バイスのレビュー・感想・評価
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みんなそっくり!
アメリカ合衆国史上最強の副大統領とも言われた、ジョージ・W・ブッシュ政権の副大統領ディック・チェイニーを描いた作品。
描かれているのは事実らしいのですが、ディック・チェイニーがあまりにも秘密主義であるために、わからないこともあると言う様なクレジットが最初に流れます。
確かに、彼は“史上最強の副大統領”とも言われていますが、これを見ると、むしろ【影の大統領】と言った方が正しい様な気がしますね。まぁ、正大統領であったジョージ・W・ブッシュの方は、その現役当時から“大丈夫?”と思わざるを得ませんでしたが・・・。
ラムズフェルドとの師弟関係は、知りませんでした。ただ、最終的には、チェイニーが副大統領で、ラムズフェルドが一閣僚の国防長官だったので、上下関係は逆転してしまっていましたが。それが故に、ラムズフェルドに引導を渡したのも、チェイニーであったんですね。まぁ、ブッシュには無理な仕事か。
しかし、ブッシュの陰に隠れて、やりたい放題ですね。いまの不安定な世界情勢に陥ったのは、このブッシュ政権時代であったのは間違いないのですが、その中でも、このチェイニーの罪が重いですね。最悪です。
それと、ディック・チェイニーは、いわばパペット使いだったわけですが、そのパペット使いを操ったのが、妻であったリン・チェイニーだったんですね。と言う事は、リンが、一番悪い奴だったのかも?
タイトルは“Vice”なのですが、副大統領のViceと、悪徳のviceの両方の意味なんでしょうね。って言うか、殆ど悪徳の方の意味しかない気が・・・・
「ハウス・オブ・カード」の夫婦のように権力に取り憑かれた実在の人物!
息子ブッシュ時代の副大統領ディック・チェイニーの半生を「マネー・ショート」のアダム・マッケイ監督が「マネー・ショート」の手法をよりブラッシュアップして作ったコメディ。
映画は面白いし勉強になるけれど、現実に起こった事は笑えない。
9/11の同時多発テロ以降、テロ防止の名の下に拷問を解禁させ、何も関係の無かったイラクに攻め込み自国民もイラク国民も大量に死にその結果ISが誕生した。
しかもチェイニーは元ハリバートン社の幹部で株を大量に保持してた。イラク戦争で大儲けした会社は言までもないが石油会社。
劇中チェイニーは「リバー・ランズ・スルー・イット」(若い頃のブラッド・ピットが美しい釣り映画。この映画はブラッド・ピットの制作会社プランB製作)のようにフライ・フィッシングをしている。
そしてエンディングロールでは思考を凝らした毛針が沢山登場する。
毛針は本物の虫と勘違いした魚が食い付くように釣り人達が自作する疑似餌。
チェイニーがした事を考えると考え深い。
オールスターキャストなのでキャストにも一言。
チェイニーが「ダークナイト」のバットマンを演じたクリスチャン・ベイルだなんて。
クリスチャン・ベイルが体重を増やしてたり減らしたりしてももう誰も驚かなくなって来ているのが悲しいところだけれど…
スティーブ・カレルが出ている映画は間違い無し。
出て来るだけで映画に深みがでる。
個人的にはクリス・ロックウェルのブッシュが憎めなくていい。
ディック・チェイニーの妻役のエイミー・アダムスはポール・トーマス・アンダーソン監督が信仰宗教のサイエントロジーを元にした映画「ザ・マスター」と同じ夫を操る妻を演じているのも映画好きには面白かった。
アダム・マッケイ監督はサタデーナイトライブやマイケル・ムーアのテレビ番組の脚本を書いていた、サタデーナイトライブで鍛えた脚本力とマイケル・ムーア仕込みの編集で間違い無く面白い。
彼の作る作品はコメディだけれど、必ずキツイ風刺になっている。
おかげで見やすくとても勉強になる。
日本でもこういう作品が作られて欲しい。
ネタになりそうな政治家は沢山いるから。
チェイニーの腕に光るデイデイト。まさにプレジデント
69.物凄い情報量が詰め込まれており感嘆する。事前鑑賞していた「記者たち 衝撃と畏怖の真実」と突き合わせることで、多少の整理ができた。存在感の薄い、頼りなさげなブッシュ大統領を演じたサム・ロックウェルが良い
アメリカのできる男の伝記
ホワイトハウスで力を得て軍産複合体のCEOと成り、エンドロールが流れる。ここで終わってくれよ、というイヤミか。
ただできる男は世論調査と法律解釈を後ろ盾に更なる名と実を握ってゆく。
中東の秩序を壊したのがブッシュJr/チェイニーだが、オバマの不作為がISISの跋扈、中露の国境線変更を許したと言える。世界情勢はアメリカの政治ゲームの駒の一つ。巻き込まれる他国はたまったもんじゃない。
役者の共演も見もの
妻役のエイミー・アダムス(最近、いろいろな映画で見ますね)に対して、主役を演じたクリスチャン・ベイルは、若い頃を演じているときは面影があるけれど、ハゲになってくると、誰が演じているのか分からないw
サム・ロックウェルが演じたブッシュジュニアのボンクラぶりもよかったし、スティーブ・カレルも流石。
重い内容だけれど、素晴らしい演出のコメディタッチで描いてエンタメしているのはスゴイ。最後のセリフでもクスッと笑ってしまいましたが、客の入りはイマイチでした。
アメリカの政治家や最近の出来事などが散りばめれらているので、事情を知るアメリカ人だったらもっと楽しめるのかなと思いましたが、何がなんだかわからないという理由で点数を下げるのはナンダかね。
アダム・マッケイのセンスが光るブラック・コメディ
最強の副大統領(Vice President)と言われたディック・チェイニー。「副(Vice)」だったからこそ、彼はその力を行使出来た。副大統領でありながら、副大統領だったからこそ、ブッシュを盾に大統領以上の政治力を見せた。それが功に転じたか罪に転じたかは神でもなければ判断が出来ないし、ましてやこの映画では判別しようもないし、人それぞれの主義や解釈もあるだろう。ただアメリカ兵やイラク民間人が多数亡くなった一方で、心臓が止まったはずのチェイニーが臓器移植で存命している皮肉。イラク戦争の口火を切った事実と、彼の心臓の病気とは無関係であるはずだが、やっぱり皮肉だと感じる。
アダム・マッケイはもうすっかり社会派のテーマを風刺するブラック・コメディが巧い監督に成り代わった。ウィル・フェレルのコメディ映画を撮っていたとは俄かに信じられないほど。ただ風刺のためには十分なコメディセンスが必要なわけで、この映画にしても、生真面目に撮ればそれこそキャサリン・ビグロー映画みたいな感じになっていてもおかしくないところ、しっかりブラック・コメディしているあたり流石。
冒頭はありがちな伝記映画みたいな筋書きで凡庸だなぁと思いつつ眺めていたら、それを見透かすように所謂「伝記映画」のエンディングをパロディにしたエンドロールが流れ出したり、突然ディックとリンがシェークスピア調のセリフ回しになったり、観客が難解に思うであろう内容の説明を高級レストランのメニューの説明に擬えたり、遊び心と面白い試みで溢れていて実に愉快。一見すると小難しそうな内容を観客に理解させる配慮が上手だなぁと感じた。それは「マネー・ショート」でも思ったことで、そういう部分でコメディ映画を撮り続けてきた勘が働いたりするのかなぁなんて勝手に思ったりした。
この映画は恐らく、ディック・チェイニーの賛否を決めるためではなく、毀誉褒貶の激しい人物を取り上げ、映画がどこまで真実に近づけるかに対する挑戦だったのかなと、冒頭に表れた一文を思い出す。だから見終わった後も、チェイニーをどのように捉えればいいか頭を悩ませることになる。かと言って、権力を手にすると人間って怖いよね、みたいな感想で締め括りたくはない。なんだか全然すっきりせず、心にモヤモヤが残った状態で映画は終わったが、でもそれも含めてブラックジョークであり、風刺なのかな?という風に私は受け留めた。
権力のまわりには女性の影あり
権力に取りつかれた史上最強の副大統領の実話。奥さんのあげまん効果がすごい。いつの世も権力のまわりには女性の影ありですね。
でも僕は映画は主人公が魅力的でないと入りこめないなぁ。
特定外来種認定
ココでの星付けは、皆さん色々とあると思いますが、自分は基本的に星5はSTAR WARSのみ。内容云々関係なしに、生まれて始めて観たものであり、その後の映画館三昧を決定付けたものであるから(苦笑)。
前置き長かったですね。これ、飛び抜けました。マネーショートも中々に良かったのですが、なんというか…別次元。
ここ最近で言えば、コレとスパイダーバースは、ホントに痺れたなー。
あ…すみません。まずは観て下さいな。
Belief? Huh...
終始主人公の動機や信念を語らない。そんなのこいつにはねぇと言わんばかり。権力にしがみつくことが全て。そのための技術のみつくす。その場限りの出鱈目な言葉の使い方、日米現政権にも通ずる。
信念が見えないだけに、話の推進力が弱くなる。歴史をなぞった感が否めない。大河ドラマでは尺が足りない。リンがディックを見初めた動機が分からない。主席補佐官に上り詰めた経緯が、あの喩えでは煙に巻かれる。リンの有能さを垣間見るシーンが少ない。パパブッシュによる湾岸戦争、特にイラク手前で寸止めした経緯は全カット。国防長官としての活躍がないと、引退への流れが本当に唐突になってしまう。ハリバートンCEOとしての役割も内容が薄い。テレビドラマにした方が良かったかもしれない。ベイカーにもスコウクロフトにも出てきて欲しい。
アメリカンジョーク苦手です
結構、評価が高かったので鑑賞しました。でも、政治経済は苦手な私に、理解できるかなって心配してたんですよね。意外と、理解はできたんですが…これって実話ですか?どこまで、本当のことなの?と、そんなことばかり考えながら観てました。そもそも、社会派エンターテイメントドラマって何ですか?
脚本っていうんでしょうか…心臓を提供した彼が、ストーリー展開というか、進行的にナレーションするあたりは、面白かったと思いました。でも、ストーリーは、さっぱり…。ダラダラと、起こったことを並べてるだけのノンフィクションって感じでした。(…って言っても、これが実話かどうかすら、私には分からないんですけど…)それから、あちこに散りばめられていたアメリカンジョーク、あまり好きじゃないです。とても豪華なキャストで、見応えはありました。面白い作品と錯覚したくらい。でも、「映画賞あるある話」で、どこが面白いか分からない作品でした。
クリスチャン・ベール!
クリスチャン・ベールの役作りが凄い!ストーリーはアメリカ政治に詳しくないと、ちょっと分かりにくいかなー。過去に、世界で色々やらかしてるアメリカですが、今回も酷い(苦笑)トランプもアメリカ大統領独裁論(なんか難しい名前がついてた理論)を引き継いでるのかもしれませんね。全体的に皮肉が効いてて、変に不快にならなかったです。それにしても、ブッシュをおバカに描きすぎ!
こんな男だったなんて!
副大統領ってこんな権力があったのか?
劇中に、黙って話を聞いている男こそ注意しろとか
魚釣りは騙すことだなど興味深い。
エィミーアダムスの強気さがいい。
もちろんクリスチャンベール、スティーブカレル
サムロックウェルのブッシュなんてビックリだ!
面白い!
マイケル・ムーアの作品とも一味違うブラックユーモアの効いた作品。
ドキュメンタリーの中でも面白い構成。
保守とかリベラルとか関係なく楽しめる。
政治的信条はさておき、これは、チェイニーの愛の物語。妻への、娘たちへの、そしてアメリカ国民への。
真実を知ったからといってリベラルぶってるんじゃねぇ〜よ!と、恐らくこの作品の多くの観衆も茶化す挑戦的な作品。
史上最凶の副大統領の暴走劇
全体的にシリアスパターンとユーモアパターンが絶妙にマッチしていて面白かった
劇中でがっつり政治のことを
取り上げてるけどかなりまとまっていて
分かりやすかったし
どれだけディックチェイニーが暴走し、世界と罪無き人々をめちゃくちゃにし、不幸のどん底に落としたかがひしひしと伝わってきた一本
映画の終盤でチェイニーは「私は国民に選ばれてやるべきことをやっただけだ、国民が安心して過ごせるためにだから私は間違ったことはしてないだから私は絶対謝らない」ってなことを言い放ってたけど結果的にはクズ野郎はどこまでいっても、何になってもクズ野郎なんだな救い様の無さとチェイニーの欲望の暴走を実感した
【難解なテーマを上質なエンタメ作品に仕上げるアダム・マッケイ監督の辣腕に唸った作品。】
ー 前作「マネーショート」もそうであったが、政治・経済という、ややもすれば難解になりがちなテーマを諧謔味を摺りこみながら分かりやすく観る側に伝える術の冴えは流石のアダムマッケイ監督。ー
・今回は狂言回し役が効果的に描かれ、物語の分かりやすさ、面白さを増幅させている。
・しかし、その裏側で当時の政権が行った事を辛辣に暴き、更にその流れを加速させている”オレンジ色の顔の男”を痛烈に面罵する気概が気持ち良い。
・先週公開のロブ・ライナー監督の「記者たち」と合わせて観ると面白さが増すと思います。
(個人的には先に「記者たち」を観るほうが良いと思います。)
めっちゃ面白い政治の内幕もの
アフガン戦争、イラン侵攻に至る裏側を、権力欲に取り憑かれた人間の行動から描いた作品。
こういうことが起きないように憲法があるはずだが、それも我田引水的に解釈されると防げないのかと暗澹たる気持ちになる。
今の日本でも同じことが起きているかも。
作品の作り、構成も、インパクトがある。ものすごく楽しめた。
少し腑に落ちた
息子のジョージブッシュ政権になって、9.11だのイラク戦争だのリーマンショックだのとんでもないことが連続して起きた理由が少しだけ理解できた気がする。
ディック・チェイニーという秘密主義の男を主人公に据えた伝記映画。私などには、この映画の製作者たちの言いたいことの半分も理解できていないけれど、9.11後の世界がこの男をキーマンにして回っていたことが分かる。数十年に及ぶ長い時間を映像化しており、説得力が半端ない。
9.11というとんでもないテロは、全く意味不明だった。アルカイダやイラクによるアメリカ合州国への復讐?銃乱射事件とは規模が違いすぎる。チェイニーがどこまでかんでいたかは描かれていないけれど、イラク戦争開戦の不自然さは、こういう経緯があったのだと解明してくれている。
実在する副大統領を演じるクリスチャン・ベイルがたまらなくいい。特殊メイクも違和感ない。
かなりむずかしかったけれど、世界について考えさせられる作品。
全214件中、161~180件目を表示