道で拾った女

監督と脚本は『島田陽子に逢いたい』いまおかしんじ

家に帰りたくない男と家に帰れない女のロードムービー

粗筋
ホームレスにレイプされそうになっていた汚らしい家出女のぞみを恐る恐る助けたトラック運転手春日部竜平
のぞみに服を買い与えラブホで入浴させ性病のため病院にまで連れて行った竜平
なんやかんやで1日五千円のバイトで運転手助手としてのぞみを雇うことになった竜平
のぞみは事故で幼い息子を亡くしパチンコにハマり多額の借金を作ってしまった
竜平は妻に3年間も浮気されていた

浜田は髪型と髭面のせいか内野聖陽っぽいがストロンガーでタイタンを演じた浜田晃の息子

心音がちょいブスなのがこの役には絶妙

佐々木心音と永井すみれのヌードあり
川上なな実のヌードなし

クライマックスは竜平とのぞみの濃厚な濡れ場
ロマンポルノ？

「7秒だけ」
別れる2人
またどこかで

配役
トラックの運転手の春日部竜平に浜田学
家出してホームレスになったのぞみに佐々木心音
竜平の妻の春日部久美子に川上なな実
希の夫に成松修
竜平とのぞみが道中で出会う子持ちのデリヘル嬢の島村ミホに永井すみれ
竜平とのぞみが道中で出会うミホが所属するデリヘル会社の幹部の峰岸五郎に川瀬陽太
ラーメン屋の経営が失敗し借金まみれの街頭詩人に東龍之介
久美子の浮気相手でスーパー従業員の今泉に伊藤和哉
峰岸を捕まえにきた組織の一員に小林敏和
ホームレスに伊藤ひろし
ホームレスに丸井大福
ホームレスに平沼誠士

だけど、変わらない、いや、変われないのが人間なのかもしれない。どこかで妥協しないと、落とし所をみつけないと。

まあ、失敗のない人生なんてつまらないから

相手が不幸だと決めつけて上から目線になる奴、自分の不幸を売り物にする奴、不幸をもっぱら他人のせいにして自助努力しない奴など、不幸や逆境について色々考えてしまった…とマジになる程でもないか。

一連のいまおか作品が続いているが、そんなにこの人の需要があるのか、不思議でならない　勿論全てを観賞しているわけではないし、とにかく上映館が限定されていて、関東だと新宿ケーズシネマのみだ　東京在住でなければこれだけのために、サービスデーが月に1回しかない映画館にどれだけの人が足繁く通うのかと(^_^;)　でも行くと人生の先輩方の多い事多い事ｗ　まぁ、どうでもいい映画館ディスリも此処までにして・・・

アットホームで、ほんわかして、そしてきちんと濡れ場がOP常連だけに演出されるという特徴のいまおか作品に於いて今作も又その延長線上にあるストーリーテリングである
冒頭いきなり主人公佐々木心音のなりふり構わぬ演技が爆発する　以前ならばもっと妖麗な姿が拝見されたが、ホームレスという役柄で顔も手足も汚れたメークでの登場に、歳以上のくたびれたおばさん感をオーバーと思える程の演技である　そんな女性ホームレスとなったら、ついて回るのが暴力行為であろう　そんなシーンでもう1人の主人公が登場し、初めは観て観ぬ振りをするが、なんとか助けてあげる　と、まぁ冒頭はこんな件だが、かいつまんでの粗筋は、ホームレス女の経緯は子供を事故で亡くしてしまった事でのメンタル崩壊故のパチンコでの借財　男の方は長距離トラッカーという職業故、家を空けている事が多く、寂しさ故の妻の浮気という、バックボーンが、何となく2人を近づかせて、一緒にトラックに乗って仕事を続けるという、ロードムービーである　途中、大金を拾ったり、デリヘル利用したり、そのデリヘル嬢の逃避を手伝ってあげたり、駅前で詩を売る元ラーメン店主に同情し、借金を無くすために金を貸そうとしたら全て持って行かれたりと、狭い範囲での人間模様が延々と描かれる構成である

その感情の起伏の範囲が、良く言えば尖っていなく安心感の範囲内であり、悪く言えば現在の映画のプロットよりもだいぶぬるま湯的なレベルであるから、それがおじさん、お爺さんには心を穏やかに鑑賞出来る原因かもしれないのだろう　そしてお目当ての性愛シーンはきっちりと過不足無く、しかしAVの様な力任せの迫力を抑えた演技に仕上がっていてその安堵感に幸福感を得られるという図式なのかもしれない　一寸のファンタジー、一寸のエロ、そして一寸の多幸感　その絶妙を描く、隙間産業の様なプロットに需要が途切れないのではと分析した次第である

所々のシーンの背景に見切れるラブホテルは、多分協賛なんだろうけど、こういうさりげなさも優しさを感じさせると思うのだがｗ