ほつれる

劇場公開日:

ほつれる

解説

演劇界で注目を集める演出家・劇作家の加藤拓也が、映画監督デビュー作「わたし達はおとな」に続いてオリジナル脚本で撮りあげた長編第2作。「あのこは貴族」「愛の渦」の門脇麦を主演に迎え、ひとりの女性がある出来事をきっかけに周囲の人々や自分自身と向きあっていく姿を描く。

夫・文則との関係がすっかり冷え切っている綿子は、友人の紹介で知りあった男性・木村と頻繁に会うようになる。ある日、綿子と木村の関係を揺るがす決定的な出来事が起こり、日常の歯車は徐々に狂い出していく。

夫・文則を「すばらしき世界」の田村健太郎、木村を染谷将太、綿子の親友・英梨を黒木華がそれぞれ演じた。

2023年製作/84分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2023年9月8日

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(C)2023「ほつれる」製作委員会&COMME DES CINEMAS

映画レビュー

4.0現代受けを逆行するも、真な映画好きを唸らせる

2024年3月23日
iPhoneアプリから投稿

2023年劇場鑑賞54本目 優秀作 70点

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サスペンス西島

3.5不倫がテーマだが濡れ場は一切なし

2024年2月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

加藤拓也監督作品脚本作品初鑑賞

妻綿子と夫文則
子供無し
夫婦関係は冷え切っていた
友人英梨の紹介で木村と出会った綿子
男女の関係に
木村は妻帯者
ダブル不倫
ある日2人は列車に乗り不倫旅行
今風のおしゃれなキャンプの帰りにそれぞれの家へ帰るため駅を出て別れたがその矢先に木村は車に轢かれ亡くなった
英梨は告別式に参列したが綿子は顔を出さず
後々綿子は英梨が運転する車で木村家の墓がある山梨に日帰り旅行
そこで2人は木村の父と会う
木村まだ墓に納骨されておらず
その日は文則と引っ越し先の家を観に行く日で綿子はそれをすっかり忘れていた
文則から電話がかかってきた
英梨や木村の父も電話に出る羽目に

不倫映画だが濡れ場は一切無し
コメディー要素もない
90分未満の短めの映画とはいえそれで「もたせている」たいしたものだ
出来が良い韓国映画を観てるよう
加藤拓也氏がそれだけ有能なんだろう
たぶん

綿子が未亡人に会い軽く説教されるシーンが印象的
こちらからはそのシーンは背中越しで綿子の顔しか見えない
わりと好きな構図

文則には前妻の間に息子がいる
息子と会う口実で文則は前妻と浮気をしていた
綿子も文則も不倫をきっかけにした結婚だった
文則の前妻や息子や息子を世話している文則の母は登場しない
少々とっつきにくい設定

木村の父は息子をはじめナオキと呼んだ
彼の下の名前がナオキとわかるのはこのシーン
綿子も英梨も木村くんと呼び下の名前で呼ぶことは一度もなかった
しかし2人に息子のついて語るとき父なのに息子のことを「彼」と呼んだ
飼い犬の事故をきっかけに中学の途中からずっと精神的に疎遠になったとはいえ
おそらく血のつながりがない親子関係なのかもしれない

話は淡々と進む
だけどなぜか欠伸は出ない
ラスト10分くらいで夫婦喧嘩
浮気相手の木村が既に故人だということを信じない夫文則
綿子が怒りを爆発させるクライマックス

別れることを決心し家を出る綿子

意外にありそうでなかなかない画期的に思える無音のエンドロール
もし映画館で観たら機械の故障を疑ったかもしれない

公開当時地元で上映されたのはフォーラム仙台のみ
通常イオンシネマで上映されるようなタイプの映画ではない
濡れ場がないことで人間としての高い知性すら感じた
自分がもう少しレベルが高ければもっと高い評価ができたのだが迷った挙句結局星3.5
しょせん自分は野暮天だから

自分はレビューで不倫がいかに駄目なのか力説するほど良心的な人間ではない
子供の頃からどちらかといえば模範的ではなかった
ヤフコメ民の多数派と共感したことなどまずほとんど無い
もちろん奨励はしないが叩く気にもなれない
だけどこれって赤の他人だしそもそもこれってフィクションでお芝居じゃないか
映画だよ
出てるのは役者さん
そこまで熱くなれない
まあだいたいいつものことでストーリーそのものにあまりのめり込まず自分に置き換えるという作業をいっさいやらないからかもしれない
本を読むのは好きだが本の内容について登場人物の心情などについて答えなければならないテストは嫌いだった
これを観て怒りを露わにするような人たちに対してどう思うかといえば全く理解できないし共感する気にもなれなかった
そういう人たちと視点が違うんだろう

あるベテラン女優が園児たちの前でディズニーにアレンジされたやつでない本来の『人魚姫』を演じた話を思い出した
王子様をナイフで刺そうとする直前の場面で園児から「殺せ!」とか「殺さないで!」という声が出たという
もし自分がその園児たちの1人ならおそらくそのどちらでもない反応を示したことだろう

濡れ場がない不倫映画はありだけどハッピーエンドの人魚姫なんてやっぱりありえないわ

配役
文則の妻の綿子に門脇麦
綿子の夫の文則に田村健太郎
綿子の浮気相手の木村ナオキに染谷将太
綿子の友人の英梨に黒木華
木村の父の哲也に古舘寛治
木村の妻の依子に安藤聖
道の駅店員の中田に佐藤ケイ
旅館の受付の原田に金子岳憲
靴屋店員の笹井に秋元龍太朗
救急センターの声に安川まり

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野川新栄

3.0ほつれていた

2024年1月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1人でも孤独、
気持ちの通じ会えない人と居ると、
1人の孤独よりもっと孤独。
その心の隙間を埋めるための過ち。
過ちを犯した時点で、既にほつれていたんだよ。

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上みちる

3.0門脇さんの演技

2024年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

夫婦のあいだの溝に空っぽな気配が行き来する。
溜まってきた湿気がすなぼこりを塊にするように少しずつ積み上がる。

それを掻き出し、きれいなリビングできれいに並べきれいな言葉で妻を責める夫は、保ちたいプライドの分の糊をそこにいつまでもぐるぐるまぜ入れながら、ものわかりよい大人の男の風味に近づく匙加減を絶妙だと自己満足しているようにもみえる。

自分の嘘を自分の本当で割ってゆるりとのみ込みその場を乗り切る妻の癖は、揺らぐほど曖昧にし見かけをフラットにしてみせる。〝それじゃない安らぎ〟の存在の証拠だった指輪を、現実をぼやかす中和剤にするかのように探す姿は完全に個を生きてると思う。

愛なんてもうどこにもみえない。

一瞬、和んでしまいそうになるほどの笑顔が挟み込まれるたびハッと我にかえり、隣にいる人が違うだけでこんなに人間て表情が変わるんだな〜と、しみじみおもったけれどあの時間も愛とは呼べなかったのかも知れない。

自分だけの一瞬のみが大切にみえるそれぞれの未来はどの道も同じ場所に辿りつかないことをうっすら感じながら、ジリジリとひやひやが混ざる居心地の悪い時間を過ごさせ、後味はもやりと微妙である。

そんな門脇さんの演技は細やかで自然でやはり素晴らしいのが確か。

コメントする 3件)
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hum
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