劇場公開日 1993年6月5日

「アート性を強く感じた」ソナチネ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アート性を強く感じた

2019年11月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

美しかった
絵画を観ていてるかのような色彩と構図
アート性を強く感じた

アルル時代のゴッホの絵画の様な明るい光線と色彩
ゴーギャンのタヒチでの絵画を思わせる南の島の強い光線と鮮やかな色彩

主人公と親しくなる女は乳房を出して立つ
有名なゴーギャンのタヒチの女の絵のモチーフだ

ただ独り白いシャツを最後まで着通す主人公
ラストシーンでそれは赤く染まるのだ

冒頭の銛に刺され貫かれたナポレオンフィッシュ
空は赤く飛び散る
ナポレオンとは親分のこと
それを銛で突き殺す
血で赤く染まり、血しぶきは頭上に飛び散る

つまり冒頭で物語は完結しているのだ
しかしそれでは映画にならない
だから100倍に希釈して私達観客にこういう事なのですと説明していたのだ

そう思えば全て得心がいった
エンドロールが終わり、監督の名前が出たあとに写されるのはひまわりと南の島の浜辺
監督が種明かししているではないか

海外でこそより高く評価されるのも当然だろう

久石譲の音楽のクオリティが大変に高い
本作のアート性を高め更に気品すら与えている

あき240