劇場公開日 2023年2月10日

  • 予告編を見る

「同じ映画館を使ってもこれだけ違う映画にできる」銀平町シネマブルース kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0同じ映画館を使ってもこれだけ違う映画にできる

2023年3月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

映画館が舞台だったり、映画を作ったりする映画は名作が多い(気がする)。うんうん、わかるよその気持ち、映画ってやっぱりいいよなーなんて思いにさせてくれる。基本的に映画愛や映画への情熱に満ち溢れているだけで嬉しくなるのかもしれない。
映画監督の近藤くんの再起、スカラ座の再建、貧困ビジネスに巻き込まれるホームレスの苦しい現状が描かれる。個人的にはホームレスの佐藤さんが印象に残る。ホームレスになってもあんな感じに映画を愛していけたら幸せだよね。
そしてスカラ座の60周年イベント。映画を上映する合間にいろんなドラマが展開していてとても面白かった。恋が生まれたり生まれなかったり、涙が溢れたり出来事があったり。映画が好きな人が集まって、映画を観て、語らい合うって楽しいに違いない。そしてイベントで上映された映画(映画中映画)が意外と面白かった。ミニシアター系ならあれはあれでありだ。さらに、いろんな日本映画へのオマージュが入っているのもいい。考え過ぎ?いや、あれはそうだと思う。一人でそう思ってニヤニヤするのもアリだ。映画の正しい鑑賞法の一つだ。
城定秀夫が監督だと意識していなかったけど、エンドロールで城定さんの名前を見て、あーやっぱりなと納得。道理でいいなと感じていたはずだ。やはり映画館を舞台にした映画は面白い。同じ映画館を舞台にした大御所が監督した映画とは大違いだ。
最後に。渡辺裕之さんが出演していることに驚いた。亡くなったのは結構前な気がするが、こんな形で再会するとは思わなかった。なかなか渋い演技を見せてくれていただけにもったいないと思ってしまう。エンドロールのR.I.P.の文字も悲しい。

kenshuchu