犬ヶ島のレビュー・感想・評価
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美しい構図の連続
むちゃくちゃ面白い映画だ。皮肉が効きまくっていて日本映画への愛あるオマージュにあふれていて、それでいて圧倒的な独創性がある。
この作品に対して日本の侮辱だと言う人が一部にはいるらしいが、とんでもない。日本文化が好きでよく調べていないとこういうカリカチュアはできない。
ウェス・アンダーソン監督のストップモーション作品は、「ファンタスティック Mr. Fox」があるが日本ではあまり評判にならなかった。アメリカでは多くのフォロワーを生んだ作品だったので日本でも再評価されてほしい。
本作は、ストップモーションの強みである立体感や奥行きの表現を効果的に用いている。奇想天外な世界がただの絵空事でなく、本当に存在しているかのような実在感を見事に作り出している。
構図も見事に決まっていて、監督の美学が随所に感じられるし、キャラクターもかわいい。アンダーソン作品の中でもトップクラスの作品ではないだろうか。
ウェス・アンダーソン館長の手作り博物館。
正直、予告編を観た時は不安しかなかったのだが、本編を観たらほとんどすべてが杞憂に終わった。本当に細部まで丁寧に作り込まれた極上の箱庭に、エキゾチックな「日本」がこれでもかと詰め込まれている。カクカクとした動きも、名優たちによるローテンションなセリフ回しもすべてが味わいであり、これほど精巧で良質な趣味の世界を見せられると、個人所有の博物館で館長直々にもてなされ、案内してもらっているような気持になる。
ただ、ウェス・アンダーソンが日本に愛着をもってくれていることは疑うべくもないが、そのアンダーソンをもってしてもなんでもないところにキノコ雲を出してしまうのか。悪意はないだろうが軽率だなあとは思う。『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』の原爆実験のシーンでも似た歯がゆさを感じたが、いつかこの溝が埋まればいいなと思う。
『なぜゆえに 人類の友 春に散る花』
『なぜゆえに 人類の友 春に散る花』
『whatever happened?
To man's best friend.
falling spring blossom.』
『俺達は犬死にだ!』
なんで?『七人の侍』と考えれば、題名の『犬ヶ島』から『鬼ヶ島』が連想でき、そこから、回帰すると言う事だ。『鬼ヶ島』だと『侵略』になるが、そのリバースを1つのテーマとしている。それともう一つ大事なテーマはやはりあの2011年3月11日14時46分に発生した災害に対して警鐘をならしていると感じる。
亡くなられた方には冥福を祈る。
最後の曲はチャールズ・ミンガスの『ピテカントロプス』に似ている。
また、あの『ジャンコ』の音楽も使われている。
日本をディスっていたり、日本愛に満ちている訳では無い。しかし、彼は、日本のアニメーションや映画が好きな事は確かだ。この話を見て『わんわん忠臣蔵』を思い出した。
きっと彼は見ているに違いない。
そして、登場する物理的女性は『オノヨウコ』さんとメスの犬が二匹のみ。つまり、男社会に対するアイロニーと見た。
『さんのぶびっち』である。
傑作だ。
追記 スター・トレックの『スボックを探して』もリスペクトしてるかなぁ。
原題 Isle of Dogs
製作年 2018年
製作国 アメリカ
劇場公開日 2018年5月25日
上映時間 101分
映倫区分 G
『メガサキ高校』と『ヒロシ編集員』って?
解析しない!
愛する犬たち(Isle of Dogs)
メガ埼市という架空の日本の地方都市が舞台、猫派で犬嫌いの市長が犬の伝染病を機に市内の犬を島流し、絶滅政策を行うのだが、市長の遠縁の甥っ子が愛犬救済の冒険に出て他の犬たちと力を合わせ市長の陰謀を暴き、犬を救済する物語。子供向けなので犬の物語だが内容はヒットラーのユダヤ人撲滅にも似た独裁政治の狂気性をうたっているのでしょう。そのせいか、第68回 ベルリン国際映画祭(2018年)で銀熊賞を受賞しています。主人公を助ける少女がアメリカ人留学生というのも、今の日米関係をオマージュしているのでしょう。
犬が流される島がゴミの島、東京の夢の島をモジったのでしょうか、BGMに「七人の侍」のテーマ曲が流れたのには驚きましたがウェス・アンダーソン監督の日本びいき、黒澤ファンというのが伝わります、北斎の浮世絵も出てきましたし、最後に悪市長が改心するのが甥の俳句「何故に人類の友春に散る花」というのも、説得力は無いものの日本文化への敬意なのでしょうかね。人形を使った3Dアニメは撮影は大変だが魅力的なようでナイキ創業者のフィル・ナイトの息子トラビス・ナイトのアニメスタジオ、ライカをはじめ異彩を放っていますね、本作はロンドンの3 ミルズ スタジオで制作されたそうですがモペット人形をアップで撮るには相当寄らなければならず撮影はキャノンのEOS-1D X を80台も使ったそうで、いろんなところでメイドインジャパンが絡んでいたのですね。ちなみにモペットの犬の毛はアルパカだそうです。まあ、よくできた作品でしたが子供向けなのでおじさんにはちょっと退屈でした。
風刺が効いておもしろい。
まず思ったことは監督が
…犬に対しての"愛"と
…日本の文化が"大好き"と
いうこと。
これだけ犬の愛情を日本を舞台に
繰り広げ風刺を交えた台詞に
クスクス笑ってしまった
監督の独特の見せ方がお洒落で
太鼓の音も音楽に乗せて
上手い演出です
…日本の文化も取り入れて
相撲、太鼓、歌舞伎、北斎画など
色々あるけど細かな細部まで
目が離せない。すしのところは圧巻
犬の豊かな表情が犬目線で楽しめる
棒を投げたら~ うれしくて取りに行く
オオカミの様に吠えちゃうとか
犬の本能だから
人に対する信頼の
忠誠心はスゴいと思った
あのノラ犬だったチーフが
知らず知らずに躾?られてる
忠誠を尽くさないチーフも
よかったけど
見落としているところもあると
思うけど何度みても新たな発見が…
…この世界観
ストップモーションアニメは
素晴らしい
…最後までワクワクした♡
ソフト鑑賞推奨
先日観たアステロイドシティが消化不良だったので再鑑賞。
かつてのハリウッド日本よりはだいぶ歩み寄りを見せているが、それでも日本語部分の作り込みはいまひとつ。
(日本語の会話が微妙に違和感)
まぁこの作品においては、日本語は雑音扱い(犬目線)なので細かい演技は必要なく、むしろわざとたどたどしく聞こえるようにしてるのかも…
その雑音部分を日本側は聞きたいわけで…
日本を舞台にしているのに日本人にはやさしくない出来(笑)
(ハーフ子役、オノ・ヨーコの起用)
細かい演出等のニュアンスを伝えるのに英語力があると、進行がラク。
アタリ少年をカナダ日本のハーフ、ランキンが演じているのもそのせいか。
日本人の英語力がないのも原因と思う。
吹替版においても全編ではなく、所々字幕になっている(犬語変換のため)。劇場だと情報量が多すぎて理解が追いつかない。
なのでDVD等ソフトで字幕版吹替版を交互に繰り返し観るような作品だと思う。
トレーシ(グレタ→後のバービー監督)、留学生の割には日本語下手やな(笑)
話題の一作ではあったが・・・
基本見終わってなんの感情も共鳴もなかった。優れたアニメであることと見る側の感情を揺さぶることは基本別物であり、監督の意図するところのエキゾチズムには個人的には興味が持てなかったと言うのが本音。
愛すべき傑作
ストーリーもさることながら
節々から溢れ出る犬愛、日本愛
彼のイメージする型にハマらない"日本"が
我々が度々目にしてきた"日本"よりも
遥かに独創的でクールだった
また、犬が可愛くて仕方ないのよ
ストップモーションアニメの質感が
そもそも好きなのだが、今作はどれだけ労力
かかってるのか、ってくらい緻密で素晴らしい
複雑な感情が犬の表情に表れていて
本当に胸に迫るものがあった
ありがとう、ウェスアンダーソン!!
ウニ県メガ崎市の小林市長
2022年7月18日
映画 #犬ヶ島 (2018年)鑑賞
声優すげえな
#エドワード・ノートン
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#ジェフ・ゴールドブラム
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だよ!
独創的で無二
絶対面白くないでしょ。と観る物ないから仕方なく観るか
と思ったら、
独創的で芸術性があって楽しく観れた。
ちょっと長いかなと思ったけど、
日本への皮肉と愛が詰まった無二の映画だなと思いました。
絵はほとんど正面だしカクカク動くし、台詞回しも変だし
だけど変を集めると不思議な事に面白くなって行く。
海外でよく見る、海外の人の想像の変な日本ではなくて、
徹底的に調べて、調べ尽くして変な日本を作り上げたと言う
感じでとても好感が持てた。
漫画、昭和映画へのオマージュとリスペクトもあって
素晴らしいと思いました。
90分くらいだったらベストかなと思いました。
メモ
・構図が美しい
・人形なのに活力を感じる
・背景音が少ないので音がダイレクトに伝わるのが心地よい
・最後、小林市長が負けたのは何故だっけ
・小林市長は最後に負けるが、それまでの犬を排除する戦略は見事
・シニカルな表現が面白い
テレビの情報を予言として伝える犬
共食いのレッテルを貼られている犬
資源が少ないゴミ島では下水がおもてなし
汚染された海、ゴミが堆積した島、火山噴火
特効薬を開発したことで殺される研究者
・黒いフクロウが象徴するものとはなにか
・目が活力の象徴
・調理シーンが滑らかで気持ちが良い
わかったようでわかんない
いっぱんじんならば、映画を好きだといっても、べつに誰かと映画について語り合うわけじゃないし、好きな映画がどれか公表することもないわけです。(リアル世界で)
学生のころは、そんな機会もありましたが、それにしたってまれなことでした。
そうすると、自分はこれ/あれが好きだということを、自分のなかに保管しておくのですが、たんに、自分のなかに保管してある主観なのに、好きが素直ではないことがあります。
これは、なんといいますか「これを好きじゃないと映画通ではない(ような)監督」に向けられた主観です。
よのなかには「これを好きじゃないと映画通ではない(ような)監督」がいまして、わたし的にその筆頭はウェスアンダーソン監督です。
でも、ウェスアンダーソン監督は、いいです。
ぜんぜんいい。
とうてい嫌いな監督ではありません。
しかし、低所得者層のわたしは、ウェスアンダーソン監督を、こころから楽しむ事ができません。
ウェスアンダーソン監督の作品世界と趣味が、すごく上質だということは、低所得かつ無教養かつお百姓のわたしにもわかるものの、じゃあ、こころから面白いって言えるか──となると「ええまあ」というかんじです。
だけどウェスアンダーソンは好きだって事にしておきたい。
というのも、ウェスアンダーソンがわかんないとなりますと、小津安二郎がわかんないことになりますし、ウェスアンダーソンと小津安二郎のあいだにあるものにも不寛容ということになります。
また、ウェスアンダーソン監督は、同業者からも敬愛され、その豪勢な出演陣からして、俳優からも敬愛されている、かなり「抑えとかなきゃマズい」存在なのは、まちがいありません。
だから、主観が、いささかずれるとは言え、ある種の違和をおぼえながらも「ウェスアンダーソンが好きです」のポージングをしなきゃならない──ような気がするわけです。
もっとダイレクトに言えば「これを好きじゃないと映画通ではない(ような)監督」ってよりは「これを好きじゃないと映画をわかってない」ことになってしまう監督とも言えるそんざい──なわけです。
わだいのThe French Dispatchが、Completedしていながらなんらかの理由で停まっていますが、それについても「ああたのしみだなあ」とか、主観のなかに居る、二面性の自分の片割れが、つぶやいたりしてみてるわけですが、じっさいには、公開で見るよりは、どこかに降りてきたら見る感じになるのは間違いありません。
あのThe French Dispatchのトレーラーのおもわせぶり。
2021に見る構図のある映画。
嗜む(たしなむ)──ということに対するお百姓として憧れをかんじる一方で、面白そうな気配値振りまくのやめてくれませんかねえ。とも思います。
でも、ウェスアンダーソン監督は、いいです。
ぜんぜんいい。
とうてい嫌いな監督ではありません。
だけど、なんといいますか、ごちそうよりもお茶漬けのほうが好きな、底辺の哀しさ──とでもいいましょうか。その幾何学を愛するには、いかんせんわたしには教養が足りないんじゃなかろうか──という、不安がもたげてきて、しかたありません。
犬ヶ島はいい映画でした。緻密でした。大量で濃厚な、情報と技術がありました。労作でもありました。
だけど、この寓話はどうでしょう。キャラクターやストーリーが、なんらかのシンボル(象徴)であるかのような気配が、常にありますが、出展元がわかる観衆がいるのかな──という感じです。
まさに他人のアタマのなか。
むろんそれが、良くないわけじゃない。映画はすさまじく精巧な模型のようです。
が、これを見ながら、小林アタリやメガ崎やロボドッグや交換留学生や俳句やヨーコオノやパチンコ(武器)や相撲レスラーや刺身などなどの、魅惑的な素材に、わかったような頷きをするのも、空虚なことだなと思います。
だって、どのみち寓意なんて解んないんだから。
でも映画は面白くないわけじゃない。構図至上だと思います。ぜんぶが小津の赤ケトルみたいな絵です。几帳面。に加えてレイヤーの層も深い感じ。ゲームデザインやっても、才能発揮できると思います。
余談ですが「なぜゆえに/じんるいのとも/春に散る花」という俳句が原爆をあらわしているような気がした。
いつの時代設定??
20年前となっていたけどパソコンあるのにテレビはブラウン管、靴下に下駄履、服装や髪型がなんかズレていて、テーマそのものはまあ面白いと言えば面白いけど、こっちの違和感ばかりが気になってしまって今ひとつ楽しめなかったかなあ。いかにも日本人じゃない人が作りましたの映画だけど、このズレ感はなんだろう?それとも敢えてそれを楽しむのだろうか???
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