劇場公開日 2018年2月3日

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「実った羊か、貪る狼か。」羊の木 ぷらずまさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0実った羊か、貪る狼か。

2022年2月21日
PCから投稿

かなり惹き込まれる作品でした。
私はこういう邦画の薄暗いヒューマンドラマ、大好きです。「過疎化の進む町で受刑者の仮釈放を受け入れる」という設定も無さそうで有りそう、絶妙なリアリティがあって興味を唆られます。

元受刑者6人が越してきた直後、町で殺人事件が発生。「もしかして、あの中の誰かが…?」という疑惑から物語が始まります。
原作では「何らかの犯罪歴のある人たち」が少しずつ町にやってくるようですが、映画では「全員元殺人犯」、しかも「一斉に6人」もやって来ます。
ミステリーにするためにはある程度人数が必要…というのもわかるのですが、流石に元殺人犯ばかりを小さな港町に一斉に6人も放ったら、問題が起きる可能性は充分に考えられたはず…とちょっとそこは設定がファンタジー過ぎるかなと思いました。
個人的には登場人物をもう少し絞って、ヒューマンドラマに寄せても面白かったと思います。

「羊の木」というタイトルは、海外にある「羊が実る木がある」というお話から付けられたようですね。
「東タタール旅行記」の一説には「 羊にして植物 (中略) 狼のみそれを貪る」と記されているようです。私は、彼は、あなたは、木に実った羊か、それとも貪る狼か。問いかけのように私は感じました。

ラストのあのシーン、私はギャグっぽくて笑いました(笑)

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ぷらずま