ブラック・レインのレビュー・感想・評価
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ブレードランナー
大阪の街を、まるでブレードランナーのセットのような近未来に見せる撮影が素晴らしい。知らない人に続編だと教えたら信じてしまうのではないか。
こんな風景が普通に存在していた当時の大阪もすごいが、だれもこんな風に大阪を撮影した人が日本にはいなかったし、今もっていない。『ブレードランナー』と並んで、全盛期のリドリー・スコットの美的センスを堪能できる1本だ。
ちなみに撮影監督は後年『スピード』で名を馳せたヤン・デ・ボン。
異国文化の衝突を刑事の友情を軸に描いた犯罪ドラマだが、当時の作品としてはまだ日本への理解がある方ではないか。日本経済好調の反動のジャパンバッシングなどもあり、奇異な文化を見下すような作品も見受けられたが、少なくとも悪役含め、日本人を非常に力強く描いている点は評価されるべき。
知られている通り松田優作の遺作だが、本作を観ると本当に惜しい役者を亡くしたものだと思う。
黒い雨のことだったんだ
任侠、裏社会、ノワールものはほぼ鑑賞しないので知識がありませんが、カメラはかっこよかったです。他のレビュアーさんがブレランやAKIRAみたいだと書いていたので本当その通りでしたね。ちょっと香港っぽくもみえました。内容は特に珍しくもなかったので、本作の魅力はやはり役者と日本という舞台でしょう。アメリカと比べて物価が高いですし、日本人にとっては良い時代だったのでしょう。
若山富三郎が原爆の話をしていたので、戦争の記憶がまだまだ強烈に残っている時代で、アメリカに対する反発が感じられました。意外でしたね。
敗戦の予感
脚本が割とザルで、ご都合的な場面が多く、まあ気持ちはわかるけど、雰囲気で乗り切ってる場面が少なくない。
とはいえ撮影、ロケーション、音楽などその雰囲気の部分がばっちりなのでまあ楽しめるけど。
お堅い高倉健が変わる話かな? と思わせてからのラストににっこり。
今となってはおよそ現実だとは思えないAs No.1のジャパン。その象徴である高倉健(妖精)に影響され心を入れ替えるマイケル・ダグラス。
また若山富三郎が語る敗戦の記憶。それはアメリカ人に今度こそ負ける覚悟をしとけよと言ってるみたいだった。
今見ると良くできた名作というより、珍味のブロマンスという印象。
ただこの映画について、人が松田優作の話ばっかりしたくなる気持ちはわかります。「ダークナイト」のジョーカーばりの存在感。
カンカンヘッドは男のロマン
公開当時はあまりにも誇張された日本の描写に「んなアホな」とか「バカにしてるー」といった印象が先行して、巨匠も「やっちまったかー」といった残念な記憶が残っていたけど、今改めて観るとそのエンターテイメント性の卓越さに唸らされてしまった。流石、リドリースコット。
バブル絶頂期で経済的にアメリカにとっても脅威に映っていた当時の日本が舞台。派手派手な演出が子気味良い(が今では成立しない設定だと思うと少し寂しい気はする)。主要なキャストの個性的な俳優さんの多くにとってはとっくに遺作になってしまっているのは感慨深い・・・
大阪の一時代を大作映画の映像として後世に残してくれる貴重な一本。とにかく名作です。
言葉が通じないときの切実さ
松田優作の遺作であり、過去観たことあったけれど、アマプラ配信見つけたので、もう一度みてみた。全体的にカメラワークが自然で、また、深みのある映像美があって、監督のセンスを感じた。脚本もリズムあって、抑揚も効いていたので飽きさせない展開だった。
マイケル・ダグラス演じる破天荒なアメリカ人の刑事が日本にやってきて、言葉が通じないもどかしさを重ねて、クラブに居るアメリカ人女性に、”言葉が通じないとどうにもならない、たすけてほしい”といった旨のことを書いていて、切実さが伝わってきて、あのシーンが実はすごく印象に残った。
高倉健も英語のセリフはあっても、朴訥さはにじみでていて、しゃべる言葉が違っても雰囲気は同じなんだなと思った。マイケル・ダグラスは終始、悲壮さ、思い詰めた感じだったけれど、最後に笑顔になって帰っていくときの清々しさが印象に残った。
松田優作は顔の表情や立ち振る舞いだけで伝わるものがあって、このとき身体の調子もあまり良くなかったのにと思うと役者魂をみせられた思いがした。
俳優陣のアンサンブル、というよりバトル
相容れない刑事同士、ヤクザと言った単なる役の関係性を超えた、バトルの様な演技だった。
特にマイケルダグラスと松田優作。
『ブレードランナー』のような大阪。大阪っぽさ、日本っぽさは無い。外国人から見た日本だなあ、という印象。
ゲイシャって芸者じゃなくてホステスなのか?
若山富三郎はドスが効いてた。
優作が素晴らしい
よく言われることですが、優作が主役を食ってます。
ここまでの個性を演じられるのは、やはり天才だからでしょうか?
アメリカと日本の刑事の質の違いもクローズアップされており、
その中で手を組んで悪と戦う。その悪にも感情移入してしまう。
みんなかっこいいです。ラストも最高。
日本がアメリカを買おうとしていた時
映画館で観たのが高校生の時。ブレードランナーはビデオ鑑賞だったのでワクワクしたのをうっすら覚えている。今回の「午前10時の映画祭」で久々に鑑賞するにあたって、作品の概要読んでビックリ。音楽はハンス・ジマーじゃないですか。と、改めて聴くと「確かに♪確かに♪」でございました。そして「バックドラフト」→「グラディエーター」へと繋がっていくのですねぇ。感慨ひとしおでございます。
冒頭の「引き渡し」と日本パートでニックが「大使館いくど!」とごねた時のパワーバランスの違いに当時の日本が垣間見えて面白いですね。戦後のピークに差し掛かっている時の日本。アメリカ人に「日本がアメリカを買おうとしてる」なんて嫌われつつも怯えられてた感じが、端々に感じられますよね。あんな無軌道なパワーはいらないけれども、「さすが日本🇯🇵」再び!と思わずにはいられません。
アンディ・ガルシアがとにかくイケメン(中身含む)。そして巻き込まれ型の高倉健さんが可愛い笑
やっと見れた
見逃したまま、ずーっっとそのまま来てしまった作品のうちの一つ。近年は、4K版、レストア版などが上映されるのでありがたい。なので今年は数本、旧作を見ることができました。ケーブルやネット配信等サブスクなどでも見られるが、やはり映画館が良いです。
ナポレオンを見たばかりですが、これもリドリー・スコット監督作品だったんですね。
マイケル・ダグラス&松田優作だけが頭に残っていましたが、高倉健さんも出てましたね、そういえば。英語セリフが多くて健さんかっこ良かったです。ストーリーも映像もこの時代に作ったなーという感じですが(結構突っ込みどころあり)、一癖あるアメリカの刑事と日本のヤクザの対決。アンディ・ガルシアが殺られてからが面白くなっていきました。
優作の早逝は残念でしたが、スクリーンでこうして会えるのがうれしいですね。
小野みゆき、この時も美人でしたね~。内田裕也やガッツ石松など懐かしい面々。ガッツさん演技も良かったです。
1989年製作、思えば遠くへ来たもんだ
今回TOHOの朝一リバイバルで久しぶりに見た。初見は1989年10月末、英国Bristol の少々ショボいCliftonモールの映画館で、上映まで1時間近く続く予告編とTVCM放映、近所の企業の広告を長々と見せられた後だった。
キリの良いラストのお陰か観劇後印象は悪くなかったが、やはりチグハグな展開のような気がして海外では非常に珍しい「日本語(中心)映画」なのに大喜びしなかったような。ただ覚えているシーンの多くは今回の観劇でも出色の箇所だった。
・松田優作のトレードマークと成り得た無表情→サイコ顔の鮮やかな怪演
・マイケルとアンディの妙に気持ちの良い刑事コンビ
・ガッツさん「英語分かんねーんだよ!」、内田裕也、神山繁「You’re civilians here!」、力也さんらの物凄い緊張感あるかつ滑らかな演技(みな普段の邦画よりカッコよかった)
・若山富三郎の、要求された演技をちゃんと引き出す役者魂、健さんもこれに同じ
でもやっぱり、当時批評で言われていたように健さんの英語はイマイチっぽく聞こえたし(神山・刑事部長は上手かった)、若山・親分が俄かに「Black rain〜」言い出すのは随分と唐突に感じた(声はアテレコかしらん英語完璧だった)。
最後の山場の農園や屋内調度も「どここれ、これが日本?」と反応してしまったし(撮影地韓国)、あり得ない数のデコトラと自転車とか違和感だった。当時日本でもヒットはしたが、松田優作を惜しむ声以外あまり評価は高くなかったと聞いた。
しかし!三十数年を経た今この「ニューヨーク・大阪ロケ敢行のアクションクライム・異文化バディ映画」を見たら、
これひょっとして物凄い傑作じゃないですか!!
こんな意欲的なNY→大阪下町での主要キャストロケなんて今でもなかなかちゃんとは出来ませんよ。ラストのアクション銃撃シーンが日本で撮れなかった(製作陣は西日本で撮りたかったらしい)のは当時として無理もない。上述した過剰な日本風景設定も、今時を経て見ればあれくらい異文化強調した方が異国での場面状況が分かりやすいし、サイコな犯人集団が跋扈するクライム世界観に入りやすい。
すみません、既に海外に居ながら自分のアタマの中が開国していなかった若い私には、映画のなかの「本当の日本と違うところ」探しに心が向いてしまい心ならずも先ずアラ探ししながら観劇していたようです。今なら(私に限らず)「外国人監督が日本で娯楽作を作って視点が異なる、極端になるのは寧ろ当然。その上での映像、演出の面白さ、共有・共感できる点を楽しもう」という風に見られるでしょう。そうするとこの映画はかなり良く出来ています。
健さんの英語も、寧ろブレイク直後のケン・ワタナビの「インセプション」などよりも滑舌の抑えどころが分かっている(小生恥ずかしながら英語が仕事ゆえ、上から偉そうに言います)。
そして松田優作は、単独カットでは切れ味の良い悪役をちゃーんと押し出しし、マイケルとの絡みでは半歩抑えて主役を一層引き立てている(ラスト・サムライで真田広之はカッコ良さを出し過ぎたかトムに?出演カット秒を削られたらしい)。
若山富三郎親分の「黒い雨」セリフシーンも、改めて聞いたら言わんとする理屈展開(旧古の日本→近代戦争→ヤンキーの物量と技術の暴力、空襲、原爆でコテンパン→放射能と西洋価値観の『黒い雨』を浴び、戦後の新世代日本人は歪んで育った)は比較的無理がなく感じた。これらを米国人のリドリー・スコットと製作陣が構想して日本人俳優に語らせ、1989年に一国際犯罪映画として纏めたのは多分に偉業ではないだろうか。
浮かれた極論かもしれないが、今本作を(ほぼ)このまま改編して80年代日本が主舞台の新作映画として全国や国際ストリーミングに出してもそれなり現代人の鑑賞に堪えるのではないかとさえ思ってしまったほどです。
文化的誤解や理解の限界さえお互い一般化し、怯まずテーマを伝え合おうとするようになってきた今の日本(と米国の日本コンテンツ好き層)なら、今や本作程度の“変な”日本など全く気にならず、寧ろ本作品・監督の言いたい見せたい点により注目できるでしょう。
そして松田優作… 当時も映画公開を追うように英国まで伝わってきた訃報は現地の日本人仲間皆に衝撃だったけど、今もその早逝を惜しむとしか言葉がない。第二脇役として抑制もする演技ではなく、ハリウッド名監督作品の主役か準主役として思いっきりキレた演技を魅せて欲しかった。
とまれ、良い作品の良い劇場再上映でした。ありがとう。
今年の締めの映画かな?
過去の映画なのに近未来を描いているような、アキラのような感覚のシーンがテンポ良く最後まで続く。
私は断片的に、過去の映像としてこの映画の数カットを見たことはあるが、映画としては一度も見たことがなかった映画で、午前10時の映画祭で初めて見た。
言い表すのは難しいが、感覚としては「ラストサムライ」を見た後に感じる、感覚、人それぞれでわからないかもしれないが、エンドロールが終わって、立ち上がる時に自らの鼻から出る溜まった空気、私には同じように感じた。
懐かしい面々、松田優作や高倉健の名を挙げる人も多いかと思いますし、私のこの二人は当然よかったが、神山繁の気味が良かった。
また日本人としても、大阪というところをステレオ的に感じている訳であるが、東京のキレの良い景色よりも、大阪のゴミゴミ(ごめんなさい)した感じが、ニューヨークの景色と、うまく繋がって作品の一体感があって良かった。
Sunrise,Sunset
「長生きはするものだよナァ?」
役者という職業は残酷だ。本人がいかなる状況であれ、一度役を引き受けたからには全てをこなさなければならない。本人が口止めしていたとはいえ、松田優作に上記の台詞を吐かせてしまったのが開始早々に刺さった。
時に1989年。「日出る国」は持ち前の勤勉さで機械を作り、未来を築き上げていた。ロックフェラー・センターを三菱地所が買収したのもこの年だ。'91年生まれの僕が知らない、まばゆいばかりの日本があった。この世界では"イエス"が"ノー"で、"多分"は"ダメ"なのだ。作法の違いに戸惑いながら、ニック刑事よろしくスクリーンに飛び込んだ。
どうも僕は'80年代のアメリカ映画が苦手だ。シンセサイザーが音楽界を席巻し、映画の世界にも"黒い雨"を降らせた。その渦中で俳優として大活躍していたのがマイケル・ダグラスだったこともあり、嫌いではないものの無意識に避けていた。だから「ウォール街」もまだ観ていない。本人に罪はないのに勝手に責任を"ラップ"させた謝罪の意味も込めて、今回穴を飛び出してみることにしたのだ。
アツい、これはアツい。スクリーンで観てよかった。日本人の僕からすると多少日本をテンプレ化しすぎた描写もないわけではなかったが、怒濤の場面展開、そしてマイケル・ダグラス、高倉健、松田優作が織りなす終盤に思わず目頭が熱くなった。だがマイケル・ダグラスはひとつだけ勿体ないことをした。高倉健が最も映えるのはなんてったって「涙の芝居」なのだから。
日は昇り、日は沈む。勤勉さの裏でひらめきを潰してきた日本は、2年後にそのツケを長きにわたり払わされることになる。穴を飛び出し、再び日出るのはいつのことか?
この週は新作が案外少ない?
今年422本目(合計1,072本目/今月(2023年12月度)23本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
結局「ウィッシュ」と「ラジャー」以外にメインとなる軸がなく、本作品が突然現れたり、かなりの旧作が突然出てきたりと映画館のプログラムも大混乱状態です(12月は「師走」ともいうから、本当に忙しいのかな)。
おそらく趣旨的にオンライン視聴(いわゆるVOD課金ほか)も可能であろう作品であろうことからネタバレは少な目に行きます。
最初はニューヨーク市警のお話。そのあと「ある事情」で日本の大阪に飛び、その大阪で見たものとは…といった展開で、大きく分けて「アメリカ編」と「大阪編」にわかれます。
当時(1989年。今から30年ほど前)も前の大阪が舞台で、おそらく映画の作成時期的にもCG技術の利用はなかったか最低限であったであろう当時の技術において「こんな大阪の時期があったのか」という点は、「今現在」大阪に住んでいる人にもある意味びっくりで(今は存在しない施設やら制度も多数出てくる)、「こういう時代が(ある程度の誇張はあるとしても)あったのね」という観点ではよかったかな、というところです。
趣旨的に誰が犯人だの何だのといったことを書き始めると(VOD課金もできると思われると思われる現在において)ネタバレどころではないので省略します。
映画の採点としては「多少古い作品かな」とは思ったものの、「古い作品のリバイバル上映祭り」の中に入っていたことを確認していて、その理解のものでは理解もできるので、減点なしにしています。
また、若干ながら「なんちゃって日本」が垣間見て見える点も(現在のアメリカから日本を描く映画との比較において)結構面白い点もあります。
大阪ってごちゃごちゃ
午前10時の映画祭で久々に再会。
先日ナポレオンを見てのスコット翁の若い頃の映画。
昔ビデオで観て鳥肌を立てた記憶にすがり拝見。
ブレードランナーの酸性雨に煙る無国籍という名のアジアがそのまま大阪の街並みになる。
特にマイケル・ダグラスと高倉健が屋台で蕎麦を食べるシーンはデジャブ。
きっと当時日本を訪れたリドリー・スコットはとても印象的でこのごちゃごちゃの世界を映像化したいと思ったのでしょうね。当時は日本を舞台にした大作と思ってましたが、大阪でのロケは限られた範囲だったことに驚き。
若山富三郎の渋い演技もさることながら、やはり我らが松田優作の目力には感服です。
脚本は非常に80年代的でダグラス演じる主人公が八面六臂の大活躍なので、それはそれとして。
高倉健、松田優作、素晴らしい
ニューヨーク市警の刑事ニックとチャーリーはニューヨークで殺人を犯したヤクザの佐藤を逮捕したが、政府間取引で日本へ護送することになった。しかし目的地の大阪空港に到着するなり、佐藤の仲間が警察になりすまし、逃げられてしまった。英語がほとんど通じない異国で困惑しながらも、ニックとチャーリーは松本警部補に監視されながらも、佐藤の追跡を始めた。そして、チャーリーが佐藤に・・・てな話。
容疑者護送から騙されて逃亡、そして仲間を殺された復讐、日本を舞台になかなかのストーリーで面白かった。
高倉健も英語も悪くなかったし、神山繁の貫禄あるボスぶりも素晴らしかった。
松田優作の遺作らしいが、悪役やらせたらさすがだと思った。
これがハリウッド映画とは、良かったし、面白かった。
別に内容は至(イタ)って普通だが…。
久々に観た。
内容がどうこうではでは無いと,私は思う。
がしかし,今は亡き松田優作の遺作という事&あの高倉健も共演での作品と観ると(そう言う観方はしてはいけない!と思うが),
あの迫力ある迫真(ハクシン)?{他なんて云(イ)う?}の演技を,日本だけじゃ無い!映画史上に残る作品となっているんだろうなぁ〜⁈なんて,他人事の様な言い方だが改めて感じた次第であったのかなぁ〜⁈
この手?の作品を観て毎回感ずる事だが、男って(私も男だが)何故(ナゼ)?追求していくと最終的には,血🩸若(モ)しくは殺し,ヤクザに辿(タド)り着いていやしないかい⁈
芸能界には入りたくてもそうは簡単に入れる世界では無いと思われるが、ソレをクリアしちゃうと,行き着く所は世間的には?拒否されがちなヤクザ?若(モ)しくは殺し?という方向に向かう傾向がある様に思われる。
非常にそう感じさせるいい例としては,頭がいいビートたけしは、やたらとヤクザ映画ばかりを撮っている様にも思われるが…。
やたらとワルモノ扱いする云い方になってしまう悪い癖(クセ)で有る事は解(ワカ)ってはいるが、多分目立ちたがり屋でもある処から実は,僻(ヒガ)んでいるんとちゃうの?と自分が自分で感じる処でもである次第であった…。
ブレードランナーとの相似形
つい先日「ナポレオン」を観たばかり。昨年は「最後の決闘裁判」を観ているし、リドリー・スコットの芸域?の広さには感服するばかり。
さて本作を久しぶりに劇場でみて気づいたのはこの映画の7年前に公開されている「ブレードランナー」との相似。夜の大阪の光景と近未来ロスアンゼルス光景がよく似ているってのはもちろんあるんだけど、松田優作率いる半グレ一味とレプリカント集団はよく似ている。佐藤の指示で貸金庫に偽札の原版を取りに行く一味の女の衣装や雰囲気はブレードランナーのレイチェルにそっくりだし。内田裕也はじめ一味のメンバーはヘルメットなどで顔を隠していることが多くセリフも少ない。何か非人間的でモンスター佐藤に機械的に操られている感じがするのもこれは狙いでしょう。ただガッツ石松だけは例外で彼だけはさすがのリドリー・スコットも演技指導できなかったんじゃないかな。
古い任侠組織が新時代の暴力集団に生理的な嫌悪感や抵抗感を感じるのは割とよくある話でそのあたりはブラックレインの言葉の意味合いとともに若山富三郎演ずる親分が映画内で説明している。
この新しい暴力集団の個性を表現するために監督は自作のレプリカントをサンプリングしたのじゃないかな。
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