配信開始日 2024年2月9日

「当事者じゃないと本当のことは分からない"全ての命は尊い"」サンコースト とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0当事者じゃないと本当のことは分からない"全ての命は尊い"

2024年3月19日
Androidアプリから投稿

当事者じゃないと本当のことは分からない"全ての命は尊い"

どうか手遅れになる前に気付いて!後悔してほしくないから…そして、不器用に壊れた黄色い車は、いつも家族をどこかへ連れてってくれる(ex.『リトル・ミス・サンシャイン』)=時に衝突もするけど完璧じゃないからこその家族の愛しさ

作中その時々の心の揺れ動きや感じる葛藤がすごくリアルで、たとえ同じ経験をしていなくても、根幹にある部分からきっと観客もあの日あの時の自分をどこかに見出だせてしまいそうなドラメディ。もっと一緒にいられる時間を大事にすれば、なんて過ぎ去った後から思うんだ。生きている間、できるうちにもっと話しかければよかった、とか頭では分かっちゃいても、やっぱり実際に自分が経験してみないと、本当の意味では分からないこと。けど、亡くなった後も人生は続く、景色が変わるだけ。人生を楽しまなきゃ。
先人たち経験者は語る。"らしい"存在感で、自伝的なカミングオブエイジ映画である本作を支え、主人公に寄り添い導くようなウディ・ハレルソンと、ノンデリにも程がある言動など一見強烈ながら実は複雑なキャラクター像で本作でも素晴らしい存在感を放つローラ・リニー(病室の異音に反応して口真似するシーン爆笑した)。そういう意味で、この人生の先輩・大人2人は、上述したような言葉の意味=大切な人との死別を本人の経験から肌でわかっている。…から主人公には同じ思いをしてほしくない、と。愛する伴侶の存在あるいは不在、決してきっと本当の意味では埋まることのない穴だ。
ホスピスと高校生活ハイスクールライフ。"普通の女の子"になりたい、という誰もがきっとそう思う等身大の主人公(ニコ・パーカーよかった!)。兄の看病で失われた子供時代の反動から友達という友達もいないまま影の薄い存在としてクラスメイトに認識もされず過ごしてきた彼女は、ふとしたきっかけから背伸びして混ざろうとするけど、やっぱり普通の十代じゃない。そして、それは何も看病で奪われた(費やした)時間のためだけじゃない。"普通"じゃないから好きなんだ。黄色い壊れた車に、主人公が冒頭着ているオレンジ色の服など、小物使いも印象的かつ効果的でよかった。

P.S. 活動家ポールの妻だと多くの人が思うだろうけど…。

「(大麻)今はやめてるけど、そろそろ再開しようかなかと」
「彼が世界からいなくなる瞬間、その場にいないと」「看取るまでここが家」
normal girl
「当事者じゃないと本当のことは分からない」

このアプリの下書きとかいう紛らわしい機能…。

とぽとぽ