劇場公開日 2014年11月22日

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ブラック・ハッカー : 特集

2014年11月10日更新

こんな逸品がまだあったのか──かつてない斬新さに、映画業界のプロも“ほれた”!
そこの映画ファンも見逃すな!!

これまでの映画の常識を覆す衝撃的スタイルのサスペンス映画が、突然変異種のように現れた。スペイン出身の新鋭ナチョ・ビガロンドが監督・脚本を務めたイライジャ・ウッド主演作「ブラック・ハッカー」(11月22日公開)は、「こんな作品がまだあったのか!」と映画評論に関わるプロも驚かせた注目の一品だ。

「こんな描き方があったのか!?」と見る者を驚かせる突然変異的注目作
「こんな描き方があったのか!?」と見る者を驚かせる突然変異的注目作

■映画評論家/ライターのコメントが証明──
 これぞ、映画ファン必見の“掘り出しもの”!

物語は“拉致・監禁もの”スリラーだが……
物語は“拉致・監禁もの”スリラーだが……

「映画とはこういうものである」。私たちは知らず知らず、そうした“常識”に捕われてしまってはいないだろうか。映画における表現方法、クリエイティビティはまったく自由であるにも関わらず、だ。数年に一度、そうした「映画の定石」「映画ファンの常識」を打ち破る斬新なスタイルを持つ作品が登場する。「スター・ウォーズ」「マトリックス」といった映像革命的な作品から、映画が進むにつれて時間をさかのぼって描き、従来の映画の構成そのものを覆した「メメント」など、「こんなことをやってもいいのか!」と驚いた経験を持つ映画ファンも多いはずだ。

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そんな驚がくの発想を持つ“掘り出しもの”的作品に、新たなる1本が追加された。スペインの俊英ナチョ・ビガロンド監督が生んだ「ブラック・ハッカー」──それは、誰もが驚く、映画業界のプロでさえもほれた斬新なノンストップ&リアルタイム・サスペンスなのだ。

■いったい何がそんなに“スゴい”のか!? 緊迫のスリラーがモニター上だけで展開!?
 ──これが映画のプロたちを驚かせたスタイルだ!

では、本作の何がそんなにすごいのか? それは、物語を観客に見せていく映像スタイルそのものだ。スクリーンに映し出されるのは、主人公が使っているノートパソコンのモニター画面という設定。本人を写す内蔵カメラや監視カメラ、スカイプで話す別の人物の映像など、そのモニター上に並ぶ数々の映像ウィンドウが切り替わり、拡大表示されることによってストーリーが進行するというスタイルが採用されているのだ。


物語は、セクシー女優とふたりだけでディナーができるというプレゼントを獲得しながらも、女優の体調不良を理由にキャンセルされてしまった青年が、マネージャーを装った謎の人物によって、女優を脅迫・拉致しようとする企みに巻き込まれていく姿を描くもの。

あらゆる個人情報が筒抜けに
あらゆる個人情報が筒抜けに
謎のハッカーによる介入も
謎のハッカーによる介入も
目まぐるしく切り替わる映像
目まぐるしく切り替わる映像

ニセの情報提供により殺人事件の容疑者に仕立て上げられてしまった主人公には、女優を救い出すしか逃げ道はない。監視カメラの録画映像、女優の部屋の盗撮映像、ハッキングされたスマートフォンや車載カメラ映像までが目まぐるしく切り替わり、この映像スタイルを保ちながら、舞台は室内から野外へ飛び出していくことに驚かされる。

「モニター映像を見ている」という形式だけに、体感的には100分間のリアルタイム&ノーカット。主人公ニック役のイライジャ・ウッド(「ロード・オブ・ザ・リング」)、女優ジル役のサーシャ・グレイ(「ガールフレンド・エクスペリエンス」)という注目のキャスティング以上に、その映像スタイルに心を奪われてしまうのだ。

PCモニターで中継される演出
PCモニターで中継される演出
脅迫され女優は追い込まれていく
脅迫され女優は追い込まれていく
青年は女優を救えるのか?
青年は女優を救えるのか?

■ナチョ・ビガロンド監督とは何者か──
 映画.com編集部が断言! 映画ファンよ、次にくる監督はこの男だ!

注目の才能、ナチョ・ビガロンド
注目の才能、ナチョ・ビガロンド
主演は「マニアック」のイライジャ・ウッド
主演は「マニアック」のイライジャ・ウッド
元ポルノ女王サーシャ・グレイがヒロイン役
元ポルノ女王サーシャ・グレイがヒロイン役

本作の監督・脚本を務めたナチョ・ビガロンドは、1977年スペイン生まれの映画監督。日本での長編映画の劇場公開は、今回の「ブラック・ハッカー」が初となるだけに、名前を聞いたことがない映画ファンが多いのも当然だ。

だが、監督デビュー作である「7:35 in the Morning」は、2005年のアカデミー賞短編映画賞にノミネート。謎の研究施設に足を踏み入れたことにより、1時間前の世界にタイムスリップしてしまった主人公が、元の時間に戻るためにパラドックス的なさまざまなトラブルを巻き起こす長編デビュー作「TIME CRIMES タイム クライムス」、宇宙人の侵略により迎えた地球最後の日の“四角関係”を描いたSFラブ・コメディ「エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる」は世界的な評判を呼び、どちらの作品も日本では劇場未公開でありながらも、カルト的注目を集めているのだ(さらに「TIME CRIMES タイム クライムス」は「ドラゴン・タトゥーの女」の製作陣によりハリウッド版リメイクも進行中)。

スペイン語圏といえば、「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン、「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ、「アレクサンドリア」のアレハンドロ・アメナーバルなど、独自の映像・ストーリーテリングの感覚で、現在のハリウッドを牽引する才能を輩出してきたエリア。さらに低予算の独立系作品育ちとなれば、「ダークナイト」のクリストファー・ノーランや、「GODZILLA」ギャレス・エドワーズもそこを踏み台にして大ブレイクを果たしている。

ビガロンド監督も、そうした名監督たちの軌跡に続く注目の逸材。“今チェックすべき監督”であることを映画.comは断言しよう。


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