劇場公開日 2007年4月20日

「年齢を重ねた哀愁の漂うロッキーの姿」ロッキー・ザ・ファイナル Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5年齢を重ねた哀愁の漂うロッキーの姿

2013年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )

 ロッキー連作の最後と一応言われている今作は、前作同様に第1作の流れを組む不器用なロッキーが登場する。あちらこちらで第1作を連想させる場面が登場して、演出も第1作に依存しているのは古き良きあの時を感じさせるが、過去の名作の遺産にすがっているという失望感も同時に多少は湧き上がる。やはり第1作には遠く及ばないのだ。
 劇中のロッキーは家族にも金銭的にも特別恵まれているとは言えない様子で、年齢を重ねて孤独と哀愁が漂っていた。そんな暗い雰囲気だったのだが、だんだんと話が大きくなって無謀ともいえる挑戦をしてしまうのがロッキー。30代も半ばになれば老齢と思われてしまうボクシングの世界で、これは流石にやりすぎで駄目だろうと物語の成り行きには見ていて違和感というか不自然さは感じてしまう。
 だがあの年齢でまだあれだけ鍛えられたスタローンの肉体を見ていて、若いころのような栄光にはたどり着けないと知っていても、とりあえずいつまでも前に進もうと動いているスタローンとロッキーの姿はやはり嫌いではない。ロッキーも作品も無理しているし、同じように試合を見て同じような音楽を流されてもロッキーの若いころのような感動や素晴らしさはもうなかったのだが、これはこれで懐かしさと年齢を重ねた男としての生き様が見られた。

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Cape God