ソナチネのレビュー・感想・評価
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タケちゃん、バウ
エレベーターでの撃ち合い、ホテルでの銃撃戦、寺島進が撃たれるシーンなど、人が死ぬシーンの見せ方が、お見事。
月明かりの北野ブルー、久石譲の音楽、赤土の土埃り舞うワインディグロード、大杉漣の怒号、勝村久信の能天気さ、などなど相まって芸術性とコメディーが絶妙なバランスで存在している、タケちゃんならではの傑作。
また新文芸坐でオールナイトやって欲しいな〜。
20231206 新文芸坐
ヤクザは沖縄では天国?
ただ、ヤクザが夏の沖縄に行けば、楽しく暮らせるという内容しか覚えてません。
ヤクザの権力闘争を説明する台詞が1回だけありましたが、その内容を理解
できないと、この映画全体が意味不明です。
名優・大杉漣氏を世に送り込んだ映画として有名ですが、大杉さんが何処に
どの役で出ていたかも、記憶にありません。
最後は、ネタバレになるので書きませんが、多くの場合の北野武監督が
俳優ビートたけしを映画に出せば、ああいう結末になるという…例のアレです。
この映画が興行的不発に終わったため、北野を映画界に引き入れてくれた
奥山和由氏とも犬猿の仲になって決別!
以降は、皆が知る通りに奥山氏は松竹を突然解雇され、その後は映画界を
干されて、大ヒットする様な作品を作れなかった。
一方、北野武は順調に映画を作り続け、大きな映画賞も得られた。
奥山氏が松竹を解雇後に「自分を映画界に引き入れた恩人であるから
いつかは恩返しをしたい」と述べていたが、現在に至るまで北野と奥山氏が
組んで作成した映画は無い…
恩を仇で返す人間か……?
北野武監督の作品の中でも芸術寄りの作品
以前から見て観たかった作品。
基本的にヤクザ同士の抗争を描いたバイオレンス映画であるが、間に抗争中であることを忘れるようなシーンが入っているのが良い。
全体的にセリフも良かったと思いますが、ちょっとストーリーが分かりにくかったのが残念かな。
久石譲が担当した劇中の音楽はすごく良かった。
絵画的で、アートっぽい。
まあまあ…
海外で絶賛された作品と期待してたんだけど…
ガッカリ…
他の方のレビューを読んで納得。
絵画的で、アートっぽいですね。
キタノブルーも、いっぱい出てくるし…
確かに!そうか!そう観たら!
でも…
『ソナチネ』より、普通に『アウトレイジ』が好き♪(永野さん風で)
静かな空気と暴力
極道の世界に辟易する組長の村川は、上部組織の命令で友好組織の救援のために沖縄に向かうことになるが…。
北野武監督作品。沖縄の風景と久石譲の音楽によって生まれた静かでのんびりとした空気感の裏で人が死にまくる同監督の映画の中で最も芸術性が高いと個人的に思う作品です。
67点
北野武監督兼演者ビートたけし代表作品。
当時の絵の汚さ、雑な格好、心は子供なまま拳銃を手に大人になってしまった彼ら、全てが美しくて、儚くて、悲しくて。
間違いなく後世に語り継がれる傑作です。
是非。
映画でしか表現できないからこそ映画が作られた感覚
数十年ぶりに、今度はDVDを購入して観た。
いまみても、色褪せてなくて、見入った。
感じるのは虚無感。死に向かっていく。
突然ガツンと現れる銃撃戦。
ストーリではなく映像で表現されている。
セリフも少なく、表情。それも静止画のような表情。
死という題材が美しい絵で織りなされている感覚。
闇に閉ざされたビルの中で、マシンガンをぶっぱなししているときに窓から漏れる銃撃光。
それに照らされる黒い車の屋根。
行われていることは殺人なのに、映像が美しいという。
なんとも言葉で表現しにくいからこそ、映像で表現されている。
映画でしか表せないものが表現されているからこそ、映画が作られたという。
まさに映画で表現するのは何かという、本質をついている映画だと思う。
初めて見た北野武監督作品。
新文芸坐にて鑑賞。
20歳の私が初めて見た北野作品。
めちゃくちゃかっこ良かった。
かっこ良さの中に垣間見えるユーモア。
作り込み過ぎてなく、程よく力が抜けたような映像が心地良かった。
また見たいし、もっと北野作品見たいと思った。
映画のブラックホール
この映画は「ありがちなヤクザ映画のストーリー」を採用しています。ストーリー自体に特殊性はありません。それによって監督北野武の個性が浮き彫りになるように作られています。
またこの映画の特徴は、料理に例えるなら「食材はひと通り集めて包丁も入れたが、火だけ入れてないので食べれない状態」の映画だと言えます。監督がわざとそのようにしたのであり、この映画はヒットしませんでしたが、観た客は度肝を抜かれました。「火が通ってて食べられない。ほかにこんな映画観た事ない」という衝撃でした。ひとことで言えば、絵が陳腐なのです。火が通ってないので。焦げ目も香ばしさもありません。火が通ってない事をどうするのか?というと、何十年も放置しておけば作品は時間と共にゆっくりと燃焼する事になり「嘘臭さのない、本当の火が入った状態になるだろう」となります。つまり年月によって自然な香ばしさが出てきて、いぶし銀のビンテージ感が出てくるはずです。あれからもう28年経ったので、今見るとそのようにとても味のある映画に見えます。これは監督の予想通りです。しかしリアルタイムで観た当時はとにかくそんな、スクリーンから感じられる監督の意図が前代未聞でぶったまげました。北野武は絵ヅラが陳腐である事を屁とも思っていません。
そんな映画創作というもの、そのものに対する実験性がこの映画にはありました。
乾いた暴力
「暴力」を石垣島の浜辺で天日干しして味を極限まで濃縮したような映画。潮風に当たっていたため塩の風味もあり、かなり美味しい。
特に、たけしがニヤニヤしながら自分のこみかみに銃口を当てるシーンはいつまで経っても口の中に味が残る 最高のバイオレンスだった。
アート性を強く感じた
美しかった
絵画を観ていてるかのような色彩と構図
アート性を強く感じた
アルル時代のゴッホの絵画の様な明るい光線と色彩
ゴーギャンのタヒチでの絵画を思わせる南の島の強い光線と鮮やかな色彩
主人公と親しくなる女は乳房を出して立つ
有名なゴーギャンのタヒチの女の絵のモチーフだ
ただ独り白いシャツを最後まで着通す主人公
ラストシーンでそれは赤く染まるのだ
冒頭の銛に刺され貫かれたナポレオンフィッシュ
空は赤く飛び散る
ナポレオンとは親分のこと
それを銛で突き殺す
血で赤く染まり、血しぶきは頭上に飛び散る
つまり冒頭で物語は完結しているのだ
しかしそれでは映画にならない
だから100倍に希釈して私達観客にこういう事なのですと説明していたのだ
そう思えば全て得心がいった
エンドロールが終わり、監督の名前が出たあとに写されるのはひまわりと南の島の浜辺
監督が種明かししているではないか
海外でこそより高く評価されるのも当然だろう
久石譲の音楽のクオリティが大変に高い
本作のアート性を高め更に気品すら与えている
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