シュリ : 映画評論・批評
1999年12月24日更新
2000年1月22日より丸の内ルーブルほかにてロードショー
ハリウッドへ挑戦状を叩き付ける、超ド級のコリアン・ムービー
「こんなのありかよっ!」とどよめく、驚嘆、驚愕、ア然、ボウ然のスゲぇ映画。韓国国内でド級のヒットを放ったのもうなずける。
緊迫の朝鮮半島。南北統一の願いを込めた、ソウルのナショナル・スタジアムで南北サッカー交流試合が行なわれる。熱戦のスタジアムの下…そこではなっなんと北の特殊部隊と南の諜報機関が大銃撃戦で激突なのだ! 民族統一の夢をも打ち砕くスゴさ。平和の願いをぶち壊す凄絶さ。韓国映画界が北側にケンカを売った? 世界映画史に語り継がれる〈本気のバトル映画〉だ。
こんな映画、創っちまっていいのか、おい。
表情変えずに南の人間を殺す女性スナイパー(狙撃者)と特殊部隊が北から潜入、南の各都市で破壊活動をくり広げるというストーリーは現実的で危険すぎないか。特殊部隊の隊長が南の諜報員に「北は食料がなく飢えているのに、南の奴らはヘドを吐いてる。許せねぇ!」とキレる場面 では、思わずのけぞった。そこまで言わせるか、普通?
南の諜報員ジュンウォンと北特殊部隊隊長パクが拳銃突きつけながら怒鳴り合い、大銃撃戦へとエスカレートするクライマックスに興奮。「ダイ・ハード」も「マトリックス」も超えている。韓国映画って、スゲぇ!
(田沼雄一)