閉鎖病棟 それぞれの朝のレビュー・感想・評価
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【人の善性を見事な切り口で描き出した作品】
辛い物語である。
それは前半描き出されるシーンの数々であり、病棟の人々の姿を見た際の自らの心持ちを感じてしまったから。”身近にいたら面倒だな・・”、と。
病棟に暮らす様々な事情を抱えた人達はある人は虚栄心に寄り添い、ある人はカメラに依存し、ある人は虚無に生きる。
<が、ふと気付く。彼らは、自分達と何が違うのか?>
ある出来事のため死刑執行されたが、奇跡的に命を繋いだ男が、その絶対的な優しさ故に再び起こした事件。
男のために法廷に立ち、勇気を振り絞り辛い証言をする少女の姿、祈るように見守る病棟の人々。
この場面は涙を堪える事が難しい。
<そして、あのラスト。男に向けて心の中で叫ぶ自分がいた。>
夜明け
「ここには事情を抱えてない人なんていないんだよ」
チュウさんの言葉が心に残ります。
舞台となる精神病院は決して閉鎖的ではなく、外泊許可も可能な開かれた病院です。
チュウさんの台詞にある「ここ」とは我々が普段生活し生きている世界です。
どんな人であっても、夜も来れば夜明けも来るのです。
そして本当に立ち上がる時は自身の力で!
生きる大切さを
人生を生きていく上でそれぞれ乗り越えるべき問題を抱え感性が研ぎ澄まされている人は特に敏感に反応し生きづらいことになるのだと思う。この映画は極端に描いているが普通の生活の中に潜む危機とそれを乗り越える強さを訴えたかったのではないだろうか。主人公三人の控えめだが内に秘めた情熱が伝わってきた。
冷えても美味しい和食の様な作品
小松菜奈吹っ切れた演技だと思う。
可愛くて良い子ってイメージからの脱却。
病院と言う閉鎖空間で『若い』一輪の華として良いアクセントだと思いました。(個人的には紙ちゃんが好き)
精神的にやられてる病院にそれぞれのドラマが上手く絡まりあった日本映画らしい作品。
ちょっとATG作品ぽいって思っちゃったw
綾野剛相変わらず良い演技なんだけど本作は鶴瓶を活かす為にももう少し線の細い人の方が良かった。
どうしても綾野剛だと暗くても『いい男』としか見れない個人的補正がかかってしまうので。
ラスト 地面に這いつくばって欲しかった。
その方が前に進もう!って気が強くみて取れるんじゃ⁈って。
ぶっちゃければ最初の3人殺した時点で『死刑』判決は出ないと思うんだけどね。
あの状況で完全敗訴って余程弁護士が無能!だとしか…
生きてきたこと、生きていくこと
この映画は、生きてきたこと、生きていくことにフォーカスした物語なのだと思う。
再生とはちょっと違う、生きてきたからこそ、踏み出して、これからも生きていくのだというストーリーだ。
たとえ抑圧されていようが、
孤独だろうが、
閉鎖された場所であろうが、
心を閉ざしていた時期があろうが、
死を隣に感じながらであろうが、
確実にずっと「生きてきた」し、これからも「生きていく」ということ。
ただ、僕は原作を読んでいたので、期待していた分、やはり原作には追いつかなかったという感じが否めなくて、正直残念なところがありました。
もし、可能なら原作をトライしてみて欲しいです。
興味を持ってもらえるように、少し、紹介します。
クライマックスは、映画と同じ、事件から裁判。
でも、クライマックスは、最後のほんの少しで、登場人物のそれぞれの物語が大切に綴られます。
これは、精神科医でもある作者の、患者との向き合い方が、色濃く出ているところで、物語全体に重みも与えています。
そして、裁判の前段で、秀丸とチューさんの手紙のやり取りがあります。
チューさんの秀丸に宛てた返信に、「僕は元気です。昔と同じように生きています」という一文があって、ここからエンディングまで、僕は涙が止まらなくなりました。
スタバで辛うじて咽ぶのは止めていましたが、本を読み終わるまで涙は止まりませんでした。
なぜか。
チューさんは、もはや<昔と同じように>生きているのでないこと、そして、これから踏み出すのだと感じ、さらに踏み出すまでにも必死に生きてきたからこそ、これからも生きていくのだと強く感じたからでした。
由紀も同じ。
看護師になれたら、あの病院で働きたいという想いも告げます。
そして、二人で秀丸が自死などせぬよう説得しようと誓い合います。
映画に戻ります。
支えられ、支える。
決して孤独ではないこと。
生きるとは何もよりも大切であること。
生きてきたからこそ、生きていけるのだということ。
知的障害者の施設を襲撃した事件もありました。
しかし、皆、生きていたのです。
良作だったのにむせび泣けず
前情報なく観たのですが、重い内容ではありながら、目を背けてはいけない現実を真正面から映像で見せつけられたようで心が震えました。
作品のキャッチフレーズの“むせび泣く″の通り泣ける内容だったのが、最終的に泣けなかったです。
理由は横浜シネブルク13で拝見したのですが、隣のスクリーンがマレフィセント2を上映していて、その音が度々、そこそこの音で漏れてきて集中できず残念でした。劇場には音も配慮して上映を強く要望します!
静かなワンカットの感情移入するシーンで、アクションシーンであろう音が漏れてくるのは、非常にストレスでした。
別の劇場で見直そうと思います。
精神科病棟
よかった❗よかった❗とにかく坂東君が上手い❗小松菜なも悪役も。もちろん綾野剛、鶴瓶さんも。精神科病棟の現場を知っている自分から見ると正にあのまんまの病棟現場だった。いやぁ、坂東君の芝居を是非とも観るべし❗
坂の上のコミュニティ
長野県の精神科病院を舞台に、死刑が執行されるも生き残った下半身不随の男、母親に連れて来られた口をきかない18歳の少女、一見すると普通だが闇を抱えた青年を中心に巻き起こる出来事。
現代の絞首刑ではあり得ない生き残りとかご都合主義的展開は目を瞑るとして、その後の処遇とか病院の体制とか、いくらフィクションとはいえあまりにも何でも有り過ぎる設定の酷さで、物語がイマイチ受け止めきれない。
タイトルの閉鎖病棟とか、序盤看護師がしっかり鍵かけてたのは何?全員任意入院ですかね?
裁判にしても何を争点にした何の証人ですか?
主要人物3人の抱える悲しみや哀しみは悪くないし、由紀の痛みとかそれを知る梶木とか、物語そのものは面白かったし言いたいことはわかるけど、あまりにもファンタジー過ぎて浸れなかった。
死刑と犯罪について一人一人に問いかける作品
心が健康な時でないと引きずられそうな重苦しい空気感があります。
冒頭の絞首刑のシーンや、それぞれの心が壊れた時の回想シーン、精神を病んでいる人たちの病院内での振る舞い、不倫現場を観ての逆上殺人、裁判のシーンなどはホラーよりよほど怖い…
また俳優さんの演技は見事で、見応えはありますのでこれらの点は☆5つです。
何度挫折しても立ち上がろうとする姿は涙ものです。
しかし果たして妻の不倫現場を観て逆上して妻、不倫相手、認知症の母を殺めた事で終身刑ではなく絞首刑という物語の根幹に腹落ちしない点で☆1点マイナス。
☆2点マイナスは作品全体に漂う暗さと胸糞の悪さ、チュウさん(綾野剛)が精神を病んだ理由が描かれない点です。
主要人物の本来の家族がク◯すぎて、家族がテーマの一つなのだと見受けられたが、救いがないと感じだから。
絞首刑の生々しいシーンを観て、日本は欧州や先進国で進む死刑廃止に逆行している事にも考えさせられました。
冤罪も度々ある中で第三者が他人の命を裁くという事について世に投げかける意味でこの作品は大きな楔だと思いました。
という点から☆0.5点プラスで3.5点としました。
前向きに話は終わったが・・・
最後の最後、前向きな形で映画を終えようとしてたけど、
そのようにさせようとするきっかけの描写が明らかにおかしい。
レイプ被害者を公衆の面前で証言させるとかありえない。
そこに限らずレイプ被害者の描写は全体的に不自然。
(ネタバレせずに書くのが難しい)
あと冒頭の死刑執行の扱い方、あれでいいんですかね・・・
前向きに話は終わったけど、なんかすっきりしなくて、もやもやした印象。
人の痛みがわかる人間に
わかってる事ではあるんだけど、やっぱりこういう映画を見ると改めて人の痛みを理解し、優しくなろうと思えるそんな作品だった。
ストーリーは院内での話だから、チュウさん、由紀ちゃんが退院して自立しかけるところまでしか作中内では見届ける事はできない。果たしてそれが彼らの幸せに繋がるのかはたまたまた外の生活にまだ適応できずに苦しむのかそこはわからない。
由紀ちゃんに関しては看護見習いとして頑張りかけてるらしいがその描写がないため少し感情移入がしにくい。
この作品はどちらかというと事情を抱えるものでも一生懸命生きて、その痛みを理解し受け入れる事を改めて理解させてくれるような作品なのかなと個人的には解釈して楽しませてもらった。
だから秀丸さんの判決含めストーリーの結末としてはこれからみんな頑張っていくのかな程度で終わってしまうため少し物足りなさは感じた。
一昔前はハンディを持った人は弱者として認識され、軽蔑されてきたがこういう映画を見ると理解し合う大切さを感じるね。また一見健康そうに見える人だって、どんなバンディを抱えてるか分からないし、その抱えてるハンディを自分自身が否定するのではなく向き合っていく事の大切さを改めて感じさせてくれた。
物凄く重い…(ーー;)
おそらく何千 いや、何万といるだろう 同じ環境の人が
でも、それでも、わずかな希望を持てる人は前へ進む
劇中「甘えてんじゃねーよ、ガキがっ!!」←
たとえ絶望からでも立ち上がって諦めないで欲しい…
出演者の演技が素晴らしい
原作は読んでいたので
登場人物の身上や背景を判って鑑賞
時代背景が少し違うこともあり
2時間の映画で表現するには限界の感は否めないです。
原作は精神的な病とはいえ
死刑囚に値する惨殺犯ですが・・・
小松菜奈ちゃんは本当に素晴らしい
彼女に襲いくる不幸に対する
感情(苦痛・虚無)の表現力は見事です
特に泣きのシーンは圧巻でした
綾野剛君も心にキズ(過去)を持ち
ナイーブでどこか頼り無さげで優しい演技は素晴らしいです。
昭八ちゃんの生い立ちが描かれてなかったので完全な脇役になってましたが坂東君の存在感、難しい役をこなしこれからが楽しみな俳優さんです。
原作に比べ、この物語(映画)が事情があって起こしてしまった殺人事件、悪人なら・・・敵討なら・・・を強調し人殺しを美化(肯定)してしまってる感じに少し違和感が残りました。
心がゆさぶられる
原作未読。未読の状態で観てよかった。
精神が安定してないときにみると危険。動悸がするレベルでずっしり重い。
俳優さんいい味だしてるしなんかピッタリだし、次はどうなるかと緊張感が続いてどんどんひきこまれる構成。演技ってすごいなと。
この作品に泣くまではいかなくても、少しでも辛さが理解できる、共感できる人となら仲良くなれると思った。
生きるってたいへん。だれかとつながっている、だれかのためにいきる、自分で切りひらいてくものなんだなー
涙なしには見られない
精神科病棟に入院する人々の人間模様を、実に丹念に演じられてると思う。
患者同士それぞれ病院に入ってきた理由がある、
だがそれを気にせず心の繋がりをもち美しく、優しさに満ちている
喋れなくても通じて物と心で会話する
それぞれの辛いエピソードもあるがそれを含めて心が暖かくなる映画だった
#86 鶴瓶さんが出てるだけで
本格的映画になってしまうのは何故だろう?
小松菜奈ちゃんも綾野剛も不幸そうな役が似合ってて、作品的にも暗い感じなのに、その先に見える光に望みを感じさせてくれる映画。
またまた原作が読みたくなっちゃった。
《事情が無い人なんていない》
精神科病院の中での日常。
それはとても時間がゆっくり流れ、
その流れはいつ終わりなのか分からない。
そこにいる人達には事情がある。
どのように「他人に壊された」のか
一人一人に辛いドラマがある。
人を壊す人がいて
人に壊される人がいる
後者の人達が、自分らしさを取り戻す、
どのように生き続けられるかを見つける、
そのお手伝いをするのが障がい者支援をする者の役割だ。
この作品で感じること、私が仕事で感じること、同じだ。
この映画を観て共感できる、観て良かったと思える人が増えることで、生きやすい世の中になるだろう。
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