劇場公開日 2007年4月20日

「【サヨウナラ ロッキー】」ロッキー・ザ・ファイナル ほうさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0【サヨウナラ ロッキー】

2012年6月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

冷静に見れば脚本のベタっぷりは凄まじいし、過去作観賞前提強めの内容等 シリーズ未見者を排斥する作りは気になる。 加えて監督スタロンの演出も決して巧いとは言えず他にもっといい監督はいくらでもいるだろう。
だが…。

シリーズ「5」から今作迄の長い空白を補完する描写は 過去シリーズへの想いに溢れているし、監督スタロンの不器用な演出も そのままロッキー自身の不器用さへとピタリと重なるのだ。 〜 ボクシングしか出来ずに再びリングに戻るロッキーは そのままアクションしか出来なかったスタロンその人であり、劇中ロッキーとスタロン自身の心象は全く同じものだろう。
巧い下手の次元を越えこれは「スタロン自身が監督した事」そのものに意味がある映画なんだ(T-T)
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自らの映画人生と劇中ロッキーの人生をオーバーラップして訴える言葉は どんなに不器用でも 否、不器用だからこそ胸を打つ。
夢を勝ち取る事を主題にしていた初期作品に対し、この最終作では 夢を失った者の自己認識性崩壊危機(アイデンティティークライシス)により「決して夢を諦めるな」と力強く説く。 その訴えは定年退職前後の世代に最も響くのではないだろうか。
息子とのエピソードや、拳で心の交歓を果たす試合も力強いメッセージだった。
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最後に オカエリ、アリガトウ、そして寂しいけれどサヨウナラ…。
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《劇場観賞》

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ほう