ちひろさんのレビュー・感想・評価
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属性から解放される時
聖なる娼婦というモチーフは現代においては批判にさらされやすい。本作もややそういう傾向のものとして受け止められている面があるようだが、実際、風俗業に携わる人も、そんなに特別な人たちではない。見下すのも神聖視するのも、どちらも普通から除外するという点で差別的である。
しかし、風俗のような職業が、人間の様々な面を観る機会が多いというのも事実で、そういう意味では人生経験が豊富になるし、観察眼も冴える。この映画の主人公、ちひろさんのもとには生きづらさを抱えた人たちが老若男女問わず慕ってくるが、それはどちらかというと彼女の経験の豊かさゆえだろう。過剰に神聖視は必要ないが、彼女の経験値を否定する必要もまたない。
人は人間関係を築く時、しばしば「属性」に頼ってしまう。ちひろさんは誰にも属性を尋ねない、今目の前にいるその人とそのまま接するのだ。その属性からの自由になる感じに、人は惹かれていくのではないか。親の前では子どもでいなくてはいけないし、学校では生徒でなくてはいけないし、職場では労働者という属性として振る舞らねばならない、しかし、ちひろさんの前では、何者でなくても構わない。属性に疲れた人にはそれが心地いいのだ。この映画を見ている間は、観客も何か属性から解放されたような気分になれるはずだ。
自然体な有村架純と脇を固めるキャストが豪華すぎてリアリティが物足りない
いよいよ映画で今泉力哉監督と有村架純さんがタッグを組むとあり、ハードルを上げまくっていた今作。様々な意見が聞こえているのもあってか、確かにそう…と写る点も多々。これがネット配信の難しさでもあるだろうけど。
リアリティがない、といった意見も多いが、個人的には映画自体が八方美人になりすぎていると思った。配置の周到さと妙な豪華さが若干裏目に出ている感じ。ちひろさんの正確に対しての悩みや痛みがクッキリとしているので、まあそうだよね…とも思ってしまう。初めから受け皿がある感じ。掴めない感覚はまだ良かったと思う。
また、今泉力哉監督といえば(それで縛っているのはまた違うと思うが)長回し。瞬間的に封じられる演者の空気があるのが魅力だと思うが、今回はそれが少なめ。それもリアリティの欠如の1つだったのかもしれない。それでも日々は続くし、過去を知る必要もないからこそ、せめて今にある心地良さも観たかったのかもと思う。
主演は有村架純さん。どこまでも自然体に生きる感じがもう凄すぎる。風俗嬢と名乗るには不自然なキャスティングだが、説得力はある。あと個人的には、豊嶋花さんと長澤樹さんの共演が熱かった。
豪華なキャスティングが必ずしも作品に良い効果をもたらす訳ではないと思ったり。映画館でどっぷり観るべきだったかな。
ずーっと気になっていた作品
見たかったけど、何故か見る事もなかったのですが、Netflixがやたらと薦めてくるので鑑賞しました。
結果・・・・・・・・・。
良かったです。
なんか、すごーく良かったです。
有村架純さんも役に合ってたと思うし。
ただ、何処かに居そうな女性って気がするけど、きっと何処にも居ない女性なんだろうな。
って気もする。
本人は肯定も否定もしないだろうが、私から見たら凄く寂しい人に見える。
理解出来ないタイプなんだろうなぁ。
ちひろさーん‼️
元風俗嬢でありながら、弁当屋で明るく働くちひろさん‼️どんな人とも分け隔てなく接するちひろさんの明るい人柄が、シングルマザーの母をひとり寂しく待つ小学生マコト、家庭に息苦しさを感じている女子高生・久仁子、家に居場所がない女子高生・千夏らの日常に光を与えていく‼️しかし、ちひろにも幼少時の苦い経験があった・・・。こんなふうに書いていると素晴らしい名作のようなんですが、実はちひろを含め、ひとりひとりの登場人物のキャラや背景が掘り下げ不足で、イマイチ胸に響いてこない‼️久仁子の家庭はなぜ息苦しいのか⁉️多分、父親の圧に母や弟も息苦しさを感じていると思われるが、暴君なのか? DV親父なのか?この父親の性格もハッキリせず、結局何も問題解決していないように思う‼️マコトの母も、仕事のストレスや、息子の寂しさを痛感させられるような描写がないので中途半端な印象‼️千夏に関しては、家庭の問題が全く触れられてないので、イマイチキャラがつかめない‼️ちひろさんの過去も両親や弟との間に何があったのか、触れられていないのでイマイチ共感できない‼️リリー・フランキーや風吹ジュンさんのキャラも詰めが甘い‼️ただちひろさんを始めとするキャラそのものは魅力的なので、彼女たちの笑顔ややりとりを観ていると、自然と観ている側も笑顔になる‼️そんな映画かな⁉️
癒し系でありながら、どこかぶっ飛んだ性格のちひろさん、よかった。 ...
癒し系でありながら、どこかぶっ飛んだ性格のちひろさん、よかった。
ホームレスのおじさんの死体を勝手に埋葬したらいかんでしょう。
まずは警察に連絡しないと。
あと、「おかじ」はなんで「おかじ」と呼ばれていたのか知りたかった。
また、最後に弁当屋を辞めてしまったのは残念。
せっかく皆に受け入れてもらっていたのに。
自由気ままな生き方
自由気ままに生きているちひろさん。
彼女に関わった人は彼女のことを気にしていくことになっていくという内容だった。
作中で同じ人なのに違う星の人という言葉があり、そう考えると人間関係が楽になっていくんだろうなと思いました。
悪くはない。最後まで。 キャラクター、物語、雰囲気、どれも平均的に...
悪くはない。最後まで。
キャラクター、物語、雰囲気、どれも平均的に良いんだが私にはそれ程でもなかった。
読んでないが同名コミックの実写映画化らしい。ちなみに『地球へ』(『テラへ』と読む)もコミックは読んで無いが長編アニメ映画は好きだった。
やっぱり人間って弱いんだな
一言でいうと、この映画は「ものすごくあったかい映画」です。誰とでも分け隔てなく接する主人公のちひろさんが、いろんな人の心を様々な形で癒していく中で、見ているこちら側も自然とその影響を受けている感覚になりました。人間誰しも悩んだり悔んだりすることがありますが、人の心は簡単に崩れてしまう。そんなときはやっぱり誰かの支えが絶対に必要です。人間は一人で生きていけるほど強い生き物ではありません。
それにしても、終始作品を取り巻くちひろさんの癒しオーラは何なのでしょうか。相手によって態度を変えることは一切せず、ちひろさんの手にかかればどんな人でも心が和らいでしまいます。どんなに優秀なマッサージ師でも取り除くことのできない心のコリを、ちひろさんなら見事にほぐしてしまうという、本当の意味での理想の人間のような印象でした。現実がちひろさんのような人ばかりなら、喧嘩や戦争なんて起こらないでしょうか。それ以前に、まず誰とでも分け隔てなく接することって恐らく想像以上に難しいでしょうね。誰にでも気に入らない人はいるだろうから、どうしても嫌な人を相手にすると顔に出たりしてしまいがちですが、どんな人でも一人の人間として受け入れることってすごく大事だってちひろさんから教えてもらった気がします。そして、自分の人生観がちひろさんに良い方向に変えられたような感じです。
これだけあったかい映画が他にあるでしょうか。人間って自分たちが思っている以上に弱いので、自分にとっての「ちひろさん」を見つけて癒してもらうのが良いのかもしれませんね。
恋愛に酔えない女
2024
15本目
自分にはこの手の映画は深夜にゆっくり観るに限る。
その方がどっぷり浸かれる。
有村架純の演技に酔えます。
もはや“ちひろさん”という人です。
これだけでも観る価値あり
さて内容ですが、
元風俗嬢をまったく隠す事なく、”人として”生き抜く彼女。男と女、大人と子供、親子、あらゆる属性を気にしない生き方はある意味、羨ましく一方で理解されない生き方で、それゆえに一つ場所に留まれない。
そんな彼女の葛藤も無表情ながら見えてきます。
内容としても彼女を取り巻く人々が少しづつ成長します。でも彼女はそれを狙ってるわけではなく、周りが勝手に感化されていく。恐らく、誰1人”ちひろさん”を分かる事はなかったのでないだろうか。
ちひろさんの目に引き込まる。
そんな映画。
目玉焼きの乗った焼きそば食べたい
ちひろさんが持つ空気感に憧れる。職業年齢性別問わず人を惹きつける魅力がある人だな。。引きこもってしまう所やふと居なくなってしまう儚さも、殺しても死ななそうだね〜と人から言われる私にとっては羨ましいかぎりです。
もう少し予想を超えて欲しかったな
最近観てとっても良かった『アンダーカレント』の監督作品ということで、以前から知ってはいたけど観てなかった『ちひろさん』を第一回丸の内映画祭で上映するというからせっかくならば……と丸ビル7Fホールにて鑑賞。
ちひろさん自身もいいキャラしてるし、温かいのにどこか冷たい風が吹く感じもいいし、この話がどんなふうに展開していくのかきになるし、気付けば引き込まれてた。だからなおさら最後が予想通りの展開に終わってしまったことが残念だなー。
お弁当屋さん夫妻みたいな関係に憧れる💕
ぶつ切りのようなシナリオ
いろいろな登場人物が出てくるけど、そこまで掘り下げられず投げっぱなし感がある
ながら見する分には丁度いいけど、しっかり見ていたら意識がいろんなところに散って楽しめなかったかもしれない
この映画の主人公に会いたいので、また観たいです。 映画の脚本とか内...
この映画の主人公に会いたいので、また観たいです。
映画の脚本とか内容より、登場人物に惹かれました。
飾らない素朴で自然な感じが魅力の主人公でした。
のこのこ弁当食べたい
孤独も必要な時もある、
それでも1人では生きていけない。
誰かに出会い、その出会いが自分をまた作っていく。
そうやって今の自分がある。
親子でも他人でも、分かり合えない人もいる。
他人でも分かり合える人もいる。
人間って、誰かにふと寄り添ってもらえることも必要。
めんどくさいけど、人間って面白い生き物かも。
孤独を愛する
完成披露試写会にて鑑賞🎞️
今泉力哉監督の新境地を見ることができた、衝撃の作品でした。
そして、今泉監督が今この時代に伝えたかったメッセージが、存分に詰まった作品だと感じました。
まず、キャストの方々について。
マコト役の嶋田鉄太くん。
こんなにも自然に「クソガキ」を演じることができる子役さんがいたのか、と感心してしまいました。舞台挨拶で「彼は良い意味で自由で、それが劇中にも良さとして出ている。」と皆さん仰っていた理由がよくわかりました。
幼いながら愛すべきキャラクターとして、ストーリーの大きな役割を担っていました。
そして、バジル役のvanさん。
"女" の強かさも、弱さも、不器用さも、妖艶さも、演技初挑戦とは到底思えないほど、本当に上手く表現されておりました。
原作のバジル姐さんが、そのまま現実世界に飛び出してきたような錯覚を覚えました。
そのほか、超実力派キャストの皆様が、純粋な世界とは距離を置く登場人物たちの人間模様を、非常に繊細に表現されておりました。
劇中ではひとつひとつの台詞が、愛を持って丁寧に産み出されたことが伝わってきて、『愛がなんだ』鑑賞後の心が満たされた感覚とよく似ていると感じました。
鑑賞後、遅ればせながら今作の共同脚本が澤井香織さんであると知り、私の中で勝手に納得してしまいました。
私がいくら文字を書いても表現しきれない、孤独を愛する"ちひろさん"のふしぎな魅力。きっと誰もが虜になってしまうのだと思います。
これを読んでくださっている皆さまにも、"ちひろさん"という女性を、是非劇場で体感していただきたいです。
同じ女性として、本作に出会えて本当に良かった。公開後、劇場ないしはNetflixで、もう一度この世界に浸ろうと思います。
穏やかな気持ちになれる作品
特に派手なことは起きない静かな物語ですが、ちひろさんの言動の所どころに響くものがあり、優しさというか、ほのぼのというか、観ていてとても穏やかな気持ちになれる作品です。私も異星人に対してちひろさんのように接することが出来たらなと思いました。あと、失礼ですが今まで有村架純さんの演技を上手いと思ったことはあまり無かったのですが、この作品ではとても自然に演じられていて上手いと思いました。また、周りの方々も皆さん上手で、特に女子高生と子役の子がとても良かったです。
人どうしの関係で、刺さるセリフがところどころに。 "みんなで食べて...
人どうしの関係で、刺さるセリフがところどころに。
"みんなで食べても美味しくないものもある"
"一人で食べたって美味しいものは美味しいよ"
とか。
食事の描写がすごく美味しそうで。
お弁当、餃子、焼きそば、お団子… 無性に食欲もわきました。
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