蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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ピアノの音がほんっとうに素敵
こういう音楽を題材にした映画とかドラマって好き。でも、この映画は少しのだめカンタービレを思い出させるものがあるかな?と思った。私にとって、のだめを超えてくるものはなかなかないかな。のだめって、コメディーかつラブストーリーも交えつつ、本当に素敵な作品。
蜜蜂と遠雷は、本当にこんなにコンクールの仲間同士で助け合うものなのかな?個人競技の概念が覆された気がした
でもやはり、ピアノの音は素敵だし、オーケストラとして行われる審査のシーンはもう、感無量です
挑戦に意味がある音楽映画
浜松国際ピアノコンクールの2006年から20015年にかけて計4回取材し小説にした恩田陸の原作を、ポーランド国立映画大学出身の石川慶が脚色、演出・編集した音楽映画、の概要のみで鑑賞。メイン楽曲がベートーヴェンやチャイコフスキーではなく、ラフマニノフでもなくプロコフィエフということで俄然興味深く観た。期待値が高すぎたのか、落胆の感想になる。音楽映画ならば、オペラ、ミュージカル、オペレッタの題材から、作曲家、指揮者、オーケストラメンバー、歌手などを主役にした映画化はすんなり想像がつく。ゴッホやモディリアーニなど天才画家は絵的には簡単だ。でもピアニストは実際のピアノを演奏しなければならない。結果、それをどう見せるかの工夫が感じられなかった。また、天才の内面を描くことは困難であることを改めて認識してしまう。4人のコンテスタントの才能の閃きの瞬間を撮るなら、ドキュメンタリー映画に委ねるべきである。
腑に落ちないのは、指揮者の描き方。有名なコンクールのプロの指揮者で鹿賀丈史が演じて見せる傲慢な音楽家は聞いたことがない。ピアニストの個性にある程度合わせる仕草を見せて、尚指揮者の拘りを印象付ける役柄で良かったのではないか。審査委員の描写も凡庸極まりない。撮影ピオトル・ニエミイスキの映像は綺麗だが、内容に溶け込んだ映像美にはなっていない。若い俳優は難役に挑戦したと思う。ただ演技で人間味を感じたのは、平田満ひとりに終わる。
テレパシー
原作読んでない。
登場人物は、エスパーのよう。特に16歳の天才は、全てを悟っている神か。それぞれが交わす言葉が通じすぎてて。。
斉藤由貴がタバコをふかしながら話すシーン、不必要に多い英語の会話は残念としか言いようがない。
期待はずれ
原作を読んで、映画化に期待し見ましたが最悪でした。
原作とはかけ離れた脚本で、原作の良いところが完全に殺されています。
もし原作を読まれてない方はぜひ読んで下さい。1000倍感動します。
こういう作品を取りたいのなら、原作を扱うのでなく、自分で1から脚本したもので撮るべきです。
ドラゴンボールをハリウッドで実写化して失敗した時の衝撃です。
高評価で絶賛している方の意味がわかりません。
唯一の救いは俳優の方々の演技と音楽面をサポート、作曲されたプロの方の素晴らしさでしょう。
登場人物それぞれの気持ち、葛藤、成長が見どころなのにまったく薄っぺらいものになっています。
マサルの天才さ、高島のコンテスト後の感動、亡き天才ピアニストが送り込んだ風間塵というギフトの重み、挫折してからの初めてのコンテストでの亜夜の成長がまったく原作の1/100ほどしか表現されておらず、なぜこんな映画にしたのかと腹が立つ程です。
鹿賀丈史さん演ずるソリストもあんな描写ありません。なんであんな失礼なソリストの脚本にしたのか疑問です。
正直、別な監督さんで取り直してもらいたいほどです。
原作者に失礼だなと怒りが湧くほどでした。
食わず嫌いはよくない。
原作は知っていました。
なので、これを映像にすると聞いた時、
どんだけの天才に演奏させたら成立するのか、
正直、鼻で笑っていました。
新人の鈴鹿央士がなんぼのもんじゃ!と、完全に見下していたわけです。
ところが、劇場はロングラン、アカデミー賞にノミネートされるわで、
え?え?……え?状態。
観て納得しました。
なるほどこうきたかと。
邦画は国内で採算が取れるように作るので、
予算の上限が決まっています。
なので、演者が演奏することはなくとも、それらしく演じなくてはなりません。
あぁ、なるほど。それでアカデミー賞の助演男優賞かと、
納得いたしました。
食わず嫌いは本当によくないですね。
この作品がIMAXで上映されているうちに観ておけば良かったけれど、
家でも大音響で観たので、まぁ満足ですw
世界を鳴らして
公開時良さそうだなと思いつつも、何故か劇場スルー。
そしたら、国内映画賞で軒並み高い評価や受賞を。
こうなってくるといつもながらのミーハー心で早く見たくて堪らなくなり、本作もレンタルを待っていた。
若手ピアニストの登竜門とされるある国際ピアノ・コンクール。
それに挑む姿を、4人のピアニストに焦点を絞って描く。
“文字から音楽が聴こえる”“圧倒的な音楽描写故映像化不可能”と言われた、史上初の直木賞/本屋大賞W受賞のベストセラー小説の映画化。
原作は未読。
4人の天才ピアニスト。
かつて神童と将来を期待されながらも、ある悲しみをきっかけに表舞台から姿を消し、7年振りに再起を懸ける亜矢。
年齢制限ギリギリで、今回最後のコンクール。岩手の田舎町の楽器店で働きながら、ドキュメンタリー番組の密着や家族のサポートで挑む明石。
アメリカの名門音楽院で学び、今回優勝候補とされる期待の星。亜矢とは幼馴染みでもあるマサル。
そして、亡き有名ピアニストの推薦で突如現れた異端児、塵。
彼らが奏でるピアノはそれぞれ違う。
ブランクを感じさせないピアノ、生活に根差したピアノ、情熱的なピアノ、賛否両論ながらも聴く者を惹き付けるピアノ…。
素人からすれば、不思議なものだ。
ピアノ一つでこうも違う。
でも、映画だって同じ。
同じ役を別の役者が演じれば、全然違う。そういうのをどれだけ沢山見てきた事か。
映画監督の演出も人によって、リハ無しの即興もあれば、脚本や絵コンテに沿って緻密で何度もテイクを重ねたり。
ピアノを全く弾けない自分が言うのも何だけど、だからピアノは魅力的で奥が深い。
松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士の四重奏は絶品。
松岡は陰を潜め、松坂は人間味あり、森崎は熱さほとばしり…複雑な内面を体現。
中でもやはり、オーディションで抜擢された鈴鹿の自然体の演技と不思議な魅力。圧巻のピアノ演奏も披露。
勿論3人もピアノを猛特訓し、実際弾いているシーンもあるが、全編弾いているのではなく、“弾いているように見える”だったのが残念。幾ら才ある役者たちでも、ピアノを天才プロ級に弾くのは難しいか…。(でも海外では演者が実際にピアノ演奏を披露する作品は多いけどね…)
他キャストでは、ホール責任者の平田満、威厳たっぷりの世界的指揮者役の鹿賀丈史がハマり過ぎ!
繊細に弾き始め、幻想的な心理描写で間奏し、圧巻のピアノ演奏でフィナーレ!
人間のエゴを印象深く描いた『愚行録』でデビューした石川慶監督が、至宝の音楽映画でまた新たな才を披露。
ピアノ演奏時の回転や奏者を下から捉えたり、オーケストラ演奏時も楽団の中を回り、時には空を舞うようなカメラワークは見る者聴く者の心情とリンク。
映像も美しく、4人の心情や内面や精神を様々なイマジネーションで表現。
また、日本を代表する世界的ピアニストによる演奏や数々の名クラシック曲が言うまでもなく素晴らしい!
これだけでも劇場で聴きたかった。今更ながら悔やむ…。
ピアニストたちは自分の人生の全てをピアノに打ち込む。
幼い頃から、遊ぶ時間も寝る時間も割いて。
ピアニストもそれぞれ。
努力家もいれば、天才肌も。
ピアニストたちは何故ここまでピアノを追求する…?
夢。既存のクラシック曲を弾くのではなく、かつての名作曲家たちのように、新たなクラシック曲を作る。壮大な夢。
ピアノが好き。ただただ好き。どうしようもないくらい好き。演奏してる時は楽しく、この上ない幸せ。
再起の為。それは自分一人ではなく、周りも魅了する。新たな世界が開け、新たな鍵盤(人生)をーーー。
素敵な台詞が幾つもあった。
世界は音楽に溢れている。
世界が鳴っている。
雨の音。馬の蹄の音。風の音。鳥のさえずり。…
蜜蜂の羽ばたきや雷鳴に至るまで。
そんな音楽を聴きたい。
そんな音楽を弾きたい。
世界を鳴らして。
音楽の良さが分からないので全体がわかりにくい
天才少女といわれたが、今では昔の輝きをなくした亜夜。
生活者としてピアノを演奏する高島。
ピアノの才能も名誉も持っているマサル。
ピアノの神様に愛された風間。
四人の話がそれぞれ進んでいく。
高島は二次で落ちたが、残りの三人は最終まで残った。
最終はオーケストラでの演奏だった。
亜夜とマサルは練習ではだいぶ苦戦したが本番ではうまくいったという内容だった。
音楽の素晴らしさが分からないので、作品自体の良さが下がりました。
しかし、何かに向かって必死にするのはいいなと思いました。
もっと、四人それぞれにスポットをあてて欲しかったです。
四人のうちだれが、メインなのかわからなかった。
去年観れた邦画で1番好み。
去年観れた邦画で1番印象に残ってるのがこの映画。「 のだめカンタービレ 」大好きなので、こういう音楽作品は元々好みです。
この映画の好きな所はピアノコンクールで残った4人の主人公たちに絞って繊細に描いている所。
演出がとにかく繊細ですごく好きです。
言葉より目や表情とピアノの演奏で、4人の心情を描く演出がずっと観ていたいくらい。
課題曲の中での宮沢賢治の「永訣の朝」が扱われるのも、個人的にピアニスト兼作曲家の加古隆さんの宮沢賢治の作品を野沢那智さんが朗読して加古隆さんの曲が流れるソロアルバムの中でこの「永訣の朝」が1番好きだったので、より作品が好きな理由にもなっています。
主演の松岡茉優 さんは、一昨年も 勝手にふるえてろ で1番印象に残った女優さんで、
去年もこの映画の松岡茉優さんでした。今回は「静」の演技が女優さんとしての振り幅の広さを感じて、演奏シーンも、役に合わせてピアニストが選ばれてるので、演技で演奏してる役者陣も違和感が全くなくて良かったです。
この映画での松岡茉優さんの「静」から「動」への流れもすごく好きです。
他の3人も、観たらわかる天才肌の人。
上昇志向の強い人。
コンクール出場の年齢制限ギリギリで挑む家庭のある #松坂桃李 さんの役も地味なようで「新聞記者」とは全く違うアプローチで映画の中に存在してる、それぞれの出場者役の俳優さんたちはみんな良かったです。
◯脇を固める #斉藤由貴 さん。 #鹿賀丈史 さん。#平田満 さん。ベテラン俳優さん達もみんな良かったです。
言葉よりも音や景色で語る映画。
クラシックやピアノの専門的なことはぜんぜんわからないし、主人公たちの考えやバックグラウンドもそれほど詳しく言葉では語られない。それでも、彼らの人柄や感情や成長が、曲を通して伝わってくる。それに絶妙に絡むのが、海や雨や月の光。「世界が鳴っている」という天才たちしか到達しない感覚が、こちら側の人間にも少し伝わってくるようだった。
その天才たちと、こちら側をつないでくれた松坂桃李の存在感!
最後、コンクールの結果をみたとき、彼の音楽もしっかりとわかってくれる人がいた、というところに一番ぐっときた。
多くを語らず、淡々と結果だけを見せるあのラストもかっこいいなあ。風間くんやあやちゃんはきっとこれからも前に進める。
何も説明がなくても、これまでの2時間の描写の力強さがあるから、きっとそうだと信じられた。
クライマックス
2回目の鑑賞。小説は読破済み。
圧巻のクライマックス。
ピアノや音楽経験のない私でも、何か胸にこみ上げてくる、熱くなるような最後の演奏シーン。
これが音楽映画なのかと感じた。
そして松岡茉優のファンになった。表情が一つ一つ素晴らしい。
分かるけど贅沢を言いたい
恩田陸の原作の本の厚みを知っていると、贅沢なのは分かるけど、4時間、5時間の大作でもいいから見たかった。コンパクトにまとまり過ぎてしまった印象。もったいない…
2時間ものだと考えると良い
ヨコハマ映画祭にて
おいおい、映画終わった瞬間、これでいいの!?って思っちゃったよ、、終わりなの!?って…
まずあんまり魅力的なキャラがいない、もしくは、キャラが魅力を出す前に終わっていた…
だからもっと観たいと思えなかったし、誰かが何かを克服してもなんのこっちゃって。
唯一、松坂桃李演じる、市民代表の彼がよかったですな。モットーがわかりやすくて。他はもう天才の域だからなのか、わたしには理解できませんでした…
松岡茉優ちゃん、ああいう演技コンセプトなんだろうが、あまりにもあざとすぎないか??あんな子いたら、嫌われるぞ。新人賞とった鈴木央士に食われてる感がありました。彼のがキャラにハマってた。
そして、母親との回想シーンがまたかまたかと思うほど出てくるくせに、その重要性はあまりわからず…結局、なにがあったねん。
森崎ウィンはいい声だけど、たまに違和感…はまり役ではあったかも。
予告では、いったい誰が勝利するのかって感じだったけど、実際そこはさらっとしていて、序盤から明白だったんよな…
そこがどうでもよくなるほどの物語があったわけでもないのに。
なんか、全くもって残念な映画だった。
原作を読んでいないわたしが悪いのかも、ごめんなさい。
原作未読。珍しく残念感のない松岡さん。
2020年は見逃していたこれでスタート。
恩田陸はデビュー時から追っかけていたが、最近は全然読めていなくて、今やファンですというのが申し訳ないような体たらくである。
ピアノやクラシックには疎い当方だが、小説では難しい音楽表現を実際の音で流せるのは強みだったかな。逆にいうと原作はそれだけ難しいことをしていたことになるのか。
逆に人物描写はちょっとずつ足らない印象か。
あそこでもしや「月光」かと思ったらやっぱりでちょっと嬉しくなる(『バイオハザード』で覚えたくちである)。
松岡さんは天才という役どころだけど周りに他にも天才がいるので、そこまで弾けてはいなかったように思う。ただ連弾シーンはエロスを感じさせて意表を突かれた。やらしいことしてないのにやらしいデス。そこは文句なしに素晴らしかった。
高校生の私には難しかったが
少し途中寝てしまった部分もありましたが、俳優陣の演奏のシーンに鳥肌でした。それぞれの個性が光ってて音色に表れてるような。何よりあの若手の男の子は誰だと思ったら広瀬すずがスカウトした鈴鹿央士くんでびっくり😳写真で見るより遥かに良くて、純粋そうな少年の役にぴったりでした。
コンクールを聴きに行った気分
コンクールを通じてのノミネータの葛藤や成長はストーリーではあるが本質はこの人達が奏でる音楽を聴く事にあった気がする。
背景を知って聞くからさらに、という事はあるのかも知れないが、ピアノを聴いているだけで涙が出るという経験を初めてした。
表現や解説のセリフは蛇足とも言えるが、わかりやすいと言えばわかりやすい。無くてもよかったかな。
役者の演技、特に松岡さんの表現力は凄まじかった。
最後の協奏曲の演奏はアユニD(BiSH)かと思った。
音楽が魅せる感動。天才達の友情と戦い。
【賛否両論チェック】
賛:天才達それぞれの珠玉の演奏の数々に、音楽が持つ魅力を堪能出来る。彼らの絆と戦いの行方にも注目。
否:どうしてもクラシックを弾くシーンの繰り返しなので、興味がないと眠くなってしまいそう。
夢を追い続ける4人の“天才”達。そのバックボーンや努力の仕方はそれぞれ違えども、お互いに刺激し合い励まし合いながらコンクールを戦っていく姿に、切磋琢磨とはこういうことを言うんだなと、思わず考えさせられます。
珠玉の演奏シーンはまさに圧倒されてしまいますが、それと同時に、
「世界はいつだって音楽で溢れてる。」
という塵の言葉のように、音楽という本当に儚いもので感動させられることが、少し不思議でもあります。
どうしても同じようなシーンの繰り返しではありますが、音楽の道を極める天才達の戦いの行方を、是非ご覧になってみて下さい。
ソリッド・ステイト・プレイヤー
とても荘厳で、重力、重圧のかかるクライマックス迄のコンテストの舞台設定と、そこからの解き放たれるピアノの迸りのダイナミックさ、鋭さが、今迄のこういうピアニスト作品の中で群を抜いて表現力の高さとして具現化できた実例として掲示されたものはないと断言できる程素晴らしい。原作未読なので、あくまで映画での感想だが、この緊張と破裂をここまで緻密に厳しく突き詰めた構築は邦画では表現できてなかったかも知れない。そう思う程の作り込まれた出来である。
比較として引合いに出すものではないだろうが、例えばアニメ『四月は君の嘘』のような、ピアニスト達のそれぞれの内面や環境、境遇、そして関係性を丁寧に描くことで、ピアノ自体に疎い素人の自分でも楽しむことが出来る手法が主だと思うが、今作は出来る限りその内容は匂わす程度で、全てをさらけ出さず、あくまでも個々人の内面の思考を顔の表情、動き、等演技の力のみで駆動するレベルの高い展開なのである。それは安易にヒューマンドラマに落とし込むことなく、天才たちの苦悩、邂逅、共鳴という常人では理解出来ない言語の交差をまざまざと見せつける力強い表現がスクリーンに繰広げられているのである。
ストーリーとしても、原作が大変ヒットしているからであろう、ユニークな構図が取られていて、ここからもこの作品の希有な内容が見て取れる。母親を亡くし幼少期に演奏が出来なくなった主人公、師匠のロボット的教えに苦悩する男、努力により市囲の自分を証明したい男、そんな登場人物達の苦悩を、まるで風の如く吹き飛ばしてくれる神童。この音楽の天使が動くことで、本来持っていた才能を目覚めさせてくれる事になった主人公の圧巻なクライマックスの演奏は、恥ずかしい事に、ドンドン自分の躯がリズムを取って動き、自然と音楽に浸りきってしまう事に驚く。凄まじいパワーが、自分の躯の核を揺さぶり、響かせる事により、難解なクラシック曲でさえ、ビートを刻んでしまうのである。この圧倒的な映画力と、スタッフロールでの、途中の欄に見落としてしまいそうに差し込まれている監督名の奥ゆかしさのギャップも又、大変興味を抱くのだ。
今作品の高次元のレベルを嫌と言うほど感じたところで、今後の邦画の行く末を安心して胸をなで下ろす自分がいる。制作陣、俳優陣の資質の高さに惚れ込む作品である。
天才ピアニストの話というより、栄伝亜夜トラウマ克服物語のようだった。
恩田陸の同名小説を、実写映画化。原作は未読。
ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニストたち。彼らにはそれぞれの事情があり、苦悩と挫折、そして成功へと成長していく姿を描いた作品。
母の死をきっかけにピアノが弾けなくなったかつての天才少女・栄伝亜夜役に松岡茉優。
最後まで暗くて、ボーッとした感じで、演技力なのか、演出力なのか、どうみても天才ピアニストの感じがしなかった。
マサル・C・レビ=アナトール役の森崎ウィンは俳優としての成長が感じられたが、天才ピアニストの感じが今一歩。風間塵役の映画初出演の新星・鈴鹿央士は、天才ピアニスト感がでていたがおしい!もう一歩という感じ、でもこれから大いに期待できる。
天才ピアニストとして、お互い刺激しあって気持ちを高めていく描写、天才的魅力をもっと欲しかった。
栄伝亜夜トラウマ克服物語になってしまったのが残念。
ただ4人の俳優が、ピアノを猛練習したであろうと思えたことには拍手を贈りたい。
全412件中、101~120件目を表示