劇場公開日 2019年5月17日

「基本的にはファン向けか。どこまでも小説チックな世界観。」うちの執事が言うことには 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5基本的にはファン向けか。どこまでも小説チックな世界観。

2019年7月2日
PCから投稿

単純

知的

寝られる

【賛否両論チェック】
賛:最初は頼りなかった主人公が、こちらも不器用だった執事とぶつかり合いながら、次第にたくましく成長していく姿が印象に残る。
否:真相は早い段階から読めてしまうので、ミステリーとしての面白みはあまりない。セリフもどこか小説チック。

 「自分を大きく見せようとせず、小さく委縮せず、媚びて自らを変えず、強いて相手を変えることを願わず。」
先代執事の鳳が花穎にアドバイスするこの言葉が、とってもステキです。突然新しい当主となった主人公・花穎が、戸惑い迷いながらも、事件を通して次第に1人の当主としてたくましく成長していく姿が、微笑ましくもカッコイイです。そしてそんな彼を支えようと、不器用ながらも執事として正しくあろうとする衣更月。彼自身の成長もまた、物語に彩を添える要素になっている気がします。
 ただミステリーとしては、かなり早い段階から何となく察しがついてしまうので、謎解きを期待して観ると、結構物足りないかも知れません。セリフの言い回しなんかも小説チックなので、その辺りの好き嫌いは分かれそうなところです。
 ストーリーのツッコみどころも案外多く、
「えっ、そうなっちゃいます?」
と感じてしまいそうな展開もありますが、その辺りはご愛嬌でしょうか(笑)。基本的にはファン向けの作品といえそうです。

映画コーディネーター・門倉カド