劇場公開日 2023年7月7日

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遠いところのレビュー・感想・評価

全38件中、1~20件目を表示

3.5遠いこころ

2023年7月8日
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鑑賞方法:試写会

アオイ役で映画初主演という花瀬琴音の存在感と演技が素晴らしいことは最初に記しておきたい。東京出身ながら撮影前の1カ月間沖縄で生活したそうで、方言が違和感なく聞こえるし、性的なシーンや暴力がらみの場面など難しい演技が求められる要所でもリアルで切実だった。

京都府出身の工藤将亮監督は、沖縄の子どもの困窮した状況やDVなどを描いたルポルタージュ本を多数読み、独自に沖縄での取材を重ねて脚本を書いたという。映画は、2歳くらいの息子がいる17歳のアオイがキャバクラ勤めで生活費を稼ぐ一方、20代前半くらいの夫マサヤが仕事を勝手に辞めてヒモ状態になり、アオイに遊ぶ金をせびり暴力を振るうといったクズっぷりを見せていく。

アオイはその後絵に描いたような転落人生をたどっていくのだけれど、彼女の内面も周囲の人物らの思いもほとんど伝わってこない。アオイはなぜ十代半ばで結婚し子を産んだのか、働かないDV夫と別れようとはなぜ思わないのか、マサヤはなぜ働きたくないのか、祖母をはじめ周囲はなぜ離婚をすすめないのか、行政や民間の支援を求めることを本人も親族もなぜ考えないのか、アオイの友人・海音があの行動に出たのはなぜか等々、観客が当然抱くであろう心理や動機をめぐるいくつもの「なぜ」が描かれないまま、彼女たちはただただ追い詰められていく。

若年層が困窮する状況を提示する意義はもちろんあるだろう。だが悲惨な現状を客観的に見せるだけならルポルタージュやドキュメンタリーにもできる。劇映画のフォーマットを選んだからには、人物の心の内に分け入り、なぜそう行動するのか、なぜそんな生き方を選ぶしかないのかを、分かりやすく説明してとは言わないにせよ、せめて考えるためのヒントくらいは示唆できなかったか。演者たちが素晴らしかったからこそ、なおさらもどかしい。彼女ら、彼らの心は必ずそこあるはずなのに、悲しいほど遠く感じた。

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高森 郁哉

4.0沖縄の現実

2024年5月4日
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中卒で17歳で当たり前のようにキャバクラに勤め、2歳の子供を育てている。おまけにヒモみたいな旦那まで。この旦那がまたクソ男だ。
私たちにとって沖縄は青い海と白い砂浜,綺麗なホテル,楽しいリゾート地だ。強く明るい光によってできた、より濃く暗い影に焦点を当てた映画だった。
お金がなくても子供を可愛がり懸命に生きていた彼女が,自分ではどうしようもない現実にどんどん壊れてしまう。
行政や助けてくれる機関はあるだろう。でも,彼女のような生い立ちと環境ではそれを知る機会はなかったのだろう。次々に起きる出来事と懸命に戦っていた。
本当に困った時に最後に頼れるセーフティネットはもっと身近にあるべきだ。沖縄に限らず。
最後に彼女が子供を抱えてする選択は明るいものだと感じさせてくれたのが,嬉しかった。

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ニョロ

4.5「貧困」と言うトンネルに出口はあるのか?

2024年4月14日
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悲しい

怖い

難しい

様々な知識を得る前に、社会の何たるかを知る前に子供を産んでしまう。まだ未熟な若者が家庭を築くためには、「貧困」から抜け出すことが先決。だが、マイナス要因が多過ぎて前に進むことができない。
「遠いところ」ってタイトル…そう言うことか。
アオイのような子って、日本中にいるんだろうなぁ。

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ちゃ坊主

3.0ほぼ社会派韓国映画のそれ

2024年3月23日
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2023年劇場鑑賞45本目 良作 64点

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サスペンス西島

5.0可哀想な映画ではない

2024年3月21日
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鑑賞方法:その他

さすがは大島渚賞を受賞する作品、骨太です。
母性本能は1ミリも無い私ですが、生命力に圧倒されました。
静かなる問題提起が、深く心に刻まれます。

映画の神様に祝福されたとしか思えない、奇跡のようなシーンの数々。
記念上映会の併映に『少年』が選ばれたのにも納得。
上映後のトークショーでは「たまたま撮れた」とおっしゃっていましたが
順撮りで役者の心の動きに負担が無かったからこそ撮れたのだと思うし
その関係性を作り、環境を整えた、工藤将亮監督を始めとするスタッフ皆さんのチームワークも素晴らしいと感じました。
そして何より、実際に沖縄で取材を重ねていく上で築きあげた、現地の人たちとの信頼関係。
更にそれを映画に落とし込むにあたってのスタンスやジャッジに一本筋が通っていて痺れました。
ぜひ知ってもらいたいので少し紹介します。
役者の花瀬琴音さんがリアルで、沖縄の人にしか見えなくて素晴らしいのですが
当初はできれば役の当事者に近いアマチュアの人を起用したくて、沖縄でもオーディションをしていたそうです。
1000人以上と会って、役にピッタリの沖縄の人も見つかっていたけど、
若いアマチュアの人にこれを背負わせるわけにはいかないと思いなおして、プロの役者さんの花瀬さんに決めたそうです。
ドキュメンタリーでも感じることなのですが、映画が終わってもその人の人生は続くので、素晴らしいジャッジだと思いました。

次回作も追い続けたい。

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shiron

3.5鳥みたいに

2024年3月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

最悪の状況。
逃げられい現実。
鳥みたいに飛んで、どこでもいいから遠いところに逃げられたらいいのに。

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上みちる

4.0ずしりと心に残る

2023年11月27日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

沖縄のみならず何処にでもいる家族の物語だと思う、それも少なくない数。無知と貧困の連鎖、傍目には悲惨なんだけれど、懸命に家族の為に生きる決意と母性と愛情はあるアオイ。健気な彼女が追いつめられ堕ちていく姿が心に重たく、ずっと考えてしまう。海音もまたしかり。採取する大人達男達が悪いのだけれど二人共少しベクトルを変えれば生きていけそうなのに…それをしない、いや出来ないもどかしさ。どうしたら彼女達の心に入り込めるのだろう、どうしたら違う世界に導けるのだろう、そんなことを考えてしまう。沖縄の海の美しさが時に厳しく切なく迫ってくる。多くの若い人達に観てほしい。

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ピート

4.0でーじヤバい。

2023年11月20日
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鑑賞方法:映画館

でーじヤバい。笑いなし、救いなし。
行きつけの銭湯にチラシがあって、気にはなっていたので鑑賞してみた。

タイトルの「遠いところ」。劇中で「『遠いところ』に行きたい」という旨の台詞があったのもあるが。彼女たちの立っている、生活している足元が、我々スクリーンの前に座る観客の依って立つところからあまりに「遠いところ」だな、と感じずにはいられない。

人は、遺伝の影響を少なからず受けつつ、環境というスパイスも合わさって、個々の人間として成長していく。親から受け継いだものも環境も、ダメだこりゃ、というガチャガチャの産物。あの状況下でどうやって生を紡げというのか。

主人公・アオイほか、その仲間たちは今日も泥水を啜って生きていく。そして、それ以外に道はなく、明日も泥水を啜るほかないのだ。
履歴書の文字の汚さ(そして、中身のなさ)、時給をはじめ労働条件の劣悪さ。金はないのにタトゥーには金をかけている、しかも、そのタトゥーのセンスが酷い。身体を売って、パートナーには殴られ、役人達にはパターナリズムを以て扱われ。自尊心が立ち上がる余地なし。
彼女(たち)の手元には、一体何が残るというのか。

おそらく、この状況は変わらない。そして、無限に再生産されていくのが現実なのだろう。
それでいいと肯定する訳ではないが、私たちは自分の持ち場でそれぞれ頑張って、楽しく生活をしていく。ささやかな幸せを携えた者が、少しでも存在する世の中を維持するために。
彼岸にいる者の逃げ口上に過ぎないのだろうか。

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Nori

3.5社会的養護も親族共同体も及ばず

2023年10月19日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

 『誰も知らない』とは違って、通報があり、社会的養護の手が伸び、子どもだけを一旦保護することができながら、母親を孤立に追い詰めてしまったところに失敗の原因があると考えられる。母子共々の保護はできなかったのだろうか。『万引き家族』のような擬似家族ではなく、『沈没家族』のような共同保育の場もなく、沖縄特有の親族共同体でさえ救うことができなかった。『中洲の子ども』のように、親がだめでも、地域社会の見守りをしっかりしてもらえると、救いもあるのだが。
 アオイとマサヤの役柄の問題は、色々指摘したいところはあるけれど、ケンゴ役の子は、よく反応していた。ネガティブな傷を残さなければ良いのだが。

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てつ

4.5貧困と若年母子問題を知る

2023年9月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

萌える

沖縄のコザで夫と2歳の息子と暮らす17歳のアオイは、生活のため友達の海音と朝までキャバクラで働いていた。建築現場で働く夫のマサヤは仕事に不満を持ち会社を辞めてしまい、新たな仕事を探そうともせず、子守もせず、酒を飲んでブラブラしていた。家賃も払えないくらい生活が苦しくなっているのに、マサヤはアオイに金を出せと暴力を振るい、貯金を持ち家を出て行った。そんな中、キャバクラに警察のガサ入れが入ったことで未成年のアオイは店で働けなくなり、マサヤは帰ってこず、仕方なく義母の家で暮らし、昼間の仕事を探していた。そんな時、マサヤが暴力事件を起こして逮捕されたとの連絡がアオイに入った。弁護士から示談金を払えば和解できると言われ、そんなお金もなく、仕方なく売○を始めた。さてどうなる、という話。

工藤監督の舞台挨拶の回を観賞した。
アオイのモデルは実は16歳だと聞き、14歳で子供を産んだのかとさらにびっくりした。
沖縄の貧困は親から子供へと連鎖し、親も子育て出来ず、12〜13頃から違法と知りながらキャバクラで働いているとか、悲惨すぎる。そして売○まで・・・。
男も悪いが、働き口が無いと聞くとどうすれば良いのだろうと感情移入して涙が出た。
沖縄は観光で行ったことあるが、こんな路地裏で家賃3万5千円が払えない未成年が多くいるなんて知らなかった。
大きな企業が工場でも建てれば・・・なんて考えたが、膨大な土地をアメリカ軍に貸与しているという基地問題の現実に当たるのかもしれない。
先の見えない、沖縄の裏事情。なるべく多くの人に見てもらい、解決策を考えていきたいと思う。何が出来るかはわからないが。
アオイ役の花瀬琴音が方言の習得も含め、体当たりの演技で素晴らしかった。もっと彼女の作品を観たいと思った。

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りあの

3.0修羅の国?

2023年9月20日
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鑑賞方法:映画館

17歳でキャバクラに通いながら2歳の息子を育てる女性の話。旦那は借金製造機。
そこからさらに絵に描いたようにどん底一直線。沖縄って修羅の国なの?

沖縄弁が耳なじみなくてよくわからないところが結構あったが、不幸になっていくだけなので特に問題なく…

旦那についても、家族についても、なぜそうなったのか踏み込んだ描写はないので、中途半端に感じる。
こういう話はドキュメンタリーでもよくあるので、何かしら違いを見せてほしかった。
役者陣の演技は良かった。けんご可愛い。

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ひとふで

5.0北海道と沖縄は

2023年9月20日
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防波堤?緩衝材か?
何で世の中には大変な人とそうじゃない人がおるんや…
俺は代われるのか、いや、申し訳ない、そう、俺も含めて弱い生き物ぞ、自分が1番可愛い、何も言えん、自分を犠牲にせずに他人を救いたい…

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ミスター

4.0少女は籠の中の小鳥

2023年9月12日
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鑑賞方法:映画館

若くして母となった17歳の少女が現実の厳しさに直面する姿を描いたヒューマンドラマ。まだ右も左も分からない少女には厳し過ぎる現実に抗う姿に若き日の自分自身が重なり共感した。本来であれば周囲の大人が少女を守ってあげなければいけないのではないでしょうか。環境に恵まれないこの少女はまさに籠の中の小鳥という表現がピッタリの印象。世の中はまだまだ広くて素晴らしいのに…

2023-139

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隣組

3.5社会のルールがおかしい

2023年8月13日
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綺麗な海、観光客が多い沖縄だが、裏に隠され続けている社会問題を訴えている作品。16歳の結婚から可能な日本は働き口も少なく、学歴を必要とされる。子どもを授かった分、子どもと家族が辛くても行政は動かない。近所から苦情が来ることで初めて行政が動くが、母親は悪役。どこかへ遠く行きたいと思う彼女たちの物語。リアルに描くうえで、残酷、不平等なシーンも多かったです。尊厳のある強い女性が何故か守られない社会。お金がないのか?稼ぎ方もわからない未成年な女性が息子の為に必死に戦っても社会に呑み込まれ、負けてしまう話。

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やんやん

4.0沖縄のリアルなのかな〜

2023年8月7日
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この手の話で、一番違和感感じるのが、児相のとこね。

こんなやり方、するかな〜

これが児相だとしたら、世間の反感買いまくらないかな〜

ちゃんと、取材して!
って言いたい。

連れて行かれた親視点は、こうかもしれないけど、なんか違和感。

児相の職員に失礼とも取れる。

デフォルメするなら、もっと大げさにお願い。

さておき、あおいとけんごは凄い演技力。けんごは演技力なのか?(笑)

いや、すごい。

沖縄、だけの問題でもないけど。

何とかならないのか、日本。って思ってしまう。

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ミツバチば~や

4.5ドキュメンタリーレベルの超絶リアルな沖縄!

2023年8月5日
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8月5日に監督さんの舞台挨拶付きの上映を札幌で鑑賞しました!
まず凄いのがリアル沖縄の方言で普通に会話していて字幕も無いので聴き取れない言葉が多くて実際自分は沖縄におばあが居て毎年沖縄に行っているので方言で会話された時の言葉の解らなさや街から外れた家の周りの狭い道路の感じや家並みやらが映画用にワザと豪華にする事無くリアルに忠実に再現されているしメジャー作品だったらリアル沖縄感を出すのは無理だったんでしょうねって思いました(沖縄の方言じゃなくて普通に標準語とかでやると色々とダメだと思う)
セットで撮影しました感ゼロ(何とパンフレット見て驚いたのが絵コンテどうりに忠実に作ったセットの家の中で驚愕しました)の実際自分が行って知ってるリアルな沖縄を見れてその時点で凄かったです。
あと沖縄の人が見ても違和感無かったって監督さんが言われたって言っていて自分もそこはめちゃくちゃ感じていてドキュメンタリーを見てるって錯覚するくらいです!
更に国際通りや街中は賑やかだけどそこから外れると小さい古い家とかだらけで就職先が無くて無職の人とか多い(昼間からコンビニの前で輪になって地べたに座り込んで酒飲んでるオッさんとかマジで居ます)というリアルな社会問題を綺麗事抜きでとことん見せつけてくるのでエンタメとは対極するウルトラヘビーな内容ながらあっという間の2時間でした。
しかも超リアルな沖縄なのに監督さんと主演のあおいちゃん役の人が沖縄出身じゃないのにビックリです!(トイレのシーンで始まるけど日本映画であの描き方はなかなか見た事無いです)
しかも役作りの為に沖縄に40日住んで現地の人とお酒飲んだりして馴染んでいってあのアパートに住んでたという事で全く違和感無かったです!(あおいちゃんが身体張り過ぎだろってくらい色んな面で頑張るから見ていて凄いってマジで思いました!)
つうか役者みんな沖縄の人だよねってくらい沖縄に実際にいる人っぽくてキャスティングもマジでリアル沖縄でしたね。
内容はほとんどのホラー映画なんてディズニーの娯楽作品だよねってくらいメガトン級のパンチ喰らうくらいの重い内容ですがこれが実際に沖縄で話を聞いて今現実に沖縄で起こってる事を映画にしたと監督さんが言っていてまあ凄い作品を見たなあって感じですよ!
あと〇〇の客が3人出てくるんですが そこも変にリアルで笑ってしまいました。
あと沖縄で有名なハンバーガー屋さんのA&Wの1番大きい有名な店での〇〇〇の会話には爆笑しました!
あとビンタのシーンとか北野武の作品レベルで本気でブッ叩いてるし👊沖縄のおばあが着てる服とか本当に沖縄おばあ まんまの服でそこも超リアルでした、ドキュメンタリーに携わっていた監督さんらしいリアルさだったのでそこはマジで驚愕です。
あと別に他の選択肢あるやろって思うかもしれないけど監督さんの話で支援の場所はあるんだけどその知識すら無くそういう方向に行けなくて逃げ場を失ってヤバイ事になるパターンもあるって言ってましたが納得です。
仕事で鬱病になって自殺した人とかの話でいやいやそれなら仕事辞めればいいだろって言ってるのと一緒で当事者にはそんな事考える余地なんてもはやなくなってるんだから元気で普通の人ならなんとでも言えますよね!
旦那が仕事しない少しの金しか無いのに旦那が金持って逃げて酒飲んで金使い果たして奥さんにDVして障害事件起こして慰謝料払わないと行けなくて支払い義務が奥さんにあるってなって違法キャバクラも摘発されて普通に働いてもお金が家賃や生活費や慰謝料払わないと行けないから風族で働くしか無くなって一番の友人も〇〇して更に子供を放置して仕事してるから通報されて子供を施設にって事になり子供も居なくなって(どんどんと逃げ場が無くなり選択権が奪われてるのを上手く演出していた)実際リアルにじゃあどうする?ってなったら 借金 犯罪 自殺  その3択でしょうからラストを見てまだまともな選択をしていたとは思いましたがキツイいですよこれは!しかもここまでのストレスで鬱病にもなって自暴自棄にもなってますしね。
この作品エンタメ作品じゃないし最悪の展開で全く救いが無いからミヒャエルハネケの作品とかに近くてハッピーエンド主義の人とかには合わない作品なので評価はハッキリ分かれますが評価が良くても悪くてもダメじゃなくてそういう現実があるって事を知れたって事が一番重要なのでこの作品を見た事が最重要なんだと自分はおもいます!(沖縄って観光に行って国際通りやら ちゅら海水族館に行ってるだけなら悲惨な現状って全くわからないしピンと来ないのもわかります)
あと遠いところというタイトルとポスターが映画を見終わった後だとうわーってなりますしタイトルの遠いところってのはマジでナイスタイトルで深いですよ!まあ賑やかな観光地のイメージでしょうが裏ではこんな問題があるというのを知る意味でも見る価値あります!
最後にゴールドボーイという作品が沖縄が舞台なのですがみんな標準語で話をして本土の事を本州とか言っていてちゃんと沖縄の人の監修が一切無いのがよーくわかりました(遠いところのドキュメンタリーレベルの沖縄を超える作品なんてしばらく無いでしょうね)

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お主ナトゥはご存じか2世

1.5酒ばかり飲んで働かないから貧困なのだよ、と描くのが監督の意図だったのでしょうか

2023年8月5日
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沖縄というのは遠く離れた海の向こうの地、という印象を持っていますし、実際に沖縄に旅行したときも本州や四国・九州とも違うし、私の住んでいる北海道とも全く違う地、という感想を持ちました。
同じ感想をこの映画でも感じます。

とにかく酒を飲むシーンが多く出てきます。水の代わりにオリオンビールを飲んでいるといった感じです(それともリアルなのか)

酒ばかり飲んで働かないから貧困なのだよ、と描くのが監督の意図だったのでしょうか。

役者さんの演技は素晴らしい。これだけは見る価値があります。

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PAK UNTIK

4.5現実

2023年8月5日
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キャッチコピーの通り、これは現実。
沖縄の現実、若者の現実、貧困の現実…
こうやって見ると、彼らの境遇はけして自己責任なんかじゃない。教育やセーフティネットの不備により再生産される困難。劇中仄めかされるとおり、おそらくマサヤの母もまたアオイ同様に売春しながら彼を育てたのだと想像され、だからこそ孫のケンゴが同じようになる恐れから児童相談所に保護されるのを止めきれなかったのではないか。アオイの母もまた彼女を育てられないまま置き去りにコザを去ったのではないか。
社会ぐるみで女性という「性」を搾取することで沖縄が、同様にあらゆる社会的弱者を搾取することで日本という社会が回っているのだとよく分かる。
「中学からキャバクラで働く」ことから導かれる未来ってなんだろう…?そんな、普段しないような想像力を働かせることにはなった…
事前には自主映画的なものかと想像していたが、思ったよりずっとちゃんと劇映画としてキチンと出来ていた。
と思ったら、監督は歴戦の強者のようですね。
役者も(ほとんど存じ上げない方々だったが)みな素晴らしい芝居だった。特に主演の花瀬琴音は琉球弁も違和感なく、体当たりの熱演が本当に素晴らしかった。
ラストはなんとなく希望を抱かせるような映像だったが、いやなにも解決してない、と暗澹となる。しかしまたこれも日本の現実…

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ぱんちょ

3.5遠いところへ、一歩ずつ

2023年8月4日
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 ヒロインも周りの人々も、甘い、おかしい、間違っている!と指摘するのは容易い。けれども、そう割り切るには重たく、果てしないものが本作には詰め込まれていた。「中学からキャバやるのは当たり前」という冒頭のセリフを「まあ、そんなものか」と、客らとともに聞き入れたところから、もう他人事では済まされなくなっていた、と思う。
 頼りない夫の傍でこそこそと金を隠し貯め、あっさり持ち逃げされるアオイ。働かずふらふらし、時には暴力的になる夫マサヤ。酒びたりの義母とその恋人。似たもの同士の友人たち。昔気質の祖母、そしてかつてアオイを捨てた父。誰しも余裕がない。それでも、祖母は幼いケンゴを日々預かり、困窮したアオイを父のもとに連れて行く。義母も、転がり込んできたアオイたちを受け入れる。親友・ミオは保険証のないアオイの治療費を肩代わりする。けれども、アオイの転落は止まらない。
 アオイも彼らも、自分ひとりがやっと浮かべる板ぎれにしがみつき、大海を当てどなくさまよっている。自分の前で親しい人が沈むのは見たくないから、必死に手を差し伸べる。しかし、その手にしがみつけば、共に溺れてしまうと、彼らは互いに分かっている。だからこそ、過剰な期待はしない。救えるとも、救ってもらえるとも思っていない。そのギリギリさ、それゆえの感覚麻痺が息苦しく、堪らなくなった。「ソープでもなんでもして、しっかり稼ぎなさい」と札一枚をヒラヒラさせて説教する父が、アオイから最も遠い分、人でなしだと存分に嫌悪できる存在で、ある意味救いだった。
 砂浜を駆け、水面を弾き飛ばしながら「遠いところに行きたい」と笑っていたアオイ。ラスト、彼女は必死に浮かび続けるのを放棄し、ざぶざぶと海に向かっていく。その先に、何があるのか。彼女が向かって行ったのは、絶望ではないと信じたい。そのためには、この物語が、海の向こうの遠いものだと割り切ってはいけない、と思う。
 中盤、足を踏み外す決意をしたアオイが目にした、セーラー服の少女。あれは、かつての彼女なのだろう。アオイは息を呑み、そのまま彼女を見過ごしてしまう。少女を見過ごさず、一歩踏み出し声をかけるのは、彼女ではなく、ともに今を生きる私たちだ。

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cma

3.5墓前で三線弾いてカチャーシー踊りません

2023年7月31日
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すごい頑張って作ったなー。松山ローソン横での喧嘩シーン、特にすごいなと思った。あんな場所でよくあんだけ撮影できて芝居やれたな…裏でヤクザにも話通してるんだろうか。

沖縄貧困問題になると「知ってた・初めて知った」の二極化に分かれ、知ってる人からすると「まだ生ぬるいわ」って言葉が出てきそうです。

けどウークイのシーンで一気に冷めたわー、あれってシーミー(清明祭)では??
おばぁが「とりあえず今日はウチ泊まりなさい、明日ウークイだから」ってセリフだった気がするけど、聞き間違い?

シーミーだとしても、県民が墓前で三線弾いてカチャーシー踊るとか、今の時代ほぼ有り得ない。生まれてこのかた1度も見たことない。しかもあんだけ親族集まる家柄なら、親族から誰か1人くらいヘルプに入るんじゃない? 普段疎遠だとしても、完全無視はしないと思うけど…

あと親友が自殺するくだりも「え、なんで!?」と思った。
あんなに漢気ある人が死ぬかなぁ…と。

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Mk.plass