次郎長三国志 第三部 次郎長と石松

劇場公開日:

解説

スタッフは第一部・第二部と同様である。出演者には前二作のメンバーに「プーサン」の小泉博、「逃亡地帯」の久慈あさみ、新人花房一美が加っている。

1953年製作/87分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年6月3日

ストーリー

石松は旅の途中次郎長一家と一緒になり、子分になれと誘いをうけたが断って皆と別れ、一人旅をつづけていたが、黒駒勝蔵の代貸大岩の妹おもととねんごろになって大岩に追われる追分三五郎をひょんなことから救った。三五郎はちゃっかりした男だが宿場の賭場で投節お仲の艷な打ちぶりに幻惑されてスッテンテンになり、応援に出た石松もお仲のいかさまにかかって文無しになった。翌日二人の部屋を訪れたお仲は歯切れのいい仁義を切ったあと、昨夜はいかさまをしたといって石松に金をもどした。女好きの三五郎はお仲にすっかり参ってしまったが、お仲はドモリの石松を好いて二人で旅をしようと口説くのだった。しかし人の好い石松は三五郎を置去りにすることができず、お仲は一人宿を立っていった。一方次郎長一家は旅の途中のある賭場で開帳中を役人に捕えられた。牢に入れられた彼らは横柄な牢名主をとっちめたりしていたが、清水港から彼らを探してきた張子の虎三の知らせで、次郎長の兄弟分江尻の大熊の繩張りが黒駒の勝蔵に荒らされそうになっているのを知った。三五郎と石松は旅先でおもとの待ち伏せに遭う。さらに大岩の追手が迫り乱闘となるが、それに巻き込まれたおもとが負傷してしまう。百叩きの刑をうけて放免された次郎長一行は早速清水港へ急ぎの旅をつづけていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0無類のお人好し。それを世間じゃ馬鹿と云う。

2021年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

マキノ雅弘監督の東宝版。まだ次郎長の身内ではない石松と追分の三五郎が出会って、道連れに。石松役の森繁久彌、若い頃から軽妙な役ははまっているなあ。広沢虎造もちょい役で出てくる。おそらく当時世間の人は、虎造節の次郎長を散々聴いていたはずで、劇中に流れてくる虎造節が、スクリーンからのものか、頭の中で脳内再生しているものか、わからないくらいだったと思う、かく言う自分も、多少そうなのだから。

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栗太郎

4.5役者・森繁久彌の原点

2009年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

森繁久彌が亡くなったとき、ベテランの映画評論家たちが「素晴らしい役者でした」と語っていたのを見て、思わず笑ってしまった。なぜなら森繁久彌の演技は、その昔、評論家からあまり評価されていなかったから。

 それは、黒澤や成瀬など、名監督と呼ばれる作品にほとんど出演していないからだ(「夫婦善哉」の豊田四郎はなぜか評価の低い監督だった)。しかし、小津の「小早川家の秋」での不機嫌そうな森繁を見ると、この人は名監督と呼ばれる人の映画にはあまり出たがっていなかったことが想像できる。つまり、彼は自分の力で日本映画界を代表する役者、という地位を築きあげたのだ。

 ただし、森繁も若いころには名監督の映画に出演している。それが、マキノ雅弘が東宝で撮つた「次郎長三国志シリーズ」の森の石松役だ。のちに社長シリーズや駅前シリーズで何度も演じている、独特のすっとぼけたキャラクターはここでつくりあげたもの、をこのシリーズ作品からうかがえる。それはたぶん、名監督・マキノのおかげだろう。それが見えてない評論家というのは、いかがなものか。

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こもねこ
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