劇場公開日 2018年10月5日

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「現代版西部劇」イコライザー2 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0現代版西部劇

2023年12月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

元CIAの殺し屋だった男がダイナーで知り合っただけの不遇な少女を助けるという非常にシンプルなストーリーでありながらフークア監督のノワール風演出で面白かった前作。
渋くて静かでカッコイイ。だけどなぜかホッとする暖かさから、今作は何だかちょっと雰囲気が違うなあと感じていた。
前作は戦いたくないが渋々戦っている受け身感があったのが、今作は冒頭から必殺仕事人ばりの無償の人助けをしており、受動から能動に変化したのが違和感の理由かなと思う。
これは前作での出来事が原因だろうから、ストーリーが繋がっていることを感じさせてくれて良いとも言えるけどね。

他に引き継がれていることといえば、戦闘時間を測る行為があるね。マッコールが時計をピッと動かすことで今から戦闘が始まるぞと明白に知らせることができる。なかなか効果的で面白いよね。
身近にあるものを武器として使うって部分は少し扱いが軽くなってしまったけど、武器を必要としない一般人が相手だったり屋外戦が多くなったりしたので仕方ないかな。

あとはもちろん、ノワール風演出も健在だったね。
ラストなんかわざわざ嵐の設定で、雨も風も、そして波まで荒れ狂って盛り上げたし、格闘アクションの途中で目のアップとか、並のアクション映画ではそうそう見られるものじゃないよ。
普通なら笑っちゃってもおかしくないような目のアップがカッコイイんだからフークア監督は良い仕事したよ。

それで考えてみたんだけど、過去に何かあるのだろうけど明白にされないマッコールの正義感とか、中盤で敵と対峙して、俺とお前は敵だ宣言とか、出来事そのものが小規模だったりして、西部の宿場町にあらわれたアンチヒーロー感があるよね。
それにフィルムノワールの雰囲気が合わさって、これはもう西部劇なんだなと思った。
現代版西部劇。なんのこっちゃって感じだけど、多分合ってると思うな。

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つとみ