シュリのレビュー・感想・評価
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【朗報】来年上半期くらいに劇場公開っぽいですよ(版権問題解消のため)
韓国で研究所の要人などが暗殺される事件が頻発する。
容疑者は北朝鮮の女性工作員イ・バンヒ。
彼女を追って捜査を進めるジュンウォンとジャンギルは、この事件に韓国で作った液体爆薬のCTXが関係していると知り研究所を訪ねる。
しかし、それは既に奪われた後だった。
そして、ジュンウォンは悲しき真実を知ることになる。
第36回東京国際映画祭にて「韓国における日本大衆文化開放25周年特別上映」として鑑賞。
現在配信でも観ることの出来ない普及の名作を観れる上に監督のトークショー付きともあって、元々の予定を蹴って初めて東京国際映画祭で映画を鑑賞した。
まずは嬉しいニュースから。
出資元であったサムスン映像事業団の廃業によって長らく無くなっていた上映権が回復。
来年上半期頃を目処に韓国と日本での劇場公開(恐らく今回観たデジタル・リマスター版)の予定があると監督からあった。
それに伴ってサブスクなどでも観れるようになるかもしれない。
それでは本題。
今でこそ韓国の映画というとアクションやサスペンスのイメージがあるが、当時は韓流ブームの前夜。
今一般的に知られている韓国映画はほぼ2000年以降のものであり、韓国アクション、韓国ノワールはもちろん韓国の映像作品、もっと大きな言い方をすれば現在の韓国カルチャー流行の先駆けと言っても過言ではない、非常に重要な作品なのかもしれない。
予告でも使われている、サイケデリックな音楽に乗せた冒頭の犯行のシーンなんかは、90年代の日本のサスペンス映画の影響をモロに受けてそうだし、禁断の恋は後の韓流お得意の分野だろうし、この作品のヒットが大きな分岐点の一つである事は確か。
あくまでもラブロマンスの形を取りながらも、並行して緊迫感のあるシーンを、描くところはしっかりと描いている。
シンプルだが面白い。
そして、分かっているけれどとても切ない。
「魚」というキーを中心に展開するストーリーはロマンチックかつ残酷で、多くの人を惹きつけるだろう。
さらに何よりも特徴的なのが、当時に朝鮮の南北対立を扱ったという点だと思う。
日韓ワールドカップを控えた当時、2000年頃はまさに融和ムードの高まっていた時期。
そんな時期に本作は製作された。
現状では互いに分かり合うことも互いを許すこともできない憎い相手。しかし、どうしても切り離せない関係。
そんな両国民の本音がこの映画の2人に映り、大きな反響を呼んだのではないだろうか。
翌年、『JSA』に主演するソン・ガンホが脇役というのも非常に興味深い。
ハン・ソッキュ、キム・ユンジン、ソン・ガンホ、チェ・ミンシクと若き日のスター達の共演が見れるのだが、とりわけチェ・ミンシクに驚いた。
渋カッコよすぎる。
『オールド・ボーイ』での彼しか知らなかったため、生ダコ食ってるワイルドなおっさんみたいなイメージだったが、『オールド・ボーイ』とは違う冷徹さがあり惚れた。
トークショーで監督が「当時の韓国では既にテレビで様々な役をこなせる俳優として知られていた」と仰っていたので、俄然興味が湧いてしまったかも。
やっと見れた!!いまの豪華俳優陣による王道作品
ことし、韓国映画にはまり、日本における韓国映画の歴史において欠かせない、この作品。配信もなく、観たくてもなかなか観られませんでしたが、このたび、東京国際映画祭で鑑賞できました。
南北のスパイアクションはいまではありきたりのものとなっていますが、日韓ワールドカップの和平ムードのなか作られたということで、当時はまだまだ珍しかった模様。
話はおおよそ予想できるし、わかりやすく作られてはいるけれど、撮影の規模やエキストラの数はなかなかのもの。チープな感じはせず、ヒットしたのもうなずけます。
そして、俳優陣。若かりしときのチェ・ミンシクが深みと凛々しさを併せ持っていて、本当にかっこいい。ソン・ガンホも変わらず演技がうまい。
南北問題と人間関係をうまく絡めたメッセージもエンタメながら感じ取れます。
2024年にリマスターで公開されるかも、ということで、期待です。
2023年劇場鑑賞99本目
イ・バンヒ
久々に韓流コーナーの棚を見ていて、手が伸びました。観た作品の劇中役名を覚えていることって、わたしは多くないのですが、イ・バンヒは記憶にありました。何年ぶりだろうか?再見しました。
韓流にはそれ程の知識もないですし、思い入れはないのですが、この作品は面白いと思います。今回はネタを知ってましたが、初見の時は袖ぐちからの出血のところまで、とてもドキドキしたものです。
最後、ウルッとしてしまいました。
済州島にいた女性、キム・ユンジンさんの二役じゃないですよね?
抱きしめてあげてよ
初めの北朝鮮工作員の訓練シーンは迫力があって、とてもかっこよかった。
でも途中で、なんで?って思うところがあった。
例えば、百発百中だった女スナイパーが、何故か玉を外すところ。人と人の間を歩きながら撃つ芸当が出来た彼女なら、対象者の向かい合った人が立ち上がることくらい読めたのでは、と思った。確実に殺してきた彼女が、読めない状況下で引き金を引くかなぁ。
わざと外したのかな。
銃を引く指は迷いなく引かれてたけど。
そこの表現をもう少しなんとかして欲しかった。
他には、南側の警官が北の工作員数人を追い詰めながら打ち合うシーン。
北の男工作員の銃の弾が全然無くならないことに冷めた。あんなちっさい銃だったら、すぐ弾なくなるよ。
敵の攻撃は全然当たらないし、装填もせずにずっとバンバン撃ってるし、この人めちゃくちゃ強すぎだろ、と思った。かと思えば、最後の揉み合うところシーンでは、
ナイフ持ってるのになかなか出さずに拳で戦ったり、ナイフ奪われて逆にさされたり、急に弱すぎんか?って思った。
彼女が成り代わった人が生きているのにも謎。
本人が生きてたら、成りすませなくないか?と。
CTXの爆弾がどこにしかけられてるかも、映像的によくわからず。電灯の中なのかな。
首相の頭上の電灯の中ってこと?
他のCTX爆弾はいったいどこに仕掛けたのか、結局分からずじまい。何個もあったんじゃなかったっけ?
最後の爆弾のカウントダウン寸前で止めるのとか
女スナイパー、あんなでかい銃持ってるのになんでバレないのか、とか
ソンガンホの死に方が下手だったり笑
けっこうツッコミどころがあった。
お互いに愛していたという割には
初めのベットシーンくらいしか二人きりのシーンがなかったので、2人の深い愛を感じることが出来ず、
そこまで感情移入できなかった。
普通の女性として生きたかった彼女の気持ちをもっと描いて欲しかった。
彼女を撃った後、後ろ向いて去る彼氏に
最後くらい抱きしめてあげてよーーって思った。
北と南での境界線がそうさせてしまったのかもしれない。
キッシンググラミー
偶然の出会いから恋に落ちた韓国の諜報部の男と北朝鮮の工作員の女。タイトルのシュリは北朝鮮部隊の作戦コードネームで朝鮮固有の魚の名前。今は国が分断されて離散家族だが統一されれば同じ川で再会できる的な意味を持つ。だから北朝鮮が悪いとかじゃなくて南北統一を目指してる活動。テロではある。
銃撃戦に狙撃に自爆にビル爆破。スパイアクション映画らしい作品。
はじめの方にキッシンググラミーの話しが出てきて、私たちの事みたいだなんてイチャイチャするんだけど、やっぱり彼は彼女を撃つ。意図的な接近だったんじゃないかみたいな取り調べ受けてたけど、工作員だったら相手の素性を調べたりしないのだろうか。ラストにもキッシンググラミーの話。悲恋。
愛した女は、工作員でした。
熱帯魚キッシング・グラミーマニア向けの映画なんかなと思いきや、鬼よりもタチが悪くて人でなしでろくでなしでチンカスのキタチョーセンの特殊工作員が滅法美人だよね…って作品。
愛する者同士の国家を背負った殺し合いは観てて美しいものがある。
何度観て、何度泣いたでしょう・・・
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韓国のエリート情報部員と、北朝鮮の美しき女工作員の悲恋を描いた
アクション・ロマン。
韓国情報部員ユ・ジョンウォンは、アクアショップを経営する恋人
イ・ミョンヒョンとの結婚を一ヵ月後に控えて、北朝鮮の女工作員
イ・バンヒを追っていました。
そんな矢先、北朝鮮特殊部隊の爆破目標が、要人が集うサッカーの
交流試合が開催されるスタジアムだと突き止めます。
ここで、ユ・ジョンウォンにとって、衝撃的な事実が発覚。北朝鮮の
女工作員の正体が誰なのかを知ることになります。
そして、最後に悲しいクライマックスを迎えます。
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「最後の悲しいクライマックス」
ユ・ジョンウォンを見つめながら、
倒れていくある女性の姿に、
私は号泣してしまいました。
北朝鮮工作員と韓国諜報部員との
壮絶なアクションシーンが、
非常に高く評価された映画です。
でも、私はそれより映画の、
素晴らしい企画構成を
評価したいと思います。
何度観ても、感動し、涙する映画、
「シュリ」
まだ観ていない方は、
ぜひ一度ご覧ください。
私ほど、
涙することはないかもしれませんが。
悪いけど笑ってしまった
現代の朝鮮半島版「ロミオとジュリエット」。
ロミオは南の刑事。ジュリエットは北の工作員。
スケールはハリウッド級。
この映画によると、北の工作員は自分が追い詰められると爆弾をのんで自爆させるらしい。実情がどうかは知りませんが、それをわざわざ、一発でマネキンとわかる人形つかって、爆死させるシーンを正面から撮らなくてもいいでしょう。悲しいというよりも、そういうシーンを撮ること自体の悪趣味ぶりにドン引きです。
映画全体は、泣かせる要素をとりあえず何でも詰め込んだデパートのような映画です。そのたたき売りぶりに逆に笑ってしまいました。
壮絶なる想いが詰まったラストシーン
同じ民族でありながら、そのきずなを引き裂かれた南(大韓民国)と北(北朝鮮)。
そして、その悲しき現実が、ハン・ソッキュ演じる韓国の情報機関員と、小さな頃から殺人兵器として育てられたキム・ユンジン演じる北朝鮮の敏腕女性スナイパーの幻のような恋物語を通じて語られていくのです。
この当時、世界中で大ヒットしたタイタニックの動員記録を本国にて塗り替え、さらには日本でも韓国映画としては異例の大ヒットとなった映画ですが…、
韓国ではこのシュリ公開の数年前、1997年にはデフォルト(不良債権化)寸前の“通貨危機”に見舞われ、再建が非常に困難な経済状況に陥っていました。
しかし、その後、官民一体となって行われたIT事業などの成功により一気に巻き返し、2003年からは実質3~4%の経済成長を遂げています。(詳細な文献を精査しておらず一部あやふやかもしれない事をお断りしておきます。また現在もウォン高によるインフレ懸念を抱えており決して豊かな国になった訳ではないかもしれません。)
私が言いたいのは、韓国においてこの困難な経済状況打開の裏に、シュリが出現したということです。これは困難を打開していくその裏に文化復興があった。決して経済理論や政治テクニックだけではなく、民衆による文化・芸術の蜂起により国が再び、復活の狼煙をあげた!とも言えるのではないでしょうか?
“人間”が演じる、さまざまな想いが詰まったその、かんばせ(顔)…。
私は、シュリのラストシーンで、件の二人が、心の奥で未だ愛してやまない恋人に対して銃を向けあうその表情が忘れられません。
そして、たまたまチケットを頂き観戦する事ができた日韓共同開催の2002年ワールドカップ、イタリア対韓国の一戦で、スタジアムを揺るがす『アリラン』の大合唱が今でも忘れられません。
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