蜜蜂と遠雷のレビュー・感想・評価
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偉大な原作に挑んだ作り手に敬意
恩田陸氏の原作があまりにも傑作のため、映画化と聞いた際には「なんと無謀な!」と思ったが、とにもかくにも作り手たちに祝福の喝さいをおくりたい。
ピアノ経験のある松岡茉優は、きっと現場でのたうち回るほど悪戦苦闘したはずだし、松坂桃李をはじめとする他キャストも然り。膨大なページ数を誇った原作をまとめ上げたのだから、多少ダイジェスト感は否めなかったし、石川慶監督であればもっと出来たはずという思いもあるが、音楽の波にどっぷりと浸かることのできる119分であることは保証する。
天才から見える世界
天才とはどんな生き物であるのか、凡人の我々にこうもわかりやすく理解させてくれる作品はなかなかないのではないか。天才ピアニストたちの音楽がどこからやって来て、どんな世界とつながっているのか、彼ら・彼女らが観ている地平を凡人にも見せてくれる。「天才たちの見える世界」という、普段体験できない世界を見せてくれるという点で、平凡なファンタジー映画よりもよほど未知の体験を与えてくれる作品だ。海の向こうに見える遠雷に天才たちは何を見たのか。映像でそれをわからせる手腕が見事。
主要な役者はみな素晴らしいが、やはり新人の鈴鹿央士の存在感が素晴らしい。本当にこんな生まれながらの天才に見える少年がいることに驚いた。石川監督の役者を見抜く力を実感した。今年最も心を揺さぶられた日本映画の一本だった。
「蜜蜂と遠雷」原作を読んだついでに、アマプラで映画も鑑賞してみる・...
「蜜蜂と遠雷」原作を読んだついでに、アマプラで映画も鑑賞してみる・・。
小説を映画化するというのは・・困難な仕事なんだなぁ・・と改めて認識。
読んでから観た印象は・・原作者の意図を伝えることができてない感じ・・かなぁ・・
脚本?演出?がクサくて・・。演技もイマイチな方々が多い・・。斉藤由貴はちょっと・・勘弁・・。
意味不明な片桐はいり・・監督の個人的な趣味???コネ?。
鹿賀丈史のリハーサルシーン、観客席に人がいないのに・・何故か、審査員達がそこで議論してるカット・・。こういう、雑な積み重ねのダイジェスト版ぽく出来上がってる感じ・・。
原作本とは別物と思った・・。製作予算もあるのだと思うが・・原作者はこれで良しとしたのかしらん?
昨今の漫画家のこともあるし・・そういう事が気になった作品でした・・。
ピアニストたちへの尊敬と愛情を感じた。
石川慶 脚本・監督による2019年製作(119分/G)の日本映画。
配給:東宝、劇場公開日:2019年10月4日。
原作はとても有名らしいが、漫画も含めて未読。
最近、ピアニストやピアノコンクールに関心が高いこともあってか、とても興味深く見ることが出来た。ライバルとなる登場ピアニスト達もかなり個性的で面白い。
特に、弾けなくなってしまった元天才少女という松岡茉優演ずる亜夜のキャラクター設定は印象に残った。ピアノ代演の河村尚子( ミュンヘン国際音楽コンクール2006年 第2位)による演奏も、とても良かった。特に、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、こういう素晴らしい曲の存在を知ることもできた意味でも嬉しかった。
亜夜と森崎ウィン演じるマサルが同門で、マサルが天才亜夜をずっと追いかけていたという設定も、前回ショパンコンクール準優勝者反田恭平と小林愛実の関係性を、思い起こされた。天才少年と言われていた鈴鹿央士を演していたのが風間塵。みじかにいないので、本当のところわからないが、イメージとしての天才らしさが表現されていた。代演奏がイメージが合致する藤田真央(1998年生まれ、チャイコフスキー国際コンクール2019年第2位)というのも嬉しかった。
全体として、音楽に全てをかける若者たちの葛藤や凄みに光が当たっていたのを嬉しく思った。また、コンクール優勝者マサル(森崎ウィン)に語らせていた様に、クラシック界にピアノ演奏だけでなく、ショパンやリストの様に作曲もできる大音楽家を待望したい。
監督石川慶、原作恩田陸、脚本石川慶、製作市川南、エグゼクティブプロデューサー山内章弘、プロデューサー佐藤善宏 、石黒裕亮 、加倉井誠人、ラインプロデューサー大西洋志、プロダクション統括佐藤毅、撮影監督ピオトル・ニエミイスキ、照明宗賢次郎、録音久連石由文、美術我妻弘之、装飾篠田公史、スタイリスト高橋さやか、ヘアメイク酒井夢月、スクリプター藤島理恵、VFXスーパーバイザー廣田隼也、編集太田義則、音響効果柴崎憲治、劇中音楽篠田大介、音楽プロデューサー杉田寿宏、「春と修羅」作曲藤倉大、ピアノ演奏河村尚子 、福間洸太朗、 金子三勇士、 藤田真央、オーケストラ演奏東京フィルハーモニー交響楽団、助監督川口浩史、製作担当相良晶。
出演
松岡茉優栄伝亜夜、松坂桃李高島明石、森崎ウィンマサル・カルロス・レヴィ・アナトール、鈴鹿央士風間塵、臼田あさ美高島満智子、藤原しおり仁科雅美、ブルゾンちえみ、
福島リラジェニファ・チャン、眞島秀和、片桐はいり、光石研菱沼忠明、平田満田久保寛、
アンジェイ・ヒラナサニエル・シルヴァーバーグ、斉藤由貴嵯峨三枝子、鹿賀丈史小野寺昌幸。
小説の方が良いけれど…
恩田陸の「蜜蜂と遠雷」の映画化版。小説を読んでからの視聴だったけれど、やっぱり小説の方が心理描写、音楽の修辞とかが優れていたという記憶がある。しかし、それぞれの審査における演奏を通して、キャラクターを把握できるのは映画ならでは。風間の世俗化されていない純粋さ、母親から、音の原点を学んだ栄伝、栄伝を追いかけたマサル。それぞれが、刺激し合い、自然と高まっていく様子は、天才たちならではの世界だった。音楽映画だけあって、ピアノの音の録音が秀逸で、透明感溢れる世界が表現されていた。映画にして、小説では表せない部分が補われた。
音楽の贈り物:母との思い出とピアノの再会
幼少期、母親との楽しかった演奏の思い出
母との練習の成果もあり、幼少期から才能を認められた少女
しかし、母親の死と、大人のオーケストラたちの鋭い視線でピアノが弾けなくなってしまった
年月が経って久しぶりのコンサート
今でも才能を認められ、コンクールで勝ち上がってる人からも自分には敵わないと憧れられている
ただ、そんな諦めの境地に立たされた人からピアノは好きだと聞かされる
一方で、彼女はピアノが好きでは無くなってしまったと感じている。そして、それを打ち明ける苦しさ。
ただし、このコンサートに送り込まれた1人の青年が、彼女にピアノの楽しさを教えてくれた
そして、久しぶりに出会った幼馴染が、ピアノの自由さを教えてくれた
母親との思い出が蘇る
雨の音でも音楽になる
世界は音楽で溢れている
勇気を出してピアノに向かう
そして、その演奏にみんな心を惹かれ、世界は祝福をあげている
才能に溢れた少女がもがき苦しみながら立ち向かっていく姿と、ピアノの音色に涙が止まらなかった
4人のメインキャストの演技、本物の演奏、その素晴らしさを堪能する作...
4人のメインキャストの演技、本物の演奏、その素晴らしさを堪能する作品。
メインメインキャスト(笑)の松岡茉優の成長譚としての感動ははっきり言ってほぼない。
この題材を小説で感動に繋げているという恩田陸の原作小説に興味がわく。
セリフを多用せずに絵にこだわって作られた良作
自分が見た映画の中ではセリフは少なく、
絵だったり間だったりが非常に良いテンポが心地よく引き込まれていった。
音楽を題材にしているだけあって、とてもきれいな旋律を聞けて満足の行く作品でした
狂気の中で生きる
まず最初に、小説と映画は別物です。
決してイコールではないです。
イコールほどつまらないものは無いと思います。
観客は理想よりも創造性を取るべきです。
近年稀に見る良い映画だと思いますが
2時間にしたせいか、少し窮屈感があります。
感情移入が散漫になってしまいました。
では上映を2時間30分ならどうなのか、
いや小説どうりにするには、6〜8時間は欲しい!
それが本来の上映時間かもしれません
が、8時間の映画なんて誰も観に行かないでしょう。
映画の製作委員会も上映回数を増やして
出したお金の回収は必須になると思います。
色々ありますが、素敵なシーンもあり
音を探す母と娘のシーンや
凍える夜の二人の演奏です。
全体的にピアノの演奏はすごく
演奏+奏者としての演技が加わりますから
かなり練習をしたのではと、感心するばかり。
この採点評価の星の数はそこに集中しています。
また、これ必要なの?と思ったのは
何度か登場したクロークの場面です。
いいたいことは何となくわかりますが
なんだか大昔の手法ののようで
本当に必要なのか、別案は?
と思ってしまいました。
好きなことに生きる。
目標に向かっていると
時々、狂気と隣り合わせになります。
狂気に触れることがあります。
トラウマも同じ、逃げるのは簡単ですが
それ以上に夢や目標が高いか、満足できたか、
そんなところが映画を通して伝わってきました。
優勝は誰でもいい
過程と未来が大切なのだ
そんな気がしました。
松岡茉優・松坂桃李・森崎ウィン・鈴鹿央士
それぞれ、とてもよかったです。
それを支えたピアノ演奏・指導の方々、
多くの制作スタッフ、存在がポイントの平田満、
長時間の撮影に参加した皆さん、、、。
いい作品を作り、見せてくれたと思います。
最後に「映像化は不可能」なんてことはありません。
映像化はできます、が「表現が出来るか出来ないか」
の問題だと思います。
また観ます。
※
最後は圧巻の演奏
まるでオーケストラを聴きに行ったかのような
気持ちにさせてくれる作品。
ピアニスト、本当に素晴らしいと思った。
親子でピアノの前で横並びになりながら
音を探すシーン、連打のシーン、
お母さんの表情、たまらなかった。
わたしもあんなお母さんになりたい。
ピアノを子供に教えてあげたいと思った。
原作を読ませるための序章
原作は読んでないが、映画の尺では入りきらなかった物語があるのだろうなと感じ取れました。
俳優さんたちの演技は素晴らしかったと思います。
1人の天才ピアニストが、周りに刺激され心の破片を取り戻し克服していく姿は音楽と共に美しく表現されていました。
力作でした。
これは、限界まで夢や希望を求め努力したことのある人なら、響く作品かと。
個人的にはピアノと下手な関西弁の映画は上滑り感に、うんざりしてしまうのですが、本当に俳優陣が頑張られていました。
生きてると必ず何かを無くしてしまう時がある。そうなると、それまでは共有できた楽しかったことが、辛い事に変わってしまったりする。
でも、突き進めば必ずまた、色のある世界に戻って、誰かと喜びを共有できる。だから、絶望って味わうと、そこで終わりのようだけど、実は終わりじゃないのかなって思える作品でした。
ギフトをありがとう。
音楽芸術門外漢の私には、ため息をつくばかりの世界で…
たまたま、TV放映されて間もない
「旅立ちの時」と「蜜蜂と遠雷」を
続けて観たら、2作品共に
音の出ない鍵盤で練習するシーンが
描かれていてその偶然性にまず驚いた。
音楽感性に秀でた人は
空鍵盤でも音を頭の中で奏でることの出来る
ことは、音楽芸術門外漢の私には
創造性を超える驚くべき世界で、
この作品のコンクールシステム等々、
音楽芸術の世界に全く理解が及ばない結果、
ただただ縁遠い場所に足を踏み入れたような
気がして、ため息をつくばかりで
鑑賞を終えてしまった。
それにしても、この作品に登場する人々は
超一流とは言えないのかも知れないが、
でもこの世界の頂点の一角。
その裾野には、他の分野以上に
優劣を突き付けられ一流に成りきれなかった
数え切れない関係者がいるのかと思うと、
複雑な気持ちも湧いた。
そこに想いを寄せる存在として登場させて
いるのが、妻子ある楽器店勤めの
サラリーマンだとしても。
全く理解の及ばない物語ではあったが、
原作者が触れているのは、
あえて、こんなことなのかなと想像すると、
“音楽と家族”と“音楽と自然”的な描写や
“世界は音楽に溢れている”との台詞もあり、
登場人物の成長を通じての
音楽芸術賛歌の作品に思えた。
ただ、原作の題名に使われている
“蜜蜂”と“遠雷”の意味については、
少なくともこの映画の範囲の中では
理解が及ばなかったし、
原作に有る無しの関係は分からないが、
意味不明の描写を多く感じたり、
キネマ旬報邦画第5位の作品にしては、
まとまりの悪い編集には感じた。
人生をかけている演奏
松岡茉優扮する栄伝亜夜は、国際ピアノコンクールの予選に臨んだ。亜夜はかつてコンクールをドタキャンした事があった。
コンクールで完璧を目指すのか、生活者に根ざした音楽か、即興で楽しむのか、演奏者それぞれなんだね。素人では分からないところだが、緊張感は伝わってくるね。人生をかけている演奏を聞き比べられる耳があるといいね。題名の由来がわからなかったな。
ピアノも音楽も知らなくていい!見た方がいい!
松岡茉優見たさで視聴です。
すまない、要はアイドル映画として見ようとした訳ですよ。
うん、やっぱ松岡茉優は可愛いし、女優として見どころ満載でしたよ。
が!しかしそんなもんじゃ無かった。
松坂桃李も森崎ウインも凄え芝居すんな、腰抜けたわ。
松坂桃李の「マジか・」は、あの一言で全員の心情が解るんですよ。
森崎ウインも、あんな少年のような空気出せるもんなのか。
鈴鹿央士もデビュー作?
本当にいきなり現れた無邪気な天才にしか見えなかったわ。
鹿賀丈史の、セリフ無しでも、その演奏が満足出来る物だったかどうかが一瞬で解る立ち振る舞いよ。
僕はピアノはもちろん、クラシック音楽の事なんて1ミリも解らないし楽譜も読めないけれど、誰が何を感じてるかは解るんですよ。しっかりアホみたいに面白かったわ。
たぶん、ピアノや音楽は表層の絵で、本質は人生と人間が描かれていたからだと思う。
劇中で、ピアノの世界は、本当に1位しか生き残れないと説明が有ったけど、それだけじゃ無い結論が、全員に提示されるラストの審査結果は、彼らの未来と希望が描かれ最高でしたよ。
原作が見たくなります!
なんだか登場人物がそれぞれ影響しあって良い方向に進む感じがたまらなく良かったです。ギスギスのエゴエゴからの嫉妬満載じゃなくて、心が洗われました。桃李さんみたいな穏やかで素直な好青年になりたかったなぁ。
音に合わせて揺れる松岡さんの髪が綺麗でした。
*****
原作読みました!とても面白かったです。
原作読んでから映画見ると、きっと物足りなさやそうじゃないなんて憤ってたかも…。
逆に映画見てから原作は2度楽しめました。
原作未読。 それぞれの詳細な、エピソードは省略されているため入りづ...
原作未読。
それぞれの詳細な、エピソードは省略されているため入りづらい部分あるものの、キャストそれぞれの空気感と映像で補っている。そういう点では惹き込まれるようなつくりでした。
音楽の表現力がずば抜けている
2021年5月6日
松岡茉優と松坂桃李のファンなので鑑賞。
音楽がテーマの漫画や映画はのだめが1番好きで、ストーリーだけでなくギャグも圧倒的に面白いと思っています。
ただ、本作は、音楽の表現力という観点から観ると、今までのどの音楽映画よりも表現力が素晴らしいと感じました。
天才たちの感じている音楽を上手く私たち大衆に伝えられているなと思いました。
なにより、松岡茉優がかわいい。
結婚したい。
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