劇場公開日 2022年7月8日

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神々の山嶺(いただき)のレビュー・感想・評価

全105件中、101~105件目を表示

4.5登山家は愚かだが、だからこそヒトを魅了する

2022年7月8日
Androidアプリから投稿

原作未読の状態で観賞。

一人の風景写真家が消えた登山家の
人生を追っていくストーリー。

「なぜ山に登るのか?そこに山があるからだ」昔から聞き馴染みのあるこの言葉は登山家でこの映画にも関係するジョージ・マロニーの言葉(正確には『そこにエベレストがあるから』)。

登山家を職業だとするなら
おそらく『最も愚かな職業』と呼んでいい、と個人的には思っている。

彼らは山に登る。
その経験を糧にガイドをしたり講演をしたりなどの仕事に繋げるのが『登山家』の定義らしいのだが

そのために登山家は『命』を賭ける。

どう考えても割に合わない。
特に危険な山々に挑む、
この映画に出てくるような
いわゆる『アルピニスト』は
常人から見ればもはや狂気の域だ。

しかし、そんな常軌を逸する者だけが
一流の登山家として名声を手にし、
人々から憧れられるのだろう。

話が大きく逸れたが、
この映画を見れば
『なぜ山に登るのか』という謎に
自分なりの答えが出せるのかもしれない。

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サイレンス

4.0凄まじい音響と映像が壮絶な登山シーンを演出

2022年7月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

リアルにシビアで痛々しく重厚にのしかかり響き渡る山々の生命と対峙する人の性が躍動する。
容赦なく残酷な高所の物理的な不安定かつ不確実性が如実に欲望のままに群がる人間を淘汰して行くダイナミックな作品。

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ケセラッセーラ

4.0タイトルなし

2022年7月8日
Androidアプリから投稿

Life とちょっと似てる 登山ってあんなにほぼロッククライミングかボルダリングみたいなんですかね しかも山頂付近は雪だし天候不安定だし よほどの精神力と体力がないと無理だと思いました エベレストには3箇所難所がある、スポンサーやら申請が必要とか、記録作ってもまたすぐに破られるとか、登山家のリアルにも驚いた 結局何故それでも登るのかはっきりしなかった そこに山があるから?
なぜか🏔だけは実写のような画でした

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ゆう

4.5人はなぜ危険を冒してまで、山に登るのか

2022年7月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

ジョージ・マロリーの名を聞いたことはあるだろうか。
彼がエベレスト登頂に成功したか否かは登山史上最大の謎と言われている。
このマロリーがエベレスト登頂時に持っていたとされるカメラの発見をきっかけに物語はスタートする。

ストーリーは孤高のクライマー・羽生と、彼を追うカメラマン・深町の二人を中心に展開する。
彼らが不可能とされる冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑む姿を通じて観る人は何を感じるだろう。

私がこの映画を観て感じたのは、登山家たちの矜持であった。
彼らは他人が登頂に成功したのか否かはたいして興味がないのだ。
己が目標とする山への登頂に成功したか、しなかったのか、それに尽きるのだ。

「なぜあえて過酷な道を自らに課して、登山家は山の頂を目指すのだろうか。」
この映画を観た人にこの問いの答えを聞いてみたい。
(コメントしてくれたら嬉しいな。)

日本の作品が原作だけど、この映画の制作自体はフランスなのが本作の素晴らしいところの1つ。
キャラクターの雰囲気や日本の描写に違和感がなく、
エンドロールが流れるまで「外国作品」であることを忘れてしまうほどだった。
日本語版の吹替えを担当する堀内賢雄と大塚明夫は、制作側からのオファーだそう。
それがぴったりとはまり役なの、すごくないですか?!
他国が舞台の作品作って、他国の声優をしっかりと指定できるって、
そうとうその人の演技を見聞きしてこないと無理だよね。
日本への愛やら敬意やらがたくさん詰まった作品だった。

少し残念なのは、本作の原作者・夢枕獏先生の作風とか世界観を知ってないと
タイトルの重みとか劇中の描写とかが十分に楽しめない点かな。
原作本を読むのもいいけど、『呼ぶ山 夢枕獏山岳小説集』読んだ方がより分かりやすい気がする。
でも、改めて思うけど、夢枕先生の作品を谷口さんが漫画化して、それをフランスで映画化したのに、
ちゃんと夢枕先生の世界観がちゃんとアニメ化されているのってすごいよね。
観るまで、こういうミステリーは夢枕先生にしては珍しいな、とか思ってたけど、
観終わったら、「あ、やっぱり夢枕先生の原作だわ、納得」としか言えなくなった。

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スクラ

4.0登山家たちの情熱に圧倒される佳作

2022年6月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

渋谷ユーロライブでの試写会にて鑑賞。

登山家が命懸けで山頂到達に挑む姿は、危険極まりなく、すごいアングルで描かれたショットの連続にハラハラさせられっぱなしであった。
また、想像できないほどのアングルで登山中のサスペンス状態を見せてくれると同時に、風景を捉えたショットは「実写?」と思わせられるリアルさが素晴らしい。

「何が彼らをそこまで熱くさせるのだろうか…」と思ってしまうが、登山家たちも山に挑む理由を突き詰めるというよりは、「一度、山に憑りつかれたら、登山はやめられない」という沸々とした情熱が伝わって来るような映画であった。

この映画で綴られる「登山」は「絶壁の崖のぼり」もあり、垂直の岩壁をのぼる凄さは実写では困難。
CGを使えば映像化は可能かも知れないが、本作はアニメーションならではの温かみを感じる映画である。

自分は登山はしたことないが、井上靖の原作を読んで映画も観た『氷壁』、ザイルを切って夫殺しの容疑者にされる若尾文子の『妻は告白する』など、登山を描いた映画は幾つか観ている。
しかし、本作ほど「迫力ある登山映画」は初めてであり、観ている間、圧倒されまくった。

この映画、セザール賞の最優秀アニメーション映画賞を受賞したとのことだが、それだけの価値はある傑作と言えよう。

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たいちぃ