こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のレビュー・感想・評価
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大泉洋
こんな太々しい障害者、、、と嫌悪感を露わにしてしまう鑑賞者を挑発しまくる鹿野を、大泉洋がとても上手く演じていて適役でした。彼が演じたから成立した作品だと思います。
教育大生という嘘をついていた美咲にしても、人間臭くていいじゃないですか。人間は、そんなに清く正しく美しくないんですよ。日テレの24時間TVみたいに、障害者に性善を求める社会はどこか歪んでます。もちろん、スポンサーがいるので、鹿野みたいな障害者は出演できないと思いますが。鹿野の様な人が堂々としている社会の方が、皆が生きやすい社会ですよね。
最後まで共感はできませんでした。
録りためていた金曜ロードショーを観て。
結局、最後までこの作品の主人公に共感を持てませんでした。
冒頭の主人公のわがままぶりに対しては、ヒロインも最初は辟易していたはずなのに、いつの間にか惹かれていって、なんでこうなったのか理解ができませんでした。
主人公がボランティアに対して、「有名になればそれだけボラがたくさん集まるだろ」とか暴言だと思います。「ボラ」って略すところからして違和感。
中盤以降はけっこういいシーンもありましたが、冒頭のイメージをひきずったので、最後まで作品を楽しむことができませんでした。
障碍者の方が、わがままを言いたいことはあると思うし、もし自分がボランティアなら、ある程度力になりたいと思うけど、それはお互い敬意があってのことと思う。それなのに、あんな言われ方して、自分のスケジュールよりも主人公のわがままを優先させられるようなのは、ちょっと無理。
主人公が言っていた「障碍者の自立は、支援を要する利用者が自己決定する自立」という考え方は、そのとおりで支援していくべきだと思います。しかしこの主人公は結局「自分の都合のよいボランティアをたくさん集めること」って言っているように感じました。どなたかのレビューに「プロ障碍者」ってコメントがありましたが、まさにそうだと思いました。
この作品に登場するボランティアの方は、なんでそこまでするのでしょうか。障碍者であってもなくても、カリスマ性を備える人間っているんでしょうけど、人の心の隙間を言葉で巧みに突いて、人を操るところが、宗教っぽい。
同じ病気の方ってたくさんいらっしゃると思いますが、この主人公のように口がうまい人はほんの一握りでしょう。ある意味成功者なんだと思います。
主役の大泉さんは、この違和感のある主人公を見事に演じ切っていて、その他のキャストの演技もすばらしいので、作品としてはいいんですけど。
(三浦さんは、今思えばちょっと影がある感じがしました)
鹿野さんご本人が、この作品の主人公のような人ではなかったと思いたいです。
高畑充希
感動の実話と聞くほど脚色と演出は何処か?に気が逸れる、という域。
高畑充希の感情がドバドバ溢れ出る演技は他の追随を許さない。
オーバーアクト側に一周回っての超ナチュラル演、か。
旅先の未明の空気は良いのに照明感丸出しの朝日に萎えた。
自分はここまでできるだろうか
鹿野のように自分に正直に強くたくましく生きる事はできるだろうか?
あのボランティアの人達のように誰かのために一生懸命になれるだろうか?
正直、無理だなと思いました。
いい話だとは思ったのですが、映画の世界に入り込めなかったので、低めの評価です。
身体的には不自由だけど考え方は自由で、本当の意味での生きる道を選んだ鹿野。自分の望みの為に全力で周囲を巻き込む鹿野。
できるだけ周囲に迷惑をかけないようにという事ばかりを考えてしまう私にとっては、少々インパクトが強すぎたみたいです。でも鹿野の考え方は新鮮だったし、困ったら堂々と助けを求めていいんだよというメッセージには勇気をもらえました。
また、あの熱心なボランティアの人達にもついていけませんでした。家族でも恋人でもない人の為に、どうしてあそこまで一生懸命になれるのだろう。困難な状況になるほど熱く一致団結していくボランティアメンバー。メンバーも徐々に増えていく。なぜそこまでできる?そんな疑問が始終頭から離れませんでした。鹿野とボランティア達の絆を感じられるエピソードがもう少し盛り込まれていたら、違う見方もできたのかもしれませんが。
ここからは鹿野から影響を受けた若者2人(医学生の青年と教員志望の女性)の成長物語としてみた感想です。
久は真面目で、自分が何をしたいか?ではなく、常にどうするべきか、どうするのが正しいのかを考える人。だから、鹿野のどんなわがままに対しても、心のどこかで”面倒くさい”とか”迷惑だ”と仮に思っていたとしても、”いい医者になるため”とか”いい人であらねば”といった気持ちが優先し、嫌な顔せず応えてきた。自分の気持ちよりも常に周囲を大事にしてきた久にとって、常にわがまま全開で周囲を巻き込む事が当たり前の鹿野はどんな存在だったのだろう。
真面目過ぎるが故に、将来や自分自身に対して自信が持てなくなり自己嫌悪に陥る。医者の道や鹿野達からも距離を置き、自暴自棄になっていた久に対し、問われた鹿野の言葉。
「君は何がしたいんだ。何が大事なんだ。」
改めて自分を見つめ直し、自分に正直になって考えてみるとやっぱり自分は医者になりたい。周囲に期待されているからではなく、自分がやりたいから医者の道を進む。そんな自分に気付けた。のではないだろうか。
久とは対照的に美咲は最初から鹿野に対し嫌悪感むき出しだった。久に泊まり込みの当番を無茶ぶりしようとした時も「何様のつもりですか!」と怒り、家を飛び出して行った。出だしは最悪だったけど、本音でぶつかる美咲はあっという間に鹿野との距離を縮めていった。(そのあたりの描写があまり無かったので、急に鹿野に心を開くようになった美咲に違和感は感じましたが…)
久と鹿野、美咲と鹿野、それぞれの交流や成長が興味深かったです。
大泉洋がすごくそれっぽい。
きれいに見せようとする映画ではないので、映画の全体的な雰囲気が苦手な人は苦手かもしれない。
タイトルからコメディだと思ったら全然コメディじゃない。思っていたより暗い。好みが分かれそう。
この映画が苦手、と言ってしまうと障がい者の苦労が理解できない人と思われそうなのだが、自分は苦手な部類で、自分はもやっと感が残る映画だった。
最初の大泉洋のわがままの段階で、自分はイラっとしてあっ、無理。と思った。それは大泉洋が見事に役にはまっていたからだ。そういう人に見えて仕方ない。このイラっと感を抱かせるのは大泉洋の演技力だと思う。後半もはあ?というわがままが続いて、みてる自分はイラっと感最高潮。過程が過程なだけに、終わり良ければ総て良しとはならなかった。最後はもやっと感が残った。
三浦さんが出ていることも、映画にさらに深みを増した。
難しい役どころではあったと思うけど、悩みながら演じきったのだと思う。
彼の演技もセリフがないところでも気持ちが伝わるような、とてもいい演技った。
いい話だった
お題の意味は冒頭で、つかみはばっちり。大泉洋の軽妙な演技で話は軽快に進む。この冒頭の数10分がとてもよくて、映画の全体像とか出演者の大体が見事に揃う。あとは流れでよい。明るく描かれているのは、負けずに明るく生き抜く主人公の強い意志なんだろう。立派としか言えない。
実話の主人公は、脚色があまりないとしたら大泉洋がぴったり。高畑充希は飾らない素の雰囲気がとてもいい。最近の役づくりはちょっと作りすぎだな。春馬くんは相変わらずうまかった。原田美枝子の医者も良かったし、脇役がうまくはまってキャスティングも良し。
夢を追いかける姿に注目
大泉洋演じる主人公・鹿野靖明は、難病の筋ジストロフィー症ながらも病院や施設に頼らず自分の家で生活するという1990年代当時では決して普通ではない存在であり、障害者の中では、注目の的であった。ただ、彼一人ではできないことも多く、ボランティアスタッフが支えたのであるある。多少わがままな彼をボランティアスタッフの献身的なサポートもあって、主人公は最期まで夢を持って生きることができた。医学生のボランティアスタッフ・田中を三浦春馬が、また、その恋人であり、ボランティアスタッフに加わった自称教育大生・美咲を高畑充希が演じた。この作品は、障害者を主人公とした映画ではあるものの、その周囲のボランティアスタッフもまた、人生において試練を与えられているところが見どころであった。田中は、学業とボランティアとの両立に励む一方で、自分が本当に医師を目指して良いのだろうかと自問自答する。そして、美咲は、医学生と合コンをするために教育大生を騙り、のちにその嘘が露見し、少しずつ二人の距離は広がる。さらに、二人の関係性に水を差すかのように、主人公は自称女子大生の飾らない素直さに惚れ込む鹿野…。ただ、最終的に、田中と美咲は結ばれる。鹿野は田中にとっても美咲にとって大切な存在であった。鹿野をサポートしながら、鹿野の夢に向かって全力で生きる姿に感化されたことであろう。二人が鹿野をともに支えていく過程において、再び愛情は深まっていったのである。田中は医学生を続け、美咲は大学受験を経て教育大学を卒業し、小学校教師となったが、それは鹿野が夢を追いかけながら生きてきた姿と重なる。
いやー面白い!幸せな気持ちになれた!
最初は憎らしいと思ったけど...いやいやこれって...すごく人間らしいっていうか素直な自分って...考えさせられた!こんな立派な...というか自分らしく素直に生きられるってなかなかできない、羨ましい!自分もこうありたい!
思っていたより面白かった
感動モノが苦手、亡くなってしまった三浦春馬を見るのがまだ辛いという理由で
見る気はなかったのですが人が見ていたので耳に入ってきてしまい、
大泉洋の声に誘われて見入ってしまいました。
感動モノではなかったですね。本当にヒューマン映画という感じ。
演技が下手な人がいないので見やすかったです。
ん??
※原作未読
イイもの見たような気もするけど、なんか変な感じもするのは何故だろう…。
一見ただ我儘を通しているだけのように見える鹿野氏が、障がい者だからと言って人生を諦めるのではなく、やりたいことに挑戦しながら、限りある命を全力で生きる眩しい世界観。その中に生まれた鹿野氏とボランティアたちの絆。
主人公を演じた大泉洋の演技もとても良い。冒頭の「なんだコイツ」感とか「知ってみればいいヤツ」感とか、よく表現したと思う。
…が一方で、彼のもとに集うボランティアたちが、何故にあれほどまでに熱心に関わっているのか、という鹿野氏の魅力に迫る部分が足りず、特に美咲が唐突過ぎて意味不明だし、途中ちょっと「嫌な女」だなとさえ思ってしまった😅
映画の世界は「人に助けてもらいながら生きればいいんだよ」という難病と闘う人へのエールのようであり、彼らにとって救いとなるサポートする側の人間の理解との相互関係があって成り立つわけだけれど、
「もうしょうがないなぁ」にしろ、その根拠がどこかにあるハズで、でもそこが希薄で、
例えば障がい者やそのボランティアについて「考えさせられる」よりは「鹿野氏は恵まれていたね」というところに着地してしまったかな…
原作はどうなのだろう?
また一つ、読んでみなければ、というものが増えてしまった。
人の助けを借りる勇気
1994年の札幌の病院に大泉洋扮する筋ジス障害者で一風変わった鹿野靖明と言う患者がいた。ボランティアの中には三浦春馬扮する田中久もいた。田中とともにたまたま来ていた高畑充希扮する田中の彼女である安堂美咲も泊まって鹿野の面倒を見る事になったが、深夜2時にバナナが食べたいと言い出したので美咲は走って買いに行った。美咲は、2回目もボランティアに来たが、鹿野の態度に頭来て二度と来ないと言って出て行った。田中は、美咲に対する鹿野の謝罪を含むラブレターを書かされた。田中は、美咲に鹿野とデートする様に頼み込んだ。鹿野には様々な夢があったが心臓の力が弱っていた。果たして自立生活を目指す鹿野運命や如何に? 題名と大泉洋主演と言う事でコメディかと思ったらなかなかの作品だったな。思い切って人の助けを借りる勇気が必要とか、障害者とボランティアは立場が対等とかうんちくのあるセリフもあったし、人工呼吸器でも声を出そうとかボランティアの覚悟など考えさせられたね。
題名から寒いコメディなのかなと敬遠してましたが、見てみたらすごく良...
題名から寒いコメディなのかなと敬遠してましたが、見てみたらすごく良かった。介助される側だって自我があって性欲もある普通の人間なんだけど、介助してくれる人がいなければ生きていけないという現実ゆえにそういった人間らしい欲求を抑えて聖人のような振る舞いをしなければ、という無意識の抑圧ってあるのだろうなと思った。また、健常者の心理の中にも、障害者の人にはこういうことを言ってはならないという心理的なブレーキはあると思う。この映画ではそういう健常者と障害者の間に存在する心理的な壁を超えた人間関係を築いていくのを、なんの偽善も感じず笑いも交えてエンターテイメントとして仕立てられていて、こういう映画にありがちなもやもやがなかった。
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