劇場公開日 2002年9月14日

「その愛はアイデンティティ」千年女優 にょいりんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0その愛はアイデンティティ

2024年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

映画のおおまかな内容は、かつての大女優・藤原千代子に千代子の大フアンである映像製作会社社長・立花がインビューし、女優の狂気にも似た愛を求める人生が語られていくというもの。ただ、その構成が複雑で千代子の回想と思われるシーンで現在の立花が立ち回ったり、千代子の回想と千代子の出演した映画の場面が境なしに切り替わったりして、万華鏡のように虚実が分からなくなる。千代子が生涯を賭して追い求める「鍵の君」への一途な想いだけが物語を貫いているように見えるけど、最後の場面の千代子のセリフで全てが裏返り、千代子は宇宙の彼方に飛んでゆく。そして、エンドロールで流れる平沢進のLOTUS-2。
ここで毎回泣く。壮大で力強い自己愛の肯定を感じるからなのか。
今回のリバイバル上映で観れて本当に良かった。

虚実の実をどこに置いていいか分からないので、どうとでも解釈できてしまうフワフワ感を快と感じるか不快と感じるかで評価が別れそうだけど、そんなフワフワを消化するほどに味わいがでてくる作品だと思う。

にょいりん