クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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マッチョとは…
若いときには己の力以上に力を誇示したがるものが、上には上がおり、老いると共にそんなものは意味がない、時間の無駄と、それを伝えたくこのタイトルなのか。。クリント・イーストウッド作品ということで期待し過ぎた感を差し引いても凡庸なストーリーだった。勿論存在感は彼ならではなのだが、やはり相当年老いたなと。やっと歩いている感じだし、ダンスも何だか介護されているように感じでしまい、あのパンチも効かないだろう。。ピンチらしいピンチもすぐに切り抜けてしまい、ハッとさせられなかった。90過ぎて立派なのだが、寂しい気持ちになった。
『運び屋』とセットで見るのにいいネオ西部劇
昔あんたはとても強かった、でも今は違う --- 俺はやることがある、時間がかかってもやるべき仕事を終わらせたい
背筋のピンと伸びた背中の真っ直ぐな91歳。作品の欠点も凌駕する歴史の重みとカメラの前でも後ろでも輝く監督/主演の力。たしかにこの役を演じるには少し歳を取りすぎているのかもしれないけど、今なお否定し難い異様なスクリーン映えと衰えることのない魅力。そんな力強い唯一無二の魔法をぼくたちはあと何度見られることだろうか?
もしかすると彼にはもう『許されざる者』や『ミリオンダラー・ベイビー』は作れないのかもしれない、けどだからなんだ。早撮りで知られる彼の名作ぶらない軽妙なタッチが、ぼくたち見る者に彼の歩んできた=常に第一線で切り開いてきた並々ならぬ道程を自然と思い起こさせ/感じさせ、またそれを知らぬ若い層にまで届きそうな頬がほころび心温まる時間が約束されている。経験則に裏打ちされたような愛しさに満ちているのだ。感謝しかない。
舞台は1979年から一年後、つまり1980年。昔は伝説だったカウボーイ、かつてのロデオスターが、遠い昔の馬から車に乗り換えて友人に頼まれた仕事のためにメキシコへ。エンドレス恩義から、なかなかの無理難題ミッションを押し付けられるイーストウッド御大。いくら恩売ってたとしてもこんな歳の人にそんなこと頼むか!…とツッコミたくなる気持ちは、そういうものなのだと押さえて楽しもう。この作品に乗っかろう。と、冒頭からトントンとやや表面をなぞるように、だけど分かりやすく象徴的。時々、取って付けたような窮地もご愛嬌。
変わるには遅すぎる?"長い人生で身につけた"経験と知識。肩張らずに人生経験の滲み出た風通しの良さと気取らなさ。スペイン語と手話、互いに分からない差異を伴う反復。歳を取るといつか来る、大事な人々との別れ。セカンドライフで獣医を開けそうなほど動物に詳しいけど、老齢に治癒する方法はない。老いと共に無知な自分を知る。なんともユーモラスな空気漂う『運び屋』の精神的姉妹分のような作品。あるいは『グラン・トリノ』的側面もあるかも。そうした今までの、歴代の作品との共通点も見い出せそう。だから受け取り手次第で、勝手に感傷的にもな(れ)るかも。
こいつはマッチョ、強いってことだ --- どうでもいい
通りの闘鶏でただ一人稼ぎ、人は信用できないと言う13歳の少年。人間不信のアイデンティティー・クライシス真っ最中に陥っている。自分は馬も扱えず、逃げ足の早い白人か?過去の傷跡もいつか糧となればいいのだけど、少なくとも窮地を一度くらい脱せられるような役くらい立ってくれ。昔を彷彿とさせる怪我した暴れ馬との出会いに自身も投影できるよう、乗り方も知らない。
警察に通報もできない状況になって、俗に言う"簡単な任務のハズだった…"パターンとでも言うか道路封鎖の山に、盗難やオンボロ車=老体の故障。メキシコがアメリカ人=アメ公"グリンゴ"にとって犯罪だけの物騒な国でなく、言語や文化も超える人の優しさがあることもきちんと描いている。"信用"/信頼関係を時間をかけて醸成していく、徐々に打ち解けていく2人のテンポよくチャーミング魅力的な掛け合い。父親の依頼の裏にはやはり愛情とは違う企みがあるし、それならいっそ親と離れたほうが賢明だ。チキンじゃない。
P.S. 今は頼むからこの作品がまだ最後にならないことを切に願うばかり
俺はドリトル先生か?みんな俺に動物のことを相談しに来る
Thanks for everything.
腑抜けども
土曜の夜に焼いて食っちまうぞ?大切にするよ
for ALAN
勝手に関連作品『運び屋』『ランボー/ラスト・ブラッド』
御年90歳の冒険
もうイーストウッドっていくつなんだろう?と
調べたら92歳で驚いた。
地球上で一番元気で想像力と制作への情熱のある
90歳じゃなかろうか?
商業的にも成功してるから恐れ入る。
もう明らかにスタントマンだったり、
ショボいカーアクションだなと思ってたけど、
歳を聞くと申し訳ありませんでしたと思う。
先日Twitterで
やる気が行動を起こすのではなく、
行動が先でやる気が出る。と言うのを観たけど、
まさにそういう映画だなと思いました。
90過ぎても映画は撮れるし、旅にも出れるんだぞ!
と言われてるような、
老け込んだ自分にガツンと一発いただけたような
映画でした。
ただ内容はと言うと、近年の運び屋なんかに比べても
やや淡白で物語がストレート過ぎやしないかな?
とは思いました。
奥さん方の追っ手の追っ払い方も二度同じような
展開で、新喜劇のような笑いどころにも見える演出で
少しガッカリしました。
しかし、イーストウッドはモテる。
恋愛においてもまだまだ若くて
生涯現役とはこう言う事を言うんだなって感じでした。
変なタイトル
変なタイトルだと思って見に行ったら、マッチョ、鶏の名前でした。
闘鶏の鶏という設定でしたが普通の鶏にしか見えなかった。
ストーリー的にお金がらみで息子の誘拐っぽいことを頼んでって話でしたが。
これって、母親も父親も愛情はないって言っているようなものですねぇ。
ラストはそう盛り上がるものもなく終わりましたが、人情ものでいい話だったと思います
老いを描く
飾らずそのままの自分をスクリーンに映し、世に出せる胆力はすごい。年老いていく自分を写真や映像で見るのは、現実をまざまざと見せつけられるも同然。90歳でその勇気を持つクリント・イーストウッドこそまさに「マッチョ」。どのワンシーンを切り取っても絵になりそうで、黒澤明ばりの映画愛を感じる。
ターゲットは60代なのではないだろうか。その世代全員に刺さりそうな素敵な大人のラブストーリー。終わり方が一番…なんというか…若い監督には出せない終わり方に感じられました。
国境の向こうで待つ恩人にその息子を託すシーンは、なんというか「選択」が。メキシコとアメリカの国境を越えることで、それぞれの登場人物の「選択」を表現しその後の人生を鑑賞者に委ね映画を終える。このシンプルなセットにカメラワークなんですが、間が、表現が、…もう渋すぎます。
生きることの当然として老いを表現できるクリント・イーストウッドが、カッコ良すぎる。映画を見ていて動きや台詞、視覚的にどうしても「年老いた」と印象づくのは仕方ないが、それはクリント・イーストウッドとして見ているのであって、役どころの「マイク」として見れば違和感ない。監督と同い年、または近い年の人ほどこの凄さがよりわかるはず。
特典インタビューでも「70歳だけど」とおどけて見せていた感じが、格好良さとチャーミングさも素敵です。すっと元気をもらえる映画。
精神的マッチョさが伝えられたか
マッチョと呼ばれる鶏と、イーストウッド自身が演じるマイクがマッチョのシンボルとして描かれていたが、鶏はやるときはやる(敵にとびかかる)やつだったし、イーストウッドも難しい選択肢を与えられてその場その場を乗り越えるためのベターな選択をしようと努力しているのは分かったが、それらが自分の中のマッチョにつながることはなかった。
結論をいうと、イーストウッドが今作で言いたかった『マッチョとは若くて筋肉質で好戦的な男でなくとも精神性によってなることはできる』、というのは、彼自身が演じたマイクの様子では伝えることができていないと思う(少なくとも若かりし頃の彼の活躍をほぼ見ていない自分としては。マイクではなくラフォについてはラストにかろうじてこれから漢になっていく将来性が見えたのだが)。
マイクとラフォが今作中に遭遇しそれを乗り越えようと悪戦苦闘し、ラストには形としてはハッピーエンドを持ってこれたそのテーマ性は、マッチョというよりは家庭内トラブル、その中でも子供の教育問題であった。そして、今作中では子供の問題を起こした両親の考え方の問題は変化しておらず、両親ともに間違ったまま終わったし、子供は子供でこれから父親の本性と相対することになるのでラスト後が正念場であった。マイクが解決したのは恩のあるラフォの父親に恩を返すことで、そこまでの道のりでラフォに人生の先輩として生きる指針は与えられただろうと思う。ラスト、ラフォが眉間にしわをよせて、マイクを振り返り、その後父親に向かっていく姿には今作中で一番マッチョさを感じた。男は一人で強くなるということを言いたかったのかもしれない。
クリントン・イーストウッドファンにはオススメ
ファンなので全面肯定です。
いつもはもっと色々と嫌な事が起こる印象ですが、本作は割とずっとニコニコしながら観れていいですね。
素敵なおじいちゃんでした。
ストーリーがところどころ変とかあるかもしれませんが、まあいいじゃないですか。
ビバ!!イーストウッド監督!!
多幸感に包まれる映画でした。
こんな余生があったら素敵だなと嬉しくなりました。
まるで90歳のイーストウッドに当て書きしたようなストーリー。
原案(脚本)は50年前に遡ると言う。
観終わって特典映像を観ました。
撮影の現場は笑いに包まれていたと言う。
90歳で監督・主演!!
マジ凄すぎる。
それもラブストーリーですよ!
メキシカンの少年への愛。
カフェの女主人と、いい雰囲気!!
メキシコが舞台、メキシコの俳優が多数・・・良いなぁ、最高です。
カフェの女主人と踊るダンス。
リードされてるように見えても、女性が自由に動けるスペースを作っているのは
イーストウッドさんの優しさ、包容力。
メイキングを見るとこの映画が捕捉されて更に素敵です。
生涯現役・・・羨ましいなぁ、格好良いなぁ。
それにしても《雄鶏のマッチョ君》はいい働きをしてくれたよね!!
「クライ・マッチョ」は君だ!!
とても綺麗な鶏冠と毛色の雄鶏!!(ちょっと孔雀とも類似?)
メキシコは《闘鶏》なんてのがまだある世界(1980年だもんね)
この映画は、ファンタジーだと思います。
年老いて世界を狭くする人が多いでしょう。
年老いて人に愛され、人を愛し、まだ現役。
クリントさんの寛容。
足の衰えもチカラの減少も薄毛も。
全てを受け入れ受け止める姿が、
本当に素敵な老後(じゃない、現役だね!!笑)
ビバ、クリント・イーストウッド!!
瞳が本当に優しい。
思慮深い。
もっと映画を撮って下さい。
次作も期待してます。
過去鑑賞
やっぱり出るだけでちがう。
監督専任を撤回して、「運び屋」に続いて主役を張りましたが、やっぱり出るだけで、何かマジックがある!ミリオンダラー・ベイビーも許されざる者もグラン・トリノも粗筋を聞いただけで見た気になってしまうようなシンプルな話なのですか,あの自然光、採光、会話の妙、これが映画だ!としか言えない充足したシーンが連発で、圧巻でした。あと10年は主役を張って造り続けてください、ポランスキーとともに!
あっさりした映画
イーストウッド監督の作品といえば、鑑賞後に「うーん」と考えさせられるような重いテーマを扱ったものも少なくなかったけれど、今回は何だかほのぼのムード。けっきょく終わってみれば、「何なんだ? 何が言いたいんだ?」というようなあっさりした内容だった。
バイオレンスやアクションもほとんどなく、ハラハラさせられることもなく……。
「マッチョ」は、そんなにいいことじゃないよ、というメッセージを伝えたかったのか?(超大国アメリカ国民としての自戒なのか?)
だからといって、つまらないというふうには感じなかった。悪い作品ではないですよ、うん。僕は嫌いではない。
でも、やっぱりもう監督業に専念してほしいなぁ。
あのヨボヨボ具合は演技ではないだろう。俳優として見るのは、ちょっとつらかった。
マッチョを飼い馴らす
なによりもまず、この映画は馬だ。
疾走する裸馬の群れと並走するアメ車。
人を信頼せず従順を拒む野生馬を、馴致するイーストウッド。
これだけで、元が取れる。
マチズモとは。
クリント・イーストウッドが、問いかける。
思春期の少年が憧れる、微笑ましくもめんどくさいマチズモは、どう矯正されるべきなのか?
思春期の少年のときのまま矯正されなかったマチズモは、社会と幸福な関係を築き維持できるのか?
マフィア。専制政治。権威主義。戦争。テロリズム。
人類は、その長い歴史を通じて、思春期の少年のマチズモを、社会のなかに好ましい形で取り込もうとしながら、いまだに成功していない。
ならば、自分にできることをやってみせる。
クリント・イーストウッドは、やってみせた。
カーズのドックがマックイーンにしたように。
2022年 105本目
映画としては普通。どうしても盛り上がりに欠ける。
しかし、レジェンド。渋いし、映像は◎
比べてはだめだがマークスマンを観てたからなんかなぁと思ってしまったのかもしれない。
この先あと何作クリント・イーストウッドの映画を観れるかわからないが、自分もこの人の映画の良さがわかる年齢になったんだなぁ。とつくづく感じました。まだまだ長生きして傑作を生み出してほしいです。
トゥルー・マッチョ
監督歴50年、監督作40本。
このキャリアだけでもクリント・イーストウッドがレジェンド・スターでありつつ、名監督である事が分かる。
映画監督の中には10年ブランク空いたりもするが、途切れる事なく作品を発表し続けるハイペースと精力に改めて驚かされる。
節目の本作。
キャリア史上に残る新たな傑作誕生!…には正直ならず。
が、これまでの作品からの醍醐味やらしさが濃縮された、非の打ち所の無い“イーストウッド作品”。
寡黙で武骨で頑固。妻子に先立たれ、独り身。イーストウッドが演じる役柄はイーストウッドが演じる為にあるようなもの。様々な役に挑むのが映画俳優ならば、一貫して己のスタイルを固持し続けるのはイーストウッドのような銀幕スターである。
米テキサスの荒野。元ロデオスター。現代に置き換えた西部劇。
元雇い主である牧場主から、メキシコに居る別れた妻の元から息子を連れ戻して欲しいと頼まれる。以前は麻薬だったが、今回は人の“運び屋”。
メキシコへ。見つけ出し、アメリカへ戻るロードムービー。その道中の心の旅路。老人と少年の交流は『グラン・トリノ』を彷彿。
また、これは後ほど改めて触れるが、『マディソン郡の橋』を思わせるロマンスも…。
イーストウッド作品好きなら、思わずニヤリとしてしまう定番やあるある。
派手なアクションやスリリングなサスペンスは無く、静かで地味な人間ドラマながら、二人の交流をユーモアを交えつつ、心に刺さる台詞、しみじみと温かく、手堅く魅せる。
傑作や名作の類いではないかもしれないが、紛れもなく佳作で良質作。
絶対的信頼性のある手腕に、安心して作品に没頭出来る。
一言二言で言えば簡単な仕事。が、実際は…。
元雇い主の元妻は、メキシコの豪邸で毎夜のようにパーティー三昧。男も取っ替え引っ替え。“女”であって“母親”ではない。こちらの要望など受諾する訳が無く…。
親の愛を受けられず、どんなに可哀想な子供…会ったら驚いた!
盗みに闘鶏賭博、態度も悪けりゃ口も悪い。
自分の事を“マッチョ(=強い)”と大言壮語の“悪童”。
当然素直に言う事聞く訳がない。
が、父親の牧場や馬、少なからず父親に会いたいという気持ちはあり、アメリカ行きを決意。
役目の半分をこれで終え、後は彼を父親の元へ連れて行くだけなのだが、ここからが本当に大変。
ロードムービーであり、バディ・ムービーである。
旅のバディとの相性が良ければ最高の旅になるが、相性悪ければほとほとうんざり疲れる旅になる。
老カウボーイと少年。年齢も価値観も人生も全く違う。
事ある事に言い合い、対立、反発。
頑固ジジイvsクソ生意気ガキ。ある意味、見せ場満載。
でも、共通点も。最も大事な点かもしれない。
孤独。独り身の老人と親の愛を知らない少年。
マイクはラフォに何を重ねたのか。
亡き息子か、若かりし頃の自分か。
今この少年に誰か手を差し伸べなければ、少年に未来は無い。
雇われ仕事ではあるが、請け負った以上、大人としての責務。
大人や世の中に反発心剥き出しのラフォ。誰にも頼らず、一人で生きていけると意気がる。実際、そうやって生きてきた。
しかし、このままだったら歩む道は…。
口は強気だけど、子供は子供。これから先、一人ではどうしようもない苦難や困難、岐路がある。
その時、どうすれば…?
助言者が必要だ。誰かを頼ったっていい。
成り行き上だが、その相手がこの頑固ジジイ。
偏屈だが、長い人生の中から酸いも甘いも経験してきた。
それを少しずつ、学んでいく。
人と人の出会い、交流。
これから人生を歩んでいく為の何かがそこにある。
旅はトラブル続出。
車が盗まれ、立ち往生。
母親が放った追っ手。銃を持った危険な奴。
ラフォが承諾したとは言え、母親からすれば誘拐同然。あちこちで警察の検問。
故に車が盗まれた時も警察に助けを乞えない。
それを避ける為、かなり時間掛かるが裏道を行く。
人生は時に寄り道すると、思わぬ出会いと岐路がある…。
荒野の田舎町。
そこで酒場を一人切り盛りする女主人、マルタの世話になる。
警察から匿ってくれ、毎日の食事。寝床の提供も。
世話になりっ放しで面倒掛けてると申し訳なく思うが、マルタは“したい事をしてるだけ”。
無償の奉仕、精神。それこそ“聖母(マリア)”のような。
夫や娘夫婦に先立たれ、幼い孫たちと暮らす。彼女もまた独り身である。
次第に惹かれ合っていくマイクとマルタ。
二人が抱き合って踊るシーンは、大人の男女だからこその味わい深さ。
もし、父親の元に帰るなんて目的が無かったら、ずっとここに居たい。
それほどの心地よさ。
ラフォもマルタの孫娘と惹かれ合い、おそらく生まれて初めてなのだろう、こんな気持ち。自分が居ていい場所。自分が居たいと思う場所。
が、マイクも頼まれた以上、ラフォも一度決めた以上、行かなければならない。
母親の追っ手がこの町に現れ、これ以上迷惑掛けられないと、別れを告げ、旅を続ける…。
旅再開してほどなく、マイクはラフォにある事を打ち明ける。
父親が息子に会いたいのは無論親子愛もあるのだが、それとは別のある理由…。
ショックを受けるラフォ。
自分は父親や母親にとって、自己利益の為の“所有物”なのか…?
さらに腹ただしいのは、マイクがそれを知っていながら今の今まで隠していた事。(マイクも後になって知ったのだが)
良好になっていた二人の関係に、またまた険悪な雰囲気が。
そこに、警察や追っ手が現れる。
旅も終盤。この最大の局面をどう突破するのか…?
見始めたら二人と一緒に旅に同行しているような、さすがの語り口、引き込ませだが、少々引っ掛かった点も。
車が盗まれ、立ち往生。もっと荒野を放浪する心身困憊のシーンがあっても良さそうだが、あっさりと田舎町に着く。
いがみ合っていたが、仲を深め、打ち明けてまた険悪に…。終盤の局面を突破し、父親の待つ国境に送り届け、名残惜しさと共に別れる。いつの間にか対立感情が無くなっていて…??
ラフォは父親の元へ。あの町に戻るという選択肢もあって良かったのでは…?
でもこれは、ラフォが自分自身で選んだ事。
母親の元に居た時の二の舞になるか、父親の元でしっかり牧場経営を学び立派に成長するか。
マイクと過ごした心の旅から影響受けた“マッチョ”が試される…。
本作のテーマの一つは、マッチョ=強さ。
強さとは何か…?
それをアピールし、見せびらかす事…?
誰にも頼らず一人で生きていく強さ…?
もしそうだったら、この旅は無意味だった。
強さを自分からアピールし、自慢気にしない事。
困ってる人を無償で助け、悩める者を導く。
全ては旅の中にあった。
強さとは、優しさ。
それが本当のマッチョ。
イーストウッドが教えてくれる。イーストウッドだからこそ伝えられる。
尚、旅にはもう一人…いや、もう一羽同行。
ラフォの闘鶏、マッチョ。
終盤、思わぬ活躍! 彼こそ“マッチョ”であった。
ほっこりした
悪くはない。だけどめっちゃいいわけでもない。
好き嫌いが別れるかも。
私はこの映画のイーストウッド氏に恋をしたのかも(笑)
分かる人いると嬉しいです。イーストウッド氏の最後の結末は途中で予想ができたがあの子のはどうなったのか…ちょっともやもやが残りました。
結果論良作
イーストウッドの出演作としてはこれが最後なんじゃとビクビクしながらも楽しみにしてます。
最初大丈夫だろうかと心配になったけど、最終良作でした。
イーストウッドは年齢、動き的に出演はもうつらいのではと思ってしまいました。
監督として生ある限り良作を作り続けて欲しいと切に願います。
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