モガディシュ 脱出までの14日間

劇場公開日:

モガディシュ 脱出までの14日間

解説

「ベルリンファイル」「生き残るための3つの取引」のリュ・スンワン監督がメガホンをとり、韓国民主化から3年、ソウル五輪からわずか2年後の1990年、ソマリアで内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちによる脱出劇を映画化。ソウル五輪を成功させた韓国は1990年、国連への加盟を目指して多数の投票権を持つアフリカ諸国でロビー活動を展開。ソマリアの首都モガディシュに駐在する韓国大使ハンも、ソマリア政府上層部の支持を取り付けようと奔走していた。一方、韓国に先んじてアフリカ諸国との外交を始めていた北朝鮮も同じく国連加盟を目指しており、両国間の妨害工作や情報操作はエスカレートしていく。そんな中、ソマリアで内戦が勃発。各国の大使館は略奪や焼き討ちにあい、外国人にも命の危険が迫る。大使館を追われた北朝鮮のリム大使は、職員と家族たちを連れ、絶対に相容れない韓国大使館へ助けを求めることを決める。ハン大使役に「1987、ある闘いの真実」のキム・ユンソク、リム大使役に「国家が破産する日」のホ・ジュノ。第42回青龍映画賞で作品賞、監督賞ほか5部門を受賞し、韓国で大ヒットを記録した。

2021年製作/121分/G/韓国
原題:Escape from Mogadishu
配給:ツイン
劇場公開日:2022年7月1日

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映画レビュー

4.5終盤のカーアクションは、映画史に残る名シーン

2022年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

ソマリアで内戦が勃発し、現地に残された北朝鮮と韓国の外交官一家が、しぶしぶ協力しながら脱出作戦を敢行する……。これは設定からして面白そうだと思いましたが、本編を見たら、想像を遙かに超えるもの凄い映画でした。しかも、実話に基づく案件だそうです。コメディ要素を極力排し、リアリティかつ臨場感あふれる演出にしたのが大成功の要因ですね。終盤のカーアクション、武装した軍の道路封鎖と銃撃を突破し、最終目的地を目指す外交官車列のシークエンスは、映画史に残る名シーンではないかと。同時に「お金かかってんなあ〜」ってため息も出ました。今年の個人的ベスト10入りは確実です。

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駒井尚文|映画.com編集長

4.0国民が暴徒化する内戦

2024年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

1990年、ソマリアの首都モガディシュでキムユンソク扮する韓国大使ハンシンソンはホジュノ扮する北朝鮮大使リムと国連加盟について激しい競争をしていた。しかし内戦が勃発して大使たちは巻き込まれていった。

アフリカくんだりまで行って内戦は恐いね。大使の家族も大変だ。いきなり国民が暴徒化するからね。共通の恐怖の元では北も南もないものだ。子供たちすら武器を手にしている。如何にして脱出できるか。なかなかリアルで緊張感が伝わってきたね。

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重

3.5見応えはあるが?

2024年4月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

難しい

CSで録画視聴。
韓国映画らしく見応えはあった。
出演俳優の演技は見事。
ただ、今の韓国と北朝鮮の関係を考えると
この作品は難しいテーマ。
2023年に公開された極限境界線と比べると
今一つ。

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ナベウーロンティー

4.5「国」というものの存在を問い直される。

2024年1月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

互いにアンフェアな方法を使って、相手を陥れようとする韓国と北朝鮮それぞれの大使館員たち。
まさかと思った内戦が勃発し、命の危険が迫っても、なかなか相容れない。
大使館が襲撃された後、「いざとなったら乗っ取ればいい」という一言で、北朝鮮大使館員たちが、緊急避難的に韓国大使館へ逃げ込んでから、少しずつ展開のスピード感が増していく。
逃げ込んですぐに、子どもたちにソウルオリンピックのマスコットを見せないように目を覆う北朝鮮の大人たち。それに対して、韓国側の参事官も北朝鮮の人々の偽の転向書を作成して、外交官という立場上の手柄を画策するなど、互いの心理的な壁は高い。個々の命が脅かされるような状況でも、自国の主義主張を優先しようとする人々の姿を見て、「“国"という存在は、なんなのだろう」「どうしてそこまで従属できるのだろう」と考えさせられた。
国同士の争いを背負っている参事官たちは、殴り合う。それに対し、個人と個人の触れ合いを象徴する大使夫人たちは、おかずをそっと箸で押さえ取りやすくする。そうした対比的な描き方がとてもいい。また、両国の大使は、共に現実的で理性的なリーダーシップを取れる存在であることが丁寧に描かれているのも、この映画を薄っぺらくしてしまうことから救っている。
前段が過不足なくきちんと描かれていることもあって、協力を決めてから脱出までのシーンは、とにかく圧倒的な緊迫感と迫力で迫ってきた。だからこそ、最後のシーンで、互いに心を残しながら、それぞれの国の立場を尊重し合って別れる所が、余計にやるせなかった。

<本筋からは離れるが…>
銃をおもちゃのように扱うソマリアの子どもたちの姿や、一人の発した「警察だ」の声に、確かめもせず処刑を実行する人々の姿が、危険性を教えずに、子どもたちにスマホを持たせたり、SNSで犬笛を吹いて気に入らない相手を一斉に襲わせ炎上させたりする人々の姿と重なって見えてしまった。
本当に気をつけないと、案外、戦争状態には、簡単に突入してしまうのかもしれないと思ったら、背筋が寒くなった。

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sow_miya
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