グラン・トリノのレビュー・感想・評価
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映画史上もっとも優しい衝撃のラスト
アメリカの田舎町に住む、偏屈じじ~と東洋系の隣人の物語。
グラン・トリノというのは、このじじ~が持っているビンテージカーの名前です。
「俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。
少年はしらなかった、人生の始め方を。」
なんてコピーがついていますが、そんなお話です。
偏屈じじ~、いくら昔ダーティーハリーだったとはいえ、
結構むちゃするやつでした。
「映画史上もっとも優しい衝撃のラスト」
というコピーも付いてましたね。
ラストシーン(落ち)泣けましたね。
落ちのほんの数十秒前に落ちは見えてくるんですが、
涙出ちゃいますよ。
かなり良い映画でした。
さすが、クリント・イーストウッド
お勧め映画だな。
イーストウッドが作ったから支持されてるんだと思います
本日、夕方に時間までチェックして「スラムドッグ・ミリオネア」を観に映画館までいったら何と明日からの上映で、時刻表も明日からのものでした。というわけで、他のを観ようと思い迷いなく選んだのが本作。
本ページのユーザーレビューのみならず日経、映画専門各誌など本作をベタほめ状態。イーストウッド映画を結構観てきたわたくしとしては、そりゃ観ないわけにはいかないでしょう。
個人的にはあのオチは途中から想像していました。そして作品としても、内容も展開も至って普通です。ただ、キャラクター造形、そしてその散りばめさせかた、さらには設定からして、本作はそのテーマを一つに絞りにくいほどに、含蓄の富んだ作品にしあがってます。ですので、この作品のメッセージに関して批評するのは、若輩者のわたくしとしてはおこがましいことだと思うので控えさせていただきます。
本作の魅力は、なによりもキャラクター造形の素晴らしさだと思います。ほんと人間愛に満ちてて笑えます。
それでもですね、本作はイーストウッド以外が作っていたら、ここまで騒がれなかったと思います。イーストウッドというカリスマだからこそ、映画の枠組みをこえて、またはイーストウッドというスターのオブラートに包まれて、そこから評価されてるのだと思います。
わたくし的には正直これより素晴らしい映画はたくさんあると思いました。
いずれにせよ、お薦めできる映画です。
イーストウッドだからこその傑作
人種差別を背景に、頑固な老人が移住してきた東洋人たちと徐々に心が通うようになり、最後は不良グループからその家族を守る。ストーリーはありふれたものなのだが、イーストウッドが作ると、なぜか見入ってしまう作品になる。暗さを伴う内容なのにどこかあっけらかんとしたところがある。それでいて気骨を示し、しかも笑いも誘う。いろんな要素を盛り込んでいながら訴えるテーマにはまったくブレがない。
頑なに交流を拒んでいたウォルトの心を開いていくのが燐家の長女スーで、彼女の存在が大きく、ウォルトによって弟のタオが一人前の男に育っていく過程ともども作品の手堅い足回りになっている。
もちろんエンジンはイーストウッドだが、その燃料はこれまでイーストウッド自身がスクリーンで築いてきたイメージだ。イメージが固まるのを嫌う役者もいるが、彼はそのイメージを逆手にとって傑作を作り上げた。
タオとスーを守るため、最後にウォルトがつけた決着とは・・・ジーンときます。
p.s. エンドロール・・・歌はジェイミー・カラムですが、冒頭、クリント・イーストウッドの渋い歌声が聴けます。
これは、もう堪らん世界ですね。
もう積極的に自分が演じる役を探すことはしない。
いまの映画の役は、みんな若い役者向けに書かれているから・・・
アメリカからヒーローの一人がまた姿を消す。
どこか惜しみ深く切なくもあるが、その分彼は監督業としてのキャリアで続行するという。
むしろそちらのほうに意欲的である。
クリント・イーストウッド;Clint Eastwood最後の主演作(高齢の為、今後俳優活動を自粛する旨を公表した)「グラン・トリノ;Gran Torino」には50年間に及ぶ思いの集大成が込められている。
早合点しているコメントには彼の生涯で最高傑作という声が挙がっているが、それはやや褒めすぎだ。
気持ちも分からなくはない・・・とにかく「集大成」であることには変わりない。
その前にこの映画タイトルについてである。
「グラン・トリノ」とは、72年に米国フォード社が販売した「トリノ」の高級バージョンとして登場したスポーツカーのこと。
リッター1.5km、V8エンジン搭載という、今では完全に排ガス規制や安全基準に引っかかるような代物だ。
実際に第一次石油危機のあおりを受けて76年に販売を終了している。
昨今エコロジーだ何だと騒がれているから、忌み嫌われそうなレスポンスと性能を秘めたこの車を、イーストウッド扮する主人公ウォルトは長年愛用している。
面白いことにこの映画のオープニングでは、ウォルトの妻の葬儀シーンから始まるのに、当人からは至って悲しさが伝わってこない。
そんな矢先に孫娘から「いずれその車を形見に欲しい」とせがまれ、怒りを露わにするようなシーンばかりが続く。
妻の愛情も、子供や孫への親心も、すべてを喪失した男は、あまりにも冷淡で不自然だった。
葬儀の日でも、愛車を丹念に点検する変わり者。
そんな彼の姿と車との立ち位置が、あまりにも似ている。
図体ばかりデカい偏屈な老人・・・葬儀の日に涙一つ浮かべないその不自然さは、妙に演技らしからぬという感じだ。
台詞の合間から微かに漏れ聞こえるイーストウッドの自然なため息や息づかいの所作が、あまりにも絶妙だった。
188cmの長身、1930年生まれの御老体だ。
実は当人が朝鮮戦争の最中に陸軍へ入隊した経験を持つ(この主人公ウォルトも同じ過去をトラウマとして抱える)
そういえば動作一つ一つも「荒野の用心棒」の頃とはだいぶ違う。
息切れ一つも自然に出るというものだ、それらも演技の一つとして組み込んでいる。
自然と埋めているその所作は、上手く臨場感を出していた。
ただ他ならぬ彼こそが、クリント・イーストウッドだ。
マインドは「ローハイド」の血気盛んな頃と幾分も変わらぬ姿勢だ。
むしろこの映画は、そんなアウトロー気質を前面に押し出した痛快さが魅力である。
隣人のアジア系モン族の家族に次第と心を開く交流シーンもコミカルでいいが、不埒な悪人やチンピラに敢然と立ち向かう数か所のシーンにて、緊迫した雰囲気がマカロニ・ウェスタンそのものと錯覚させる。
西部劇で始まり育った人だ、その気骨さが現代劇の中で鮮やかに映っている。
「困った奴がいたら見過ごさない」という気質。
「ダーティー・ハリー」のような、決めゼリフのカッコよさにも随分こだわっている。
多少歳をとっても、正面切って敵とあいまみえるシーンは今も見劣りしない。
どうやらこういった何か定義(ここでは正義だろう)を意識し映画を撮ることが、彼にとってのライフワークのようだ。
かつてのアメリカ映画のフォーマットで、善と悪が分かりやすく、かつ心を震わせるような構成とストーリーだ。
ある意味「大味;おおあじ」ではある。
脇役のモン族少年達など、大袈裟に目立ったかなり酷い演技力だ。
しかし不思議だ。
そんな予定調和過ぎるほど大味さが、今更になって愛おしく感じられる。
登場する人物達、彼らの一人一人のことが堪らなく気になってしまう。
そういえば、フォード・グラン・トリノの70年代特有なシルエットは、巷を走る最新のどんな車よりも美しい。
俗世から離れたものだけが知る自身の極め方は、意外にも王道とも呼べる路線を踏みつつ、それを躊躇せずやりとおす頑固さにあるのだろう。
ラストはいかにも、イーストウッドらしいケリの着け方だ。
哀愁と正義感に心が打ち震えた。
男の退き際、人生の終着点、そこで如何に過去と決着をつけるか?
その背中を誰に見せるべきか?
実は男ってものは深くって、単純じゃないってことだ!
ラスト泣けました。
本当に面白かった。
笑いもあるし、いるいるこんな人と同調できるし、泣けるし。
アジア系移民族の家族と心を閉ざしたウォルト(クリント・イーストウッド)との交流が面白いし、心が和みます。
姉と弟のタオとの友情を深める場面が好きです。
最後は予想しなかった展開で泣けました。
すごい・・・
「ミリオンダラー・ベイビー」もすごかったけど、これもまたたいへんな衝撃を受けた作品。コワルスキー爺さんは今までの自分の人生や、新たにできた大切な友人のこともすべて考えた上で最善の選択をしたのだと思います。同時に、俳優イーストウッドもまた自らの俳優人生に落とし前をつけています。こんな役を演じてしまったら、もう俳優として満足なのかもしれませんね。
イーストウッドの映画をリアルタイムで観られる喜び
とても78歳の老人が撮ったとは思えない映画だ。いや、こんな映画を撮った人を、とても老人扱いはできない。
何よりよく練られた脚本と観客の心を揺さぶるストーリーテリングの巧みさは筆舌に尽くし難いものがある。そう、これは言葉で色々と語る映画ではなくて、心で受け止める映画だから。
ともかくイーストウッドと同時代に生きて、彼の映画をリアルタイムで観られ喜びを今はただ噛み締めたい。
円熟
一言で表現するとしたら、男の背中の一生分を表現したような作品。
そう感じました。
正直、絶対観ようと思ってた映画ではなかったものの、他の方のレビュー通り観て良かった映画でした。
近年のクリント・イーストウッドはウチのジイさんをいつも思い出してしまうほど見事な頑固ジジイぶりで、真剣に粋がって生きて、歳をとって丸くなった部分と(作中のジイさんは丸くなった部分はほぼ皆無だったけど)さらに頑固になった部分と、衰える体力を気力と経験値で補いさらに孤高の存在に…、そんな大きな温かい背中を感じさせてくれるかっこいいジイさんが見事にハマっていた。
ベトナムの移民の人の話など全く予備知識もゼロだし、悲惨な犯罪やアメリカの治安のおっかなさが描かれながらも、見終わってみるととても清々しい涙を流した感じで帰途に着けた。
派手なアクションやどんでん返しはないものの、なかなかの良作でした。
いろんな人に観てもらって、感じ考えて欲しい内容でした。
よかった!!
実は、お目当ての作品ではありませんでした。
というか私自身洋画はあまり見ないので・・
友達と暇つぶしに入って偶然観た映画がこの「グラン・トリノ」
そのため最初はあまり期待しておらず
寝てしまうのではないかと思っていましたが、
いやいや、そんなことはない!
友達共々頑固ジジイの虜になってしまいました!笑
高校生のわたしには少し理解しがたい部分もあったのですが
人間ならば誰もが感じる孤独や空虚感、心の闇を語りかけてくれます。
この作品はとても素晴らしいです。
一言では表せないぐらい、最後は切なくも清涼的、かつ複雑な気分でした。
劇場に足を運ぶ価値はあると思います!
ひたすら感動しました
偏屈で身内からも嫌われている爺さんが、まったくの他人に心を許していく過程。え?そんな事位で?それでいいんだ。と言う位簡単だったかも。でも、それ位過去の過ちに縛られて自分の殻に閉じこもり、身内だからこそ許せない事も有るわけで・・・人間愛というべきか。見終わった後、過去の過ちを彼にも味わわせたくない
という思いと自分の命が見えた為の決断だったと思うが、悲しい結末だった
温故知新
人生はいろいろな人との関わりで出来ていると教えられた映画でした。
誰かに支えられていない人間は弱く、たとえ自分の家にいてもどこか所在ない。
しかし誰かに支えられ守るものを得れば人は豊かに強く生きられる。
一番近いはずの人が遠く、関係ない他人が近くに感じることもある。
実の息子夫婦家族に疎まれているウォルトがモン族のタオとスーに受け入れられたのも、彼らが一族の伝統を大切にし核家族ではなく家に祖母が同居しており、老人と接するのになんの抵抗も無いからだろう。
先進国に共通の問題ともなっている核家族化や介護の問題にも繫がっている。
この映画を観ていて何故かエリートの息子夫婦の家族よりもモン族のタオやスーの家の方が豊かに感じられたのは何故だろう・・・
「温故知新」昔のことを良く知り、そこから新しい知識や道理を得ること。
素敵なだけの未来もダサいだけの過去もない、グラントリノのように魅力ある過去もある。
不器用なウォルトは大切にするあまり使いこなせなかった自慢の車を、若いタオに自分の人生と一緒に託して今使いこなして欲しかったんじゃないかなぁ。
人と人の絆が鎖をつないぐように続いていくような気がしました。
普通の一人の人間の人生って本当に深くて広いんだなぁ。
人生も映画のよう、でもたった一作しか作れない・・・
そう感じた映画でした。
一言で語れない、本物の人生が映画になっている凄さにただただ頭が下がりました。
頼れる爺♪
自分にこういう舅がいたら…
やっぱりあの長男の奥さんみたいに接するんだろうか?
などと考えながら見てました。
とっても素敵な爺さんなのに
身内になるとやっぱり本心をさらけ出すのは恥ずかしいのかな?
奥さんは彼に懺悔をするようにって思ってたみたいですが…
きっと私も…ああいう場所ではあのくらいの
(奥さん以外の人にキスしたとか)内容しか言えない気がします。
言ったところで本当には心は晴れないよね。
彼の苦悩は教会で懺悔したくらいでは…
あの姉弟の復讐って彼のやり方で終わらせるのが
一番傷つかないと思ったのでしょうが…
あの汚らしいヤツラを自分の手で抹殺させなかったのは…
アイツラの為に心を汚させないっていう配慮が有ったとは
思いますが…
弟君にとっては頼れる爺さんを失い、更に自分では何も出来なかったという
不完全燃焼みたいにやり切れない気持ちになったのではないかしら?
グラン・トリノを貰って…それを大切に乗ることで
いつまでも彼を忘れないのでしょうけど…
逆に言うと…いつまでも彼を忘れることは許されないようにも思えて…
実際に手を下した方がスッキリしたのか?
手は下さなかったけどそれをいつまでも忘れられないっていう方が良かったのか…
確かに後者の方が彼の人生にはキズはつかないし
このまま大学に進んでチンピラとは無縁の世界で生きていけるんだろうけど…
もっと他に良い方法は無かったのかな?
爺さんが殺されて本当に悲しかった。
彼のお葬式では身内の方がただの参列者のようでしたね。
イーストウッドならではの味付け
ダーティーハリーシリーズの諧謔が通奏低音のように利いていて、自分の老い、社会の変化、友情などのテーマを上手く収めた感じ。エンディングでは主人公の抱える老後、健康、家族との間柄、タオ一家の将来、とか諸問題を一気に解決し、悲しさ寂しさを孕みながらも爽快な後味を覚えたが、銃社会アメリカではまだまだ期待に反する筋書きなのかもしれないと感じた。それから私には準主役タオの従兄弟らチンピラの演技が(結末とは裏腹に)それほど悪そうには見えなかった。胸元に漢字の刺青のある男、”家庭”と描いてあったような?(これもなんとなく笑えた。)まあこれも彼らの育つアメリカ社会の豊かさの証と理解すれば伏線の範囲なのだろうか。時間を忘れ一気に見させてくれる久々の秀作だった。
モン族の家で、文句はなしよ
映画「グラン・トリノ」(クリント・イーストウッド監督)から。
会話のテンポがよくて、なぜか汚い言葉でも、
すんなり受け入れられたのは、不思議であった。
これは、もちろん脚本の素晴らしさもあるんだろうけれど、
字幕を読んでいる私にとっては、翻訳の妙でもある。
こんな言葉を訳すのは、若い人なのかな?と思ったら、
なんと戸田奈津子さんだった。(笑)
日本語訳でしかわからないフレーズが満載。
気になる一言もその1つ。
「モン族の家で、文句はなしよ」は、メモして笑えた。
主人公が口から血を吐く。「大丈夫?」と訊ねる人に
「舌を噛んだだけだ。下(1階)でもっと飲もう」と返す。
若い女の子を、これまた若い男3人が追いかけるのを見て
「三バカ大将が、後を追ったか」。
物語的には「少しは自分に磨きをかけろ」が光った。
磨き方を教えるのではなく、自分で試して覚えろ、
そんなメッセージが伝わってきた映画だった。
男の生き様
感動作品ときいてハンカチ持って劇場に行きましたが、
最後まで涙を流すことはなかった。
映画として、派手さも爽快感もない。
ただ、観終わったあとの余韻はなんともいえない感覚でした。
人は死ぬまでに何をしてきたか、何を得たか、
ということより何を残せるか、ということなのでは?と感じた。
それはもちろん物や金ではない。
この映画にはイーストウッドが伝えたいことがよく盛り込まれている。
じじいの勲章。
我が家にも手のつけられない偏屈ジイさんがひとりいる。
この頑固ジジイときたら、今の若者の全てが気に入らないx
あっちで文句をつけ、こっちで愚痴を言い、でも結局は
何も変わらないことに嫌気がさしては、ブ~ブ~唸っている。
アレ?これってイーストウッドのポーランドじじいと一緒だv
この映画、おそらく私位の歳の人間が観れば大感動だが、
鼻ピにヘソ出しルックの若者が観たら、なんて言うだろう。
「あ~つまらねぇ!この説教ジジイが!」
そう思ったら大成功!…という卿の高笑いが聞こえてくる。
10代でこの感動を理解できれば、相当の年寄りになれる。
愛車グラン・トリノは、大事に温存されてきたこのジイさんの
価値観そのものなのだ。誰にも触らせず受け付けもしない。
孤高のイメージが自身の孤独を暗示し始めてもこのジイさん、
相変わらず悪態をついて、他を一蹴する。
身内にまで嫌われているこの男の一挙手一投足がいちいち
可笑しくて、ずーっと笑いっぱなし。こんな頑固ジジイを諭す、
27歳の童貞野郎(神父さん)のめげないしつこさにも脱帽した。
なのでこの映画が面白くなかった若者には申し訳ないが、
私には文句をつけようにも見当たらない。「チェンジリング」で
あんなに感動したばかりなのに、もうすっかり今作の虜だ。
そしておそらくそれが「今の自分」だからなのだ、と感じる。
長い人生を生きてきたポーランドじじいには、幾多の陰惨な
経験もあったろうし、愛妻との素晴らしい想い出もあったろう。
普通人間は、そうやって人生を歩む毎に丸くなろうものを(爆)
彼は、俺を誰だと思ってるんだ!と言わんばかりに猛々しい。
イーストウッド卿の、本性はこうかもしれない^^;
懺悔とか、ちゃんとしているのかしら…(大きなお世話ですね)
しかし作品としての資質は、相変わらずまったく無駄がなく、
ゆったりしているのにテンポが乱れず、すべてのドラマが
順序良く統合されていく。無名のキャスト達が喋る台詞にも
何かしらの意味があり無駄がない。ギャグまで的を突く始末。
隣に越してきたモン族(ホンモノらしい)姉弟との交流を通して、
改めて自身を学び始めた彼に転機が訪れ、やがて彼は
彼らを守るためにチンピラに正義の審判を下すのだが…。
おおよその予想通りだったラストは、もちろん悲しくて、
泣けはしたものの、なんともいえない清涼感にも包まれた。
多くの西部劇でドンパチを演じ分けてきた彼のカッコ良さが、
こういう形で次世代に語られるとは、実は思っていなかった。
彼はすでに若者たちの未来を見渡しているのだ。
エンディングテーマに酔いしれつつ(頑固な声で、唄ってます)
こんな遺言状のような作品を作ってしまった彼に脱帽するものの、
いや~まだまだ。ポーランドじじいには卿として君臨してほしい。
傑作なんか作りやがって。このバカタレが。(T_T)
(イカれイタ公も、アイルランドの酔っ払いも、そう思ってるぞ)
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