劇場公開日 2014年9月27日

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「溶鉱炉のような煮詰まった日常」ファーナス 訣別の朝 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5溶鉱炉のような煮詰まった日常

2023年11月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

映画の予告編を観ていて、急に興味をそそられる作品、というのがある。まぁ、結構ある。月に1回くらい「観たい映画リスト」に横入りしてくる。
「ファーナス/訣別の朝」もそんな作品の1つ。
豪華なキャストと、重厚そうな雰囲気に惹かれて観賞。

とにかく、主演のクリスチャン・ベイルが良い。過去、何度もクリスチャン・ベイルには泣かされて来たが、今作も例外ではなかった…。
何だかねぇ、彼の泣いている姿を観ると急に彼の感情が流れ込んできちゃったような感じがする。
悲しいとか、苦しいとかを感じる前に、涙を抑えられなくて「あれっ、泣いてる!」と思ってから「ああ、すごく切ないよ、寂しくて苦しくて耐えきれないよ!」という感情が追いつく、みたいな感覚になる。
不思議だけれど、大体いつもそうだから凄い。

弟を演じているケイシー・アフレックも良かった、ように思う。ケイシーから溢れ出る「弟感」はなんなんだろうね?実生活でも弟だから、なんだろうけど見事な弟ぶり。
逆に兄貴キャラとか観てみたい気もするけど、私の中で完全に「弟!コイツは絶対弟!」っていう意識が固まっちゃってるから、違和感バリバリでダメかもしれん。

ストーリー的には、予想通り。重苦しい雰囲気漂う男臭いヒューマンドラマのサスペンス仕立てで、大変美味しゅうございました。

余談だが、製鉄所のショットの印象的な使い方や鹿狩りのシーン、出征帰りの弟が「ファイト・クラブ」のような場所で刹那的なスリルに興じるところなど、「ディア・ハンター」みたいだなと思ってた。
旦那にも「ディア・ハンター意識してるのかな?」と言われ、私も私も!と同意し、レビューを見に来たら少なくない人数の人が「ディア・ハンター」の話をしていた。

まぁ、やっぱりそう思うよね!

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つとみ