Ryuichi Sakamoto | Opus

劇場公開日:

解説

2023年3月に他界した世界的音楽家・坂本龍一の最後のピアノソロ演奏をモノクロ映像で記録したコンサート映画。

22年9月、東京のNHK509スタジオで行われた坂本龍一のソロコンサート。闘病生活を続けていた坂本は最後の力を振り絞り、自身のためにカスタムメイドされ長年コンサートで愛用してきたヤマハのグランドピアノだけで演奏に臨んだ。坂本の代表作として知られる楽曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」、23年に発表した最後のアルバム「12」の収録曲、初めてピアノソロで演奏するYMO時代の名曲「Tong Poo」など、坂本が自ら選曲した20曲で構成。空音央監督をはじめ坂本が全面的に信頼を寄せたスタッフ陣が入念に撮影プランを練り上げ、親密かつ厳密な映像を生み出した。

2023年・第80回ベネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門出品作品。

2023年製作/103分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2024年5月10日

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映画レビュー

4.5音のしずくを体全体で受け止め心を揺らす

2024年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

坂本龍一が音響監修を務めた109シネマズプレミアム新宿で行われた試写会にて、本作に触れた。一年前に亡くなった坂本龍一がこのモノクロームの映像の中で確かに息づいている。映し出される彼の後ろ姿。鍵盤を押さえる指の動き。すっと息を吸って表現へと昇華させていく表情。本作に刻まれるのはピアノ一台を使った演奏シーンのみだ。インタビューや経歴紹介などのドキュメンタリー要素もない。セットリストには私が中学生の頃から何百回と聴き続けた楽曲も並ぶが、これほど体全体で一音一音を受け止め、荘厳に広がりゆく音色に心を揺らした経験は初めて。指先から繊細に生まれる音のしずくが、身と心をゆっくりと満たしていくのを感じた。観客のいないスタジオで収録されたコンサートゆえ、そこには拍手などの要素も一切ない。それゆえ教授の演奏が映画館の客席の私たち一人一人に深く親密に語りかけているように思えるのだ。これほど貴重な贈りものはない。

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牛津厚信

5.0教授が追い求めた美に聞き入る

2024年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽曲との別れを惜しむように
そして戯れるような演奏。
息遣いが聞こえるほどの親密な空間。

厳選された20曲の演奏。
映像でしかなし得なかった最後のコンサート。

教授の楽曲、特にAquaに救われた夜が何度もある。
人生を反芻し、体全体で聞き入った。

Nスペ「Last Days 坂本龍一 最期の日々」の地続きにある
教授が追い求めた美しさが結集したような作品。

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Hironori Skywslker

5.0タイトルなし

2024年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

坂本龍一 さんご本人、最後のピアノソロ演奏の記録映像。
個々の音を、そっと配置するような、丁寧な音作り。
若いころのようなイケイケな指さばきではないぶん、個々の音の深みが。

会場は、109シネマズプレミアム新宿、シアター7。
教授ご本人が監修した、究極の音響の映画館。
距離が無い? 配線も無い? 同じ室内に居る? ようにすら感じる体験でした。

この、混じり気のない音の紡ぎ。相応の音響設備だからこそ伝わってきました。

映像づくりの目線もすばらしく。
まるで、師匠や親を丁寧に観察して記録するような。
感嘆しかないです。

また何度か観にうかがって、理解を深めねばです。

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woodstock

5.0感動で涙

2024年2月24日
Androidアプリから投稿

泣ける

知的

おそらく自身最後であろう演奏に臨む
一人の偉大な作曲家の渾身の演奏の記録

静寂の劇場に響くその1音1音が、また
光と影に映される音を奏でる指と共に感動を覚えずにはいられない作品

涙する  どころか、しゃくりあげる程泣いてしまう感動
何度も観たい聴きたい作品

坂本龍一の作品をこれからも聞いていきたいと思う

芸術は長く 人生は短し

感動をありがとう

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ばにら
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