あちらにいる鬼

劇場公開日:

あちらにいる鬼

解説

作家・井上荒野が自身の父である作家の井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の特別な関係をつづった同名小説を、寺島しのぶと豊川悦司の主演で映画化。

人気作家の長内みはるは戦後派を代表する作家・白木篤郎と講演旅行をきっかけに知り合い、男女の仲になる。一方、白木の妻・笙子は夫の奔放な女性関係を黙認することで平穏な夫婦生活を続けていた。しかしみはるにとって白木は体だけの関係にとどまらず、「書くこと」を通してつながることで、かけがえのない存在となっていく。

瀬戸内寂聴をモデルにした長内みはるを寺島、井上光晴をモデルにした白木篤郎を豊川、白木の妻・笙子を広末涼子が演じる。「ヴァイブレータ」「やわらかい生活」の廣木隆一が監督、荒井晴彦が脚本を手がける。

2022年製作/139分/R15+/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2022年11月11日

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(C)2022「あちらにいる鬼」製作委員会

映画レビュー

3.5広末涼子演じる笙子の“素顔”に迫るクローズアップに魅せられた

2022年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

瀬戸内寂聴をモデルにした長内みはる(寺島しのぶ)と、作家・井上光晴をモデルにした白木篤郎(豊川悦司)の関係が物語の主軸なのだが、昨今のモラル感覚に照らせば「不適切な不倫」で片付けられてしまいそうな男女関係を、より複雑で興味深いものにしているのが白木の妻、笙子(しょうこ)の存在だ。その笙子に扮する広末涼子が登場する序盤、ごく薄いメイクしか施していない広末の表情をアップで捉える。十代でアイドル然として芸能界デビューした広末も今や四十過ぎ、隠そうと思えばファンデーションなどでつるんとした見た目にできただろうが、敢えて年相応の素肌をさらしてみせる廣木隆一監督の演出にどきりとする。

みはるは本作で描かれる期間の中で出家するのだが、夫の女性関係を受け入れて微笑む笙子の方がなにやら菩薩のようで、色欲の強いみはると達観する笙子の逆説めいたコントラストも効果的だ。

物語の始まりは1960年代後半。篤郎と笙子が暮らす団地がまだ新しい憧れの住宅として描かれており、映像の質感も相まってノスタルジックな気分にしばし浸った。

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高森 郁哉

2.0愛の流刑地ファンが集う映画

2024年4月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

愛の流刑地を観た方ならやはり期待してしまう2人

まるで続きなのか?と錯覚してしまうのは企画側の作戦か

豊川悦司も寺島しのぶも歳をとりその肉体で愛し合う。

観る側も歳を撮ってますから愛の流刑地ほどの刺激は求めておらず笑
適度で胃もたれせず観れました。

いやしかし高身長の豊川悦司には寺島しのぶはやはり身体を晴れる女優ですね。
とても豊川悦司が広末涼子と結婚しているようには見えなくて違和感でした。

もっとドラマティックな話かと思いましたが呆気なく終わりましたね。

寺島しのぶさん頭の形綺麗で凄いなぁ

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amycinema

2.0うむむ

2024年3月20日
Androidアプリから投稿

娘が書いたのかこの原作。なんかその我々は世間の常識にとらわれませんので、的な選民思想とも取れるこの手の人たちがいけ好かないんです。あと寂聴や不倫相手のような好きに生きてます、僕らは根無し草みたいな人々にも共感できない。スローなブギにしてくれの浅野温子とか、時代屋の女房とか、あたし猫なのみたいなキャラがほんとに苦手でこの映画には二人も出てくる。つまらないというよりは好きじゃない映画って評価です。でも寺島しのぶは良い人選でした。彼女のどうしようもないオバ顔のおかげで白木にシャンプーしてもらうシーンがすごいリアルと言うか説得力のある絵面になったと思う。あれ普通に美女の女優さんだったら全然意味が違ってちょっとしたエロいシーンになっちゃってたと思います。
一つだけ悩んだのが白木との最初のセックスシーン、寂聴が安AV女優みたいなキンキン声の機械的な喘ぎ声を出したのは何か意図があっての演出なのか?寂聴はその辺赤裸々にしゃべりそうだし取材に基づく?寺島しのぶほどの女が普段あんなセックスしないと勝手に思ってるんだけど、自分の経験に即してあの演技だとしたら世間に顔向けできないほど恥ずかしい。

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三毛猫泣太郎

2.0原作を読み返した

Kさん
2024年3月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

原作を先に読んでいたので、こんな話ではなかったはずだとの思いが強く、映画を観終わった後すぐに原作を読み返して改めてそう思った。
確かに映画は原作のエピソードの多くを忠実に取り上げようとしている。しかしただそれらの表層を真似て再構成しただけという印象にとどまる。また原作が2人の女性の一人称で交互に語られるのに対し、映画にナレーターがいないのは決定的な違いのように思う。当事者目線での説明がなく第三者の視点で見れば、そこで繰り広げられるのはただの不倫であり、ありがちな嫉妬や愛憎くらいしか想像ができない。
想像するに、映画の作り手もまた、一般的な常識人の目線しか持っておらず、だからゴシップ記事かメロドラマのような凡庸なストーリー以上になりようがなかったのではないかと思う。原作の丁寧な心理描写の足元にも及ばない。これだけの豪華なキャストを使って勿体ないと思う。

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K
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