳の女性マドレーヌをパリの反対側まで送ることに。終活に向かうというマドレーヌは、シャルルに次々と寄り道を依頼する。彼女が人生を過ごしたパリの街には多くの秘密が隠されており、寄り道をするたびに、マドレーヌの意外な過去が明らかになる。そしてそのドライブは、いつしか2人の人生を大きく動かしていく。

「ミックマック」のダニー・ブーンがタクシー運転手シャルル、フランスの国民的シャンソン歌手リーヌ・ルノーがマドレーヌを演じた。監督・脚本は「戦場のアリア」のクリスチャン・カリオン。

2022年製作/91分/G/フランス
原題:Une belle course
配給:松竹
劇場公開日:2023年4月7日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第47回 日本アカデミー賞(2024年)

ノミネート

最優秀外国作品賞  
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(C)2022 - UNE HIRONDELLE PRODUCTIONS, PATHE FILMS, ARTÉMIS PRODUCTIONS, TF1 FILMS PRODUCTION

映画レビュー

4.0やがて怒りは消え、敬意と信頼がほとばしる

2023年4月29日
PCから投稿

このタクシー運転手は最初から苛立っている。それこそ世の中の全てに腹を立ててるんじゃないかと思えるほど目は釣り上がり、二言目には悪態が飛び出す始末。しかし一人の高齢のマダムとの出会いによって、彼の仏頂面が突き崩されるのだから出会いとは実に尊いものだ。こういう時、生まれも育ちも違う二人が徐々に心を引き寄せあう流れは容易に予想できるが、しかしマダムが打ち明ける「打ち明け話」には、かつて時代の風潮や性差の壁に屈することなく、母として、女性として日々を必死に戦い抜いた自負と誇りがほとばしり、聞く者を強く惹きつけてやまない。パリ市内の端から端まで。それはまるで記憶と場所を辿りゆくタイムマシンのよう。そして彼女の物語を受け留める相手としてこのタクシー運転手ほどふさわしい者はいない。いつしか怒りは消え失せ、心からの敬意の眼差しに変わる。シンプルな構造ながら、一人の男のかくも移りゆく姿にも胸打たれる一作だ。

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牛津厚信

4.0人との繋がりが希薄になりつつある今だからこそ

2023年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

車が交通違反スレスレで街を行き交うパリ。その最たるものは凱旋門の周辺で露わになる譲り合い精神のなさだ。そんなドライバーにとってはきつい街で長年タクシー運転手をしている主人公、シャルルが抱えるストレスがいかほどのものかは想像に難くない。さらに、薄給、無休、免停スレスレという三重苦にあえぐシャルルは、しかし、ある日「終活」に向かうという92歳のマダムを後部座席に乗せたことで、きついなりにももう一度人生と向き合ってみる気になる。偶然がもたらした出会いの物語は意外な方向へとハンドルを切っていくのだ。

最初は面倒だったマダムの"寄り道リクエスト"(←ここが肝心)に応える過程で明らかになる、女性にとっては生きづらい時代の痛々しい記憶が、シャルルの挫けた心を宥め、再生させていくプロセスが実に自然だ。上手い作劇と、演じる2人の俳優がともするとパターンに陥りがちな設定を味わい深いものにしている。主な舞台はタクシーの車内だが、車窓に映るのは人間が積み残してきた苦い歴史の断片たち。このスケール感が最大の魅力だ。

人との繋がりが希薄になりつつある今、是非、見て欲しいメイド・イン・フランスの名編である。

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清藤秀人

4.0街と思い出

2024年5月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

東横インのVODで『アイス・ロード』に続けて鑑賞。

タクシードライバーの男性にも老婦人にも、人生で嬉しいこと、辛いことが色々とあった。そういった思い出がパリの街と密接に結びついているのが、あの場所で〇〇をしたと語る2人から伝わってる。パリの街は2人にとっての人生そのものと言ってよい。思い出は、歳をとればとるほど重みを持つのが、老婦人の語りから感じられる。

街と思い出は密接に結びつくからこそ、彼女は旅に出ることを勧めている。あの時あの街にいてあんなことをしたと、後から振り返る時間をたくさん持てることが、人生を豊かにしてくれるだろう。そのように思える深みのある映画だった。

老婦人による真心のこもった手紙は泣けた。

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根岸 圭一

2.0尊大。

2024年2月17日
iPhoneアプリから投稿

非支持。
二人の尊大に引く。
身綺麗な老婦人でも駄目。
老健施設入所時刻遅参で所員に残業を課す尊大、
物語の為に施設は杓子定規な悪所と解するなど。
往年の女性運動の旗手だった故の?傲慢な時代錯誤は見過ごせぬ。
米国の男が好きだからリベラルな正義か?
三宅隆太氏推薦作だが。

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きねまっきい
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