グラン・トリノのレビュー・感想・評価
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頑固じいじの心の変化
息子たちにも孫にも教会の牧師にも心を開かないウォルト。近所の住民はアジア人が多く、米食い人種、ジャップと言って遠ざける。隣人のおばあちゃんも、ウォルトのことをシロ、はやく出て行けと独り言を繰り返す。隣人の息子タオや娘スーが黒人に絡まれると助けてあげるのはいいが、クロッと言う。人種差別的な発言が非常に多い。タオが皿洗いや庭仕事をしているとそんなことは男のすることじゃない、とか男女差別的な発言もあり、少々観ていていい気はしない。
だんだんタオやスーと打ち解けて、最後の仇打ちのシーンは、自分を犠牲にしてケリをつけるなんて、なんてカッコいいじいじなんだ👏👏👏。
遺産を当てにした親族は少し気の毒だが。息子たち家族とももう少し心を許して歩み寄れるとよかったのにね。
"これがイーストウッド節か!!"
Mr.クリント・イーストウッドの映画をクライマッチョにむけて初鑑賞。
映画を家で観るときは一人でツッコミを入れてるんだけど、とにかくツッコミ箇所が多すぎた。いや、ポーランドじじい(泣)あんた強すぎな。
質の悪い不良との話し合いで「殺されるんじゃないか」「押し倒されてリンチにされるんじゃないか、」とか思ってたのもつかの間。返り討ちにしてるやないかーーい!
あのフェイクガン(fake gun)強すぎな(笑)。
人種差別とか色々と問題が提示されている、この作品。今こんな発言してたら抹消されるで───。と驚きながらも鑑賞中ツッコミを入れた自分。これは監督が【人種差別】について観客に考えさせようと働きかけている。僕はそう捉えた。
あ、ワン公(デイジー)無事で何より。
デイジーがウォルト(イーストウッド)の帰りを待っているようにも見えた。泣けるよ(泣)。
イーストウッド節サイコウ!!近頃イーストウッドの何らかの作品を鑑賞しようかと思っています!
イーストウッド作品にハズレなし
さすがのイーストウッド作品、どの作品も余韻がすごいです
派手さはなくてもこの作品も心にズシンときました
人と人との繋がりが優しさの連鎖になっていく展開にあのラストでもあったかい気持ちになれました
でも寂しさの一片もない完璧なハッピーエンドが好きな私は寂しい気持ちにもなりました
イーストウッド作品は本当に素晴らしいです
きっとご本人が素晴らしいとしか思えないです
爺さんから若き男子へ。
シンプルに、ああいい映画観たなあ...と思える一本。
でも人生のほうは、シンプルじゃない。
真面目に生きていても、戦争になれば人を殺さなきゃいけないし、普通にただ働いて生きて行きたくても、それを邪魔する輩がいる。
家族だから愛が交わせるとは限らないし、
人種や年齢が性別が違っても、気が合うこともある。
何歳になっても人は変わるし、
何言ってもクズはクズで変わんないこともある。
人生はいつも混沌。
それでも生きて、最後の最後の瞬間まで、魂を磨くことはできる。
それが若き友の心に、楔を打つように、残った。
グラン・トリノはビンテージカー。
でもモノじゃなく、魂を、次の世代に渡したんだね。
若きオトコを男にするのは、大人の男。
言葉じゃない。
格好でもない。
上っ面じゃない。
自分の命の使い方。
何を守り、何を捨てるのか。
歳を重ねて身体は古びても、真実を見る眼力は強まる。
でもそれもその人が、自分をどう生きてきたかによる。
愛を教えるのが、一番難しい。
実の親子でも。
ただ愛は伝わるところに、ちゃんと引き継がれていく。
名作と言わせるだけある、ラストシーン
奥さんを亡くして、息子や孫たちからも煙たがられる頑固爺さん。
隣のモン族の姉弟との交流で、段々心を開いていく‥
あらすじだけ見るとありがちなようですが
しっかり者のお姉ちゃんは爺さんあしらいがやたらうまかったり
おとなしくて真面目な弟に爺さんがいろいろ世話焼き始めたり
いつの間にやら引き込まれます
そしてラストシーン・・
撃ち殺さずに、逆に相手に撃たせて
お縄にするとは!
そんなかっこいい守り方、今までかつてありますか。いやありません。
ガンコなオヤジとアジア人の交流、
ストーリーはわかりやすかった。
しかしこの映画に出てるようなろくでもないゴロツキの連中は、現実にもいるだろうけど、やはりこの世から淘汰されて撲滅されるべきだとも思う。
ただイキがって強がって人に迷惑かけてばかりの連中は映画であろうと不快にもなる。
でも、神父が復讐をあおるように説得するのもどうなんだろう(笑)
主人公は、最後は丸腰で復讐?訪問?しに行って蜂の巣にされて、自己犠牲でそのゴロツキを捕まえさせたんだろうけど、あんな終わり方はさみしかったなあ。
あと、アジア人の男の子、タオが、サッカーの久保建英に似てるような気がした。
所詮この世は弱肉強食。で、あなたならどうする?
この世の中は理不尽だ。正義?自己満足。宗教?狂気。思想?戯言。哲学?こじつけ。英雄?創作。幸せ?広告。人生はあなたが主人公の物語?そんなわけねぇだろ。
所詮この世は弱肉強食。この世界は極めて動的であり、エネルギーの力学だけが全てを支配する。人はその激動の中を流されるだけの小さな存在だ。
あなたも薄々勘づいているだろう?この世の中は無意味だということに。多くの人は、その残酷な事実から目を背けるためだけに、考え、行動する。或いは、どうにでもなれと自暴自棄になり、やりたい放題だ。
全てが無意味だと自覚した上で、あなたならどうする?生きることを投げ出すのか?それもよかろう。自分の多幸感のためだけに生きるのか?それもよかろう。正義のために生きるのか?それもよかろう。
人として正しく生きよう。たとえ全てが無意味でも。たとえ救われないことがわかったとしても。たとえ苦しみから逃れられないとしても。
なぜあなたは人として正しく生きようと思えるの?それは、あの人が見てるからだ。神ではなく、大切な人があなたのことを見ているからだ。その人の前で、あなたはどう行動する?
あなたはユダヤ人で、ナチの収容所に収監されました。あと3日以内に確実に死ぬでしょう。そんな状況において、あなたは人として正しくあることができますか?
あなたは黒人奴隷だとします。毎日毎日、理不尽な暴力に晒されます。そんな状況において、あなたは人として正しくあることができますか?
あなたはタワマンに住む富豪です。でもあなたは嫌われています。友達は一人もいません。そんな状況において、あなたは人として正しくあることができますか?
出会いが人生を変える
イーストウッド監督の映画はこれで4本目の鑑賞となりましたが、これはしっとりとした作品でラストにはじんわりと感動がきました。正直、16歳の自分にはただ良かったという単純な気持ちになったので、もっと歳をとってジジイになってからもう一度鑑賞したいと思いました。
この映画の感想としては、最初はただ意地の悪い、人種差別をするジジイかと思っていましたが、タオとの出会いから変化が生まれました。最初は全く笑わなかったジジイでしたが、タオと出会い笑顔が生まれたり、人を思いやる気持ちが見えたりしました。そんなこのジジイの成長が見れるのと同時に少年のタオもこのジジイとの出会いで人生が大きく変わっと思います。歳がどれだけ離れていても友人にはなれるんです。ある人と友人になってそれがどんな結果が待っているかは誰も分かりません、この2人のように素晴らしいラストが待っているかもしれないのです。僕はこの映画を鑑賞して、人との出会いを大切にしたいと思いました。それと車ってのはカッコいいですね、まさかグラン・トリノという題名がが車の名前だとは思いませんでした。そんな題名にもなった車が走る場面は少ししかなく、持ち主のジジイは1度も乗ることなく映画が終わりました。ですが、ラストのタオが走る場面からのエンドロールは感動しました。この映画は、なんというか見た後にじーんっと色んな感情が込み上げてくるような作品でした。
タイトル程グラントリノは象徴はしてない
グラントリノは言うほど象徴ではなかったが、
ウォルトと重ねたのかもしれない。
偏屈な年寄りが妻を失いますます、頭の硬いジジイになっていくが
隣に住んでいるおせっかいなタイ人の娘とその弟に段々と心を
開いてゆく様が自然でよかった。
ラストはほぼ自殺みたいなものだったが、
銃撃戦とかにならず自らの生命を差し出すことで
タイ人一家を救うやり方は納得行くものではなかったが、
自分の寿命と人間らしい付き合いを思い出させてくれた
お礼と言うことなのだろうか、やるせない結末だった。
ラストに至るまではわりとほのぼのした展開だったので
スーが襲われる展開は衝撃的だったが。
泥棒から友人へ
タオとスー、これからの未来がある若者に
ウォルトが与えたものは一生のものだと思います。
懺悔も最期も遺言もウォルトらしい
隣にこんなポーランドジジイいたら
とりあえずエビスビール持って行きます。
結末は悲しいけれど
ウォルトと出会ったことによって
タオとスーがたくましく賢い大人になるであろう
希望もある爽やかな終わり方。
ウォルトもグラン・トリノを託せる友人と
最期に出会えて幸せだったと思います。
タオには今後もあそこで髪を切ってほしいな。
また好きな映画に出会えました。
ダチョウとカエル
偏屈なジジイで決して褒められたような人格じゃないけど
昔気質というか、自分を曲げない強さってものも持っていて…。
罪とか懺悔とか、そして自己犠牲とかすごくキリスト教的な物語なんだけど
普遍的な”男”の物語でもあると思うんだよね。
イーストウッドが演じるウォルトがとにかくハードボイルドだし
タオの成長ぶりには目頭が熱くなるっていう。
暴力の連鎖を…って意味ではちょっとキレイごとすぎる気もするけど
イーストウッドがかっこいいから、そんなもんはどうでも良いのですよ。
イーストウッド現役すぎる
たしかにイーストウッドかっこよすぎだし脚本も感動的でよくできてるけど、ラストはちょっとできすぎというかかっこつけすぎだと思っちゃった。タオとかスーに感情移入すると、この先どう生きていくんだろう…と考えてしまったし、乱暴に言うと"男のロマン"的な作品なのかなと。
私にとってクリントのベストの映画
あまりにも有名すぎる映画だとレビューを書くのも困る。なぜかと言うと、私の思ったことをみんながすでに書いてしまっているから。例えば、主人公、ウォルト・コワルスキーの終活や、ウォルトがタオの家族に対して、正義感をみせるところなど、感激するシーンはいくらでもある。私は人と同じことをするのがあまり好きじゃないという天邪鬼なので、この秀作をなにか他の見方でみられないかと考えながら、今、コンピューターに向かってタイプを
している。
『ダーティーハリー』のMake my day!!!とかいうセリフがぴったりあっている役。ウォルト・コワルスキー、朝鮮戦争後、米国ミシガンに戻り、結婚したり、フォードで流れ作業で働いていて退職したが、熱心なカトリックの妻に先立たれ、今までにすでに培われた一本木の性格により拍車がかかり、頑固一徹の悪態をつくじじいになってしまっている。頑固だけならまだいいが、人種差別用語は日常茶飯事だし、アル中、ショットガン保持者だ。かれのことを一番理解してくれ長く連れ添った妻に先立たれたことは大きいと思うが。それに、彼の持っているジポーライターでもわかるように彼は朝鮮戦争の時、特別な部隊にいたかもしれない(米軍隊は私には良くわからないが?)、それに、『降伏している兵士を殺した』罪の意識はいつまでも彼の心を癒すことができなかったんだろうと思う。だから、それを知っていると思う、なくなった妻は、カトリックの神父のところに行って、『懺悔/告白』して欲しいと。でも、ウォルトは『青二才の童貞やろう』と悪態をつく始末。ー私はウォルトの悪態に大笑い。
ウォルトの住んでいるところは、デトロイトのGM,やFordなど自動車工場が閉鎖されて、ここで働いていた、人々が他の地にさってしまった地域だ。最初のモン族のタオのおばあさんもいったように、『なぜ白人がここにいるのか?』貧困地域と化したこの地域は犯罪の温床であり、ギャングの争いの場所になってしまっている。タオのように、仲間に入りたがらないと仲間に入れるまで、邪魔をしてくる。(これは、キャラバンといわれた、グアテマラやホンジュラス の若者と同じで、仲間に入らなければ、家族まで痛めつけられる)そして、他の人種との争いより、同じモン族の間で犯罪を犯したり、喧嘩をしたりすると聞いた。)
私はカルフォルニアのフレスノ市のモン族と人々と何十年前話したことがある。彼らは静かな民族で、市民の使わない土地を借りたり、分けてもらったりして、米国に来る前と同じように、農耕民族として生きていた。フレスノはカルフォルニアの農業地域、サンワキンバレーがあるから、多分耕作に土地が向いているのだろう。あと、ミシガン州のランシングはモン族、ベトナム人の多い場所で、GMが去ってしまったので、その空き地ができ、環境問題で、その土地が利用できずにそのままになっている。私の友達はあるGMの空き地の隣の高校で先生をしていた。私もその学校を生徒のいない時訪れたことがあるが、伝統的な作りで、中も、ロッカーの位置まで、古さを感じさせる。私の友達曰く、アジア系の生徒が一番真面目に勉強すると。
GM,やFord が去ってしまうと、税金を払ってくれる大企業が去るということなので、全くと言っていいほど、町は錆びれてしまい、住む人々の層が変わってしまう。この映画撮影はデトロイトのハイランド パークであったらしいが、映画は二千八年のだから、今現在はもっと荒んでしまっているだろう。多分?
タオのため、ウォルトは自分の命をささげた。自分がもう長く生きられないことをしていたけど、私は自分の命を人に捧げられるだろうか。自分がギャングを殺せば、自分がつみになるが、ギャングに殺されれば、ギャングたちは刑務所行きでタオにまとわりつかない。タオは新しい人生を家族と共に歩める。車もあるから仕事にも行きやすい。この犠牲的精神は、朝鮮戦争の捕虜を殺した償いから生まれたのか?? それとも?
沁みる…
人間関係をスムーズにするために表面をコーティングすることを嫌悪しているかのようなウォルトは、一見生きづらそう。
でも、彼を理解している人はいるし、理解してくれる人、理解しようとしてくれる人に対して、彼はとても正直で誠実。
実は人種差別とはいちばん遠いところにいるタイプなんだと思う。
最初のうちはほとんどタオの顔を写さず(うつむいてばっかりいるし)、だんだんとしっかりと表情をとらえるようにしていく撮り方もとても効果的。
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