ウエスト・サイド・ストーリーのレビュー・感想・評価
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60年代の米国ニューヨーク、マンハッタンのウエスト・サイド。 昔か...
60年代の米国ニューヨーク、マンハッタンのウエスト・サイド。
昔から人々が集う地区はハーレムとなり、いまや行政による再開発の波が押し寄せていた。
ハーレムに暮らす人々は多かれ少なかれ貧しい人々であり、早くから住み着いた白人たちと、新たな移民のプエルトリコ人たちの間で対立が起こっていた。
貧困白人たちは職を追われ、プエルトリコ人たち有色人種が、その職を得ていた。
そんな対立が顕著なのは、若者たちのグループ。
白人系の若者はジェット団、プエルトリコ人の若者はシャーク団と名乗って、残されたわずかばかりの縄張りでの勢力争いが繰り広げられていたのだった・・・
というところからはじまる物語で、その後、ジェット団の若者(ムショ帰りで相談役的立場)と、シャーク団のリーダの妹が恋仲になり、2日間のうちに悲劇が訪れるのは、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』を下敷きにしたもの。
で、前回の映画化『ウエスト・サイド物語』は同時代に観たのではないので、音楽・ダンスの素晴らしさはともかく、物語の古臭さに辟易したものでした。
今回も物語の大筋は変わっていないのだけれど、味付けがかなり変わっている。
人種間の対立の根本に、行政による政策を盛り込み、ニューヨークの街を半ば廃墟のように撮っている。
これは、前作のオープニングが、摩天楼の実景(その前にタイトルバックのデザインがあるが)から入っていたのと、大きく異なります。
(この前作の摩天楼は、エンドタイトルで、巧みにオマージュが捧げられており、エンドタイトルデザインはスピルバーグ監督がもうひとりのデザイナーとともに行っている)
つまり、荒廃した街での対立物語であり、一種のディストピア物語ともいえるでしょう。
で、そこでのリアリティを持たせるために、主役は、背の高い白人のアンチャン(見るからに白人という感じ)と、浅黒く目の大きい小娘(どう見てもプエルトリコ系)というふたり。
前作がリチャード・ベイマーとナタリー・ウッドだったので、そこんところは今回の配役が勝ち。
ジェット団vs.シャーク団、トニーとマリアの恋愛模様をスピルバーグ演出の縦横なカメラワークでエモーションを盛り上げていきます。
なので、映画半分ぐらいはすこぶる面白いのだが、後半、息切れ気味。
(というか、トニーとマリアの恋物語は、もともと、どこにも面白いところがなく、今回はその轍を踏んだよう)
ここで変わって比重を重くするのが、前作の生き証人リタ・モレノの役。
プエルトリコ人だが白人と結婚、トニーの育ての親的役割。
彼女が象徴するのが、人種対立のない未来で、役どころだけでなく、後半、彼女が歌うナンバーをそれを象徴しています。
(前作では、マリアが歌ったのだっけ? ちょっと覚えていません)
物語の決着の後、事件の鍵となる銃を拾い上げるのも彼女の役どころ(ここをさりげなく撮っているあたりがスピルバーグが名匠・巨匠たる所以)で、この年寄りが若いマリア(トニーの子どもを宿している)に未来を託していることがわかります。
(スピルバーグが若い人々に未来を託している、とも解釈できます)
音楽はもとより、ジェローム・ロビンスのオリジナルに敬意を表した振付に敬意を表しすぎた故か、コミックリリーフのナンバーはカットしてもよさそうだったけれど、残してしまったので、後半はやや冗長でした。
(ジェット団の警察署でのナンバーと、こちらは微妙だが、マリアのデパートでの夜勤のナンバー)
なお、ヤヌス・カミンスキーの撮影はすこぶる熟練の技で、艶のある画面は当然ながら、ジェット団とシャーク団の対決シーンとその後の警察到着の垂直俯瞰ショットのライトニングなどは、スリラー映画真っ青でした。
待ちこがれていました
この映画は気になっていたし昨年の公開が伸びた時は正直がっかりした。映画をみた今言えることは、同じプエルトリコ人街を舞台に描いたミュージカル「インザハイツ」は序曲だったのかなとさえ思ってしまう。
もちろんストーリーは知っている。結末だって知っている。流れる音楽も知っている。そして旧作の出だし。マンハッタンを空撮してそのバックに口笛。
スピルバーグ版も、一見同じビルが写ってるのかと思いきや……歌の出方も微妙に違う。それでも迫力に、そう街角でのダンスシーンには圧倒された。
マリアとトニーの運命が変わるわけないは承知してるが、また観にいきたい気持ちが湧いてきてるのは、やはりミュージカルたる所以か?
でも、パンフレット欲しかったなあ。ディズニーの方針かもしれないけど、作らないならせめてネットのHPでパンフ並みの情報量を提供してくれてもよかったんじゃないかな。
人は憎むことも愛することもやめられない
リメイク版の本作品の方が泥臭くリアルで、むしろオリジナルの方がスタイリッシュで、エンターティメント的でした。ジョージチャキリスは無茶苦茶カッコよかったし、スマート。マリアとトニーは他の登場人物とは一線を画した世界にいるいかにもヒロインとヒーローという感じ。衣装もオリジナルは着古した感じもない普通のTシャツで、ダンスシーンのスーツもおしゃれ。リメイク版は、貧しさを感じさせるくたびれたTシャツや何日も洗ってなさそうなジーンズ、ダンスパーティもありあわせのジャケットを着ただけが精一杯のいかにも貧しさや生活の荒廃ぶりを感じさせ、リアル感ありありでした。
印象的だったのは、リフとニー。オリジナルでは、やんちゃの不良に過ぎないリフでしたが、リメイク版では、その空虚な乾いた暗い瞳は人生の絶望を感じさせ、胸が痛くなるほど。トニーも、オリジナルでは、かつてのワル仲間の世界からもはや足を洗い大人の青年へと移行しかけている好青年であったのに対し、リメイク版は、刑務所の出所を終えて、トラウマ、心の痛みを抱えたまま、自分の居場所をまだ探している繊細な危うさを持っており、かつてジェット団を作った片鱗をうかがわせました。なので、トニーにとって、マリアは「愛」という名の「希望」だったのでしょう。自分を暗い闇から救い、新しい光の世界へ導いてくれる唯一の希望。だから、決闘も必死で止めたかった。自分が新しい世界で生きられるために。希望を失わないために。その意味で、トニーが愛を誓う場面は涙が出ました。新しい世界を希求する彼の心の痛みが痛いほど感じられたから。
オリジナル版も好きでしたが、リメイク版では、広い世界があることを知らず、「分断」された世界しか見ることができず、希望も見出せない若者たちが深く抱えている絶望、その絶望にすら気づいていない彼らの愚かで哀しい生き方がいっそう浮彫にされていました。
オリジナル版の方が良かったと思うのは、最後の場面。トニーが撃たれる場面で登場するマリアの赤いドレスは争いの血の色でもあり、また、愛を知ったことで白いドレスの少女から大人の女性になったことを暗示しているようでもあり、まさに憎しみと愛を象徴しており、鮮烈でした。周囲の人間に銃を向ける彼女の叫びも、憎しみの愚かさと愛の強さを強く訴えかけ、印象的でしたが、リメイク版はややあっさりしていた感じ。それとマリアは青い服でしたが、パーティでジェット団も青系統の服で統一されていたように思うのですが。ここは赤の衣装の方が良かったと思います。なので、マイナス0.5。
最後に、この映画は、監督の前作のオマージュなんだなあと思いました。
前作で恋人をトニーに殺されるアニタを演じたのはリタ・モレノ。そのリタ・モレノがドクの店の女主人として、トニーを見守る。まるで、前作のアニタが、平和で静かな世界を願い続けているように感じました。なのに、いまだ、暴力と死はなくならないのです。そんなことを感じさせられました。
人は、いつまでも、憎むことも愛することもやめられない。それゆえ、この物語は人々の心に訴えかけるのかもしれません。そして、やはり、何と言っても、音楽の素晴らしさを改めて実感しました。
スピルバーグの熟練の技に酔いしれる
オープニングショットから魅せるスピルバーグ版のウエスト・サイド・ストーリーは、とにかくカメラワークと照明が美しい。ミュージカルなのに、ダンスシーンではまるでアクション映画のように縦横無尽なカメラ(と言っても意味なく適当に動いているのではなく、それが次の場面へとスムーズに繋がっていく快感。)また、夜の場面の影を強調した照明、50年代、60年代の映画を思わせる美しい贅沢なセットが新しい映画なのにも関わらず、この映画に生まれながらのクラッシックな雰囲気を与えている。
最後まで一画面一画面が見事に構成されており、絵に関して飽きる暇がない。それぞれのグループを赤と青の異なる色彩で描き、恋が高まる場面ではカメラの逆光のフレアが大きくなり鮮やかな色に、不安や悲しみの場面では陰影が深くなり、棚や窓越しからの撮影でキャラクターがフレーム内の狭い空間に捕らえられているかのように見せる。ストーリーと音楽、映像が一体となり、監督スピルバーグ&撮影監督ヤヌス・カミンスキーの卓越した熟練の技を堪能出来た。
代表曲「アメリカ」「トゥナイト」「アイフィール・プリティ」等それぞれの場面が素晴らしいが特に「アメリカ」のストリートでのダンスの躍動感。「アメリカ」での主役マリアの兄の恋人、アニータを演じたアリアナ・デボーズの見事なダンスと演技の輝きは正直主役の二人を食ってしまっているほど。彼女の事は映画を見るまで知らなかったが、これから注目される俳優なのは間違いない。
旧作では当時の日本人にとってはわかりにくかったであろう移民間の人種の対立問題も実際にそれぞれの人種が演じている事と、言語の違いを強調する事でより鮮明になっている。明らかに新しい要素として入れられているトランスジェンダーのキャラクターへのわかりやすい差別だけではなく、同じ人種同士でも、実際には肌の色の濃さやヨーロッパのどこの出身かで微妙な差別がある事もわかってくる。近年の都市の問題であるジェントリフィケーションが実は主人公らをより生きにくい場所に追いやっていることも全編を通してほのめかされている。
正直言って、中盤はテンポを良くするために、削れるシーンもあったのでは?とも思ったが、オリジナルの「ウエスト・サイドストーリー」同様、古典的名作に将来なりえる見事な作品である事に間違いはない。映画を見る醍醐味を味わえる作品である。
素晴らしい!歌とダンスすごい。これぞ超一流。
これほどの愛なら
正しいか間違いかなんて
わからない
愛は人生そのもの
(劇中のセリフより)
・・・・・・・・・・・・・・・
若者たちのエネルギーがほとばしり
対立するギャング団
ポーランド移民のジェッツ団と
プエルトリコ移民のシャーク団
都市開発の始まった鬱屈した街の中に爆発する暴力、憎しみ、対立。
縄張り争いと喧嘩に明け暮れる不毛な日常。
根本では、どちらもマイノリティ同士 互いに生きづらさを感じている。アメリカという国の中で。
その辺りが、旧作よりもより掘り下げて描かれていると思う。
【人はどうして自分と違うものを受け入れられないのか?】
というテーマとも言える気がします。
トニーのように自分を見つめ直して立ち止まることなく、ギャング達は狭い視野と偏見に甘んじ、集団行動に流された結果、悲劇が起こる。
若い2人の愛と悲しみが、ラストで和解を生んだと信じたい。
旧作は一度観ただけなんですが、やはりスピルバーグということで、評判も聞いてIMAXで観て来ましたが、良かったーーー!
特に光ってたのが、3万人の中から選ばれたマリア役と、マリアの兄ベルナルドの恋人アニータ役の女優さん。素晴らしい。
というか、全体的にダンスと歌のレベルが超高くて、華やかで、見惚れます。こんなんぜったい日本は無理。
ニューヨークの「ロミオとジュリエット」ですね。
おすすめです。
ドスンときた!
スピルバーグのミュージカルドラマを見ていたので、ダンスや歌のシーンは期待していたけれど、期待以上の迫力でした!
正直、今この古いタイプのミュージカルを自分が受け入れられるか心配もあったけど、どんどん引き込まれて見終わった後、ずっしりとした感動がありました。
前作はちゃんと見ていないのですが、現代も続くアメリカの(世界のかな?)社会問題、それでも生きてる人々の力強さや、希望、ただのリメイクではない、現代を意識したメッセージが描かれていたと思います。
つまらなかった
タイトルや曲は知ってたけど、詳しいストーリーはそこまで知らずに、有名だしミュージカル系好きだしと思って楽しみに観に行きましたが、なんかこれじゃない感…
喧嘩だ決闘だってすぐ男の子たちがガチャガチャやりだして子供っぽくてくだらないな…と1時間ちょっと見て帰りました。
トニーはかっこよかったしマリアも歌が綺麗でよかった。
ダンスと歌は迫力があって感動したのでその分の星ですが、そもそもストーリーが好きじゃなくてつまらなかったので個人的にイマイチでした。
最高のリメイク
基本、話は同じですが、
骨太に、ダイナミックに、スタイリッシュに、ファッショナブルに、した感じでしょうか。
賛否あるみたいですが、
ミュージカルが好きじゃない、アメリカ文化に興味ない
って方には、受け入れられないかもですね。
舞台が1950年代で、グリースで固めた髪、50sファッション、角ばったデカいアメ車、当時の街並み、が出てきます。
オシャレで、超イカしてて、最高です。
アメリカ文化が大好きなので、それだけでも楽しめました。
こんな良リメイク観せられると、
『雨に唄えば』や、コッポラの『アウトサイダー』も、リメイク観たくなりました。
欠点を2点ほど言うと、
①マリア役の女優さんがな…個人的には、このキャスティングは…ごめんなさい。
②オリジナルもだけど、時間が長過ぎ…2時間37分は長い…途中で気持ちがダレた。
このリメイクは、オリジナルを知らなくても楽しめると思いますが、
オリジナルを観てた方が、このリメイクのセンスの良さが分かります。
スピルバーグって、やっぱスゴイ!!
リスペクト むんむん❗️
リメイクとしては大成功‼️
スピルバーグ監督、前作を真からリスペクトされてます😌
特に、画面の色使いがそのままで 作品に入り込めました。
また、街の人々の活気などは 前作にはない躍動感を感じました。
やはり 名作はいいなぁ😉👍️
一流の修復師の仕事 そして余談
バーンスタインの名曲に彩られた、シェイクスピアベースの押しも押されぬ名作をスピルバーグがリメイクするのだから、一定のクオリティは担保されている。オリジナルと比較して格段に凝った舞台装置や風景描写、カメラワーク。バレンティーナやエニバディズに見られる、現代の感覚に合わせた登場人物や配役。しかも物語のテーマは異なるアイデンティティの対立という今の時代にも十分響くもの。
見て損はない作品だ。ただ、ついどこかスピルバーグの魔法のようなオリジナルアレンジを期待してハードルを上げて臨んでしまった私は最初、十分楽しめたけどちょっとオーソドックス過ぎるかな?という我儘な印象を持ってしまった。
本作のパワーの根源は圧倒的にジェローム・ロビンスの原作とバーンスタインの楽曲にあり、スピルバーグはあまり独自性を主張せず、ビジュアルとポリコレ面について名画の修復師のような役割を果たした感じに見えた。経年による違和感だけを丁寧に取り除き、物語とバーンスタインが現代の観客によりストレートに響くようにする職人技。そう考えると、また違ったスピルバーグの凄さが見えてくる。
作品そのものの感想からは逸れるが、本作の批評記事を見ていて、二つほど引っかかることがあった。
ひとつは、ドクの代わりにバレンティーナを登場させ、それをリタ・モリノが演じたことや、トランスジェンダーのエニバディズにノンバイナリーのアイリス・メナスを配したことをもって画期的と賞賛するものがあったこと。
作品にマイノリティを登場させ、当事者にそれを演じさせるというのはそれだけでメッセージ性があるしリアリティも増す。重要性は分かるが、これは昨今のセオリーとなりつつある手法で、こうした現代へのチューニングは監督個人のクリエーションというより最早マナーに近くなっている気が、個人的にはする。作品独自のものとして評価することには違和感を覚えた。
(ちなみに、調べたところトランスジェンダーとノンバイナリーは違う性自認のようだ。これが正しければ、当事者性を尊重した配役とは言えないのかもしれない。個人的には一部の過度な当事者性重視には思うところはあるが)
もうひとつは、相対的に61年版を貶めるような記事があったことだ。一例として、小西未来氏が本作について書いた映画.comの「ハリウッドコラム」から、61年版の評価を引用する。
「現代の視点で見直してみると、傑作とはとても呼べないほど、著しく劣化していた」「感情移入がしづらい」「(掛け値なしの魅力があるので)一部が腐っているからといって、そのまま葬り去るのはあまりにももったいない」
ちなみに一部腐っているというのは、プエルトリコ系の人物描写にブラウンフェイスという手法を用いていること、映像表現やセットの古さ、当時の観客なら理解出来ても今の観客には物足りない心情描写、などを指すそうだ。
ブラウンフェイスがよくないなのはまだ分かるが、その他はうーん、昔の映画なんだから当たり前だし、そういったことを古い映画の味わいとして楽しむ人間もいるので、そこを劣化だの腐ったとまで書かれるのは、個人的にはちょっと心外だ。昔の映画のそういうところを現代の視点で斬るのは、後出しジャンケンではないかなあ。
いや、古くさくなったと評してもいいんだけど、言葉を選んでほしいかな。オリジナルのパワーは今も色褪せず、劣化なんてしていない。スピルバーグは、腐りかけた作品を拾い上げたわけではないと思う。
ポリコレ修正したリメイクが出た途端、オリジナルを相対的なポリコレ意識の低さで貶める記事を最近別の映画でも目にしたが、そういった見方はあまり好きではない。
昔のオリジナルとよいリメイク、それぞれの違ったよさがあるはずなのだから。
躍動をフィルムに刻み込む
ミュージカルシーンの始まったときのワクワク感たるや。
肉体が激しく動いてそれを停めて見せるか、カメラが動いて見せるかの的確なチョイス。
最高っ!気持ち良すぎー!
ついでにやっぱり音楽も最高っっ!
でもう役者が歌って踊ってアクションしてそれを見ているだけで幸せ過ぎる時間。
危なかっしい場所(ボロアパートの非常階段、壊れかけの橋)で横へ縦へ斜めへの動くシーンもいちいちハラハラしてスピルバーグー、嬉しいー、となる。
古典のほうの映画は未見なのでストーリー的にどこまで忠実なのかわかりませんが、ちょっとしんどいなー気になるなー、と思う箇所もあり、ですがもうミュージカル&アクション映画として実に素晴らしかった。
みんなかっこいいしなー!
期待以上、好きな映画の1つに加わった
原作は未鑑賞。
突然踊り出し歌い出すことは、無骨で力強い男達が多い作品な事もあり、他同系統映画より寒々しさが出るかなと思っていたが、全く問題なかった。
華奢で若いマリア役は初めはヒロインに少し物足りないようにも感じたが、
18歳のマリアに相応しい若々しさと情熱の演技、
そしてなにより繊細で美しい歌声に気が付いたら心を奪われていた。
トニーの美男子ぶりには初めからトキメキが止まらず。。
話すように自然な歌と演技は
コミカルに見せる恋の盲目さや、思い通りに行かないもどかしさを強烈に表現していて素晴らしかった。
若気の至り、愛する人を想う発言・行動。
大人の正当性や納得性ではない、彼らの正義や信念がこの作品では正しく、鑑賞側に受け容れる余裕があれば
間違いなく刺さる作品だと思う。
アニタが襲われかけたとき、外に追い出されたリフの彼女が必死に止めている様子がとても印象に残っていて
対立する立場ながら同じリーダーを愛した同性であること、そこには敵味方でないという想いがあるようでグッときた。
踊るシーンしかあまりセリフのない中、ただの添え花でなく存在感と大きな意味をもたらしたシーンだと感じた。
定期的に見返したい(長いけど…)と思えた。
素晴らしい!
古典の翻案
ウエスト・サイド・ストーリーは元の舞台等々は未見。
しかし、タイトルだけは知っていた。
事前に調べて元のウエスト・サイド物語自体がロミオとジュリエットにインスパイアされた作品だということを知った状態で見た。
まず舌を巻いたのは原作者(あるいはスピルバーグ監督)の翻案の上手さである。
特にロミオとジュリエットでは仮死の薬を使った計略ですれ違うのを、ジェッツの面々がマリアの伝言を預かっているアニータを襲おうとしたことによって怒ったアニータが嘘の情報を言うにしたのは凄まじい。
計略がうまく伝わらない悲劇性よりも人の復讐心の愚かさ(特にジェッツの面々)が強調されていてより人々のすれ違いが身近に感じられる良い翻案。
舞台は現代に近いアメリカながらどことなくロミオとジュリエットの前近代的な香りも感じれてウエスト・サイド物語が再演を重ねる理由もわかったし100年後も上演され続けてるんだろうなと思った。
さて、映画本編の話だがまず目を引くのがとてもよく練習されたんだろうなと思わせる緻密に練られたダンス。
これに尽きる。
ダンスに関してはどの場面でも圧巻でどれだけ練習されたんだろうと思わせるほどでワンシーン撮るのに1ヶ月かかってそうと思うくらいのカット割と揃いっぷり。
さらに舞台を見てみたいと思うナンバーが多かった。
マリアとトニーが出会うダンスパーティーのシーンなんか舞台の客席から引きで見たほうが面白さが出るんだろうなとも思った。
勿論スピルバーグ監督もカメラワークで最大限工夫されていてその場にいるかのような臨場感たっぷりの映像だった。
演者も皆最高。
特に印象に残ったのはマリアの最後の台詞、アニータが怒りをぶつける場面。
見事なリメイク
表題通りです。
バーンスタインの音楽が素晴らしいのは当たり前として、ダンスの華麗さ、歌唱の良さが旧作からさらに磨かれたように思います。最新の機器によりこの素晴らしいミュージカルが後世に残されるだけでもこの映画を制作した価値があるのだろうと思いました。
あまり旧作と比較しても、社会背景も異なるのだし、撮影技術や機器も進化したのだから意味がないのかなと。旧作のほうが美男美女度が高いようですが、新作は演者が歌っていますから説得力あります。
旧作ファン向けには大サービスキャストもいるし、若い世代にはミュージカルの古典として見ておいてほしいし、とりあえず一度は見ておくべき作品だと思います。
恋愛ミュージカル映画だと思って観たらつまらない
旧作もミュージカルも観たことなく、数曲サビを聴いたことある程度でなんとなくストーリーはロミジュリっぽい感じだったよなーくらいな知識で観ました。
とにかく曲とダンスが素晴らしいっ!!
またそのダンスをみせるカメラワークも迫力があって素晴らしかったです。
また衣装もレトロで可愛かったし、映像もレトロ感ある感じでした。
ストーリーは知識があやふやだったので、ロミジュリ恋愛で誰か死ぬよな確かって思って、まあ、そのままだったんですが、一目惚れは理解できます。うんうん、ありがちストーリー展開。若い世代設定なので、そーだね。そんな情熱的な恋愛に溺れちゃうことあるよね。と思うけど、昨日出逢って一目惚れしてキスして今日初デートで結婚の誓いもどきしたけど、その日の夜、兄を殺した事実を知って、それでもその短時間で愛してるっていう感情に共感できず、そして共に逃亡しようとしている事に、若干引き気味で観ている自分。主人公2人に全く感情移入できないストーリーだったので☆を減らしました。
きっと、伝えたかったのはそんな陳腐な恋愛ストーリーじゃなくて、マイノリティの社会問題。人種差別や確執、LGBT、男尊女卑、争いの後に残るのは絶望なんだという事。
個人的にはトニーが『愛が大切だ』と言っているところにバレンティーナが『命が大切だ』と言っている言葉が私にはすごく刺さりました。
ただ、何よりも映像の美しさが素晴らし過ぎました。
ことごとく印象的なシーンは光の使い方がとてもキレイでさらに印象的に幻想的だったです。
これだけ光でキラキラさせてるのに内容は闇、終わりも闇の対比が素晴らしかったです。
リメイクする理由や必要性はわからなかった
音楽やダンス、美術系の要素は文句なく素晴らしかったです!
ストーリーはそもそも好みではありませんが、変に改変せず情勢や背景の表現がさりげなく足されていて、わかりやすくなっていたと思います。
ただ、わざわざスピルバーグ版を観る理由は見つけられませんでした。
人に薦めるなら1961年版を観てもらえればそれでいいかなと思います。個人的にはキャストも旧版のほうが好きです。
前作同様に面白かった
ストーリーは、ほぼ前作の焼き写し。
だから面白かったのだが、前作のベルナルド役のジョージチャキリスの色気たっぷりのダンスに比べると、今回は見劣りした。
私にとっては、前作の映画の魅力の大部分はチャキリスのダンスだったので、今作は、そこが残念だった。
前作未見の人は、是非観て欲しい。
スピルバーグ!・・☆
伝説のミュージカル映画。
・・しかし、あまりにも古い作品のリメイクにもなるので、どうアレンジするかと
思われたが、さすがにスピルバーグ監督、今風のアレンジ満載で新しい作品に
仕上がっている。
歌われる曲は、順番が多少前後したり 違う状況で歌われたりもするが、
違和感なく物語は、進んでいく。
どれもスタンダードになっているような名曲がばかりだが、それよりも
やはり 全般を通してのダンスシーンが素晴らしい。
冒頭のシャーク団のダンスを始めとして、どれも良いが個人的には
やはり、体育館の「マンボ」のシーンが良かった。
「アメリカ」も良いが、こちらは旧作の方が楽しめる感じかなぁ・・。
マリア役のレイチェル・ゼグラーの歌がとても良くて、それほど好きでは
なかった「トゥナイト」をこの映画で聞きなおした。
全編にわたって映像が美しく、カメラワーク等 さすがにスピルバーグ!
旧作のリタ・モレノがキャスティングにあったので、どんな人に・・と思っていたら、
新しく登場したヴァレンティーナを演じていた。
この役は、旧作ではドクというおじいさんだったような気がする。
リタ・モレノは、エグゼクティブディレクターにも名を連ねており、その拘りも
面白く鑑賞。
彼女が終盤に歌う哀愁おびた「サムホェア」。
時間の流れを感じる。
旧作を知っている自分には、比較するということを含めて、とても楽しめる作品
になったが、若い人もしくはこの作品で物語と出逢った人にはやはり古臭い
映画となってしまったのかもしれないが・・
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