なごり雪 あるいは、五十歳の悲歌

劇場公開日:

解説

伊勢正三作詞作曲によるフォーク・ソング『なごり雪』をモチーフに、50歳を迎えた中年男たちの青春の悔恨と惜別を描いた人間ドラマ。監督は「告別」の大林宣彦。脚本は、南柱根と大林監督の共同。撮影を「修羅のみち4 北九州代理戦争」の加藤雄大が担当している。主演は、「田園のユーウツ」の三浦友和と「恐怖学園」の須藤温子。第22回藤本賞特別賞(大林恭子)受賞、芸術文化振興会映画芸術振興事業作品。2002年4月27日より、大分県・大分シネマ5にて先行公開。

2002年製作/111分/日本
配給:大映
劇場公開日:2002年9月28日

ストーリー

2001年初秋、東京。妻・とし子に三行半を突きつけられた日、梶村祐作はかつての親友・水田から彼の妻である雪子が意識不明の重体であることを聞かされ、28年振りに故郷の臼杵に向かった。彼の脳裡に、青春時代の出来事が蘇る。祐作を一途に想い続けた雪子。彼女の気持ちを知りながらそれに応えられず、しかも東京の大学で知り合った恋人・とし子を伴って帰省し彼女を傷つけた自分。そんな祐作に代わって雪子を守り、結婚した水田。そして雪子と最後に会った日、雪子が失恋に悲観して剃刀で自殺を図ったと思っていた祐作は、実は彼女が枕の中から白いビーズを取り出し、それを雪に見立てて降らそうとしたのだと気づく。雪など滅多に降らない温暖な町で、雪が降ったら奇蹟が起こると信じていた雪子は、それに叶わぬ願いをかけようとしたのだ。雪子が亡くなった。葬儀に出席した祐作は、薄っぺらな人生を送ってきた自分を反省し、残りの人生を一生懸命生きて行こうと心に誓い、東京へ帰って行くのであった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5雪子の臼杵駅での歌詞通りの科白が刺さります。 長澤まさみの存在感が...

2023年7月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

雪子の臼杵駅での歌詞通りの科白が刺さります。
長澤まさみの存在感が傑出してました。
風情のある物語でした。
面白かったです。

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tuna

4.0なごり雪はあなたにも降る時があるのです

2022年2月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

冒頭このようなテロップがでます

いまから二十八年の昔、その唄は生まれた・・・
それから日本の激動の歳月を経て、
この唄を作った人も、唄った人も、愛し続けた多くの若い人も
今、等しく五十歳を迎えた

そして伊勢正三が独りギターを弾きこの唄を歌ってタイトルロールが始まります
時折、その歌唱シーンに緑豊かな美しい山間部を走る列車が挿入されます

なごり雪の唄は今、この汽車がむかう、古里の駅で作られた

そうまたテロップが短くでて本編が始まります

2022年の早春
今年は記録的な大雪で北海道や東北、北陸などの北国は大変な冬でした

ようやくその冬も終わろうとしています
でも、もしかしたらなごり雪が降ることがあるのかもしれません

なごり雪は、伊勢正三が作詞作曲したかぐや姫という彼の在籍していたグループの歌
1974年3月発売の「三階建の詩」というアルバムの収録曲でした
このアルバムからは「22歳の別れ」、「赤ちょうちん」の2曲がシングルカットされて、どちらも大ヒットしました
しかし、「なごり雪」はシングルでは発売されませんでした
その曲が21世紀に残るどころかもっと後世にまで歌い継がれる歌になったのは、イルカのカバーシングルが大ヒットしたからです
1975年11月の発売でした
なので、ほとんどの人は「なごり雪」を、イルカのバージョンでしか知りません

♪東京で見る雪はこれが最後ねと…
自分もある年に東京を離れる日に季節はずれの大雪になり新幹線の窓から真っ白な光景を眺めながらこの歌が脳裏で流れてセンチメンタルな気分になったものでした
もちろんイルカのバージョンです

本作は2002年の公開です
ちょうど公開から20年経ちました

本作での「なごり雪」は、あくまで伊勢正三のなごり雪です
本作のサウンドトラックの為に、伊勢正三自身が2002年にセルフカバーをしたものが使われています

本作公開当時みんな50歳だった人達は、みな等しく70歳を迎えました

本作は公開当時、中年から初老に差し掛かった団塊世代の人生を振り返る物語でした

思い残してきたこと、やり残してきたこと、どうしてそうしたのかとおもうこと
それは後悔の記憶、それも思いだすと痛みがある記憶
それがなごり雪なのでしょう

ふざけすぎた季節のあとで、なごり雪も降る時もあることを知るのです

2022年の早春
本作を観る団塊世代の人々はどのような感慨を持って本作を観るのでしょうか?
70歳、人生の終盤です
彼ら彼女達の人生の終盤にも、なごり雪は降るのでしょうか?

私たち団塊世代の下の世代はそれは想像するしかありません
しかし本作の彼らが50歳になってしたように私たちもまた人生を振り返るのです

私達の下の世代もまた、きっとこんな思いをする時がいつかくるのだろうと思います

なごり雪はあなたにも降る時があるのです

蛇足
本作は大分県臼杵市が舞台になっていますが
伊勢正三自身が、歌のモチーフは出身地の大分県津久見市の津久見駅だと語っています
臼杵駅から宮崎方面に1駅10分程度の駅です
もう少し地方都市らしい駅なので、あまり風情が無いのでロケには使われなかったのかもしれません

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あき240

2.0非支持

2021年2月7日
iPhoneアプリから投稿

大林宣彦臭の強すぎるこれ、苦手かな。
映画は作り物めくほどその奥の感情が溢れるとの毎度の講釈は賛同するが、そうは撮れていない気がする。
棒読み書割り丸出しは良しとしても、物語がベタ過ぎ、台詞で説明し過ぎ、ではないか。
未見作、ゆっくり見る。

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共感した! 1件)
きねまっきい

3.0宝生舞の胸が眩しい!!!

2021年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 1件)
kossy
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