望みのレビュー・感想・評価
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事件に巻き込まれた息子が加害者で生きているか、被害者で亡くなってい...
事件に巻き込まれた息子が加害者で生きているか、被害者で亡くなっているかの2択。被害者であっても生きていてほしいというのはないのだなと不思議には思ったが、とても重い内容です。
母親と父親でも望み方は違う。世間の捉え方も違う。
どちらにしてもそれぞれにとって辛い望みです。
親としてはどちらを望むかな、、、
タイトルの"望み"は、立場が変わればそのモノ自体も変わるを意味しているようで、今回私は"母親"の立場から鑑賞した。
思春期の長男がある日突然いなくなり、そこから家族の空気がガラリと変わる。
仕事大好き父ちゃん((堤真一)。仕事とはいえ、自宅をお客様に見せるのはどうかなと。リアルはリアルですが、モデルルームのほうが客も家族も助かるんじゃないのー?
出版関係のお仕事しながら、子供二人に恵まれ、アイランドキッチンでお洒落な料理する母ちゃん(石田ゆり子)
事件が分かってから一番気持ちの揺れが大きく描かれていたけれど、誰よりも一番我が子の安否を心配し、割と早くから覚悟(事件自体を受け入れる)していて、不安になりながらも母の強さを感じた。
子供を育てていると、普段からやったやられたの繰り返し。家の中のことならさほど気にしないけど、外で遊ぶ相手とのイザコザは本当にぶっちゃけ面倒くさい。
そしていつも思うのが、加害者より、被害者の立場になるほうが楽。
とはいえ、本作を鑑賞していると、そんな呑気なことは言っていられなくなる。
本作の事件に巻き込まれた長男は、優しく
て親に心配かけまいと、話を伏せていたけれど、やはり喋らないと親は守ってあげられないし、優しさにも時と場合があることを我が子に教えなければなと改めて感じた。
たくさんのマスコミが登場し、そのキモさ120%の存在感が本作でも光っている。人のプライベートに確信もないのにズカズカ土足で上がりこんできて、勝手なことをいって一般人を傷つけ、巻き込み、煽る。
SNSが普及した今の世の中。
便利だからこそキヲツケなければ、本当に世知辛い世の中だわ。
どう望むのが正しいのか
タイトル通り、まさに『望み』。
父、母、妹のそれぞれの『望み』が交錯する中、息子が被害者か加害者か、それとも…
被害者・加害者の2択しかない人の表現が家族をより苦しめる。
そもそも望むという行為は、その事件には何の影響も及ぼさない。
つまりこの映画の面白い点は結末だけでなくその心理の全てなのである。
その望みの中身は今が良ければいいのか、この先の人生を考えるのか。
家族の中の立場によってもきっと大きく違うのだろう。
変わらない結末にむしろ望みなんてさっさと捨ててしまった方がいいのではないかとさえ思うが、きっと何も望まないという選択をしたとしても間違えていたと思うのではないだろうか。
どのように望めばよかったのか。
ないはずの正解を探してしまう自分がいた。
映画としては高得点だが・・(再見:2023年5月26日)
子供が死ぬ映画、とは言え、良い映画で俳優陣も完璧である。映画としては高得点だが、やはりメインテーマは子供の死である。但し望みと救いがあるのでこの★の数。あまり見直したいと思わない作品である。
坂元裕二であれば
個人評価:3.7
よくあるサスペンスではなく、着眼点が他とは違う物語だ。望みという単純なワードに様々な思いが込められている。
ただ登場人物たちの望みの掘り下げが浅く、消して深度は深くない。原作未読たが、坂元裕二であれば、もっと深く、さらに人々は交わり傷ついていただろう。
表情の演技がすごく良い
どこにでもいるような普通の家族が、一つの事件をきっかけに全てが一変していく様子がすごくリアルに描かれていた。たった数日の中で、父、母、妹のそれぞれがもつ「望み」が少しずつ鮮明になっていく様子が、セリフの有無にかかわらず、表情から読み取れる複雑な心境で表現され、また、重たいBGMやスローの演出によってそれらがより効果的に表れていた。
この映画のような、被害者か加害者かわからない状態の家族を描いた作品は観たことがなかったので、すごく衝撃的だったし、事件の全貌が明らかになっていくのが劇中の家族と視聴者が同じタイミングということで、感情移入しやすかった。
役者さんの表情の演技がすごく良く、時が経つにつれてやつれて目が虚ろになっていくところが素晴らしかった。
息子(兄)が人殺しの被害者なのか加害者なのか。どちらにしても最悪の状況下で、それぞれの言い分や心情をそれぞれの立場で考えると理解できたので、鑑賞中、心が苦しくなるほどだった。
話の論理展開もきちんとしていたし、役者さんの演技、音響、映像のどれも良かったと思う。
果たしてどちらが良かったんだろうか
観ていてとても辛かった。加害者よりも被害者でいてくれた方がまだいいのでは、と感じている父と娘。加害者でもいいから生きていてほしい母親。もし、自分なら、、、と考えても、どれだけ考えても答えは出ない。加害者では絶対にあってほしくない。でももちろん生きていてほしい。
我が家の息子も小学生から高校までサッカーをしていて、引退した後はポッカリと空いた時間をどう過ごすのかと少し心配もした。特に問題はなかったが、今は個人で携帯を持つ時代、学校の連絡網も今はない。たとえ親でも友人関係はよくわからず、多感な思春期、出かけるたびに誰と遊ぶの?誰に会うの?と聞いてもいつも答えてくれるわけでもない。映画の中で、殺された子の名前を聞いても友達なのかわからなかったけれど、それはあることだと思う。
規士は怪我でサッカーを辞めた後、何もしていないわけでもなく、父親の言葉を素直に受けとめ、きちんと将来を考えていた。規士としては加害者ではないと家族に信じてしてほしかっただろう。
やはり我が子が人を傷つけるような人間であってほしくない。でももちろん死んでほしくないし、怪我もしてほしくない。やはり答えは出ない。
望まない望み
「息子が殺人を犯しているわけがない」と望む父と、
「殺人犯でいいから生きていて欲しい」と望む母。
被害者であることを望むということは、息子の死を望んでいるのか。
息子の生存を望むということは、殺人犯であることを望んでいるのか。
そんなの、どちらも望んでいるわけがないんですよね。だから苦しい。
テーマとしては非常に面白いのですが、極論であるが故に
「どうしてこの両親は、その間にある可能性を考えないのか?」という疑問はあります。でもそこがこの映画をわかりやすく、楽しめるものにしているとも言えます。
重い現実を受け入れ、それでも生きていこうと前を向く主人公たちの様子は、観ている側にも救いがあり私は好きです。辛いテーマですが、鑑賞後イヤな気持ちにはなりません。この映画が好きな方は「人魚の眠る家」もオススメです。私なら何を望むだろう?何をするだろう?と自分事として観れる面白い作品でした。
息子の友人が殺害されるという事件が発生し、同時に息子も行方不明とな...
息子の友人が殺害されるという事件が発生し、同時に息子も行方不明となる。
真相が不明な状況であるにも関わらず、マスコミや周囲の人間は息子が犯人であるかのように非難する。
現実にも十分に起こり得る恐ろしい話だ。
父親は息子が加害者でないことを願い、母親は息子が最悪加害者であっても生きて帰ってきてくれることを願う。
どちらの気持ちも分かるので物語に引き込まれた。
自分の家族が事件に巻き込まれたらと考えさせられる
少年犯罪。
短絡的で衝動的で自己中心的。
だから未成年と呼ばれるのだ。
自分で責任も取れない、なのに自己主張と言動は一人前のつもり。
と言う序盤の展開。
数少ない親子の会話の中、父親の金言が実はこの映画の背骨になっている。
石田ゆり子さんの母親としてのセリフ
清原果耶さんの妹としてのセリフ
そして堤真一さんの父親としてのセリフ
どうしてそんな事言うんだとはならず、それぞれの言葉はそれぞれの立場で正解なのかもしれない。
そんな事を考えさせられた。
相反する二つの「望み」
被害者であっても息子の無実を信じたい父と、加害者であっても生きていてほしいと願う母。相反する二つの「望み」を丁寧に描かれていた作品だった。息子を信じたい気持ちは一緒なのに、考え方は全く違う。それだけでも気持ちが混乱するのに、外野からも確証のないことを根掘り葉掘り聞かれるから、もうどうしようもない。余計なストレスで、自分が保てなくなりそうだ。
重苦しい作品ではあったが、息子が加害者なのか、被害者なのか、あるいはどちらでもない何かなのか分からないまま物語が進むので、サスペンスならではのゾクゾク感があって良かった。
71点
自分が女性だったら、石田ゆりこみたいなおばさんになりたいし、奥さんにはそんなおばさんになってほしいものです。
所々不可解な点がありますが、言いたいことはわかる。
でもやっぱり、映画の見過ぎか冒頭から息子が結果どうなっているかはわかっちゃう。
出なきゃ映画としてのエンドの迎え方がぼやけちゃう。
けど普通に楽しめると思います。
是非。
いい映画でしたが、
最後まで息子が加害者なのか、被害者なのかわからないまま家族の苦悩が描かれます。子供のいる方には心を締め付けられる内容です。マスコミ、SNS、ウワサ、これらがより当事者を苦しめます。出演者の演技が素晴らしく引き込まれました。
ただ、父親と母親の思いの対立は現実的にはもっと過激で夫婦関係を破綻させる程のものだと思うし、事件の真相が明るくなってからも禍根を残すものだと思います。その点で描かれていたのは「上品に纏めたな」という感じなのが残念でした。
そしてもう一つ、そういう意味で、映画ならではの深い描き方ではなく、テレビドラマ的な上品さだったのが残念。
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