ある子供

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「ロゼッタ」「息子のまなざし」などで高く評価されてきたベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が監督・脚本・製作を手がけ、2度目のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した人間ドラマ。20歳の青年ブリュノは手下の少年スティーブと盗みを繰り返し、盗品を売りさばいた金でその日暮らしの生活を送っていた。ある日、彼と18歳の恋人ソニアの間に子どもが生まれる。ソニアはブリュノに真面目に働いてほしいと頼むが、彼にその気はない。しかもブリュノはソニアが目を離した隙に、我が子を金で売ってしまい……。出演は「ジェヴォーダンの獣」のジェレミー・レニエと、本作が映画デビューのデボラ・フランソワ。

2005年製作/95分/PG12/ベルギー・フランス合作
原題:L'enfant
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2005年12月10日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

4.0子供のままの男をそのまま見詰めたダルデンヌ

2020年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

3年前の「息子のまなざし」は実験的手法による現実凝視だったが、この作品もありのままの現実を冷静に観察している。
強盗常習でその日暮らしのある青年が、恋人との葛藤で漸く気づく自分の未熟さ。わが子を勝手に闇組織に売る愚かさに唖然とする。大人になり切れぬ幼児の如き青年の無防備で危なげな生き様を見つめるダルデンヌ兄弟監督の冷静な視点。主演のレニエとフランソワ共に自然な演技でとてもいい。レニエの逃走場面の、池の中に潜むカットの水の冷たさに、唯一作者の愛の鞭を感じるのだが。テーマとストーリーの完結性高い映画の語りの巧さと表現力。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Gustav

2.0貧困層の現実というのを訴えた作品。 ブリュノは母から何を学んで 子...

2019年11月26日
iPhoneアプリから投稿

貧困層の現実というのを訴えた作品。

ブリュノは母から何を学んで
子供というものをどう理解しているのか。

何も理解しないまま父親になったある子供。
ラストシーンの先には希望は見えるとは思わないが
これはそういった現実を訴えた作品なのだと感じた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ねこ

3.0音楽がない映画

2019年11月22日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
UoxoU

4.0☆☆☆☆ ダルデンヌ兄弟が撮る映画の特徴と言えば、それはズバリ《大...

2019年11月19日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆☆

ダルデンヌ兄弟が撮る映画の特徴と言えば、それはズバリ《大どんでん返し映画》だ!

「はあ?何言ってんだ!」との意見は当然の様に出るだろう。
何しろ、その手の手法は一切使っていないし。兄弟2人に直接「…ですよね!」等と聞いたなら、一笑に付されてしまう事だろう。

ただ!…。

ダルデンヌ兄弟作品には。映画のラスト直前まで、対象としていた人物は。常に【絶望の淵に立っている】事が多い。
まさに画面が暗転し、上映が終わる寸前まで…。
ところがその状況を、僅か数十秒で一変させ。映画は【希望の光】を見出し上映は終了する。

《大どんでん返し》を売りにしている映画は世に多い。
脚本も、ラストに向けての前振りを周到に準備し。観ていると、〝それ〟だけに力を入れている様に感じる作品もある。
〝それ〟が上手く行っている作品ならばまだ良いが。寧ろ〝それ〟がアダと言う名の【縛り】となってしまっている作品に至っては…。

最近、同じ劇場にて。『イゴールの約束』『息子のまなざし』と。これで3作品を見直した訳ですが。ダルデンヌ兄弟の凄いところは、その全てが《どんでん返し》を売りにする作品と違い。登場人物の【感情表現の起伏】によって、最後に《一筋の希望の光》を対象とした人物に降り注ぐ。
そんな映画の魔法をダルデンヌ兄弟は、観客に向けてもまた振り掛けているのだ。

初見 恵比寿ガーデンシネマ

2019年11月18日 シネマブルースタジオ

コメントする (0件)
共感した! 0件)
松井の天井直撃ホームラン
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る