劇場公開日 2012年1月28日

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「でも、悲しみを和らげる事はできる」しあわせのパン りりまるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0でも、悲しみを和らげる事はできる

2023年7月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

萌える

生きて行く中で、たくさんの辛い事が起こる。
その悲しみの原因を失くして欲しい。
あの人の心が変わって欲しい、病気が治って欲しい。
でも、それはどうにも出来なくて。
じゃあ、悲しみにくれるしかないの?と思うけど、「あなたの悲しみを和らげる事は出来るよ」と教えてくれる映画でした。

南北海道、洞爺湖(とうやこ)という大きな湖の前にある、夫婦で営むパンレストラン、マーニ。

そのマーニに訪れるお客さんとマーニを営む水縞夫婦の物語。
夏、秋、冬に訪れる三組のお客さん。みんな心に傷を抱えている。
オーナーの妻、りえさんもまた東京で傷つき、心を癒すために夫の水縞くんと共に、この地にやって来た。
だから、りえは傷ついた人に敏感で、優しくもあるけど一緒に傷ついてしまう。
そんな妻を受け入れ、見守ってくれる水縞くん。

固くなっていたお客さんの心が、優しさと気持ちのこもったパンとごはんによってほぐれていく。
視野が狭くなって真っ暗だったのが、少しずつ明るくなっていく。
水縞夫婦だけでなく、謎の常連客や郵便屋さん、農家夫婦、ガラス職人など個性豊かな人々がマーニに彩を添えてくれる。

北海道の豊かな四季に、おいしそうな料理の数々。匂いが画面越しに伝わって来る。パンを分ける時のパリッという音が和ませてくれる。
自分は自分のままでいいんだよと背中を押してくれる映画でした。

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りりまる