ペーパーボーイ 真夏の引力のレビュー・感想・評価
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ジャンルの先入観を殴打で破壊しまくるような狂ったカルト作。
一応はアメリカのディープサウスが舞台の青春映画なのだが、ペドロ・アルモドバルが監督する話があったというの納得の、非常に倒錯した(特に性的に)、そして従来のストーリーテリングをぶっ壊すイカれた展開だらけの怪作だ。もう出てくる俳優がいちいち怪演であり、特に囚人と獄中結婚した危うい美女を演じたニコール・キッドマンが夫である囚人のジョン・キューザックと面会するシーンは本当にヤバくて、劇中のザック・エフロンならずとも「いま一体何を見せられてんの?」と大いに狼狽するしかない。シンガーのメイシー・グレイも序盤から異様な存在感を発揮するんだが、実際のところは主人公の家の家政婦以上の役どころではなくて、いちいちどぎつい絵の具を塗りたくらずにはいられない作り手のこだわりを象徴しているように思う。とにかく青春映画でありミステリーでありひと夏の恋の映画ではあるのだが、その全部を足したところで普通の感覚ではこんな映画はできるわけがなく、「ホントなんなのコレ!?」と20回は言いたくなる最強のカルト映画のひとつだと思っている。
見る人はかなり限定される
ザック・エフロンとメイシー・グレイ以外、まともな人間は一人もいません。
いや、ザックも恋愛観がかなり歪んでいて、まともとは言えませんが、それでも、作品に登場する人物の業というか性癖というか、一筋縄ではいきません。
メイシーの語りで映画は綴られていきますが、これがなかなかの名調子で、不思議なリズムを与えています。
きっと、ザックもこのあとろくな人生を生きないんだろうな、と思わせるような結末。
フラストレーションがたまる映画です。
苦いテイストが好きな人は気にいるかも。
私は、好きになれません。
どっちつかずでもったいない
ストーリー的には面白いんだけど
ミステリーにしたいのか
クライムものなのか
一夏の冒険的なのか
はっきりしないから観てて疲れた
マコノヒーさんエフロンさんキューザックさん
そしてニコールさん、みんなよかったです
タイトルなし
ストーリーはアメリカ南部で起きた殺人事件の真実の究明に乗り出すマシュー・マコノヒー、ザック・エフロンだが殺人犯役のジョン・キューザック、ブッ飛んだ婚約者のニコール・キッドマンの強烈な演技がストーリーを追い越す位、濃い。暑苦しい映画。
誰が変態やねんフロリダ・ソウルショー
夏だから、こうなった。童貞ジャックと女中アニタの関係がもっとも信頼できる仲だったけど、ビッチなシャーロットのおかげで意外なキャラ・人間関係が暴かれていくお話。誰が変態って、やっぱりジョン・キューザックとニコール・キッドマンでしょ!
暑い夏。人間の罪深さを曝け出し、救助のためとはいえ顔面おしっこする様子や刑務所での面会でも変態ぶりを発揮する・・・夏!夏だからこうなった。冤罪についての取材という設定もただの前振りにしか過ぎなかった序盤の展開。観終わって頭の中で整理しても、序盤では作者が社会派サスペンスを書こうと思ったに違いない。
兄ウォード(マコノヒー)の性癖や黒人の問題などにも切り込んで切り込んで、最終的には切り込みすぎの犯罪者を暴くといった謎の展開。沼地の住居はとにかく不気味。さらに不気味なおじさんも終盤見かけなかったということは、彼も切り刻まれてたのか・・・?
時代設定が1969年。ベトナム戦争も末期の頃だし、公民権運動も終わりに近づいていた頃で、そんな時期の猟奇殺人事件。水泳選手だったというジャックの伏線も生かされ、沼地から顔を出すなんてのは、フロリダでも『地獄の黙示録』があったのか!という笑うに笑えない終盤でした。
私には少し難しかったです。
冤罪の可能性が高い事件を調べる新聞記者たちの群像劇。
サスペンスではなく、新聞記者とその弟を中心とした人間関係を描いた人間ドラマです。
製作者は、この映画のどこを鑑賞者に見て欲しかったのでしょうか?正直私には分かりませんでした。
よって、当たり前ですが、私的評価はかなり低いです。
評価出来たのは、犯人役を演じたジョン・キューザックの不愉快な魅力(褒めています)、その犯人とニコール・キッドマンの刑務所でのシーン、アメリカ南部のうだるような暑さを画面から感じられた、その3点だけでした。
年増なビッチ
一体誰が得するのだろう?捨身な演技のニコール・キッドマンがとにかくエロい。
綺麗なお尻まで披露したマシュー・マコノヒーの終始、ヤラれっぱなしな姿に哀愁漂い!?
囚人に興味を持ち結婚までする話は日本でも実際にあったり、N・キッドマンがそこまで惹かれてしまう説得力も感じられないし、仕事とはいえ冤罪を晴らすために奔走するM・マコノヒーの行動自体に違和感も。
時代的に人種差別問題を挟みつつ、それぞれに隠された真実を裏テーマ?に最後まで何を伝えたいのかピンとこない物語。
とにかく、N・キッドマンが、とにかく、エロかった。
副題サギ
副題のイメージとは大きくかけ離れた内容。いわゆるミステリー的展開なのだが…。
あれこれ色んな要素を詰め込んでるけどどれも中途半端にしか映らなかった。1969年という時代設定も生かされていたとは言い難い。悪い意味で変な脚本。
二十歳の童貞というにはザック・エフロンは顔が濃い。内省的には見えなかった。
ニコール・キッドマンの体当たり過ぎるビッチ役はちょっとやり損な感じ。おしっこまでして頑張ったけれど。マシュー・マコノヒーとジョン・キューザックは悪くなかった。ねっとり顔が嫌な感じ。
謎解きとしてのカタルシスは無いし変態映画というには中途半端だし脱童貞青春モノとしては繊細さが無かった。豪華キャストがなぜ出たのかわからんね。
確かに実力派揃いで言うことなしなんですが、人間の一番見たくない部分...
確かに実力派揃いで言うことなしなんですが、人間の一番見たくない部分を目の当たりにしてしまった後悔の念.....
鑑賞日:2015.3.26
演出面が残念
とりあえず悲惨。最終的にはベクトルがそっちにいってしまう。であれば、中盤までの微妙にポップな演出がどうも中途半端に感じられる。
ミステリー、若者の成長、恋愛、バイオレンス、結局どれを見せたかったの?という。全体的になんだか散漫な印象を受けた。
キャスティングは素晴らしくそうそうないくらいの面子だと思う。その面では楽しめるのだが、もしかすると、この題材にはそぐわなかったのかもしれない。ちょっと、派手すぎる、というか、もっと渋めのキャスティングのほうがはまったのでは?(ミスティックリバーなんかが良い見本)
内容があるだけに、演出面が残念。黒人メイドは良い味出してますけど。
水泳
1969年、フロリダで暮らす青年ジャックは、問題を起こして大学を追われ、父親の会社で新聞配達を手伝うだけの日々を送っていた。ある日、大手新聞社の記者で兄のウォードが、ある殺人事件の死刑囚にかけられた冤罪疑惑を取材するために帰省。ジャックはウォードの調査を手伝い、その過程で出会った死刑囚の婚約者で、謎めいた美貌の持ち主シャーロットに心を奪われる。殺人事件をめぐる複雑な人間関係に巻き込まれたジャックの人生は、大きく変わっていく。
ジャックが水泳選手というのが伏線。死刑囚(ジョン・キューザック)は釈放されてシャーロットを連れ去り泥沼で暮らしているがジャックたちはそこにシャーロットを取り返しに行くが、既にシャーロットは死んでいる。ウォードも殺されてしまうがジャックは沼に潜って二人の遺体を運び、死刑囚は殺人で再び刑務所へ、ジャックは作家となって有名に。ラストシーンは二人の遺体をボートで運ぶジャックが描かれている。
底なし沼
無益な毎日を送る青年が、ある死刑囚の冤罪を調査する為帰省した弁護士の兄の仕事を手伝う事に…。
社会派ミステリーと思ったら大間違い。
リー・ダニエルズが全米ベストセラー小説を映画化。オスカーノミネートの「プレシャス」と上質な感動作「大頭領の執事の涙」の間に手掛けた変態チックなサスペンス。
好き嫌いハッキリ分かれる事必至。
嫌いな人はとことん性に合わないが、好きな人はこの雰囲気、怪しい人間模様に酔いしれる。
1960年代の真夏のフロリダ。
ねっとりするような暑さ、拭っても拭っても体にまとわりつく汗、体臭の匂いまでもが画面から伝わってきそう。
見終わったらシャワーを浴びたくなる。
調査の過程で出会った死刑囚の婚約者。
そのエロさ!
童貞青年にとってはこれ以上ない毒。
すっかり魅了され、彼女の事ばかり。
事件の真相は…?
人種差別、エロス、愛憎、暑さと気だるさ…人間模様はさらにこんがらがり、皆底なし沼にハマっていく。
ザック・エフロンがアイドルのイメージを脱却。
マシュー・マコノヒーがただの真面目な弁護士だけだったら面白くない。変態的な隠し事アリ。
極めつけは、ニコール・キッドマン!
あのニコール・キッドマンがこんな役やるとは…!
エロ!ビッチ!
面会室でのジョン・キューザック(彼も怪演!)との×××は強烈過ぎる!
俳優魂に恐れ入りました!
序盤から全く飽きさせないストーリー展開なので、ラストまでスクリーンに釘付けになりっぱなしでした。
また、フィルムの質感が60年代のアメリカ南部のじめっとした湿地帯を如実に表しているので、劇場の中にいても沼の匂いが漂っているようでした。
監督が黒人でゲイということにもうなづけます。黒人からみた白人像なんてこんなもんでしょうか。
しかしながら、この作品の最も素晴らしい所は、キャスティングと人並み外れた俳優陣の演技力でしょう。
数ある変態演技とは明らかに違うオリジナリティー。一体どうしたらあんなことができるのか。狂気です。ぶっ飛んでます。
この作品を観たのは、まさにうだるような暑さの新宿。温度といい湿度といい、観るにはぴったりの日でした。真夏に観るとはまります。
沼の底
アメリカ南部のペーパーボーイ(ブン屋)。遺伝子に心を支配され、性欲、支配欲、暴力衝動を隠そうともしない人達と、狭い地域社会の価値観にまるごと同化した人達。どちらにも自我が無く、それだけに交わることなく憎しみ合う。その間に滑り込む犯罪、殺人、貧困、人種差別、コンプレックス、倒錯した愛欲、家族愛への渇望、純粋な愛、ジャーナリズムとその名を借りたビジネス。沼の底を覗き込み、引きずりこまれて泥水を飲まされるような感覚。それを描くカメラワークが芸術的で超クールだった。
雨のダンスシーンの、ニコール・キッドマンの隠せない上品さに唯一笑った。
苦く痛い青年の成長譚
大学も水泳選手としても挫折を経験して故郷の町に戻り、父親の新聞社を手伝うジャック。
幼くして母親と別れた彼は、まだ何処かで母親を求めている。それは、家政婦のアニタに甘える様子や、年上のシャーロットに惹かれたことからも明らかだ。
挫折を経験したとはいえ、ジャックはこの物語の中で、唯一まだイノセントな存在なのだ。
その彼が、兄のウォードと共に殺人事件の真相を探る過程で、父親、信頼していた兄、恋をした年上の女、DVサイコパスのヒラリーら周囲の人間の“業”を見せつけられ、彼自身のイノセンスも穢され、傷つけられる。
メイン・ストーリーはあくまでも、殺人事件(冤罪事件)の真相解明なんだろうが、
M・マコノヒー、N・キッドマン、J・キューザックがそれぞれ演じるウォード、シャーロット、ヒラリーキャラクターが濃密、強烈過ぎて、メイン・ストーリーがぼやけてしまった感否めず。
肌にまとわりつくような熱気を実感出来るこの季節にピッタリの一本であることは間違いない。
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