生きてるだけで、愛。のレビュー・感想・評価
全156件中、21~40件目を表示
分かり合えたほんの一瞬で私は生きている
2018年の作品
初鑑賞
ミュージックビデオを手がけてきた映像作家関根光才の長編映画初監督作品
脚本も関根光才
原作未読
原作は『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『乱暴と待機』の本谷有希子
津奈木のアパートに上がり込み住みついた鬱気味で過眠症で無職の寧子(やすこ)に趣里
寧子の彼氏でゴシップ雑誌のライター津奈木に菅田将暉
寧子が勤めはじめるカフェバーの店長村田に田中哲司
村田の妻でカフェバーで働く真紀に西田尚美
津奈木が勤める出版社のゴシップ雑誌の編集長磯山に松重豊
津奈木の職場の同僚美里に石橋静河
村田のカフェバーで働く莉奈に織田梨沙
津奈木の元カノでヨリを戻したい安堂に仲里依紗
引きこもり気味の寧子は同棲している津奈木といまいちうまくいっていない
そんなある日に津奈木の元カノ安堂が現れ寧子に別れるよう命令する
一文なしのため引っ越し費用を稼ぐため安堂の勧めでカフェバーで働き始める寧子
シネコンよりミニシアター系がよく似合う
意外と退屈しない
映画の内容からすれば140人もレビューを書いていることにまず驚かされる
菅田将暉の魅力がそうさせるのだろうか
共感を重要視する人には向いていない作品
ヒロインは模範的とは到底いえないダメ人間だから無理もないが
働かない寝てばかりいる
バイトの面接に連絡もせず行かない
働き始めたら寝坊する遅刻する勝手に休む
店の食器をしょっちゅう落として破損する
勤務時間中トイレでサボる
ウォシュレットのことで共感してもらえないとブチギレる変人だし
「共感できない」「共感してもらえない」と苦しくなるのはある意味において精神的な病かもしれない
かなり昔から十人十色という有難い4文字熟語があるわけだし割り切りたいものだけど
とりあえず特に意味もなく走るシーンの撮影はあまり映画を撮ったことがない監督さんがよくやる手法だがこの作品も例外ではない
そういう点でも初々しい
趣里を味あうための映画
彼女はサラブレッドだが共演の石橋もサラブレッド
百姓や漁師やだるま職人なら親と同じ仕事を始めても誰も叩かないしむしろ賞賛されるが俳優となるとなぜか批判するバカは少なからず存在する
嫉妬なのかもしれないが僕は全く共感できない
趣里は両親よりわりと細かい芝居をするので好感が持てる
趣里と仲里依紗の配役はドハマリで抜群に良い
2人のやりとりが面白い
村田がのんびりしているらしくダメ人間の寧子にもかなり優しい
奥さんもそんな村田の良き理解者
世の中の全てがこんな感じならアジア系の出稼ぎ労働者なんて受け入れる必要ないのに
そんな職場でも嫌になりトイレを破壊し店を飛び出し夜のビルの屋上でなぜか全裸になる寧子
暗くてわかりにくいがそれで良い
冒頭の停電になると全裸で踊る母親は10数年後の寧子のことのようだ
安堂と村田の人間関係がよくわからないがたぶんカフェバーの物件を貸している大家の娘かなんかではないだろうか
反町隆史の後釜が難航しているらしいがそれなら趣里が相棒に抜擢されたら面白いな
リアル
私も実際に、彼女のような友人に出会ったことがある。
そして私自身も若干似たような経験がある。
だからこそ、つなきの優しさや愛を感じる。
鬱は本当に辛い。
本人だけではなく、周りの人にとっても。
もっと理解が深められればと思う。
新たな発見として、バイト先であるカフェのスタッフにあたたかく受け入れられていたものの、
やっぱり続かなかった。つなきとは何が違ったのか?を考えさせられた。
変なとこも全部受け入れてくれる、
愛だ。
どうせムカつく系だろうと軽く見流そうとしたが結構よかった
鬱だとか抜かしているが単なる自意識過剰・自分本位主義・ヒステリーを卑怯な武器として悪用し、怠け癖が体の芯まで染みついているクズ女に過ぎない。
そんなチワワによく似ている顔つきのヒロインと、そんな女との同居生活をなぜか3年にわたり続けている男の物語。
最初は女にむかっ腹が立って仕方なかったが、それが後半へ向けて演出的に大事な布石。
ここでこちらにネガティブであっても感情の揺れ動きが生じなければなければ、映画としての存在意義が個人的にもたらされることもなかっただろう。
その意味ではヒロインは最初から最後まで持てる物を全部出したと言いうるように思う。(最後は本当に全て脱ぎ捨て・・・)
監督がうまく引き出したということなのかもしれないがね。
ヒステリー女の変遷記など興味なんてこれっぽっちも持たないが、本作品はそんな薄情な♂視聴者を映像に引き留めるだけの要素があったのは間違いなく、ラストはほんの少しだけチワワ女、そして男のハートに触れることができたような気はした。
チワワ顔のヒロインは確か水谷豊と伊藤蘭の娘と記憶しているが、この映画でいい具合にはじけたように感じました。
ところで話は変わり、ヒロインのような症状を持つ女はなぜそうなってしまうのかと考察した場合、自己の精神的問題の他に、
1、ビタミンミネラルなどの栄養失調。または有害ミネラルの蓄積(鉛、銅、アルミなどが蓄積すると理知が弱り、感情抑制できなくなる)、毒性ケミカルの蓄積(各種添加物や人工香料・合成界面活性剤など)。炭水化物過剰による血糖値乱高下による気分の急激な変動(低血糖状態になるとアドレナリンが分泌され俗に言う切れやすくなる)。
2、霊障
なども考えられるところ。
霊障に関しては余程信頼のおける霊視者じゃなければ安易に足を踏み込むべきではないが、1の件に関しては、映画内でコーラやコンビニ弁当ばかり食べていたような状況であれば大いに危惧される点なので一考に値すると思います。経験的に
生きていることが尊い、と改めて思える
生きていると、自分のことが嫌になることって誰にだってあると思う。
どんな英雄でも、スターでも、成功した人も、うまくいっていない人も。
頑張って生きることが尊いことなんだなぁ、って改めて思います。
それと、誰にでも優しくできる人、人の力になることは素晴らしい。無償の愛でしょうか。
この映画を観てよかったです。
インタビュー記事を読んで、
主演の趣里さんは、両親ともスターというサラブレットでありながら、バレエを志し、けがにより挫折して、それでも生きなおしている。そんなところに、才能だけでない強さを感じます。
本人のこれまでの人生経験がこの映画に生かされた、という単純に言い切れることではないと思います。難しい役を演じきった、やはり演技力人間力なんじゃないでしょうか。
生きづらい中でも懸命に生きている
双極性障害の方と一緒に寝食を共にした事はないから、菅田君が演じる彼の、覚悟を持った上での本当の大変さは体験しないと分からないと思う。でも実際経験したことがないけど、その彼女と彼の感情、葛藤がひしひしと伝わってきて、胸に迫ってきた。本当にこの映画観れて良かった。
自分がもし彼と同じ立場だったら、彼女の予期せず変動する気分の浮き沈みに同じように支え続けてあげられるだろうか。相手が感情剥き出しで、自分にも同じリンクに立って感情吐き出してほしいと願う人に、それでもそっと優しく支えてあげられるだろうか。疲れている時でも出来るだろうか。
世武裕子さんの音楽とエンディング曲「1/5000」も良かった。撮影の写し方、色もとても素晴らしくて良かった。
菅田君が投げたパソコンが窓ガラスを割って落ちて破壊するシーン、趣里さんが走る真っ青なブルーのスカートの綺麗な様、全てを投げ出したくて一枚一枚服を脱いで走るシーン、最後涙流しながら抱き合い踊るシーン。全てがそれぞれの心情を表していて、言葉で繕わなくても伝わってきた。
良かったです。
生き苦しい愛の話
最初は寧子が嫌いでした。自分勝手で周りを振り回して自分には甘えてて、でもそんな自分の事を誰よりも嫌ってるのは寧子自身なんだと思うと胸が苦しく辛くなりました。
途中のカフェバイトのシーンとかバイト先の人はめちゃくちゃ良い人で優しいんだけど鬱などに対する偏見や壁がなんとなく伝わってきて辛い、当人達は悪気はないってのが分かってるからより辛く矛先のわからない憤りや悲しみが自分の中に渦巻くのを感じました。
最後の寧子が全裸になるシーンも良かったです。正直、津奈木って上部だけでしか寧子と付き合ってないのかとおもったんですが最後の「今回は長かったね」にめちゃくちゃ感動した。ずっと見守って、理解して、支えてたんだなぁって。
寧子の「私が生きてて疲れるのと同じくらいエネルギー使って疲れて欲しい」ってのもそれが愛するって事なんだなぁって納得する部分があったりして想像以上に心に響きました。
重く苦しい物語かも知れないけど「生きる」事に正面から向き合ったいい作品だと思います。
味噌なし味噌汁
ゴシップ雑誌編集者の津奈木と津奈木の家で毎日寝るだけの生活をするニート寧子。
鬱気味の寧子は、何もできない自分に嫌気が差しながらも、自分にそっけない態度を取る恋人津奈木に当たり散らかしていた。
そんな時、津奈木の元恋人の安堂が現れ、寧子を自立させて津奈木の家から追い出すために寧子を無理矢理カフェバーで働かせるが…
共感できそうで共感できない、好きになれそうだけど好きになれない、救ってあげたくなるようで突き放したくなる、なんとも言えない寧子という女性。
とても辛く重くリアルな話だった。
きっと寧子は生まれる星を間違えた。
あそこで吹っ切れたとて、また躁がやって来る。
一生社会に馴染めないんじゃないかと思ってしまい、彼女の将来を想像せずにはいられない全裸での屋上のシーンは本当に苦しい。
きっと色々考えすぎなんだよ。
今生きてるだけだって思うかもしれないけど、生きてるだけじゃないんだよ。
ただ、生きてるだけで良い。生きてるだけで、愛なんだ。
色々かけてあげたい言葉はあるけど、彼女に合うであろう言葉は見つからない。
ブレーカーが落ちるだけ。
趣里の演技が神懸かっていた。
あの役をあの形でできるのは彼女だけだなと。
菅田将暉ももちろん良い。
史上最悪の仲里依紗も必見(ただ、彼女にも悲壮感が漂っていて…)。
前半で少し苦手な映画かと思ったが、思いの外ラストはとても良かった。
ただ、あまりもう一度観たいとは思わない。
決して得意な映画ではない。
美しさ
人それぞれのストーリーがある
自分のことも全部わからないのに
他人を頑張ってわかろうとする
私と同じぐらいエネルギー使って 同じぐらい
疲れてほしい
愛ってこういうことなのかなっておもった
冷めてるなわたし、、
いい作品。
映像、演者、音楽、ストーリー、
セリフ、
全てにおいてよかった
なにかが吹っ切れる感じ…
残酷でリアルで完璧な映画
「あたし、皆んなに見抜かれちゃうんだよね〜やっぱり」
「あ、一瞬いけるかもって、思ったんだよね」
「なんで、こんな生きてるだけで疲れるのかなぁ」
「私はさ私とは一生別れられないんだよね」
要所要所でリアルで繊細な気持ちが現れていて、胸が痛みました。趣里さんの演技力が尚更そうさせてます。
綺麗事じゃなく、人の心の奥深い闇をナチュラルに表現した映画。
きっとわかる人にしかわからない感情だと思うけど、こんなにも自然に完璧に表現できることに感動です。
世の中にはあのカフェの人達のように心の優しい人がたくさんいます。あの人達の接し方はこの上なく素晴らしい。大切にしたい、頑張りたい、、でもわかってもらえない。うまくいかない、うまくできない。なんで?
壊したくなる。
本当にリアルで残酷です。
でも悪いところばかりじゃない。一見感情の起伏が激しくて生活が乱れててやばいやつ、だけど走り出していく姿は力強くて美しかった。
誰もがそういう美しい部分、個性があるというのを表現されているように感じました。
文章力もなく、素人の感想ですが、自分の感情を残して置きたくてレビューしました。そうしたかった、映画です。
静かにぶっ飛んでる
ザ・邦画という印象。独特な間から人間の深層心理を深掘りする感じが多く見受けられた。その間を菅田さんも趣里さんも最大限活かして表現されていたように感じた。
特に趣里さんはこの作品で初めて知りましたが、ものすごく惹きつけられました。難しい役所だったと思いますが、彼女にしかできない表現で目一杯演じられていたように感じます。また別の作品でも彼女を観たいと思わされました。
この映画を初めて観た時は、寧子が自分すぎて笑えた 寧子がイライラし...
この映画を初めて観た時は、寧子が自分すぎて笑えた
寧子がイライラして何もうまくいかない感じがすごくリアルだった
それでもすごく魅力的で人間味があって、津奈木が側にいる理由がわかる
だけどどんどん寧子に呆れてる感じも、寧子の全てが通用しない感じも、悲しくもリアルでしょうがない感じが胸を締め付けられた
あと、キスやセックスのシーンがないのがすごく良かった
恋人の枠を超えて家族っぽくなってる、寧子と津奈木の関係がよく表されてたと思う
サントラが大好きでした
映画というか、、舞台セリフ?
生きてるだけで疲れる。
わかるよ、わかる。
言いたいことはわかるし、伝わるけど、
全部言葉にして言うだけで、、、
ただただ説明されてもなぁという感じ。
たぶんしばらくしたら見たこともわすれてしまうような気がする。。
寧子の部屋の万年床な感じはおもしろかった。
二人で住んでるけど、完全に別々の部屋があって、それぞれの空間がある。
なんで一緒に住んでんだろ?って思わせる部屋はよかったです。
違う!逃げて!別れて!って思う自分は愛がないのか。
なんて言うんだろ。
趣里ちゃんの演技は凄いと思う
自分で精神の病気って言って、躁と鬱を繰り返してるみたいだけど
間違いなくそれは、ボーダー〔境界線パーソナリティ〕ですね。
ボーダーは遺伝しますので、お母さんが停電の時に踊っていた
と言うのはそれかもしれません。
最初はそれは、男性を連れ込んでるのかと思いましたが。
本当はどっちだかはわからないけど。
それとボーダーと一緒にいるとお相手はフラフラにやられます。
と、たかが映画なのにそこまで深読みして、色々考えちゃうのはこの映画にハマった? のめり込んだ?
いやいや、私まで振り回された証拠でしょうね。
振り回す彼女、行き過ぎた元カノ、優柔不断な彼
そういう事じゃない。
そんな簡単な話ではない。
躁鬱病は心の病で心療内科でお薬を処方してもらったりして、いつかは治ると思います。
が、自己診断で病院も行かず、彼氏がどうので治る問題ではなく。
それを彼氏が受け止めるには大き過ぎる、振り幅が。
ちなみにボーダーは病気ではないので治りません。
実際に私自身が過去に振り回され、えらい思いをした事があるので、映画観ながら別れなさい、それは愛じゃないんだよ。
と、思う内容でした。
いや、だからこそ愛なのか。
私にはその様な愛情は持ち合わせてなかったです。
自身のマタニティブルーの時の精神状態によく似てます。
いまは、精神も安定していますが、
その時の事があるから気持ちわかるなぁ。
解る人にしか全く解らない
題名の通りの内容で、解らない人には全く理解出来ないんじゃないかと思う。
精神異常の病んだ人の映画位にしか思えないのではないだろうか!?
精神異常者と別れるのは簡単だけど、精神異常に苦しむ本人はその病気から逃れることが出来ないで苦しむ。
愛していても、上手く表現できない自分。生きているだけで疲れてしまう自分。
そんな自分から逃げられず、離れられず、背負って生きていかなければならない自分…。
誰かに助けて欲しくても、奇行、暴言を繰り返し、自暴自棄に苦しむ。
それでも生きている事に意味があり、その気持ちを呼び起こさせてくれる内容でもある。
とても感動しました。
理解できてしまった
メンヘラな寧子の、自分に自分で嫌気がさす感じ、わかってしまった。
『良いよねあんたはあたしと別れられて。でもあたしはあたしとは別れられない』でハッとさせられた。
男の人は、何も考えてない時って本当にあるらしい。
常に何かしら頭の中をくるくる回転させている女とは違う。
お似合いという言葉が疑問な主人公2人だなと思って観ていたのだが、ラスト、パートナーと分かり合えるのはほんの一瞬だったとしてもいいのだ、と思えた。
分かりたい、分かってほしい。
女優に疎く、趣里さんは知らなかったが、この人でなければここまで引き込まれなかった素晴らしい作品だと思う。
躁鬱と過眠症という、社会生活で理解されにくい病気と戦い、時には打ちのめされながらギリギリで生きる寧子の姿は見ているだけで胸が締め付けられる。
序盤から、目線の動きや話すペースだけで所謂「ヤバい女性」感がリアルに醸し出されており、そこからは寧子の生活に見入ってしまった。
自分を抑えられず夜のアパートでは恋人に当たり散らし、昼間のカフェバーでは借りてきた猫のように縮こまる。バイトを始めては寝坊して白い目を向けられるし、せっかく手料理をしようとしても挽肉は売り切れだし卵は割ってしまう。
一つ一つのうまくいかなさに疲れてしまう様子はとんでもなくリアルで私的には「分かる」のラッシュだった。
特に、優しいバイト先の人達との圧倒的な断絶を感じるウォシュレットのくだりはものすごく共感。
ここでやっていきたい、この人たちと仲良くやりたいと思って素の自分を出したら「おかしい」と笑われ心が折れてしまう。悪意のない本当に些細なことだけど、生きづらさを感じる人にとっては絶望的なんだよね。。
泣いたり怒ったりオドオドしたり走ったりする寧子を抱きしめたくなった。
大人しくて頼りなく、無関心にも見える菅田将暉さんも良い温度感だった。冷めてるようでいて、仕事のことも恋人のことも誠実に考えているのを疲れというフィルター越しにしっかり感じた。
そうそう、仲里依紗さんも趣里さんとはまた違うメンヘラだけど、コミカルな雰囲気が辛い作風を和ませていて良かったなあ。
停電した時に差し込む赤い光や、揺れる青いスカート、最後に裸で踊るシーンの光量など照明がロマンチックで、世武裕子さんの音楽も静かに包み込むようで素晴らしかった。前進したような後退したような、優しいけど切ないエンディングの余韻が気持ちよかった。
分かりたい、分からない。ずっとなんて無理だけど、一瞬だけでも分かり合いたい。
生きてるだけで疲れるけど、生きてるだけで愛おしい。
素敵な作品に出会えて幸せです。
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