ブラックバード 家族が家族であるうちに

劇場公開日:

ブラックバード 家族が家族であるうちに

解説

「デッドマン・ウォーキング」のスーザン・サランドンと「愛を読むひと」のケイト・ウィンスレットという、ともにオスカーを受賞している2人が初共演し、2014年製作のデンマーク映画「サイレント・ハート」をリメイクしたヒューマンドラマ。同作の脚本家クリスチャン・トープが自ら脚色を手がけ、「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル監督がメガホンをとった。ある週末、リリーは夫ポールと暮らす海辺の邸宅に、娘のジェニファー、アンナとその家族、そしてリリーの学生時代からの大親友リズを集める。それは、ある理由によって死を覚悟したリリーが、“家族が家族であるうちに”過ごすために自ら用意した最後の時間だった。それぞれ平静を装いながらリリーの願いである最後の晩餐を共にする彼らだったが、あることをきっかけに緊張感が弾け、それぞれの秘密が明かされていく。リリーをサランドン、ジェニファーをウィンストレットが演じ、リリーの夫ポール役で「ジュラシック・パーク」シリーズのサム・ニール、次女アンナ役で「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカが共演。

2019年製作/97分/PG12/アメリカ・イギリス合作
原題:Blackbird
配給:プレシディオ、彩プロ
劇場公開日:2021年6月11日

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(C)2019 BLACK BIRD PRODUCTIONS, INC ALL RIGHTS RESERVED

映画レビュー

4.0観客の倫理観、家族観を揺さぶる衝撃作

2021年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

安楽死を題材にした映画がたまたま2本、「いのちの停車場」と本作が近い時期に公開されたが、判断が難しい問題への日本と欧米の向き合い方の違いが如実に表れたと感じた。「いのちの停車場」は老父が安楽死を望み娘の医師が葛藤する状況を描いて共感を誘うが、判断や結論は観客に委ねられる。

一方、2014年のデンマーク映画を英米合作でリメイクした「ブラックバード 家族が家族であるうちに」は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という体の自由が次第にきかなくなる難病で余命もわずかとなったリリー(スーザン・サランドン)が医師の夫ポール(サム・ニール)に安楽死を頼み、事情を明かした家族と親しい友人を自宅に招いて最後の週末を過ごす――というストーリー。

序盤こそ誰もがリリーの意思を尊重して残された時間を穏やかに過ごすかと思わせるが、やがてまるで違う展開に。まだ死んでほしくないと反対する次女アンナ(ミア・ワシコウスカ)が、賛成派の長女ジェニファー(ケイト・ウィンスレット)に積年の不満をぶちまけて大げんか。さらに、リリーと長い付き合いのリズにも家族の一部しか知らない秘密があり、それが発覚してしまう。

家族や親友が抱えるさまざまな問題が明らかになることで、近しい人が安楽死を望むという状況をより多面的に、立体的に考えることを観客に促すかのようだ。いつか安楽死問題に真摯に向き合い本気で議論する日に備えるための思考訓練にもなるだろう。

物事を情緒的にとらえ、賛否の分かれる議論の結論や責任を伴う決断は先延ばしにする(あるいは他人に任せようとする)日本と、対立する意見を具体的に論じて争い、最後は誰かが責任を取って決断する欧米。そうした対照的な傾向を、「いのちの停車場」と「ブラックバード」が端的に示しているように思えてならない。

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高森 郁哉

3.5どう生きるか、誰と生きるか

2024年4月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

安楽死を扱った作品の中で本作がちょっと違っているところは、既に夫婦間での話し合いが終わっていて、いつどのように、というところまで決まっているところだ。
本当ならば、最初の決断のときが一番揉めたはずである。スーザン・サランドン演じるリリーだって、もう治らない病気なのね?はいじゃあ死にます。とはならないはずだ。
葛藤して悩んで夢をみたり絶望したりしたはずなのだ。
ではなぜそのパートが丸々ないのか。それは、この作品が安楽死をテーマにした作品というわけではないからなのだ。

安楽死ではないにしろ、身近な人が亡くなると何かについて多少考えたりするものだ。
回数を重ねていけばそれも薄れはするけれど、死にまつわる何かであったり、故人に関係することであったり。
なんにせよ、考え始める引き金は「死」だ。「死」と対になるものは「生」である。つまり、「死」を考えるとは「生」を考えることにほかならない。

昔の友達、親しいわけでもない会社の同僚、遠い親戚、こういった人に対してでも何かしら考えることもある。
ならばもっと近しい人だった場合はどうだろうか。
主に二人の娘は、母親の選択についてと、自分のことや残った家族のことを考えた。
それは、どう生きるか、誰と生きるか、である。
リリーは孫のジョナサンにろくでもない助言を繰り返すけれど、しっかり生きなさい、後悔なく生きなさいという助言でもある。
この「死」の直前の数日は、自分の生き方について見つめ直しなさいという時間だった。

いい作品だったと思うし、悪いことはないけれど、映画としては少々物足りない感じはある。
テーマである「生き方」がこの家族の中で完結してしまっていて、観ているこちら側に届きそうで届いていないせいかと思う。
現に安楽死の是非についてのレビューが多く、本来のテーマは届いていないように見える。

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つとみ

コメディなのに腹を抱えて笑える事も出来ない映画だった。

2024年2月18日
スマートフォンから投稿

笑える

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マサシ

3.5重い話

2023年10月15日
スマートフォンから投稿

胸にグッと突き刺さる作品だった。
全般的にリアリティがあって、役者達もみんな演技が良かったけど、主人公の間際の一言が特に印象深かった。
評価:3.7

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bigsuke
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