ニューオーダーのレビュー・感想・評価
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予告動画だと面白そうだった。
予告動画だと、水道から出る緑の水、ゾンビ?ぽい人間。パニックホラーかな?と思って、レンタルでパッケージを見ないで借りたら・・・・内乱と言うかクーデター、貧困層に襲われた富裕層の話だった。
うーん、襲撃・惨殺、性的暴行などのシーンはリアルかなぁと思ったけど、政治的あるいは軍事的な背景が殆ど無視されていて、「だから?」って感じだった。
ハードボイルドだど!
メヒーコの近未来に起こり得る民衆暴動と軍による鎮圧の暴虐ぶりを最初から最後まで緩むことなくヒリヒリさせながら描き切った傑作映画だったわ🤯この人マジでハードボイルドな監督さんネ
日本には起こらないって誰が言い切れるのか?
ブレない演出にオイラから星⭐️⭐️⭐️⭐️✨捧げます!
内戦に巻き込まれる恐怖
普通に考えると内戦起こったから脱出するまでを描くハラハラサスペンスなのかなって思ったら大間違いで
理不尽に淡々と殺される
主人公も相当酷い目にあって 罪の無い人が絞首刑になったり 無限に地獄を見せつけられます
エンタメ性ゼロで笑うシーンもアクションシーンも無いけど リアルはこんな感じなんだろうなって思うので
下手なホラー映画より怖い内容で 後味悪いグランプリ2022のダントツ1位でした!
怖い。。
お正月はハッピーな映画やアニメばかり観ていたので、脳にガツンと衝撃!ハッピーな映画だけが良い映画ではないことを思い知らされました。
華やかな結婚式から急転直下、まさに転げ落ちるような悲惨な展開。始終、自分だったら?と思わずにいられない状況でした。
日本もこのまま貧しくなり続けたらこんな日が来るかも?とても考えさせられ、強烈な印象に残る作品でした!
鑑賞動機:何か大変なことになっているらしい10割
つい欲張って手を出して、2022年の終わりが緑で塗りつぶされてしまった。何となく暴動の中でのサバイバルみたいな話だと想像していたが…。暴動は単なるきっかけで、不条理と理不尽の嵐の始まりでしかなかった。ノブレス・オブリージュどこいった。軍隊という暴力装置の恐ろしさは、中の人も実はよくわかってない。自己保存が何をおいても優先されるってことか。
時間が短めなのがせめてもの救い。
明日かもしれない物語
結婚式が無事にとり行われ、マリアンは幸せの絶頂にいた。
そんな時、かつての使用人の男ロランドが結婚式にやってくる。
彼は病気の妻の手術費用が高額のため、マリアンたちにお金を借りたいと頼ってきたのだ。
彼女は必死に解決策を探すが、家族たち全くは取り合ってくれない。
時を同じくして、街では低所得者たちが突如反乱を起こし始めていた。
そして、その地獄は富裕層が集まるマリアンの結婚式会場にまで忍び寄っていた。
目を背けたくなるような現実の映画。
ただし、せめて映画の中だけでもしっかり直視しなければならない。
社会に根強く存在している目に見えないヒエラルキー。
その均衡の崩壊は今すぐにでも起こる可能性があるし、映画内の地獄のような惨状は今も世界のどこかで起きている真実だ。
緑の塗料が社会組織の危うさや脆さを鮮明に色付ける。
きっともう現実は水道水が緑になるレベルまで達しているはずだ。
特に印象的だったのが、敵も味方もないというところ。
はじめは貧困層の富裕層に対する反乱だったのだが、それをすぐに治めた軍隊が今度は覇権を握る。
秩序を守るものが壊れたら元には戻れない。
金のために金持ちを誘拐して拷問にかけ身代金を要求する。
そして金のない一般市民には罪をなすりつけ微塵の遠慮もなく殺す。
軍部がクーデターを起こし…という事象は日本でも起きているようにものすごく身近だ。
これは軍などに問題があるというよりは社会のシステムの問題。
平和ボケしている現代の日本人こそ観るべき作品だと思った。
圧倒的なリアリティだった。説明が全く無いので、ある程度の背景知識...
圧倒的なリアリティだった。説明が全く無いので、ある程度の背景知識がないと難しいけれど、本当にムカつく映画だった。メキシコの貧富の酷さとそれに基づく対立や憎しみは画面から伝わって来たけれど、秩序を手にする奴らの卑劣さも描かれていて、さらにはすべてをもみ消そうとする軍上層部の権力。権力というものの象徴のような映画。
すごい作品を観てしまった
22.12.14
U-NEXTにて鑑賞
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夜中寝付けず、86分という短尺だったため
サクッと観れて良いかなと思い鑑賞。
サクッと観れたのは良いが、
考えさせられることが多くて更に眠れなくなった。
プロローグからこれから起きることが予測できるが、
一部を除いてはほぼ予想外の展開。
序盤から貧富の差をまざまざと見せられる描写がある。
そこから物語は徐々に急展開していき、
貧困層が優位に立つかと思いきや、
結局は政府次第で立場は逆転するみたいな、
最終的に貧富の差云々の話ではなくなったような印象。
現実に有りそうでまだ無いお話ではあるが故に、
忘れられないすごい作品を観てしまったと思った。
⭐︎-1の理由は、
武装兵士と軍部兵士の見分けが付かなかったため。
クリスチャンとマリアンが離される場面で、
武装兵士と気付けなかった。
そして誘拐されたらされたで酷い仕打ち過ぎて、
第二次世界大戦の某収容所での出来事を
見せられているのかなと思わされたため。
あまりに突然に終わって呆気なかったけど、
とても記憶に残る一作となった。
積極的にオススメは出来ないが、
視野を広げるためにも、一度は観ておくべき作品。
Getting Worse
だから。ますます悪くなってるんじゃないですか....
打ちこわし/略奪系な訳だから革命に非ず。ジリ貧はミエミエです。人質を一か月も閉じ込めるなんて、国内のその辺に。無理でしょ。
軍の不良分子の関与がバレるとマズいんで、全部闇で処理。人質も、あの後全員、同じ様に「処理」されたんでしょうね。
新しい体制・秩序は、以前にもまして、更に悪くなったよ。
って言う、暴動が更に状況を悪化させただけに終わったと言う惨劇。
ショッキングで情け容赦無しの展開ですが、なんか一本調子で面白くなかった。と言うか、処刑シーン等々、恐怖をあおる演出が全く無いんですよ。銃声だけ、ってのが数か所。これって、どんな狙いがあるんでしょうか。また、さすがに、あの誘拐&身代金振込の組織犯罪は、ずさん過ぎて現実感が無いです。
これがショート・フィルムなら、「面白かった」って言えると思います。
ある視点
日本映画界では鬼才や天才は、監督の技量のなさを弁解する言葉になっている。
とりわけマーケティングにおいてはぜんぜんダメな映画さえも鬼才(or天才)などと喧伝される。
鬼才や天才と定義しておけば、観衆にウケなくても、興行にしっぱいしても、おともだちの旬報にしか褒められなくても、また、たとえつたないだけでも「鬼才(or天才)なので解る人にしか解らない」と弁解することができるからだ。
で、いつのまにか日本映画界は“鬼才”と“天才”だらけになった。
したがって今や鬼才や天才が本来持っている意味にズレが生じているが、鬼才とはがんらい一風変わったorエキセントリックな作風に与えられる冠だった。
本作のミシェルフランコ監督は一応本来的な意味での鬼才と言えるが、かえりみるとかつては鬼才と呼べる映画監督が多かった。ズラウスキー、ハネケ、マカヴェイエフ、オルミ、ベーラ、マリック、チミノ、ギリアム、ラッセル、リンチ、ホドロフスキー、トリアー・・・。いや、それどころか旧時代の代表的な映画監督はみんな鬼才だった。ベルイマン、フェリーニ、キューブリック、ベルトルッチ、タルコフスキー、ゴダール、パゾリーニ、アンゲロプロス、ヴィスコンティ、アントニオーニ、レネ、フランケンハイマー、ヒューストン、小津安二郎、大島渚・・・。
思えば昔は変な映画がたくさんあり、その“変”が、けっして伊達ではなかった。
鬼才で辞書をひくと『人間とは思われないほどのすぐれた才能。また、その持主。』と出てくる。じっさいに昔はその意味で使われていた。
(鬼才を無能な監督の代名詞にしたのは日本映画界とマスコミです。)
だんだん映画のフォーマットが普遍性を帯び、妙な感覚の作品が淘汰され、ウェスアンダーソンみたいな独自の世界を持っている映画は今やほんとに少数派になった。
(ちなみに日本映画界では技量のつたなさを“妙な感覚”にトランスフォームして“鬼才”と呼んでいます。)
ミシェルフランコは深田晃司やBrady Corbetに似ている。とくに深田晃司監督によく似ている。作風を形容するなら“神経逆撫で系”。トリアーの後継者──という感じがする。
とはいえミシェルフランコの“鬼才”にも疑わしさ──はある。
たとえば前述した偉大な先達たちの“鬼才”は力量が解りすぎるほどわかる。しかしミシェルフランコや深田晃司の“鬼才”はなんか怪しい、危なっかしい。偶発か、あるいはポーズ(建前)のように見えてしまうことがあるし、盛ってる感(過剰さ)もある。
──
すごく衝撃的な映画。経済困窮者たちが金持ちを襲い、それを鎮圧する目的で新体制が布かれる。が、じつはぜんぶが仕組まれたストーリーをたどるクーデターになっている。人もばんばんころされ扇情的だった。
VOD(U-NEXT)の概説には──
『社会派監督、ミシェル・フランコが、経済格差がもたらす社会秩序の崩壊を圧倒的なリアリティで描いた衝撃作。秩序を塗り替えるかのように全てを染める緑色の塗料が印象的。』
──とあったが、まずミシェルフランコ監督は(まったく)社会派ではないし、リアルと言うより過剰な印象。
過剰さはときとして鬼才とイコールになる。
で、過剰と鬼才がイコールになっている監督はうさんくさい。
わかりやすい例をあげると(日本を代表する映画監督の)園子温。あるいは(日本を代表する映画監督の)蜷川実花。
つまり「過激な描写をすることで鬼才感を出してくる監督」はうさんくさい──わけである。
前述した偉大な先達は真の意味で鬼才といえるけれど、すこしも過剰(or過激)な作風ではなかった。そもそも過激と鬼才はイコールで結ばれることのないものだ。それが現代の“鬼才”にたいする懐疑心につながってくる。ミシェルフランコ監督は園子温よりははるかに本質的な“鬼才”だが、(本作ニューオーダーの)鮮やかな緑色のビジュアルとテロを合わせてアート値とメッセージ性を併せ持たせました感は(わたしには)うさんくさすぎた。
とはいえミシェルフランコ監督にはなんかありそうな気配がある。父の秘密(2012)も母という名の女(2017)もカンヌで「ある視点」部門賞をとっているが、たしかになんか「ある視点」がありそうな映画を撮る人だ。たしかに一定の見ごたえはある。
暴力の発露
貧富、人種、文化、それぞれの差異を放置して運営される国の はちゃめちゃなガス抜き
野蛮な性質を矯正するのはやはり教育しか無い
仮に国を転覆させたとしても、強奪した金品の価値が目減りするし 無法地帯を作り出したらそれこそビルマのような強権軍政を望む者のおもう壺 名ばかりのニューオーダーが到来する呼び水となる
手堅く真摯な演出でリアリティーはあるも面白味にやや欠ける
その正義は皆の正解
2022年劇場鑑賞39本目 優秀作 71点
作品を通して、争いや格差はこれからの世界でも無くならないよなあと思わせられた作品。
すごく悲しい
2022年ベスト級の胸糞悪さだと思う。
映像の暗さと対比した綺麗さは特筆すべき点で、それ故なのかより怖く悲しい。
勧めづらい作品だけど、是非観てもらいたい。
「緑」が表すものとは?
SFディストピアはまぁまぁ胸糞悪くなる事もあるが、本作の胸糞度はかなり高めだと思う。子どもが興味を持つ映画では無いが、PG-12で公開された事に違和感を覚える。
上流階級の結婚パーティーにて暴徒化した市民が押し寄せ、地獄絵図と化す展開なのだが、それはこれから始まる悲劇の発端に過ぎず、目を疑うシーンが満載の衝撃展開となっていく。
確かに金持ちの人間には成功と闇がチラつき、庶民からすると例えばその人物が汚職等で財産を失ったりすると「ざま見ろ」と心のどこかで思うだろう。本作では短い本編の中でそんな上流階級の人間、下流階級の人間それぞれの光と闇を映し出している作品となっている。
主人公のマリアンは家がかなりの資産家で、結婚パーティーに数多くの著名人等が訪れる家系だ。そんな中、元使用人の男性が訪れ、妻の手術代を援助して欲しいと申し出てくる。それでも主人公以外は冷たくあしらい、追い返してしまう。このシーンは我々一般市民から見た金持ちのイメージ像だろう。コネや賄賂等金で解決して私利私欲を満たすのに、困っている低所得層には見向きもしない。これが彼らにとっての光と闇の一部である。そこに押し寄せた暴徒化した市民。彼らには上流階級の家々を襲い、金品を略奪して暴行や殺害をする事が支配からの自由を表している。だが、最終的には軍の鎮圧によって大勢が命を落とすという闇が訪れる。冒頭で芸術的な演出に多く「緑」が使われるが、緑は平和の色であり、緑の羽募金等で一般的にも知れ渡っている。ところがその緑を不快感たっぷりに描いており、生理的な嫌悪感をもよおす位だ。その理由が終盤で描かれているという構図なのだろう。終盤で描かれるあの新体制が平和であり自由と考えるのか否かと観客に訴えかける様になっているのだと思う。
本作は明確には描かれないものの、メキシコが舞台(あるいはメキシコを模した架空の国)だが、時代背景も描かれていない為、SF感を感じることは無い。恐らく近い未来のイメージだが、時代は進めど国によっては情勢が不安定だったり、市民が自由に思想、発言が出来ない国や地域がある事は変わりないだろう。我々日本人には現実味が湧かないかも知れないが、この出来事をSFではなく、現実にも近い事が起きている事も忘れてはならない問題だ。本作はあくまでも1つの作品であるが、そんな事を考えさせられる様なテーマとなっている。1人でじっくりとこの現実味を帯びたSF物語を味わうことをお勧めしたい。
よかった
貧困層と富裕層の対立を描いているのだけど、一部を切り取って富裕層側からの目線で描いていて、全体像がよく分からず非常に食い足りない。もっとすごい面白いのを期待していて、実際面白くできそうなので残念だ。メイドが貴金属をごっそり盗っていくのがらしくていい。
ありそうな話だから恐ろしい
主人公は、富裕層家族の中で育った娘マリアン。幸せ絶頂の結婚式の日に、身内の手術費がないとお金を借りにきた昔の使用人に対しても、親身になって何とかしてあげたいと、親族や知り合いからお金を集めるために走り回る人格者でもある。
本作の世界観としては、貧困層の増加によって、政府や富裕層に対しての不満が爆発。使用人や労働者たち、そして同調する者たちが結託して、暴動に発展してしまっているというカオスなもの。
しかし今作が恐ろしい点は、現実に起きてもおかしくないということだ。
ある程度の誇張はされているものの、舞台となっているメキシコは、貧富の差が激しく、常に麻薬カルテルや人身売買、武装した強盗の襲撃など、危険が絶えず、穴を掘れば人骨が出てくるというような嘘のような本当の状況なだけに、フィクションとは言っていられない。
本作と同じような思想や不満をもった人々は、必ずいるのだ。
それを富裕層ではあるが、混じりっけのない人格者であるマリアンの視点で描かれるというのが、これまた皮肉に満ちている。
貧困層をバカにしたような、性格の悪い富裕層はいたぶられるというような、ホラーにおけるリベンジや教訓メタファーではなく、徹底的に人格者がいたぶられるのは複雑な気分にさせられるし、富裕層のもとに生まれたマリアンが自分の人生を恨むような、耐え難い体験の数々は、観ていてかなり辛くなってきてしまう。
『父の秘密』『母という名の女』といった濃厚な人間ドラマを撮り続けてきたミシェル・フランコが手掛けたスリラーという時点で、ストレートなものなはずがないとは思っていたが、ここまで後味が悪い作品だったとは……。
企画の発端はあの事件?
粛正、拷問、処刑、、、
新しい秩序は酷い。
でも生きる、愛する、、。
は『大地と自由』だったか。
1995年のパルムドールを、
クストリッツァの『アンダーグラウンド』と、
最後まで競った傑作。
構造的なニューオーダー、
場当たり的なニューオーダー。
怖さの質が違う。
最近だと、『ホテル・ムンバイ』
『ジェノサイド・ホテル』が近いか。
某国で撮影していた時に、
この国では、交渉する相手、
順番、タイミング、を間違えると、
取り返しのつかない事になる事が多いので、
気をつけてください、と言われた。
一生、出国できないどころか、
存在を消されるのか!
と絶望した、あの瞬間が、
フラッシュバックした。
空港で足止めされた。
道路が封鎖されていた。
窓外の男がこちらを見ている。
音だけヘリ。
水道の蛇口から緑色の水。
怖さを積み上げていく。
後半はあまりシナリオを整理しないで、
ニューオーダー、
新しい仕切り、
秩序の順番、
力のヒエラルキーなどを、
カオスのまま、
2014年のあの事件を匂わすように描いたのはインパクト増しを狙ったか、
または、
元々の企画はあの事件を描こうとしてたとか、なのかな。
シナリオを変更していくと、
元の企画はワンシーンのみの、
エッセンスだけ、、、
というのは海外の作品に多い。
根は階級格差か
(劇中で明示的な説明がないので想像だが、)メキシコを擬した某国で、貧富格差を背景に起こったデモが暴動と上流階級への襲撃・略奪に発展、これを契機に軍が政権を掌握(クーデターか戒厳令か)。秩序回復がままならない中、下級兵士の一団が上流階級子弟の誘拐ビジネスに精を出す。
裕福な一家の娘である主人公も誘拐された一人で、事件は父の知己である軍政の指導者とおぼしき将軍の知るところとなり、当該兵士たちは即座に銃殺される。
そして、救出された主人公は彼女を保護した兵士により殺害される。彼女の解放に奔走した使用人の親子が誘拐の「犯人」とされ処刑される。
娘を失った父は将軍と並んで、自分の使用人や同様に犯人に仕立てあげられたのであろう人々が絞首される場に立ち会う。国歌とおぼしきファンファーレが鳴り響く。
ニューオーダーというタイトルだが、この映画は今までと違う新たな秩序の到来というより、
・階級格差と相互不信
・組織犯罪の担い手が実は政府側の人間
・治安組織は組織内の不正に厳しく対処するが(犯人兵士の死体がガソリンで燃やされたのは見せしめ)、身内の恥は隠蔽する(娘を殺害したのは明らかに口封じで、他の被害者も殺されただろう)
・暴力を持つ者が支配する
といった、今のラテンアメリカ(と決めつけられるほど知識がないが)社会の病巣的問題を濃縮したディストピアの一例として寓話的に描いたように思える。
特に、使用する側とされる側の間で育まれた信頼や疑似家族としての階級を超えた親愛の情が、無意識あるいは意図的な悪意により、下層階級へのヘイトとして固定化され、結局は支配の道具となってしまう様がどうしようもなくやるせなく感じた。
個人的胸くそ悪い映画のトップ3にランク入り。
格差社会の末路を容赦なく描き出すドッシリと重たいラテン系ディストピアスリラー
豪邸に招かれた沢山のゲストで賑わう結婚パーティが一瞬で地獄になる話はスペイン産ゾンビ映画の傑作『REC レック3 ジェネシス』に似たプロットだなと思いましたが本作ではそこはツカミ程度の話。物語の核になっているのは極限まで振り切った格差社会の末路。裕福な者が貧しい者をこき使うことで成り立っている世界があっさりと崩壊する件には正直爽快感を感じるほどですが、本作は主人公の花嫁マリアンが余りにも善良であるがために別の地獄の扉が開いてしまう不条理が残酷過ぎて呆然とします。そこで繰り広げられる地獄絵図の容赦ない描写には忖度のカケラもないですが、メキシコの現状を考えると今日明日にでも現実になるかも知れないリアルな緊張感もあって壮絶なまでに不快です。裕福であろうと善良であろうと深い信仰心があろうとそんなことにはその後遅いかかる災厄の前では何の意味もない、それを乱暴に投げつけて終了する底意地の悪さに開いた口が塞がりませんでした。最悪の気分にはなりますがどっしりと重いメッセージは現代社会に暮らす我々の誰もが触れなければいけないものですので広く知られて欲しい作品です。
"予定調和なんかしてやらない!"な映画
なかなか衝撃的場面の連続でしたね…。
背筋も凍ると言うか…中途半端なホラーよりもよっぽど寒気しましたわ、これ。
中盤から後半は、もうほとんど人質にでもなったような気分で過ごさせていただきました…笑
で…
"新しい秩序"下では、不都合なものは、徹底して闇に葬り、"それ"は無かったこととなる。
そして、下らない映画的、ハリウッド的予定調和なぞ…
Mierda!…でした(笑)
*90分間ドキドキしたい方は、どうぞ!
でも、心臓弱い方はダメダメ!笑
*ちょっと補足。
中南米では、empleada(エンプレアーダ)と言って、超金持ちでなくても中流家庭であれば普通に"お手伝いさん"を雇っている事が多いです。だいたい低下層のインディヘナのようです。そして、お金持ちは、だいたいヨーロッパ系の白人ですね。
この作品では、低下層の人々が反乱を起こして政府を乗っ取ったのかと思いましたが、違いましたね。やはり、バックにいるのは白人の金持ちでした。
全70件中、21~40件目を表示