ニューオーダーのレビュー・感想・評価
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今もどこかで
同じようなことが起き得る。
貧富の差が激しい南米、中南米。(メキシコ想定)
リッチ層、調子に乗ってると痛い目に遭うぞ。
貧困層の使用人を優遇しないと牙を剥かれるぞ。
というようなメッセージ?
国内の階級(インドのように明確なものはないが)による反乱。
とはいえ、これは酷い。
地獄絵図である。
使用人達の逆襲は暴徒化した下層(多分)兵士によって先導されたものなのか?
どんな風に先導したのかよくわからない。
少なくともクリスチャン(使用人の息子)は知っていた?
不機嫌そうにパーティーを手伝ってたおばちゃん達もタイミングを見計らっていた?
嬉々として金目のものをバッグに詰め込むシーンは反吐が出そう。
心優しいマリアンヌ。
元使用人の奥さんのためにパーティーの途中で外へ出たことは、逆にすぐに殺されずに済んでよかったかとも思えたが…そんなことはなかったか。
手術代20万ペソってどのくらいの金額だったんだろ。
富裕層数人のポケットマネーを合わせれば出せる金額?
保釈金(払うのも腹立たしい!)を払って解放された後の射殺…もう絶望感しかない。
マリアンヌがかわいそう過ぎ。
クーデター。
日本とは無縁と平和ボケの私達は思うけど、今も世界のどこかで起きてることだからね。
怖い作品だった。
リアルな話し
この映画、メキシコの近未来となってますが、これ現実でしょ!って感じました。
丸山ゴンザレスさんがメキシコ、コロンビアによく取材に行ってますが、ほんとに現地の警察に軍が腐ってます。まともな警官、軍人もいますが。コロンビアだったか、鉱山の違法採掘が摘発されたはずが、しばらくするとまた違法採掘されている。抜き打ちで摘発のはずが、数日前には情報が漏れていて、それも警察だったか軍だったか、上層部が漏らしているらしい。
メキシコでも警官の上層部がカルテルと癒着していたり、この映画見てたら、これ現実だよね。と。
『音の谷ラテンアメリカニュース』を見てください。ほんと、麻薬カルテル絡みの◯人、身代金目的の誘拐、ゲリラによる警官殺害、誘拐、少女がレ◯プされて◯された。カルテルの◯害方法が恐ろしい。ここには書けないレベル。
どれだけ毎日人が亡くなっているか。ほんと日本でも沢山事件はおこっていますが、比じゃありませ
ん。丸山ゴンザレスさんがメキシコ行った時、普通に道端に◯体が転がっていました。メキシコのとある女性市長がカルテルに襲われ、旦那さんが亡くなり、市長が重症をおって助かったけど、その後2度目の襲撃で亡くなったと。日本に生まれて良かったと思う反面、他国では日常茶飯事で恐ろしい事がおきているんだ…と考えさせられる映画だなと思いました。
ポスタービジュアルがミスリード
蛍光緑のポスターで勝手にパンデミックものかエイリアン的なのを想像してましたが、もっと社会的なやつでした。冒頭の雰囲気はとても良い。元使用人が病気で金の普請に来る、金持ちたちは適当にあしらおうとする、確かに8年前に働いてたってちょっとつながり薄すぎるよね、でもきっとこの金持ちたちにとっては小銭レベルじゃない?20万を出し渋ってたけど娘の身代金80万はその場で出てきたもんね。冒頭贅を尽くしたパーティをしている金持ちたちが襲われるのは本当に小気味が良かったです。元使用人を追い返した家族に反発したマリアンがそれを逃れたのもとても良いよ。最後その善人たちが助からないというのもシニカルで良いと思う。でもいまいちニュー・オーダーというその体制がよく分からんかった。最後死刑を見届けてたのってビクトル?この金持ちを誘拐して資金稼ぎするということがニュー・オーダー?でも人質みんな殺されてるっぽいし。細かい描写や人物像はとても丁寧で見やすいのに、ストーリーの幹の部分がなんかぼやけすぎてて消化不良した。
まあ嫌な気分にはなります
最後も口封じで〇〇とか、捕まってレイ〇されるとか嫌な事の連続なんですが特に余韻も無く、うわああああああああって感覚もそこまで無いし、あーそうなっちゃうんだな!くらいの感じでした。
胸糞系の作品ですが韓国の一部の作品に比べると酷い話ではあるけどパンチは弱いですね。
北野武の近作の緩さが哀しい。
必見。
この重量の悲劇と憎悪の折り重なりが今昔の戦争の火種なら、
私の無邪気な反戦など軽薄軟派。
我が国では起きない(と思いたい)激辛の修羅場。
乾いた暴力の下敷きだろう北野の近作の緩さが哀しい。
首をこのテイストで撮ったなら。
高橋ヨシキ氏推薦作。
86分に凝縮されたディストピア
最初の幸せな時間からの、暴動が起こるまでの時間がちと長く感じたけど、貧困層の暴徒がお屋敷に入り込んできたと思ったら使用人もバッシバシに裏切ってお宝持って逃げるし妊婦だとしても容赦なく殺すし、おおおおお…ってなったのも束の間、昔の使用人が妻の手術費をどうにかしてくれないか、、というお願いを主人公の家族全員が体よく断ろうとしてるのに、あたしがなんとかする!と使用人の男の子を連れて出て行く。
正義を貫いたから家での残虐な暴動に巻き込まれなかったんだね、よかったねーと思いきや、もっとひどいやん。
金目当ての下級兵士に誘拐されて、布団もないアスファルトの床で雑魚寝、レイプされるわ、拷問されるわ、お風呂は水をホースで浴びせられるだけ、という信じられない地獄に突き落とされ、兵士同士の抜け駆け施策に主人公も使用人も使われて、結局色気を出しすぎた兵士のせいで地獄の生活場も無くなってよかったねーと思いきや。
主人公をやっと家に連れて帰ってくれるのか、そこだけハッピーエンドか、うんうんと思いきや。
身内の不祥事は隠せ、と言わんばかりに善人の使用人の家で守るべきはずの軍人が主人公を射殺、息子はその隠れ蓑にされて射殺され、お母さんは公開処刑。
もう、なんなのよ…
結局軍事国家になると、暴力を支持できる人が一番強いんだな。
で、あんなに暴動起こしててもブルジョワのお家の方はちゃんと守られてるってところに、暴力とお金の切っても切れない関連性が垣間見れる。
ライムスターの宇多丸さんがオープニングの絵のタイトルをラストにドンっと出すのがスマートだ、と言ってたけど、読めなかった…!なんてタイトルだったんだろか。
追記:初めてトラウマ級に脳みそにこびりつく作品だった。
理不尽で不愉快極まり無い恐怖
物語のダイジェストをオープニングで流す断片的な映像に混乱しながら劇中では映されない場面も数々、本作と同じ製作年のメキシコ映画『息子の面影』と同様に大丈夫か?メキシコという国は!?と半信半疑ながらも不安になる、起こる事柄が理不尽極まりない不愉快さで観ていてイライラしながらも胸糞悪い感情がラストのオチでピークに突入してしまう、非現実的でありながら近い将来の日本が陥りそうな気さえする、戦中、戦後でも有り得たようなそれと近い何かはあったんじゃない??
ミヒャエル・ハネケの『ファニーゲーム』並に救いようの無いショッキングな内容とそれよりも歯痒い下々の叛逆から金持ちの傲慢さ、それだけでは済まない国家権力という悪魔そのものに敵う余地などまるで無く発散できない怒りが込み上げてくる、本作の監督であるミシェル・フランコの作品を初めて観たがハネケみたいに嫌ぁなのばっかり撮る感じなのか?他も観て確かめたくなったり。
【”新しい秩序。”社会派ミシェル・フランコ監督が”格差社会を解消しないとこの映画の様になるかもしれないよ・・。”と物凄いシニカルな視点でメッセージを発信した恐ろしい作品。】
ー 冒頭は、格差社会の上位と思われる人たちが、主人公マリアンの結婚式を祝いに来ている。皆、瀟洒な衣装に身を包み談笑している。
だが、その外部では暴徒化したメキシコの軍勢が今までの社会秩序を崩壊させるが如く、非道極まりない行いをしいていた。-
◆感想・<Caution!やや内容に触れています。>
・社会派ミシェル・フランコ監督の言わんとしている事は良く分かったが、観ていて相当にキツイ映画である。
・マリアンは式を抜け出して、元召使のロランドの娘、エリサを助けに町に車で出るのだが、アッサリ暴徒化したメキシコの軍勢に捕まり、非道なる仕打ちを受ける。
ー 善が機能していない事を、示している。-
■因みに、リドリー・スコット監督の「悪の法則」では、メキシコの麻薬カルテルの異常なる残忍さが描かれている。
ペネロペ・クルス演じる美女が恋人の弁護士が麻薬カルテルと接触してしまった事から、トンデモナイ事をされるのだが、ブラッド・ピットが演じた男が”メキシコ人の一部は人間の姿をしているが、中身は別の生き物だ。”と言う台詞がある。
何故か、今作を観てその台詞を思い出してしまったよ・・。
<舞台はメキシコであるが、もしかしたらどの国でも起きてもオカシクナイ気がする映画である。
マリアンにとって、人生最良の日となる筈の日が、最悪の日になるというシニカルな展開も、鑑賞後の実に嫌ーな感じに輪を掛けて来る作品である。>
社会問題への注意喚起と、それに対する民主主義的な解決を願う監督による作品
メキシコのリアルな社会課題が描かれていると聞いて映画館へ足を運んだ。
冒頭の結婚パーティーから圧巻。貧富の差、富裕層内での癒着、お金のやり取り、コカインなど薬物との共存、子供に対する親の権力など、リアル。
その上でクーデター。
富裕層から急に身柄を拘束される側になる人々の様子や、クーデターを起こした軍も結果的に権力に癒着していく様子が生々しい。
ミシェル・フランコ監督の民主主義による解決を求める声が詰まった映画だと思う。
中々の胸糞具合
ひとつも救いの無いディストピアムービー。
格差の抗議運動が暴徒化、合わせて軍事クーデターという、天国から地獄に急転直下するような作品。
無秩序の中駆け抜けるような全編パニックで、地獄絵図を延々と投げつけれらます。
不快になるようなアイディアがものすごく、ルイヴィトンの店舗前なんて強烈な絵面でした。
派手な演出の中にも、全くありえないことでは無い恐ろしさがありました。
久しぶりに中々の胸糞具合でしたね。
面白いとは言い切れないが特別さは感じる
これは衝撃的でなかなか興味深い作品ではあるものの、娯楽性という意味では少子物足りないものがあった。
貧困層が富裕層に対して牙を剥く対立の物語ではあるけれど、その奥には暴力による新しい秩序の構築がある。平たく言えばクーデターだ。
これら一連の展開が容赦なく描かれ、一筋の救いもないところが本作の魅力といえよう。
いうなれば、善が悪に蹂躙されるだけの作品だ。
そこに慈悲や躊躇いのような葛藤がないところがすごい。力あるものがさらなる力を手にするため、その障害となるものは全て駆逐する。人間をいとも簡単に処分する。人が人ではない、何か物かのように。
力のない者が淡々と塗りつぶされていく様を見るだけでドラマ性が薄く、すでに書いたように娯楽度は高くない。
それでも、次々に襲いくる容赦のなさに恐怖を感じ、作品に特別さを見出す人の気持は分かる。
ゾンビの出ないゾンビ映画
WOWOWでタイトルだけみて、またマンチェ関係の映画だと思って観たら違った。全然バンドとは関係なかった。ゾンビ映画がメタファーとして描いてきたものを、メタファー抜きで直接に富裕層と貧困層の対立として描いたリアルに胸糞悪いパニック映画だった。世界の現実を映し出す意図も明確だし映像も鮮烈、徐々に拡がっていく不穏さもホラー映画として面白かった。しかし統治する体制そのものが悪の根源として描かれたとしても結局のところ『匿名の群衆』が怖ェ〜という印象が1番強烈に残ってしまうのは、映画の伝わり方としてどうなん?、というところもあり、やはり〈人間怖い!〉という映画はゾンビなどのオブラートに包んでもらった方が楽しみやすいな、とは思った。群衆心理が怖いとか人間が醜いってのは重々承知なので、それをそのまま描かれると凄く滅入るというのもあるし…。
いゃ〜怖いわ
メキシコでの事件。貧富の差に激怒した貧しい人たちが富裕層を襲う。自宅で結婚のパーティーをしていたマリアン宅に暴徒と化した労働者が侵入し始める。パーティーの最中、あやしげな人が次々に塀を乗り越えて入ってくる。怖いよね〜。すぐに銃を撃ち始め、パーティーに集まった客達を部屋に押し込め、略奪、殺害し放題。貧富の差に苦しい思いをしても、ここの家庭、客達が悪いわけではないのに、そんなことはお構いなし。たまたまパーティーに来た人達は巻き込まれて気の毒。マリアンは元メイドを助けようと家を抜け出していたから難を逃れたが、こちらも地獄。
軍隊が富裕層を連れていく。助かるのかと思ったらとんでもない。監禁されて、ビデオを撮らされ、身代金を要求する。同じ国の国民同士で、ここまでするか、、、
男も女も関係なくみんなの前での集団暴行、暴力。男も女もごちゃ混ぜで裸にされてシャワー浴びて、といっても水をかけられているだけよようだが。
人権も何もない。やりたい放題。軍人がこんなことしていいのか?身代金を受け取りに行った数人は処刑されていたが、もっと大勢処罰されるべきだろう。
同じ国民なのに、なぜ軍人もここまで残酷になれるのか。暴徒と化した人々も我慢の限界だったんだろうが、怒りの矛先が違うのでは?
ただの“胸糞映画”と言うなかれ
話題になっていた様なので何気に借りて見たが、いやぁ~久々に落ち込む作品を見てしまった。
いや、映画的にダメな作品という意味ではなく、むしろ凄い作品ではあるし映画史的にも非常に重要な作品であると思います。
で、本作を一口で言い表すならば正真正銘の“胸糞映画”という事になるのでしょうかね。
最近、他者の映画の感想を知りたい時まず最初に観るのが映画サイトレビューよりもYou Tubeになっていて、本作を検索するとサムネイルに“胸糞映画”という文字が並んでていて、正にそう思わせる作品なんだと私も思いましたよ。
いや、こういう悲惨で残酷な光景や痛烈な社会批判の作品は今までにもたくさん見てきましたが、多くのそうした同系の作品とも違う嫌な肌感というか、どうしようもない嫌悪感を刺激させられる作品でもありました。
本来こういう作品は、メッセージとしてこうならない社会を目指し考えましょうというのが根底にあるのですが、本作の場合はそれがあまり感じられず、人間とは本質的にこういう生き物なんだという事を描いているようでした。
(私に)そう感じさせたことは作り手にとっては大成功なのでしょうが、見ている方は堪ったものではない。しかし、リアルから目をそらすなという方向性の作品であるのなら仕方ないですね。
まあ、世界を見渡すと映画の中で起きている様な出来事は山ほどあり、現状なんらかの方法で秩序が保たれている社会の人間からすると、この秩序はなんで保たれているのか?その方法または力とは何なのか?それはひょっとしたら非常に危ういバランスで保たれているのかも知れないし、本作を見ていると戦争(若しくは反乱、革命、暴動)が起きる必然性とか、それが起きた時の人間の本質であるとかリアルな姿を非常に冷徹に明確に端的に容赦なく描かれていて、全ての登場人物に対して、もし自分がその場に置かれても只々無力に絶望するだけという、全く救いのない作品なのです。
逆に言い換えると、様々な問題があろうとも今何らかの力で(たまたま)秩序が保たれている国の国民であることの幸運に感謝したくなるような作品でもありました。
また、本作を“胸糞映画”と言う事は、そもそも人間の存在そのものが胸糞であると言うのと同じであり、その点を考えさせる(伝える)映画だったのでしょうね。
新しい気付きを得られる=これは良い映画だ
公開時より観たかったがなかなかタイミングが合わずDVD化してから鑑賞
良い映画というのは言わずもがな面白い(興味深く、関心する)という意味である
ストーリーについては救いもなく、息を呑む容赦ないシーンが見どころ
鑑賞後は幾つかの疑問が残るが、鑑賞中は難しいことは考えずに観ることができた
やはりラストの展開
一見すると市民が暴動を起こし、富裕層が襲撃めちゃくちゃに振り回される主人公。暴動は鎮圧されつつあるが軍の力が強くなりさらに振り回される。その時警察は味方なのか…?という話だが。
"振り回される"で済んでいい展開ではなくそれは強烈なものになっている。
他の評価者のレビューから色々と分かったこともあり、「なるほどなぁ」と感心する点は多かった
反体制を描いているように観ているだけではこの作品の真意は汲み取ることができていないかも
軍も警察も、上層部は富裕層の一部や政治家と手を組み新秩序へ誘導されていたということなのか
エンタメ性が高い一方で監督の格差への批判も鋭く刺さった作品だった
個人的には一市民の自分はエンタメとして楽しめたが、国としての根幹を揺さぶられる感覚は恐怖でしかない
90分足らずと見やすいが、展開(特にラスト)はあっさりしておりこれはこれで物足りなさもある
今まで見た映画名の中で一番ひどい映画でした。 ただただひどい状況を...
今まで見た映画名の中で一番ひどい映画でした。
ただただひどい状況を描いただけ。
主人公?たちの感情もなにも描かれていません。
救いがない系の映画にしても、ひどすぎます。
監督の一方的な考えにストーリーも主人公もただ振り回されているだけでした。
三色鬼
ミシェル・フランコの作風がどんどんミハイル・ハネケに似てきている、そう感じているのは私だけでしょうか。一見、貧富格差が原因で起きた暴動を描いたディストピアムービーのような体裁をしていますが、本作には目に見えない別の伏流水が流れています。しかもそのヒントとなるキーの開示が極めて不親切でハネケっぽいのです。あの傑作スリラー『隠された記憶』のように、気づけない者を嘲笑う監督の意地悪い顔が目に浮かびそうなのです。
メキシコのとある市長宅で、娘マリアンの結婚を盛大に祝うパーティーが開かれていた。そこにヒョコヒョコと現れた屋敷に昔雇われていた使用人。かみさんの手術代の無心にやってきた男を哀れんだマリアはなんとか力になってあげようと元使用人の甥と共に、暴動が起きている中元使用人の家へと向かう。その時、市長宅に賊が押し入り拳銃を乱射、市長もその銃撃に倒れてしまうのだが.....
ここで不自然なポイントを箇条書きで整理してみましょう。
①暴動が起きているにも関わらず何故軍か動かなかったのか?
暴動が起きることが予めわかっていた、もしくは軍によって導かれた群衆がおこした計画的暴動だったのではないでしょうか。市長宅を襲った輩の中に警備の連中も混ざってましたよね。さらに、ボスと呼ばれる軍のトップが賊が侵入する前にちゃんと屋敷を脱出していました。予めこれから起きることがわかっていた証拠でしょう。
②何故、市長は殺されなかったのか。
軍と市長が予めつるんだ計画だったからです。後で怪しまれないよう、賊には急所をはずして市長を撃つよう指示があったはず。一命をとりとめた市長が後に軍によって手厚くガードされた理由もこれで説明がつきます。冒頭、市長とボスがズルズルの関係にあることをマリアンが揶揄ってましたが、後々起こることの伏線だったわけです。
③なんのための計画だったのか。
すべては『ニュー・オーダー(新秩序)』のため。市長のライバルとなる他の金持連中を潰し、暴動をおさめた軍の権力をより拡大、ロイヤリティの欠片もないパンピーへの監視を強化、体制に逆らった者や体制維持に都合の悪い者は容赦なくパージしていく『1984』のような社会を築くためといってもよいでしょう。現代社会がその過渡期にあることをミシェル・フランコは我々に鋭く警告しようとしているのです。
④マリアンは何故殺されたのか?
娘が屋敷を脱走して使用人宅へ向かうことははじめの計画にはなかったはずです。息子や娘むことともに生き残りリストに入っていたと思われます。ちなみに、前妻姉妹の命令を無視した市長の看護担当は新しい奥さん候補なのでは?マリアンは軍の一部が金に目がくらみ密かにおこした、クーデター内クーデターの餌食になってしまったのです。そして、真犯人が軍人だとバレると何かとマズいと思った制服トップが、全てを使用人たちのせいにして揉み消しをはかったのでしょう。
こういう映画を見た後だと、何もないけどとりあえず平和にだけはこれ幸い恵まれている日本に生まれて本当に良かったと思うのです。クリーンに見える輩ほど中身は真っ黒、皆さん気をつけましょうね。
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