そして父になるのレビュー・感想・評価
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子供は親が増えてラッキー
まずは福山雅治扮する父親。元々少し冷たく父親としての協力が少ないのは置いておくとして、子供の教育に熱心だからこそ、苛立つんです。子供の将来のためにも、仕事を真剣にこなしていて、だから疲弊して時間も気持ちも余裕がない。愛情はあるどころか先々まで見通しての長い愛情だからこその厳しさです。父親を全くしていなかったわけじゃない。
一方の父親は深い愛情をその場で表し、時間と経験を共にして教えるタイプ。家族仲が良く、子供が得る安心感や精神の安定は計り知れないでしょう。
とっても難しい事ですが、両方伴っている家庭がベスト。私自身は私立小で、両方併せ持つ家庭を沢山見てきたため、この映画はどちらの家庭にも共感要素が沢山あり、中立の立場で観ました。
取り違えを起こした看護師の身勝手さは救いようがないですが、もしも取り違えがなかったら、我が子が電気屋さんで知恵を得て帰ってくることも、同い年の水準より高い教育を受けて広いお家で楽器まで習わせて貰える事もなかったでしょう。血の繋がった子と交換後も、違うタイプの両親を増やせたと考えれば子供にとっては財産かもと思いました。違う親の元で育ちながらも実の親のDNAを脈々と発揮している子供達の描写からも、考えさせられる作品です。
親子って必ずどこかが似ていて、他人の親子を見ていても似ている点が必ずある。それなのに、成長しても教育しても、容姿や性格から我が子の片鱗を感じられない6年間。福山雅治が取り違えを知って、やっぱりと言ってしまった気持ちもわからなくもないと思いました。
親も子と共に成長する
難しいテーマですが私は夫婦と同じで血よりも時間だと思いました。
夫婦も最初は他人だけど家族になる。
一緒にいる時間が長い程、絆も深まる。
自分の知らないところで子供の撮った写真をみて泣いている福山さんが印象的だった。
最後は自分の心なのだろうな。
このシーンは自分とダブるとこがあって、とても泣けた。
どうすれば父になれるのか
血が繋がっていれば父なのか、一緒に暮らしていれば父なのか。
子どもの「父になる」ためには何があればいいのか。
都会暮らしのエリートビジネスマンだが子をかまわない父と、
田舎のうらぶれた電気屋だが子煩悩な父との対比を中心に、
親子の関係について、色々な角度から丁寧に描写した作品。
割り切れない親の葛藤や、
もっとグチャグチャになっている子どもの気持ちが
ストレートに伝わってくる。とても考えさせる映画。
いっそのこと2人ともパパで!とも思うが、そう単純な話でもないか。
割り切れない話だから割り切れない結論になる。そりゃそうか。
話の本筋ではないが、福山雅治に地方勤務を命じるところも興味深い。
「訴訟沙汰になったから左遷」というステレオタイプな対応は最近では薄まってきており、
確かに「時代が違う」。
この部分に限らず、お受験塾とか、
ちょこちょこと現代社会への問題提起があり、その意味でも秀逸な作品。
素直な気持ち
自分も父親になったら、子供との時間を大切にしたいと思った。
子供は素直なもので、愛情を求める。
自分が好きなものがなにかはわかっている。
そーいうところが、前面に出ていた
血よりも大事なもの…
愛情、時間
簡単ではない複雑なものだけどシンプルでもある、親子の関係の難しさを教えてくれている。
途中に出てくる、血の繋がらない母親看護師を守るの息子の姿は短いシーンであったが、親子関係は血だけじゃないことを示す。 しかし、あの子も本当の母親に会いたいこともあるだろう。その気持ちも尊重することは大切だとも思う。
途中、ダラダラしないで早い展開で進んだところは良かったと思う。
そして、私も父になる!
泣けたぁ〜。
近い年頃の子供を持っている父親の身としては、共感できる所が多く、考えさせられる所も多く、とても感動しました。
もっと、子供を愛したくなりました。今日は早く家に帰ろう!
かなりの余談だけど、本作は福山雅治主演の『真夏の方程式』と共通点が多い。同時期に公開された映画なので、並べてみると面白いかも。他にも、『凶悪』では、リリーフランキーとピエール瀧がトンデモナイ役柄で共演しており、本作の法廷で顔をあわせる場面では『凶悪』の一場面の様で、ゾクッとする。私は『凶悪』を先に見てからの本作だったので、リリーフランキーの優しさがどこか信じられなくて…(笑)
本当によくできた映画だった。 セリフで説明するよりも、演出で伝えて...
本当によくできた映画だった。
セリフで説明するよりも、演出で伝えてくるあたりが是枝監督らしい。
少ないセリフもひとことひとこと意味があって、深い。
子供さんの演技もよかったなー。
真剣に観てたら号泣ものだったわ。
失敗知らずだった父も困難にぶつかり自分を見つめなおし成長する
総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:80点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
一人はレクサスに乗って都会で大きな不動産開発計画を担当する優秀な会社員、一人は仕事兼用の軽の商用車に乗って田舎で電気工事をする庶民、価値観も性格もかなり違う。深刻に問題を捉える真面目な家族と、楽観的に捉える粗雑な家族。出演者に何を考えているのか科白で言わせるのではなくて、少しわざとらしいところもあるものの、一つ一つの言動を捉えて視聴者に見せることによって、家族の言動を対比させて違いを浮き出させ不安を煽ったり苛立ちを表すのがいい。
二組の夫婦を演じた四人の出演者は、それらを上手く演じていた。この問題に突然直面した主人公福山雅治の、父親としての心の動きと変化がしっかりと描かれていて引き込まれた。よくあるいい男です役よりも、重みのある苦悩する役柄に好感が持てた。
ただし結末は曖昧だったので、ここで今後の未来なり方向性なりをもっと明確に見せて欲しかった。例えば、今後も二組は時々会うことにするとか、もうこれでお別れなんだよとか、一時的なものでいいからちょっとした決着をつけて欲しい。
私が初めて観た是枝裕和監督作品の『歩いても歩いても』は、描き方は良かったが物語が淡白すぎて盛り上がりに欠けた。もっとしっかりとした主題や動きのある物語があればいい作品になれるだろうとその時は思ったが、それが具象化したのがこの作品というところ。日常の人物描写と心理描写が巧みなところがあるので、今後に期待したい。
奥が深く、考えさせられる作品
TV放送を見逃したので、レンタルで観賞。
最初はそこまで深く考えずに観ていましたが、話が進むにつれ、感情移入し過ぎて瞬きも忘れる位でした。
泣くことはありませんでしたが、私がもし「父親」となっていた場合は違ったでしょう。
本作は、物凄く心情を丁寧に描いており、子役も含め全員演技が上手いのでそれだけで全員に感情移入してしまいます。
育てた子供が他人の子供だったなんて、いったいどうすれば良いのでしょうか。
中盤以降は早く結末を知りたくてウズウズしてしまいます。ですが、別に話がダラダラ進むなどと言う事はなく、心に訴えかけるシーンが多いので、意外と本編が短く感じる程です。
私はあまり日本の映画を観ませんでしたが、本作をきっかけに観るようになりました。
心を落ち着かせ、何か考えたいときに観たい一作ですね。
テーマは明確、だが演出は・・。
子供の取り違い。
育ての親としての時間か、血か。
テーマは明確だ。
だか、演出としてそれをどう答えを導き出し
どういう感情を与えたかったのか、
結局、どうしたかったのか
冷静なエリートサラリーマン演じた福山雅治、
その妻や、適当な電気屋のリリー・フランキー。
ちょっと過激な演出が鼻につく。
子役の出来が良かっただけに残念。
是枝監督の映像って淡々と流れる
イメージがありますが
この作品はテーマが全て。
それ以外には何も必要ない。
個人的には作品に対する期待感が
強すぎたのかもしれない。
ファンの方ごめんなさい。
何度も泣いた
両夫婦の4名とその子供たちにそれぞれ思いがあり、シーンごとにそれぞれの価値観に観客が感情移入できる作りになっており、非常にハイクオリティなヒューマンドラマでした。訴訟の部分もあっさりしていて、描きたい部分はそこではないことが明白で良かったと思います。
キャスティング素晴らしく、特に福山雅治の演技は良かったです。
家族の形というのは延々に続いていくということが、ラストシーンで物語っていると思います。
リリフランキーが電気屋さんだったしピエール瀧もチラッと出てきたりで、「凶悪」を思い出しました。また國村隼と田中哲夫のアウトレイジ組がいたり、いきなり打ち合いにならないかハラハラしました。
大人の都合
当事者たちは誰も悪くないから、それ(今回は子供の取り違え)を起こした人やものに怒りや不満をぶつけたいのは当たり前。
でもぶつけてもどうにもならないことがある…。
これに比べたら小さいことだけど、私も最近似たようなことがあったので、共感。
問題は、それが発覚してからどうするかという周りの動き方。
仕事は順調、金銭的にも困らず、一人息子の才能を伸ばし一人立ちさせることが子供の幸せと考える、静かな野々宮夫婦。
かたや、子供は風の子、自由奔放(野々村にはがさつに見える)で賑やかな斉木夫婦。
子供を交換して血の繋がった親子に戻すのか、それとも、親とはその子を育てたという意味なのか…。
子供に無関心という意味では、父親のイメージがない福山雅治でも良かったのかもしれないが、あまりにも父親役が似合わない。
それに加えて金でなんとかなると思っているクチで、子供を二人とも引き取ってしまえばいいとも考える人としてちょっとアレな感じ。
真木よう子とリリーフランキーの夫婦の方は家族感があった。
全く環境の違うふた家族だからこそ映画にする意味があるんだろうけど、なんかその設定すら浮いていた。
6歳の子供ならもう自我もあるし思い出もあるのに、「今日からパパとママが変わるよ」なんて言われてはいそうですかなんてなるわけないし…。
乳児なら親が我慢すればいいだけ、15歳なら育ての親が親、と割り切れるかもしれないからあえて6歳なのかもしれないけど。
もうちょっと揉めて揉めてエンドへ、にしてもいいくらいの設定なのに、ストーリーがフラットすぎてあまり入り込めなかった。
父もダメなら母もダメ
原作小説を読んだときは「映画なら感動するのかも」と感想を残した記憶があるんだけど、映画でもあんまり、というか小説以上に心が動かず、違和感と野々宮夫婦の痛々しさばかりが印象に残った。
福山雅治扮する野々宮良多の自己中心なダメ夫ぶりがクローズアップされているけど、その夫の陰に隠れて見て見ぬ振りをし続ける(同情を込めて言えば、萎縮してしまっている)妻も、同じようにかそれ以上にダメ妻だと思った。
「そして『父』になる」じゃなくて「そして『親』になる」だよこれじゃあ。
「うちではなんでも一人でやる方針なんです」っていう良多の台詞を聞いて、この夫婦は大人と関わるのと同じようなやり方で子供と関わっているんだな、と感じたんだけど、でもそれって無理があるでしょ、子供は子供だもん。
でも子供って本当に意味不明で脈絡がなくてこの世のものとは思えないような行動を取るから、大人として暑かったほうが楽。
「我慢を覚えましょう」「自分一人でできるようになりましょう」とか。
結局二人とも楽をしてしまって、全力で慶多と向き合うことをせずになんとなくその場を取り繕って生活してきたから、琉晴に繰り返し「なんで?」「なんで?」と聞かれたときに言葉に詰まった。
日頃から大人として扱われていた慶多が相手なら、「なんでも、だ」という大人の都合で疑問を封じ込めることができたけど、琉晴はそんな都合なんか知ったこっちゃない子供だから、納得できなかった。
なんでもいいから適当に答えればよかったのにね。
野々宮夫婦は、「正論じゃないし筋も通らないけど、子供が納得できる理屈」を何一つ持っていなかったんだ思う。
なかなか残念な作品だったけど、たぶん原作小説の時点からあんまり私には合わなかったんだと思う。
是枝監督の映画は本当に綺麗。
普通の高速道路とか寂れた街並みとか、いつもは気にもとめず素通りしてしまうような風景がよく出てくるんだけど、不思議とそのひとつひとつがあたかも特別なもののように美しく見える。
この作品の方がずっと内容的にはリアルだけど、ところどころで「空気人形」に似たちょっと浮世離れした空想の世界みたいな雰囲気のシーンがあって、やっぱり是枝監督いいなぁ〜と思った。
考えられる作品
・もし自分がこのような事態になってしまったらどうすれば良いかと考えた。分からない。どうすれば良いのか。
・結局この映画を観終わっても分からない。
・子供にとって何が幸せなのだろうか、どんな教育をすることが幸せなのだろうか、考えることはたくさんある。この先の人生、難しいぞって思った。
・全体として3.5点って感じな作品。
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