サンコースト

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映画レビュー

4.0サーチライト作品

2024年3月28日
iPhoneアプリから投稿

意味は正確ではないかもしれないが、
アドレナリン
興奮
ドーパミン
刺激

以上を重視する作品、
いわゆるハリウッド作品に多い。

そして、

セロトニン
安心
オキシトシン
幸福。

は、
日本映画、
サーチライトピクチャーズでよく観られる。

世界中をマーケットにした大作を製作し続けていた20世紀フォックスが、
90年代初頭に子会社を作って、
ハートフルなサーチライトで探さないといけないような目立たない作品、
いわゆるアート系、
日本では単館系作品(小規模での公開)ともいわれるような作品を製作し始めた。

何も起きない喜び、
何も起きない哀しみ、

小さな幸せと不幸せを、
集めて積み上げていくような、
目立たない作品に火を灯す、
サーチライトピクチャーズ。

そんな目立たない作品でも、

あのファンファーレ、
ウディ・ハレルソンの優しい芝居、
ローラ・リニーの、
笑いながらキレる芝居、
パステルが基調色のプロダクションデザイン作品、

どんな名前になっても、
サーチライトは照らし続けてほしい。

小さな幸せと不幸せを、
集めて積み上げていくような、
目立たない作品に火を灯す、
サーチライトピクチャーズ。

そんな目立たない作品でも、

あのファンファーレ、
ウディ・ハレルソンの優しい芝居、
ローラ・リニーの、
笑いながらキレる芝居、
パステルが基調色のプロダクションデザイン作品、

どんな名前になっても、
サーチライトは照らし続けてほしい。

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蛇足軒妖瀬布

4.0当事者じゃないと本当のことは分からない"全ての命は尊い"

2024年3月19日
Androidアプリから投稿

当事者じゃないと本当のことは分からない"全ての命は尊い"

どうか手遅れになる前に気付いて!後悔してほしくないから…そして、不器用に壊れた黄色い車は、いつも家族をどこかへ連れてってくれる(ex.『リトル・ミス・サンシャイン』)=時に衝突もするけど完璧じゃないからこその家族の愛しさ

作中その時々の心の揺れ動きや感じる葛藤がすごくリアルで、たとえ同じ経験をしていなくても、根幹にある部分からきっと観客もあの日あの時の自分をどこかに見出だせてしまいそうなドラメディ。もっと一緒にいられる時間を大事にすれば、なんて過ぎ去った後から思うんだ。生きている間、できるうちにもっと話しかければよかった、とか頭では分かっちゃいても、やっぱり実際に自分が経験してみないと、本当の意味では分からないこと。けど、亡くなった後も人生は続く、景色が変わるだけ。人生を楽しまなきゃ。
先人たち経験者は語る。"らしい"存在感で、自伝的なカミングオブエイジ映画である本作を支え、主人公に寄り添い導くようなウディ・ハレルソンと、ノンデリにも程がある言動など一見強烈ながら実は複雑なキャラクター像で本作でも素晴らしい存在感を放つローラ・リニー(病室の異音に反応して口真似するシーン爆笑した)。そういう意味で、この人生の先輩・大人2人は、上述したような言葉の意味=大切な人との死別を本人の経験から肌でわかっている。…から主人公には同じ思いをしてほしくない、と。愛する伴侶の存在あるいは不在、決してきっと本当の意味では埋まることのない穴だ。
ホスピスと高校生活ハイスクールライフ。"普通の女の子"になりたい、という誰もがきっとそう思う等身大の主人公(ニコ・パーカーよかった!)。兄の看病で失われた子供時代の反動から友達という友達もいないまま影の薄い存在としてクラスメイトに認識もされず過ごしてきた彼女は、ふとしたきっかけから背伸びして混ざろうとするけど、やっぱり普通の十代じゃない。そして、それは何も看病で奪われた(費やした)時間のためだけじゃない。"普通"じゃないから好きなんだ。黄色い壊れた車に、主人公が冒頭着ているオレンジ色の服など、小物使いも印象的かつ効果的でよかった。

P.S. 活動家ポールの妻だと多くの人が思うだろうけど…。

「(大麻)今はやめてるけど、そろそろ再開しようかなかと」
「彼が世界からいなくなる瞬間、その場にいないと」「看取るまでここが家」
normal girl
「当事者じゃないと本当のことは分からない」

このアプリの下書きとかいう紛らわしい機能…。

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とぽとぽ

3.5介護と学園

2024年2月24日
PCから投稿

映画Suncoastは監督Laura Chinnのデビュー作で監督自身の実体験──10代のとき弟が脳腫瘍になりフロリダのサンコーストというホスピスで最期を迎えるまで6年間介護にあたったこと──にもとづいて書かれている。

折しもサンコーストは当時メディアの渦中にあった。
1998年から2005年にかけてTerri Schiavo事件という生命維持・尊厳死に関する係争があった。
植物状態に陥った妻に対して法定後見人だった夫は栄養チューブを外すことを選択したが、妻の両親は人工栄養および水分補給の継続を支持し、植物状態であるという医学的診断にも異議を唱えた。
この裁判は「死ぬ権利」をめぐって活動家や権利団体を巻き込んだ議論となりメディアでも盛んに報道されたそうだ。

主人公ドリス(Nico Parker)は母クリスティン(ローラ・リニー)と末期癌によって植物状態になった兄と暮らしている。
片親である母は生計をたてるために働き通しで、もっぱら兄の世話をするのはドリスの役目だ。母は仕事疲れと露命の兄を嘆いて不機嫌を隠さず、いつもドリスにつらくあたる。兄の介護に時間をとられるドリスは学校で誰とも話をしたことがなく友達もいない。いよいよとなり兄をサンコーストに入居させ、ドリスとクリスティンは最期の時にそなえる。

サンコーストの周辺ではプラカードを掲げた集団がデモをやっている。前述したTerri Schiavo事件によって湧いた反安楽死活動家たちであり、そのひとりポール(ハレルソン)とドリスは言葉を交わすようになる。

本作のハレルソンはThe Edge of Seventeen(2016)の教師同様に良識とユーモアをもった寛大な男で、ふたりの意見は食い違うものの、ふわりとした友情が生じる。

ポール:「それでもどんな命だって尊い」
──ちょっと笑って、
ドリス:「おもしろい話じゃないのに何で笑ったんだろう。ごめんなさい、長い間誰とも話してないの。兄の世話ばかりに時間を取られて、人と話してない」

ドリスは兄の介護から解放されることを望んでいるが兄の死を望んでいるわけではない。しかし解放と兄の死はイコールであり、それが彼女に深刻なジレンマをもたらしている。
ポールは最愛の妻を亡くした経験から尊厳死が一種の嘱託殺人であるという立場をとっている。おそらくそれは宗教的な立場でもあるだろう。
Terri Schiavo事件は中絶問題にまで伸展し大規模なイデオロギーの対立に拡がった。

個人的には昏睡状態のまま生かしておくなんて愚の骨頂だと思う。中絶もその母胎の主たる女性の自由だろう。
死ぬことや中絶を自分で決められる権利は今後の社会に必要であり正解だ、逆は不正解だ。(と個人的には思っている。)

ただしそういうことは公でおいそれと言えることではない。社会には人命に関しては神妙にするという不文律がある。そこへ自身の体験や宗教が絡みあって、人それぞれ頑なな(かたくなな)死生観が形成されていくのだ。

そんな謹厳で物悲しい死と比べると、ドリスのまわりのクラスメイトたちはまるでミーンガールズのように気楽で陽気な学園生活をやっている。
裕福な屋敷に住み、色恋と夜ごとのパーティ、コンバーチブルを駆り、年齢を偽ってクラブへ行き、アルコールも飲めば大麻もやる。

ドリスには自分の惨めな世界とクラスメイトたちの煌びやかな世界のギャップをうめる回答が見いだせない。

──そんな感じのことが描かれている。ドリスとクラスメイトの格差が大きくてハラハラするが言いたいことがわかる誠実なデビュー作品だった。

また兄の死に臨床して大人びてしまったドリス=Laura Chinnが感じたギャップに加え、日本映画とあっちの映画の成熟度のギャップも感じる映画だった。いつもながら。

ラブアクチュアリー(2003)にはふたつ悲しいエピソードがあった。
アランリックマン演の夫が過剰包装にこだわるローワンアトキンソン演のクラークに包んでもらったジュエリーがじぶんへのプレゼントではないと知ったエマトンプソン演の妻のエピソード。
もうひとつは精神病を患う弟がいて昼夜の別なく弟からかかってくる電話に応対することで自分の幸福が棚上げになってしまったローラリニー演の姉のエピソード。

ローラリニーは哀切か狷介かなんにせよ気楽なキャラクターを充てられない人でこの映画でもそれが生かされた。

imdb6.6、Rottentomatoes76%と87%。

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津次郎

3.5目線によってとらえ方が違ってくる

2024年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

主人公ドリス目線で観るか母親目線で観るか。
この映画は感じ方やとらえ方が違ってくる。
どうしても親目線で観てしまい、
ドリスの行動に苛立ってしまう。
ドリス目線で観ればこうなってしまうのか。
肉親を失うときの気持ちが分かっているので
ちょっとやるせなさが残る。
「命は尊いもの」
残されたものはそのあとも人生がある。

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tom
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