劇場公開日 2022年8月19日

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セイント・フランシスのレビュー・感想・評価

全49件中、1~20件目を表示

5.0『セイント・フランシス』以降という言葉が生まれそうなくらいの先進性

2022年9月30日
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さえない人生を送る主人公の等身大の姿を描いた映画は山ほど存在するが、それでも映画とはこういうものである、というバイアスがかかっていて、不可避的に映画的脚色がなされるもの。映るものより、むしろ映されない要素によって、これは作り事である、という安心感が生まれているものだと思う。しかし本作は、商業映画があまり注目してこなかった日常のひとコマを描くことに時間を割いていて、それがジェンダーなどの問題意識をさりげなく提起するという点で、映画表現として革新的な試みに挑み、そして成功していると思う。

それが等身大のヒューマンコメディであることであまり前景化はしないのだが、今後の映画表現において『セイント・フランシス』以降という認識が生まれるのではないかと思うくらい、大きな変革を成し遂げているのではないか。作り手にとってインスピレーションになったというグレタ・ガーウィグも素晴らしい映画作家だが、フォロワーでありながら、さらなる先の地平を切り拓いた本作には拍手せずにいられない。

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村山章

4.0さりげなく込められた宗教的側面についての覚え書き

2022年8月23日
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鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

知的

この映画については当サイトの新作評論の枠に寄稿し、その中で「題名を含め、宗教的な要素は本作の要所要所で認められるものの、さらりとフラットに扱われている」と書いた。実は鑑賞してから執筆前の下調べの段階で、初見では気づかなかった宗教的な要素を知り興味深く思ったのだが、残念ながら評論枠の字数の都合で詳しく言及できなかった。そこで、このレビュー枠ではそうした宗教的要素について補足してみたい。

前置きをもう一点。このレビューにストーリーに関するネタバレはないが、作り手(脚本と主演のケリー・オサリバン)が役名などに込めたであろう意図について触れるので、鑑賞前に読むと予備知識がある種の先入観になり、まっさらな状態で映画に向き合うことの妨げになる可能性はある。そんなわけで、鑑賞後に読んでもらえるとよりありがたいかなと思う。

では、ようやくここから本題。まず、自身の体験を映画中のエピソードに反映させたオサリバンは、アイルランド系カトリック信者の移民家系に生まれ、8年生(14歳頃)まで「無原罪の御宿り」という教義に基づく学校に通っていた(ブリジットも幼稚園から8年生までカトリック校に通ったと話す)。“御宿り”とは聖母マリアがイエスを身籠ったこと。妊娠、出産という要素は本作とつながりがある。なお、ブリジットがマヤたちの家の廊下で目にするのは、「絶えざる御助けの聖母」という宗教画。

日本の人名や行事などに漢字文化と仏教的価値観が浸透しているように、欧米にもラテン語・ケルト語などを含む印欧語族の文化とキリスト教的価値観が根付いている。映画の主要人物2人、フランシスとブリジットの名前についても、調べるといくつかわかることがあった。

まずフランシス(Frances)は、男子名Francisとともに、古くは「自由な人(free man)」を意味する名前。また、「アッシジの聖フランチェスコ」(英語表記はSaint Francis of Assisi)という12~13世紀の有名な聖人がいて、その思想のひとつに、人類すべてと森羅万象が天の父とマリアを母とする兄弟姉妹だとする「万物兄弟」があるという。映画のフランシスの家族も、男性の父親と女性の母親という伝統的な家族の形式にしばられず、現代の多様性尊重に通じる“自由な”家族の形を体現している点も、「フランシス」の含意と通じるように思われる。

もう一方のブリジット(Bridget)は、ケルト語派で「力、強さ」を意味する言葉に由来する女子名で、アイルランド系に多い名前だそう。やはり同じ名を持つ有名な聖人として、5世紀頃にアイルランドで慈善活動を行った修道女「キルデアの聖ブリギッド」がおり、別名は「ゲール人のマリア」(ゲール人は今のアイルランド人やスコットランド人の祖先にあたる)。聖ブリギッドは乳児や私生児の守護聖人として崇敬されているという。父親がいない6歳のフランシスの子守りをし、またマヤが産んだ乳児のウォーレスもあやす主人公に、オサリバンがブリジットという役名をつけたのは偶然ではないだろう。さらに、ウォーレスの洗礼式後に教会の庭で参加者らが会食する終盤のシーンには、マリア像に見守られる位置でブリジットが赤ワインを飲んでいるごく短いショットも挿入されている。

以上、散発的ではあるが、本作の宗教的側面について理解の助けになるかもしれない情報を書き出してみた。キリスト教に詳しい研究者や宗教家なら気づくであろう、象徴的な要素や示唆的なエピソードが作中にまだまだあるだろうし、誰かが書いていたらぜひ読んでみたい。

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高森 郁哉

4.0穏やかかつ眩い映像を貫く、率直さと正直さ

2022年8月22日
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30代の女性を主軸に描く成長物語。と書くと、同類の多くの映画群の中で埋もれてしまいそうだが、いざ本作を紐解くや、作品内を貫く率直さと正直さに驚かされる。映像は透明感に満ち、語り口もとても穏やかなれど、主人公が直面する悩みや葛藤はその後の生き方を変えるくらい重要なものだ。その中心に位置する者こそ主人公ブリジットと、彼女が子守する6歳の少女フランシス。この幼子、最初は意固地で心を開かないところがあるものの、やがて母子や友人とも違う独特の、唯一無二の信頼と愛情で結ばれていく。その存在からブリジットが学ぶことは大きく、自然体の交流を重ねる二人はいつだって眩い光に包まれているかのよう。また、フランシスを育てるレズビアンカップルが吐露する胸中、産後うつと周囲の理解、友人との再会で直面する格差意識に至るまで、我々がつい見ぬふりする気づきや感情を随所に散りばめ巧みに織りなす。そんな確かな手腕の光る一作だ。

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牛津厚信

3.5A Timely Drama on Pregnancy

2022年7月19日
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鑑賞方法:VOD

Saint Frances is the kind of "only in America" drama that shows the new spirit of the age. Who could imagine a pro-life Catholic family with two lesbian moms. With the Roe v. Wade ruling in the news last week, actress and writer Kelly O'Sullivan's personal story on going through an abortion resonates with the time, though obviously with a liberal skew. Oddly parallel to Weinstein's St. Vincent.

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Dan Knighton

3.5ある女性の生き方

2024年5月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

序盤から中盤にかけては、主人公の行動に全く共感できなくて、退屈さを感じていました。
ただ、終盤は主人公らしさや仕事先の人との関係が改善されていく様は楽しく見れて、いい感じです終わったなと思います。
生理や中絶などが赤裸々に表現されている作品はあまりないですし、監督自身が伝えたかったことの一つであると感じました。

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たけお

3.5なんか良かった

2024年2月12日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

自然で『フロリダプロジェクト』と同じような感情を抱いた。
大きな展開があるわけではないけど、メッセージ性を感じる作品。
しばらく間を空けて、再度見直してみる。
評価:3.7

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bigsuke

4.0冴えない人生と自分を卑下する 34歳独身女性ブリジット。 生理・避...

2023年7月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

冴えない人生と自分を卑下する
34歳独身女性ブリジット。
生理・避妊・妊娠・中絶…
出産・育児・産後うつ…
女性が持つ悩み
話題にしにくいことにも触れ
レズビアンカップルに雇われ
フランシスの子守りをするうちに
見えてきたこと
変化してきたこと

"ありのまま"のフランシス
振り回されながらも
他者と関わりをもつことにより
視野も広がる
見える景色も変わる
"ありのまま"を受け入れることが
差別偏見のない世の中にも繋がる

主人公を演じたのはケリー・オサリバン
彼女自身が経験してきたことを元に
脚本を書き上げた作品(脚本デビュー作)

ユーモアもあって温かくて
ときに熱くて
そして優しくて
素敵な作品です
女性も男性にも観てもらいたい作品です

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lily

4.0フランシスを聖人としたのはブリジット

2023年6月3日
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鑑賞方法:映画館
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だいず

4.0フランシスが可愛い

2023年5月29日
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 女性の身体の描写がなんとも生々しい。中絶をする事になったブリジットと彼氏のやり取り「私ばかりが苦しむのは不公平、あなたも食中毒になって」なんて笑っちゃうような、それは違うだろうと思うけど、女の人の本音かも。気持ちはなんかわかる。そのくらいの苦痛は男性も味わってもいいよね。でも、彼氏にナプキン見せたり、ちょっと理解できないけど。
 フランシスのママとブリジットとの、産後の尿漏れと生理で、トイレで一緒に笑いながらナプキン使ったり、ちょっとオープンすぎるよね。
 今に満足していない独身女性の苦悩や、同性カップルの苦悩をコミカルに見せながらも正直に深刻に描いていて、なかなか深い映画である。
 フランシスがとてもしっかりしていて、花火の場面では、公共の場で授乳をさせないでと詰め寄る女性と(同じ子持ちで大変さはわかるであろう女性があんなことを言ってくるのはちょっと理解し難いが)ママ、ブリジットの間に入って、いちばん的確な対応をしていた場面がジーンときた。
 ブリジット、2人のママ、フランシスとそれぞれに心の葛藤があり、ぶつけ合い、理解し合う。ナニーという形を離れて、いつまでも友人として彼女たちの関係が続いてほしいな。

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アンディぴっと

3.5夏に見ておくべきだった一作

2023年2月26日
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ブリジットが大きく感情を揺さぶる出来事に
じつくりと向き合って感情を整理していく様や
小さな一つ一つのハードルを勇気を持って
乗り越えていく様がよかった。

だから最後にあの台詞がでてくるんだよね。

「わたしは賢い」「わたしは勇気がある」
「わたしはかっこいい」

社会へ出るフランシスへ送る言葉。
もしかしたら傷つく事は避けられないかもしれない。
それでも、自分を鼓舞して誇りに思っていれば、
それさえも乗り越えられるんだ。

フランシス一家とブリジットの関係が最高で。
もう毎夏、花火行ってほしいし、お泊まりしてほしい。
そんで大人になったらブリジットとフランシスは
旅行とかいって、ずっと仲良くして欲しいですな。
ちゃんと生理きたら報告するんだよ。
それともこの夏のこと忘れたりしちゃうのかな。

どちらにせよ、ブリジットはこういう形で
人との交流によって生きていけるわけだね。

あと後半に出てきたブリジットの大学の同級生。
めちゃくちゃ嫌なやつだったな。
そんで現実にも全然居そうっていう。

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JYARI

4.0単なる女性映画として観るべからず

2022年10月20日
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鑑賞方法:映画館

少し前に観た『わたしは最悪。』とか『リコリス・ピザ』とか、近年世界的に30代(前半)女性の生態を描いたような評価の高い作品が作られていて、1つのムーブメントになっている気がします。
評判が良いのでつい観てしまいますが、基本女性映画なので良い映画として理解はしても、所詮男の私はどうしても他人事のように客観的に観てしまい中々感情移入出来ませんし、いつも言うように“私の映画”にもなり難い種類の作品群です。
以前『82年生まれ、キム・ジヨン』の感想で、本作で描かれているテーマは、本来男女問わず“今を生きる総ての人が抱える問題”であると指摘した事もありました。単なる女性映画にしてしまうと、問題を矮小化させるだけになってしまいます。

しかし本作の場合、非常に生々しく女性の生理を描かれていて女性性を強調しているのですが、私は『カモン カモン』の女性版を観ているような感覚となり、テーマ的には男女問わずのもっと大きな人間の成長物語のように捉えられました。
この手の作品レビューを読むと女性観客の共感ばかり目立つことが多いですが、この手の作品群こそ男性のレビューを読むことをお薦めします。本作のテーマはタイトルからして迷えるすべての人間に対してのアンサーである様に思えました。

本作で最も描きたかったのは、現在社会の多様性やジェンダーという価値観の行き着く成れの果ての様な気がしました。なので本来悪役になるべき役や台詞を敢えて女性に言わせたりしていたので、この辺りは確信犯として作られていたのでしょう。とても、バランスの良い作品だと思いました。

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シューテツ

3.5フランシスがすごくて・・・・

2022年10月13日
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懺悔部屋のやり取りがとてもよかったです。
祈りなさいの後の上から水ジャバーはなかったですが。
フランシスのIQは150ぐらいでしょうか?
あまりにブリジットの出血場面が多いので、子宮頸がん?って心配してしまいました。
コンドームも使わない膣外射精法頼みのブリジット。
外国には強力な経口堕胎薬があるんですね。ヘイリー・べネットのスワロウを思い出しました。
ブリジットはギターの先生に会ってから急にキレイになった。
それなのに濡れないってどうゆうこと?
惚れたなら、もう少しギター練習しなさいよ。
女性の痛みについて8割ぐらいはわかったかなぁ?

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カールⅢ世

3.5【自己肯定感の低き女性が、一夏、養育係(ナニー)をする中で、女性の生理の大変さ、中絶、産後鬱などを絡めながら様々な経験をし、心が成長する姿を描いた作品。】

2022年10月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

■レストランの給仕から、一夏限定で6歳のヤンチャな女の子フランシスの養育係(ナニー)になったブリジット(ケリー・オサリバン)。
 大学を、一年で中退し、34歳になっても自分自身の生き方を評価できない・・。

◆感想<Caution!  内容に触れています。>

・冒頭から、良い仲になった10歳下の男とのセックス中に、ブリジットは生理になる。
ー 今作程、女性の生理が描かれた作品を私は知らない。だが、今作では生理を穢れとしては描いていない。男も驚くが、嫌な顔をせず、後始末をする。-

・フランシスは、最初はナカナカブリジットに馴染まない。悪戯好きのヤンチャな女の子だ。彼女の両親は女性のカップルで、マヤは子供を産むが、産後鬱に悩まされている。
ー 申し訳ないが、私は男なので、生理の大変さ、産後鬱の状況などは、分からない。だが作品を見る限りでは、女性が如何に大変なのかが少しだけ分かった気がする。-

・そんな中、ブリジットは、自分だけでなく周囲の人間も不安を抱えながら、人生に立ち向かっている事に気付いていく・・。
そして、様々な経験をしながら、彼女は少しだけ自己肯定感を味わって行く。

<今作では、余り描かれない女性の生理、産後鬱、中絶、避妊を正面から取り扱いつつ、自己肯定感の低き女性が様々な経験をし、一夏の心の成長を描いた作品である。
 ラスト、ブリジットとすっかり親しくなったフランシスが”報告するね!”とブリジットに駆け寄るシーンは、良かったなあ・・。>

<2022年10月9日 刈谷日劇にて鑑賞>

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NOBU

4.0重いテーマを軽やかに描き、ラストは清々しい。

2022年9月27日
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鑑賞方法:映画館

僕は男性だからこの作品で描かれる「女性ゆえ」味わうさまざまな感情の全てに「あるある!」て共感することは難しいですが、性別関係なく目に見えないプレッシャーとか生きづらさ、自信の持てなさってあると思うのです。それは、どこかの誰かの集合体が作り上げているであろう「世間の常識」だったり「俗に言う“普通は”」ってことで生成される「枠」にはまっていない場合に。

そんな時、きっと自分は自分なりに頑張るものの、ズレを感じるたびに焦ったり、自分自身を卑下したり、どーすりゃぁいいんだー?ってなっちゃうと思うのです。周りを気にしない、自分自身で居ればいい・・・といろんな啓発本には書いてあるものの、許しているようで「例の枠」の尺度にはまっていなければ世間はなかなかどうして、受け入れてくれなかったり、なんだったら下に見たりとか・・・。

まぁ生きづらいですよね。「枠」からはみ出ちゃうと。
さらに女性の場合は男性以上に大変な事情があると思います。本作ではそのセンシティブな部分をズバっと!大胆かつ明確に表現していたと思います。

しかし、どんな場合でも、人間を貶めるのも人間で、救うのも、きっかけを与えるのも人間なんですよね。そのためには知らない世界を見る機会を作らないとならないのかもしれません。やっぱり出逢いって大切だよなぁと。相手が大人だろうが、子供だろうが。出会うことで「自分らしく」生きれる何かを見つけることができるのかもしれません。何気に本作はテーマが重いんですよね。けど、ゆっくりとかつ着実に主人公のブリジットの横に寄り添いながら進むストーリーはとても心地よく、癒されていく感じすらあります。そして、ちょっとした爽快感も。フランシスとの関係性は見ていて和みます。

誰も彼も、ブリジットの気持ちのいくつかは持っていると思います。ですから日々、もやもやしちゃってる人は本作を見て、束の間ではありますが自身を解放しちゃいましょう。

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バリカタ

3.5日本的に言うと「孤独死まっしぐら」の34歳女子の一夏

2022年9月25日
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bloodtrail

5.0ありのままでそれぞれに幸せ。

2022年9月24日
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何事も中途半端な30代の主人公ブリジットが、ひと夏だけ6歳のフランシスの子守りの仕事をする。

高齢出産・避妊・堕胎・生理・産後鬱・育児(授乳)などなど今までタブー視されて来た女性の問題オンパレードの101分。こういうと敬遠される方もいるかもしれないが、決して押しつけがましくない。あるグループを敵にしたり、批判的な視点で描かれていない。コミカルで軽やか。しかし芯はしっかりある。

自然や命をありのまま受け入れた、聖フランチェスコを想起させるタイトル
「セイント・フランシス」
ありのままでそれぞれに幸せな世の中になればいい。

脚本は主役ブリジットを演じたケリー・オサリバン。
生理の話(不正出血)で101分なのに、ラストの爽快感よ。
センスを感じる。

次回作に期待したい。

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さぽ太

4.037歳男性の視点で、泣きました

2022年9月24日
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途中、「なんで泣いているか分からない」と言ってブリジットが泣くけど、その感情で自分も泣いた。

生理をこれだけ描いた映画はなかったと思う。産後うつや、親との関係、パートナーや感情の起伏も嫌味なく描ききってて、37歳男性として、女性がどれだけ苦労しているかを思って、泣いてしまった。

男性の自分がいくら感想を言おうと分からない女性の大変さ、それをここまで見せてくれた素晴らしい映画

そして子どもと対等に「離婚したことある?」とか質問してるシーンもすごく良かった。

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トニー

5.0社会に潜む問題をカジュアルに描く

2022年9月22日
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鑑賞方法:映画館

息抜きにと思って見てみたら
意外と社会に隠れている問題をサラッと描いていて興味深い作品だった。

それでいて、説教臭くなくみられるのも良い。

今の生活や社会の中で、なかなか言語化できない生きにくさを
感じている人には共感する部分も多いと思う。

アメリカと日本という背景の違いも興味深い。
薬による中絶の描写や、それにつきそうパートナーの描写
未就学児の少女との会話の中からも、国の教育の差も感じられる。

全体的にリアルさもありつつ、説教くささのない描き方で好感が持てる。

男女問わず見てほしい作品。

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nana

4.0今の自分がイヤだから何かのフリをし続ける

2022年9月19日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

34歳独身職なし彼氏なしのブリジットがレズビアンカップルの子守りバイトを始め、共に過ごすうちに友情のようなものが芽生え始める話。

劇中、中絶による出血で終始血を流し続けるブリジットは、その血を劇中の登場人物ほぼ全員に見られる。その一方で血を見ない人(親とレズビアンカップルの働いてる方の人)もいて、それはブリジットが本音らしきものを話す人なのかなと思った。

母とは子供について話し合い、アニーとはひょんな事でポロッと本音をこぼし合う。現実の世界では隠される"血"がこんなにも晒されるのに、ブリジットは本音を隠し何かを演じてるっぽい。女には生理の血なんかよりも、もっともっと隠してるものがあるんだぜってか(笑)

でもブリジットの「全然理想の自分じゃないからいつも何かのフリをしている」的な発言はめちゃくちゃわかる。会う人によって言ってること全然違ったりするし、カッコつけようとして思ってもないことをずっと喋り続けたりしてる(笑)薄っぺらいんじゃなくてそうやって必死に自分を守ってるんだよわかってくれ。

そして、30代女性に聞くとなんだか重い「子供は欲しい?」「彼氏はいるのか?」という質問達をそのまま6歳の子にも聞き返すブリジットのクレバーさがすごく好き。6歳の子に聞くのが無意味なように、何歳の人に聞いたって本来その質問は無意味なはず。きっと私は永遠に「子供は欲しい?」にはっきり欲しいなんて答える日は来ないと思うな。

あとは、さりげなく神様だけに頼るの危険じゃね?みたいなのが示されてたのも良かった。信心深いマヤが産後うつなのに神様としか対話しないの、結局神様って概念だから自分との対話になって内側にこもりがちになったり、怪我した子にまじないとなえるより絆創膏の有能さよ。

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せつこん

3.5友情物語

2022年9月19日
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鑑賞方法:映画館

ベビーシッターとして働く主人公とその家の家族とその中心になる女の子との友情物語でした。
主人公に対して、年齢に相応しい仕事をしてないとする社会の厳しい目が描かれていましたが、実際には正しい道なんて一つもないんだということを忘れずに自分の道を半歩ずつでも歩んで行けたらなと思いを改めてさせてくれるような映画でした。

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波風龍雄