ネズラ1964

劇場公開日:

解説

1964年に公開予定だったが頓挫した幻の特撮怪獣映画「大群獣ネズラ」の舞台裏をモチーフに、史実にフィクションを交えて描いた映画製作奮闘記。後に「大怪獣ガメラ」を生み出す大映が、1964年に公開を予定して製作を始めた「大群獣ネズラ」。63年秋にクランクインした同作は、「実際の生きたネズミをミニチュアの中に置き、巨大な怪獣に見せかける」という手法で撮影が進められていたが、現場にノミやダニが大発生。スタッフはガスマスクをするなどして対策をとったが、近隣住民のクレームにより保健所が撮影禁止を勧告し、撮影は中止に。宣伝用のスチール写真とわずかなフィルムを残して幻の映画となった。戦前の特撮映画を復活させて話題となった「大仏廻国 The Great Buddha Arrival」の横川寛人監督が、KADOKAWA(旧・大映)に企画協力を得て、1963年から64年の「大群獣ネズラ」製作当時の背景をリサーチし、困難な環境の中でも特撮映画を撮ろうとした製作者たちの奮闘を描く。「ガメラ 大怪獣空中決戦」の螢雪次朗、「ゴジラ2000 ミレニアム」の佐野史郎、「ウルトラマン」の古谷敏など、特撮映画に縁深い俳優が出演。

2020年製作/53分/G/日本
配給:スリーワイ
劇場公開日:2021年1月16日

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映画レビュー

3.0熱意は買うかな

2021年3月11日
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鑑賞方法:映画館

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本作が制作された経緯や企画アイデア、特撮シーン撮影の工夫や苦労を知れば応援はしたい。
出来る限り、好意的なレビューをしたい、とは思う。
ただ、シアターで通常料金を取って鑑賞するに足る出来栄えか?と問われたら、少し残念かな。
結局、制作企画のスタートから頓挫までのドキュメンタリーのみという構成なので、映画作品というよりも「オマケのメイキング映像まとめ」のみ、なのである、早い話が。

もちろん、その「メイキング映像」こそが「今回制作された作品」なんだけどね。
観る側としては、もう少しだけでも「本来、制作されるはずだった”大群獣ネズラ"という映画」を観たかったな。部分的でもいいから。
もう、CGとか使っちゃっても構わないから「ネズラが、どんな映画だったのか知りたかった」という思いが否めない。
特撮部分や演技の面はいずれも素晴らしかった。だから、残念なのは脚本のみである。あと少し、どうかあと少しだけ頑張って欲しかった。
クラウドファンディングの限られた予算内では限界だったか?いや、脚本の問題だと思うから、方法はあったのではないかなぁ・・・。

気になったのは2点。
冒頭のユカワの台詞で「ビデオを撮っていきます。」というフレーズ。
あの「〜〜していきます。」という言い回しはyou tuberなどを通してこの10年程度で加速的に広まったが、非常に違和感ある日本語だ。90年代頃には奥様向け料理番組でたまに聞く程度だったが当時は流布していない分、余計に違和感が大きかったものだ。
「混ぜていきます」「切っていきます」「撮っていきます」
何故「混ぜます」「切ります」「撮ります」じゃだめなんだ?動詞には元々「短時間の継続」を意味する用法が含まれている。本当に「〜していきます」が適している場面というものはあるが、現在はすっかり濫用が定着して区別がつかなくなってしまった。
しかし昭和38年にはそんな言葉使いは有り得ない。あの一言ですっかり38年にタイムスリップ出来なくなってしまった。
もう1点はラストシーンの社長宅。エアコンの室外機が堪らなく気になった。38年の社長宅ならば当時最新鋭の「室外機・室内機の分かれたセパレート型クーラーはあっただろう。(エアコンではなくクーラーだよ?)
しかし、無骨な室外機は今のエアコン室外機のようにスタイリッシュなカバーに収まりはしないはずだ。
サイズも違うんじゃないかと思う。
(私の寡聞なだけで、実際にあの形状の品があったなら申し訳ない)

まぁ、とにかくこんな辛口批評をするつもりではなかった。
制作スタッフの熱い思いと、特撮に賭けた努力は大いに評価したい。
往年の怪獣映画ファンの皆様には、機会があれば是非ご覧頂きたい。
とくにガメラ派の方々は必見である。

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pipi
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