安藤組外伝 群狼の系譜

劇場公開日:

解説

14年振りに出所した伝説のヤクザが、時代に翻弄されてもがく様を描いた極道映画。監督は「赤と黒の熱情」の工藤栄一。安藤昇の原作を「BLUES HARP」の森岡利行と「文学賞殺人事件 大いなる助走」や、最近ではテレビで活躍しているベテランの志村正浩が監督と共同で脚本に仕上げた。撮影は「BREAK HEAT -バクの胃袋を開け!-」の下元哲があたった。音楽は全編にヴィヴァルディの旋律がちりばめられた。主演は「極道の妻たち 決着(けじめ)」の中条きよしと「修羅がゆく8 首都血戦」の濱田のり子。

1998年製作/138分/日本
配給:日本スカイウェイ
劇場公開日:1998年6月27日

ストーリー

関東に拠点を置く秋田会の代貸・殿村が、関東進出を狙う関西系三雄会ヒットマンの手によって刺殺された。時を同じくして、14年間の刑期を終えた伝説の男、秋田会行動隊長の小諸が出所した。彼は誰の出迎えもなかった訳を火葬場で知った。秋田会会長の秋田に暖かく迎えられた小諸。だが三雄会の動きも気になる兄弟分の草野は、出所したばかりの小諸を気遣ってしばらく身を隠すように勧める。また、小諸が入獄するときに若衆のひとりだった新庄が、直径の舎弟になり自分の組を持つまでに出世しており、時代の移り変わりを肌で感じる小諸だった。実家に戻っていた妻の光代に会うため、小諸は電車に乗る。だが、堅気の男と再婚していた光代を見て、小諸は静かに身を引く……。東京に戻った小諸は、かつての兄弟分である田所と再会、となりの部屋に住んでいたチンピラの真野とその恋人・かすみと心を休める日々を送る。そして、とある怪我で入院した病院で出会った看護婦・秋江の優しさに、小諸は次第に心を奪われていく。秋江と彼女の娘と三人で遊園地を楽しみ、レストランで娘に甘いものを無理やり食べさせられる。これが本当の幸せなのかもしれない、と思い始める小諸。しかし、徐々に激しさを増す三雄会との抗争で、草間や真野は命を落としてしまう。怒りに燃えた小諸は、三人で一緒に暮らすことを夢見ていた秋江と娘を置いて、三雄会に向かう。裏で三雄会と手を組んでいた新庄の姿が浮かび上がったのだ。新庄に向かって引き金を引く小諸。その時、引越しの準備を済ませた秋江親子は部屋で、戻るはずのない小諸を待っていた。「おじちゃんの嘘つき」。少女の声がさびしく部屋の中に響いた。

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