里見八犬伝(1983)

劇場公開日:

解説

里見家の姫と八犬士の一人との恋をベースに、悪の妖怪軍団と戦う犬士達の姿を描く。滝沢馬琴著『南総里見八犬伝』に新解釈を加えた鎌田敏夫原作『新・里見八犬伝』の映画化で脚本は「探偵物語」の鎌田敏夫と「人生劇場(1983)」の深作欣二の共同執筆、監督は「人生劇場(1983)」の深作欣二、撮影は「探偵物語」の仙元誠三がそれぞれ担当。

1983年製作/136分/日本
原題:Legend of Eight Samurai
配給:東映
劇場公開日:1983年12月10日

ストーリー

館山城主・里見成義の一人娘・静姫は叔父のもとへと逃避行を続けていた。突如、黒装束の騎馬侍達が前ぶれもなく城に攻め入り、成義以下を皆殺しにしたのだった。城を奪った男・蟇田素藤は、かつて成義の父・義実が征伐した蟇田定包の子であり、その時死んだ筈の素藤と彼の母・毒婦玉梓は悪霊“御霊様”に仕えることによって、不死身の身体をもつ妖怪となって蘇ってきたのである。そして静姫の生き血を“御霊様”に捧げるべく、彼女の行方を血まなこになって探していた。静姫は炭焼小屋で親兵衛という若者と出会う。彼に追われた静姫は巡礼姿の二人連れに助けられた。二人は犬山道節、犬村大角と名乗り、一巻の絵巻物を差し出した。それには、約百年前に里見義実が蟇田一族を滅したいきさつ、そして玉梓の呪いからか、義実の息女・伏姫が飼犬・八房に授けられ、懐妊した伏姫の胎内より白気と共に、仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌の各字を刻んだ霊玉が八方に飛散したことなどが記されていた。道節と大角はそれぞれの霊玉を静姫に見せ「一刻も早く霊玉を持つ他の六人を探し出し、静姫を奉じ素藤らと戦わねばならない」と説く。最初はそんな話を信じなかった静姫だが、一人、また一人と犬士が集まってくるうち、犬士達と共に戦うことを決意した。なおも残る犬士を探す旅が続くなか、突然、けもの罠にかかり静姫がさらわれた。犯人は静姫を城に連れてきた者は侍にしてやる、という素藤のおふれに野望を燃やす親兵衛だった。彼は静姫を素藤のもとへ連れていこうとするが、素藤の支配下となった安房国の荒廃と黒騎馬侍の人を人とも思わぬ殺戮を見て心の中に変化が起き始めた。そして、黒騎馬侍達に静姫が発見された時、親兵衛は彼女をかばい、二人は鐘乳洞に逃げ込んだ。そこには、新たに同志を加えた道節らがいた。親兵衛の心の善を信じはじめた静姫だったが、二人はここで別れなければならなかった。犬士達に放りだされた親兵衛は黒騎馬達に捕まり城に連れさられる。彼はそこで、腕にある赤いアザから玉梓の子の転生であるということを知らされた。そして“御霊様”に仕える司祭・幻人によって悪の化身とされてしまう。その時、素藤配下の侍大将・現八に変化が起きる。彼は仲間を倒し、気を失っている親兵衛を連れて城を脱出した。懐にはいつしか光る霊玉がありそれに導かれるように静姫のいる洞に着いた現八は、七人目の犬士として迎えられる。その時、親兵衛が目を覚まし、いきなり静姫に襲いかかった。姫を守ろうとする犬士達に「刀を引きなさい」と、静姫が命じた。静姫は心で親兵衛に対峙しようとしたのだ。その瞬間、白い閃光が親兵衛を一撃し、彼の身体は静姫の前に崩れ落ちた。新兵衛が再び眼を覚すと腕のアザが消えており、二人の間には光り輝く霊玉があった。喜びに満ちあふれる二人は愛し合う。が、突如、大蛇があらわれ、静姫を巻き玉梓の笑い声を残して消え去った。集結した八犬士のもとに伏姫の「この矢を“御霊様”に向って静姫に引かせなさい」という声が響いた。そして彼らは姫を救い出し“悪”を滅すために館山城に向った。一人、一人合い討ちながらも素藤一味を倒していく犬士達。だが、素藤、玉梓、静姫のいる大広間にたどりついたのは、親兵衛と道節のみだった。道節は自ら追手の盾となり、親兵衛は静姫のもとへ飛んだ。そして縛めをとかれた静姫は“御霊様”に向って矢を放った。玉梓らはミイラと化し、城は崩れ落ちた。親兵衛は静姫を叔父の城へと送り届け、二人に別れの時がきた。親兵衛は静姫を想いながら七犬士達の墓を祭っていると馬に乗った静姫がやってきた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第8回 日本アカデミー賞(1985年)

ノミネート

監督賞 深作欣二
主演男優賞 真田広之
助演女優賞 夏木マリ
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映画レビュー

4.5星よ、導きたまえ‼️

2024年3月12日
スマートフォンから投稿

泣ける

怖い

興奮

多分小学校の2年生くらいの頃でしょうか⁉️幼き日の私を夢中にさせてくれた深作欣二監督の伝奇ロマン‼️ある日、テレビをつけると真田広之さんの見事なアクションがキマッてる予告編が流れていて、無性に鑑賞意欲をかき立てられたのですが、父親に頼むも却下‼️意気消沈して近くの小さなレコード屋さんに行くと、なんと「里見八犬伝」のレンタルビデオがあったのです‼️早速レンタルして、その魅力の虜になったわけですが、記憶違いかもと思い、最近になって調べてみると、「里見八犬伝」という作品は業界初の劇場公開と同時にビデオ発売がされていた作品でした‼️記憶は正しかった‼️悪霊に仕え不死身となって蘇った妖怪・玉梓を倒すため、里見家で唯一生き残った静姫の前に8人の犬士が集まる・・・‼️この作品の何が幼き私を夢中にさせたのか⁉️まず冒頭とエンドクレジットで流れる音楽‼️ジョン・オバニヨンによる「八犬士のテーマ(White Light)」と名曲「里見八犬伝」‼️およそ時代劇の音楽とは思えないカッコ良さ‼️現在に至るまでの私の音楽感の礎となっております‼️そして静姫と彼女の周りに集まってくる個性豊かな八人の犬士達‼️まるで弁慶のような道節・千葉真一さん、紅一点の女剣士・毛野役の志保美悦子さん、大鎌の二刀流を駆使する親兵衛・真田広之さん、正義の心に目覚めた闇の軍団出身の現八のギャバンこと大葉健二さん、義妹を探し求める信乃役の京本政樹さん、山伏姿で銃や爆薬を武器とする大角・寺田農さん、成人だが子供の姿をした荘助と巨大で怪力の小文吾‼️ホントに皆さんチョーカッコいい‼️そんな八人が持つ不思議な力がある玉‼️仁・忠・礼・智・孝・義・悌・信という文字が浮かぶ光るビー玉のような美しい玉‼️近くに転がってないかと、どれほど探したことか‼️対する妖怪軍団‼️筆頭は夏木マリさん‼️この世のものとは思えない妖艶さ、妖怪にしか見えません‼️見事な怪演、スゴすぎ‼️光の玉の力が妖怪どもを圧倒するシーン、桜吹雪の中の信乃と毛野の決闘、親兵衛が一行の後をついていく「七人の侍」の菊千代のようなシーン、古の笛の音が悪を鎮めるシーン、静姫と親兵衛のラブシーン、そしてラストの凄まじい決戦まで、アクション派・深作欣二監督の面目躍如たる素晴らしい演出‼️特にクライマックスの決戦シーンは、八犬士が一人、また一人と犠牲になっていくわけですが、その一人一人の死に様がカッコ良すぎて涙なくしては観れません‼️凄まじくも美しいアクション、さすがはJAC‼️そんな犠牲を乗り越えての静姫の光の一矢‼️もう射ち抜かれます‼️薬師丸ひろ子さん、キマッてる‼️特撮はチープなんですが、80年代のフィルムの質感やミニチュアなどに見事にハマッてて、見応えあります‼️ただ、巨大ヘビや巨大ムカデはショボかったかな⁉️そしてラスト‼️石像からの七人の犬士の声に後押しされて、すべてを捨てた静姫と親兵衛が旅立つシーン‼️お互い馬を走らせながら手をつないで去っていく二人に被さるジョン・オバニヨンの名曲「里見八犬伝」‼️感動するなぁ‼️真田広之さんも薬師丸ひろ子さんも若かった‼️永遠に忘れられないですね‼️

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活動写真愛好家

2.0こういう話やったのか

2023年12月31日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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プライア

3.5「形が異様なら心も異様と決めてかかる」

2023年5月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

懐かしさや安っぽさは否めないが、所々にドキッとする台詞や印象に残るシーンがある。今でも娯楽映画として十分楽しめる。

今もとてもおしゃれな夏木マリ。この映画の中でも、彼女だけは怪しげな衣装を見事に着こなしている。そして全く役に違和感がない所がまた凄い。

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komasa

邦画にしては頑張ってると思う。JAC絡みなだけあってアクションも【...

2023年4月28日
PCから投稿

邦画にしては頑張ってると思う。JAC絡みなだけあってアクションも【ジャッキー・チェン】に対抗してる感じがする(いい意味で)。テンポも悪くない。

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HILO
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